1999/4/21

U23日本代表 VS NZ学生代表
日本VSNZU
66前半1530
0TRY2
0GOAL1
2PG1
0DG0
0後半15
0TRY2
0GOAL1
0PG1
0DG0


FW
1岩間(帝京大)
2左座(慶応大)
3山本(トヨタ自動車)
4大久保(サントリー)
5宮村(関東学院大)
6木曽(立命館大)
7野沢(慶応大)
8山口智(関東学院大)
HB
9辻(早稲田大)
10淵上(関東学院大)
TB
11筑井(リコー)
12山口大(サントリー)
13吉岡(関東学院大)
14四宮(関東学院大)
FB
15ニールソン(流経大)

途中交代
山口智→宮下
岩間→木下
山本→辻本
辻→月田
山口大→萩谷
筑井→山品
宮村→福永

時間試合経過得点
2分日本、中央15mPG成功。(オフサイド)3-0
14分NZUは自陣でのスクラムから右サイド攻撃。簡単に抜けて、最後はFBが右中間にトライ。G成功。3-7
18分日本、右中間15mPG成功。(オフサイド)6-7
20分NZU、中央15mPG成功。(オフサイド)6-10
35分NZU、日本ゴール前でのペナルティからクイックリスタート。SOがそのまま持ち込んで右中間にトライ。G失敗。6-15
HALF TIME
8分NZU、中央30mPG成功。(オーバーザトップ)6-18
14分NZUは日本陣でのラックでターンオーバー。SOが上手くギャップを突いて突破。最後はフォローした13にパスしてゴール左にトライ。G成功。6-25
27分NZUは日本G前右サイドでのスクラムからSHがそのままスピードで振り切り、右隅にトライ。Gs失敗。6-30



感想
行って来ました三ツ沢競技場。
この日のために、わざわざ夕方に横浜での仕事を作ったお陰で試合開始30分前には悠々とグラウンドに入ることが出来ました。そうでもしなければ、都内に勤めるビジネスマンが夜の7時開始の三ツ沢での試合など観戦できるわけがありません。
そのうえ、埼玉の県都に住んでいる私などは、帰路電車に乗る時間だけでも1時間半。新幹線なら東京から仙台まで行ってしまうほどの時間で、ちょっとした旅行気分でした。(家に着いたらすでに11時を過ぎているのですから、観戦記をアップするのも楽ではありません・・・・)

それはさておき、今日の注目はFWでは野澤選手、BKでは四宮選手とニールソン選手など、将来のジャパンを背負って立つ可能性のある若いプレーヤー達が果たして外国選手相手にどこまで通用するのか、或いはまだまだ通用しないのか、期待半分、不安半分でそれをある程度見極めるための試合でした。

チーム全体として見ると、難波、沢木というハードタックラーを揃えた花園での第一戦に比べると、CTB陣のディフェンス面にやや不安があり、ディフェンスがどこまで踏ん張れるかがポイントになりそうでした。
結果だけを見れば6-30と善戦と言えるスコア。奪われたトライも、第一戦の7つに対して4つだけでしたが、攻撃面ではノートライに終わり、やや面白みに欠ける試合でした。
ディフェンスもそれほどしっかりしていた印象はなく、NZUのミスに助けられたような気がしますが、まあ、2年前の同じ試合では10個ものトライを奪われたことを考えれば、進歩したと言って良いのかもしれません。

フィットネス不足。
イージーなハンドリングミスの多さ。
コンビネーション或いはコミュニケーション不足。
集中力不足。

まあ、こんなところが全体的な印象です。
局面局面でのFWのスピードとスタミナの差が勝敗を分けました。
淵上、山品、四宮、ニールソン選手などが観衆を沸かせる良い走りを見せても、必ずと言って良いほどFWのサポートが遅いためにラックで相手ボールになってしまう。そんなケースばかりでした。
チームとしての練習量が不足しているのか、コンビネーションもいまひとつで、ハンドリングミスやパスミスが多く見られました。もっともこれはNZUも同様でしたが。

集中力の欠如か、せっかくニールソン選手が相手布陣の裏をいた逆サイドへの素速いキックオフをしても、多くの選手が反応出来ずに、ウイングがゲインしたところでやはりターンオーバー。チャンスをつぶしていました。

セットプレーはスクラムも押され気味。相手ゴール近くでのマイボールスクラムも良い球出しが出来ずに、チャンスを生かせませんでした。
マイボールラインアウトもサポーティングが上手くできず、何度か相手ボールになっていました。(これだけ悪いところがありながら、「30-6」という点差ですんだのはやはり健闘なのかな?)

期待の選手達はどうだったでしょう?
まず野澤選手。懸命にサポートし、良くタックルしていましたが、スピード面ではまだまだ物足りなさが残りました。四宮選手も何度か持ち味の快足を披露し、大きくゲインする場面もありましたが、さすがに国内の試合のように簡単に対面を振り切るというわけにはいかず、一対一の局面ではタックルに捕まっていました。もっとも世界の吉田義人選手でも初キャップ(初の外国選手相手)の試合は苦い経験をしています。確かジャパン対オックスフォード戦だったと思いますが、その時の対面は豪州代表イアン・ウイリアムズ選手。全く勝負にならなかったのを覚えています。四宮選手も今後の経験次第。まだまだ成長の余地はあるので頑張ってほしいものです。

ただニールソン選手だけは別格。夜空に高く舞い上がる、掛け値なしに『日本一美しいキックオフ』を久々に見せてくれましたし、(どう考えてもあの正確なキックオフは大きなアドバンテージ。自チームでも活用した方が良いと思うのですがいかがでしょう?)随所で切れのあるアタック、堅実なボール処理、創造性あふれたプレーを見せてくれました。
常に他の選手に細かい指示を出し、的確なポジション取りで未然にピンチを防いでいました。
パント処理などは間違いなくジャパンの松田選手より安定性があります。少し気になるのは、相手が突破してきたときのディフェンス。国内の試合とは選手のスピードとコンタクトの強さが違うのか、やや外され気味でした。このあたりも経験次第。成長の可能性は十分にあります。

他では、途中出場の月田選手も久々に奔放なプレーを披露。スペースを見る目と瞬間的なスピードは十分通用しました。スタメンで出場した辻選手もFWが劣勢の苦しい状態ながら素速く正確なパスで健闘しました。
この日、キャプテンに任命されたロックの大久保選手。(ジャパンの大久保選手と同姓同名。所属も同じサントリー)タックルにいって外される場面を再三見受けました。もっともこれは、タックルが甘いのか、それともロックの割には良く走り、タックルに向かうシーンが多かったので目立ったのか、やや判断しかねます。

NZUというチームもそれほど強さは感じられません。最終戦のジャパンAは、出場する選手にとっては、WCスコッド入りのセレクションマッチ(この試合で活躍しなければふるい落とされる)という重要な位置づけになるので、モチベーション的にも申し分なく、きっちりと勝ってもらいたいと思いますし、勝てるはずです。
このところのジャパンのスキルアップを考えれば、33(4T2G3P)-20(2T2G3P)というところでどうでしょうか?
選手ではNO8の大久保選手とCTBの古賀選手に期待しています。

外国チームが来日すると必ず話題になるのがレフェリングへの不満。
それは日本選手の寝込むプレーの多さに問題があるのですが、どんなにそのプレーに不満を抱いてもレフェリーがペナルティを取ってくれません。結局、苛立って、ラッキングからスタンピングという行為になり、逆に反則を取られるというのが必ず見られます。彼らはボールの前などには絶対に寝込んだりしません。彼らの国でそれをやったら、相手にぼこぼこに蹴られるのが目に見えているからです(五カ国対抗を見ても、スーパー12を見ても、そういう選手は気の毒なほど痛めつけられますが、レフェリーは倒れ込んだ選手の方のオーバーザトップとしてしかペナルティは取りません)。なのに日本の選手は平気で次から次へと倒れ込む。この試合でも度々ありましたが、彼らの欲求不満は計り知れないものがあります。

果たしてこのままのレフェリングで良いのでしょうか、日本も倒れ込みをより厳しくペナライズする必要があるではないでしょうか?このままグローバルスタンダードとかけはなれたレフェリングで良いはずがありません。レフェリングに対するコンセンサスの確立は急務だと思いますが、WCまですでに半年を切った今となっては、とても心配な部分でもあります。

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