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ジョイへ あのホテルの前のビアバーで、最初に会ったのが、君だった。 あの偶然がなかったら、あの1週間はなかったんだね。 君は、いつも戯け者役だった。 ダングやゼンの前で、そうするのが自分の役目だって、思ってたのだろうか? 島に行った日、船が出るまで時間があった。
そばのマックに入ったんだよね。 ハンバーガー残しちゃったから、大事に包んで、お持ち帰りしたんだよね。 船では気持ち悪くなって、大変だったね。 でも、わたしは、知ってました。 船で、足の不自由なドイツ人の老夫婦がデッキに上がるのを、さりげなく助けてたこと。 島に着いて接岸ボートに乗り移るとき、ダングと一緒に、かなり太ったそのドイツ人老夫妻を抱きかかえるようにしてたこと。 島の「海の家」でも、彼らと一緒だったね。 君は「マイパパママ」と呼んでいたね。 笑っちゃうのが、君たちがあの「海の家」で水着を買ったときだ。 ダングのはちゃんと合ったのだけど、君のだけは、全然合わなかった。 ファッション・ショーのモデルみたいにやって来たときは、悪いけど笑った。 君にはわからないと思うがが「ちびまるこちゃんのビキニ」って感じ? 結局、君は3回くらい「お取替え」したっけ? 隣のテーブルにいた彼らも一緒に喜んでました。 「ワン・モア?」とか言ってね。 あれから、岩場越えて、隣のビーチまで歩いたね。 あのとき、君が拾った小さな輝く不思議な石を、まだ持っています。 帰りの船でも「マイパパママ」と一緒だったね。 途中、エンジン・トラブルで、船は1時間くらい止まった。 ダングはタイタニックやっちゃうし。 君は、どこからくすねてきたのか、バドワイザーをバックから出して、「よければ」と言いました。 あの暖かいビール、もらいました。 旨かったよ。 島から、あの街に戻ってから、君は「マイパパママ」はどこにいるの?って言ってましたね。 そんな、君の優しさが、好きでした。
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