退館時間を告げるチャイムが妙にうるさく響く。

午後10時。

自分のいるフロアは大半のマシンが電源を切られ、静かに形を潜めている。

仕事でこの時間まで残ることが当たり前になって、どれくらい経つのだろうか。

「アフター5」なんて、自分にとって本当の意味で「死語」なのかもしれない。

タバコに火をつけて、目をつぶる。

瞼の奥でちりちりと火花が散っているような感覚。

自分のリズムが不規則になっていると、自然と思考がネガティブになる事がある。

自分のしている事は、役に立っているのかと思うことがある。

自分が嫌いでしょうがないときがある。

自分の存在が何なのか、考えてしまう事がある。

・・・そんな事を考える「自分」が、僕は大嫌いだ。

自分のしている事に対して、すぐにレスポンスを求めるのは、僕の悪い癖だ。

何も慌てて答えを出す必要なんてないのに。

そもそも、「答え」を出す必要があるのだろうか?

僕は哲学者じゃない。

今は、自分のするべき事を少しずつ片づければいい。

時間は確実に流れている。

・・・どんなに暗い夜でも、明けない夜はないのだ。

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