1998-10-05 マツダスピード ツインプレートクラッチの取付
今回はマツダスピード製ツインプレートクラッチを取り付けました。吸排気系ほぼフルノーマルのMyFDでは、完全にオーバースペックですが先々のパワーアップを見越して無駄なパーツが出ないように、あらかじめ容量の大きな物を選択しておきました。ちなみにツインプレートクラッチとは、大きなエンジン出力をロスなく伝達出来るように、その名の通り2枚のクラッチ板を使用しているクラッチシステムの事です。現物は中古品を藤田エンジニアリングより(出張のついでとは言え、九州まで持ってきて頂きありがとうございました:喜多條さん)購入し、いつもお世話になっているプレステージで取付を行いました。
私が実際に全ての作業を行った訳ではありません(ただし素人でも出来る部分は手伝いました)ので、取付に関して詳しい事は書けませんが、手伝いをする中で気がついた事を挙げておきますので、よかったら参考にしてみて下さい。
まずは室内での作業です。シフトノブを外して、シフトブーツが繋がっているパネルを外します。このパネルは、はめ込み式なので繋ぎ目にマイナズドライバーを差し込んでゆっくり引き上げれば外れます。
パネルを数センチ浮かせたら、隙間に手を入れてデフォッガスイッチ(リアガラスの熱線スイッチ)やフォグランプスイッチ(MyFDにはついていませんが)のハーネスを手探りで抜いておきましょう。パネルを完全に外すと、パネルを固定していた金属製のクリップが外れてカーペット付近に落ちる事がよくあるので、なくさないように拾ってもとに戻しておきましょう。
次に、シフトノブをトランスミッションから抜き取ります。これで、とりあえず室内の分解は終了です。
いよいよ下回りの作業です。車体をリフトアップして、マフラーをリアパイプ→センターパイプ(触媒)の順番で外します。(フトントパイプを外す必要はありません)その際、フロアトンネルを繋ぐアルミ製の補強リブも外すことになります。
次に、プロペラシャフトのネジを外します。その際にはデフとシャフトにペンでマーキングを入れて、元どおり組み立てることが出来るように、分解した位置が分かるようにしておきます。
次に、トランスミッションとデフを繋いでいるパワープラントフレームを外します。これを外すと、デフケースが下向きへ回転したり、プロペラシャフトが垂れ下がってきたりするので、ゆっくり慎重に抜き取って下さい。
あとは、クラッチホース(今回、EARLS製ステンメッシュホースに交換しました。ノーマルホースのまま強化クラッチを組むと、オイルがにじんできたりする事があるそうです。)、レリーズシリンダー、セルモーター等を外していきます。
ついでにミッションのサービスホールからレンチを突っ込んで、ノーマルのクラッチカバーをフライホイールから外しておきます。ここまで分解したら、遂にエンジンとミッションを切り離します。(ここでちょっと休憩・・・)
エンジンとミッションを切り離すと、ミッション側にクラッチカバーとクラッチディスクが残るので、さっさと取り外してしまいます。エンジン側は、巨大なロックナットを外して、フライホイールを外します。
ノーマルフライホイールを外したら、カウンターウェイトを取り付け、巨大なロックナットを規定トルクで締め付けます。そして、カウンターウェイトにツインプレートクラッチのフライホイールを6本のボルトで締め付けます。
・・・ところが、ここで問題発生です!マツダスピードのフライホイールは、OS技研の物と比べて薄いため、プレステージに用意してもらった固定用ボルトのサイズが合わないのです。その場で調べてみると、キットには専用のボルトが付属されているそうで、今回の中古品にはそれが付属されていなかったのでした。
そこで、近所のマツダスピードや、付き合いのあるショップに連絡を入れて、専用ボルトを探したのですが結局見つからなかったのですが、他のREショップへ問い合わせた時に、過去にそのお店も同じ場面に遭遇して、そのサイズが合わなかったボルトを加工して対処したそうで、今回はプレステージで同じ加工をして対処する事にしました。
なんとか、フライホイールの取付も終わり、次は1枚目のクラッチ板、センタープレート、2枚目のクラッチ板と取り付けていきます。そうしてメンドラという特殊工具を使ってクラッチのセンターを合わせて、ミッションとドッキングです。
あとは、ひたすら分解した手順をさかのぼって組み立てていきます。
一通り形になったら、クラッチのエア抜きを行いますが、ここで更に問題発生です!(と言っても致命的な問題ではないですが)なんと、FD3Sのクラッチオイルはブレーキフルードのリザーバタンクと一体形成になっていて、ブレーキフルードが必要になったのです。
自宅に戻れば、使いかけのENDLESS RF450があるのですが、そんなヒマはなかったのでプレステージに在庫していたWAKO'sのスーパーDOT4を仕方なく使う事にしました。(WAKO'sのスーパーDOT4に問題があるのではなく、他メーカーのブレーキフルード同士を混ぜる事に抵抗を感じている訳です)
エア抜きの手順は、ブレーキのそれと同じで例によって2人掛りで「い〜ち!にぃ〜!さぁ〜ん!」と叫びながらポンピングしつつブリーザからフルードを抜く作業です。
後は、リフトアップしたまま、クラッチの切れ具合を確認し、問題がないので軽く実走行をして、ペダルの遊び具合を微調整して終わりです。
乗ってみた感触
ビッグレリーズを使わずに(クラッチホースのみ交換)組んだので、ペダルが激烈に重くなるかと思っていましたが、やや重くなったものの、扱えない程は重くはなりませんでした。
あるホームページで、「マツダスピード ツインプレートクラッチは半クラが使えない」とか書かれていましたが、特にそんな印象は受けませんでした。(確かにノーマルと比較すれば扱いは、ややシビアになりますが、チューンドカーなので或る程度の我慢と慣れは必要かとおもいますし)
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