趣旨: | 次の世代を担う子供達が「たばこのない生活習慣」を身につけられるような社会環境を整備するものである。 |
来たる5月31日は、世界保健機関(WHO)が定める世界禁煙デーです。
世界禁煙デーは、たばこを吸わないことが一般的な社会習慣となるよう、加盟各国で様々な対策を行うために、昭和63(1988)年に設けられました。
毎年、WHOの定める標語に沿って各国で活動が繰り広げられますが、11回目に当たる今年の標語は「無煙世代をそだてよう!(Growing Up Without Tobacco)」です。これは、次の世代を担う子供たちが「たばこのない生活習慣」を身に付けられるような社会環境を整備しようと、世界中に呼びかけているものです。
また、昨年の環境大臣会議やデンバーサミットにおいては、公共の場所や家庭で子供がたばこの煙にさらされる受動喫煙の問題に、積極的に取り組むべきとの声明が出されております。
厚生省といたしましては、5月31日には「無煙世代をそだてよう!」というテーマで、「世界禁煙デー記念シンポジウム」を開催し、最近増加している青少年の喫煙の問題を中心に、教育関係者や医療従事者を交え、健康な生活を実現するためには、たばこを吸わない生活習慣の定着が重要であることなど、多角的な討議を行う予定です。
厚生省は、従来から、たばこが健康に与える影響についての正しい知識の啓発普及や、禁煙したい方への禁煙指導など、様々なたばこ対策を講じてまいりましたが、 喫煙習慣は個人の嗜好の問題にとどまらない、健康問題であるとの観点から、一層の普及啓発活動を進めています。
今後も、平成7年の「たばこ行動計画」に基づき、関係省庁及び関係各方面に働きかけながら、未成年者の喫煙防止を徹底する「防煙」、受動喫煙の害を排除・減少させる環境づくりの「分煙」、禁煙希望者に対して支援する「禁煙支援」などのたばこ対策を、総合的に推進してまいります。
世界禁煙デーは、国民一人一人が、たばこと健康の問題について、さらに理解を深め考えていただくための日です。
私どもも、そのための啓発普及のための取組みに一層努力いたしますので、この趣旨を御理解の上、御協力くださいますようお願いいたします。
平成10(1998)年5月27日
厚生大臣 小 泉 純一郎
平成10年「禁煙週間」
喫煙は、がん、循環器疾患等の生活習慣病の重要な危険因子であり、受動喫煙の危険性やニコチンの依存性を踏まえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題であり、生活習慣病を予防する上で、たばこ対策は重要な課題になっている。
世界保健機関(WHO)は、昭和45年にたばこ対策に関する初めての世界保健総会決議を行い、以来計16回の決議を採択しているが、平成元年には5月31日を「世界禁煙デー」と定め、喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指した「たばこか健康かに関する活動計画」を開始した。厚生省においても、平成4年から世界禁煙デーに始まる1週間を「禁煙週間」として定め、各種の施策を講じてきたところである。
平成10年においては、「たばこ行動計画検討会報告書」(平成7年公衆衛生審議会意見具申)、「公共の場所における分煙のあり方検討会報告書」(平成8年)、「厚生白書」(平成9年)等の報告書の趣旨を踏まえ、総合的なたばこ対策の一層の推進を図るとともに、今年の世界禁煙デーの趣旨である次の世代を担う子供達が「たばこのない生活習慣」を身につけられるような社会環境を整備することを提唱するものである。
平成10年5月31日(日)から平成10年6月6日(土)まで
(財)がん研究振興財団、(財)結核予防会、健康・体力づくり事業財団、(財)日本対ガン協会、(財)日本食生活協会
「無煙世代をそだてよう!」(英文:Growing Up Without Tobacco)
本年の標語に沿い、社会全体の取り組みとして国内外のあらゆる部門が力を合わせて、次の世代を担う子供達が「たばこのない生活習慣」を身につけるために、特に未成年の喫煙防止および児童の受動喫煙についてもこれを防止する。