見たこと思ったこと
コンピュータやインターネットの教育利用の話題(その1)
(1997年1月-)


ビル・ゲイツと日本の子供(1/5)
ブラジル日本語学校のK先生(2/2)
インターネットの教育利用(2/8)
小学生向けパソコン参考書
ブラジル日本語学校とのメール交換(3/13)
ブラジルからのお祝いメール(3/19)
からっぽの洞窟「ハイテク教室の子供たち」(3/23)
からっぽの洞窟「ハイテク教室の子供たち」U(3/24)
遊びを知らない子供たち(3/29)
シミュレーション(3/30)
のんびりと(4/12)



  ビル・ゲイツの少年時代と日本の子供
 1月5日。NHK出版「新・電子立国」を読んでいます。この本は,昨年テレビで「新・電子立国」シリーズとして放映された番組の内容を,取材の裏話を交えて出版したものです。番組は何度か見たのですが,興味があったので本も購入して読んでみました。

 この本の中で考えさせられたのは,学校の授業をさぼってまでもコンピュータに熱中したビル・ゲイツの少年時代の話です。これまで数多くの書籍で紹介されていることなので,ご存じの方も多いと思います。

 ビルゲイツという13歳の少年が,思う存分好きなだけコンピュータに熱中することができ,それを許容したアメリカの教育環境,というか,懐の深さが印象的です。両親,学校,そして地域の人々までもがゲイツ達の行動を温かく見守り,サポートしていたことがうかがえます。そしてそれはある意味では,子供のうちから自分の人生を自分で選択させ,責任をとらせる厳しさでもあると思います。

 それに対して日本では,誰もがある程度のことはできるようにと,画一的かも知れませんが,落ちこぼれをつくらないような教育は行いますが,やりたかったらどれだけでも好きなだけどうぞ,というわけにはいかないと思います。もし中学生の子供が,コンピュータ中毒(本の中での表現です)にかかったら,周囲の大人達は何と言うでしょうか。おそらく,親か教師か,あるいはその両方が,何とか,学校の授業がおろそかになるほど極端な行動をさせないよう,そして,できればやめさせようと働きかけるケースが多いに違いありません。

 このことは,日本の教育の良い点でもあり,悪い点でもあると思います。極端な言い方をすれば,たくさんの優秀?な人間を育てるのが日本式の教育で,一人の天才を生み出すのがアメリカ式の教育ではないでしょうか。


 さて,私たちは明日から仕事始めです。とはいっても子供はまだ休みなので,明日は,午前中,3学期に使う教育ソフトの勉強をして,午後からは,他校の知り合いの先生に表計算ソフトの操作方法を教えてほしいと頼まれているので,一緒に勉強する予定です。



 ブラジル日本語学校のK先生(2月2日)
 現在ブラジルの日本語学校に勤務している元同僚のK先生が,半年ぶりに日本に帰ってきているので,お会いしていろいろお話を伺いました。

 その先生は,現在51歳で主婦の方なのですが,なんと単身でブラジルに渡り,日系人を相手に日本語を教えているのです。別に夫婦関係がうまくいっていないとわけではなく,ご主人の理解を得て,ブラジルに渡ったのです。ご主人とはお会いしたことはありませんが,きっと素晴らしい方に違いありません。奥様の生き方や考え方を尊重し,奥様の人生を自分の人生のように大切に考えておられるからこそ,気持ちよく送り出してあげれるのでしょう。

 さて,現地での仕事は本当に大変なようです。

 あれもやりたい,これもやりたいということで,張り切って赴任したのですが,まるで手応えがない,という感じだそうです。

 自分が進めていこうしていることに対する対応が,日本では考えられないくらいものすごくスローペースである。
 日系2世,3世の世代の人たちは,もはや日本語を学ぶ必要性を感じていないので,学習意欲が著しく欠如している。
 計画性というものがまったくなく,計画的に進めていこうとしても,誰もついてこない。等々。

 ブラジルの国民性,というか,考え方や行動力が,とにかく歯がゆくてイライラするそうです。自分がやりたいと思ったことが,10のうち1つできればいい方だとおっしゃっていました。

 それでも,K先生は人一倍ファイトのある方なので,今度は,「学校にコンピュータが導入されるので,WINDOWS95の使い方を教えてほしい。」「ワープロの操作方法を教えてほしい。」「インターネットのやり方を教えてほしい。」「学校のホームページの作り方を教えてほしい。」等々,いろいろ私に尋ねてきます。(今回お会いしたのも,それらの相談のためです。)

 少しでも力になれるのならお手伝いしたいのですが,何しろブラジルのWINDOWS95は,ポルトガル語ですから,日本語版を少々触った程度では役に立ちそうにありませんので,結局インターネットでいくつかの日本語学校のホームページを紹介したりする程度のことしかできませんでした。

 あと,外国人が日本語を学習するためのソフト(MS−DOS版98用)を,DOSV機でも使えるように,1.44メガフォーマットのFDに移し替えてあげたりもしたのですが,ブラジルで販売されているIBM機でもきちんと動くのでしょうか。

 50歳になったとき,私は,K先生のような情熱と行動力を持ち合わせているでしょうか。おそらく,いや絶対に,そんなことはありえないだろうなあ,と思います。

 K先生のように,知らない世界にたった一人で飛び込んでいく勇気が私にもあったら,人生もっともっと楽しくなるだろうな。




 インターネットの教育利用(2月8日)
 昨日は,滋賀県大津市の平野小学校の研究発表会を参観してきました。
 平野小学校は文部省・通産省共同事業の100校プロジェクト(ネットワーク利用環境提供事業)に参加し,インターネットの教育利用においては,我が国で最も進んだ活動が行われている学校です。

 教員だけでなく一般の方の参観もOKということで,多くの参観者が予想されましたが,実際,本当にたくさんの人が来ていました。500名以上はいたように思います。報道機関もNHKはじめ5〜6社ぐらい来ていたようです。特にNHKは3時間の授業の最初から最後までカメラを回していました。

 平野小学校に着くまでは,数百名単位の参観者の中で,いったいどのように授業を行うか不思議に思っていたのですが,何と体育館の中に”教室”がありました。体育館に机,椅子と20台のパソコンが持ち込まれ,”コンピュータ室”ができあがっていたのです。そして教師用パソコンの画面がステージのスクリーンに大きく映し出されるようになっていました。(こんな感じです。

 私は4年,5年,6年の3クラスの授業を参観しました。授業のおおまかな内容は以下の通りです。(興味のある方は平野小HPをご覧下さい。)

 4年 「さまざまな土地のくらしと国土のようす」  
 暖かい土地(沖縄・鹿児島)や寒い土地(十日町・青森・北海道)などのようすを,該当地域の小学校や市町村のHPで調べて,その特色をワープロにまとめていました。

 5年 「通信の発達と私たちのくらし」  
 新聞,テレビ,インターネットなどの各メディアの特色について,html形式でまとめておいたものをブラウザを使って発表していました。その際,児童が作ったインターネット新聞の紹介やCu See Meを使ったテレビ電話の紹介などもありました。

 6年 「世界の中の日本」 
 在日ドイツ人の協力を得て,ドイツに向けて日本文化を紹介するHPを作成していました。

 内容的には,インターネットの利用を考えている教員なら,(実際にやるかどうかは別として,)おそらく多くの人が思いつく内容で,特別目新しくはなかったのですが,これらのことが個人レベルではなく学校単位で行われており,コンピュータやインターネットを,子供たちが自分たちの学習道具としてごく自然に使いこなしていることに大きな驚きを覚えました。


 追記(参観者の会話を聞いて失笑したこと。)
 その1 インターネットにアクセスしたままワープロソフトを立ち上げる様子を見て,
A「インターネットに接続したままワープロできるの?」
B「いったんインターネットを終わらせないとワープロはたちあがらないはずなんだがなあ。本当はインターネットにつなげていないんじゃないの。つなげているように見せかけているだけだよ。」
A「そうかもな。本当につなげていたら,うまくいかなかったとき困るもんな。」

 その2 子供たちが授業中にHPを作成している様子を見て,
C「今ホームページ作ってるらしいぞ。」
D「やらせじゃない?あらかじめ(担任が)作ってあるんだよ,きっと。」

 インターネットをめぐる教員の無知と誤解と混乱ぶりを示す一コマでした。





 小学生向けパソコン参考書
 ついに出たか!という感じです。

 ”小学校の「パソコン」がよくわかる本”(下山真二氏著,PHP研究所)

 その名の通り,コンピュータ教育の小学生向け参考書です。

 これまでも,子供向けのパソコン入門書は何度か目にしたことがありますが,”学校の授業についていくため”に書かれた本は初めて見たので,思わず買って(1200円)しまいました。

 内容は,WINDOWSパソコンの子供向け入門書という感じです。 他に,現役の先生が書いた本らしく,インターネットの紹介や授業での活用例,小学校でのコンピュータ教育の現状などが紹介されています。

 ちなみに,コンピュータの活用状況については,
学校間でかなりの格差があり,「パソコンを導入してもほとんど使用されず,ほこりをかぶっているところもある」と書かれていました。(こんな学校と比べると私たちの学校はたいへん優秀ですね!)

 それから,Q&Aのコーナーでは,
パソコンは,たまにハングアップすることがあります。パソコンがこわれたのではありませんから安心して下さい。」と書かれています。(ハングアップをごく当たり前のできごととして受け止めている著者の姿勢を見習いたいです。たぶん無理!)


 難しい用語の濫用は控え,子供向けに分かりやすい表現で書かれているので,大人向け入門書の難解な解説についていけないオトナの初心者の方にも(学校のセンセイにも)おすすめの一冊と言えます。

 それにしてもこういう参考書が出版されるということは,小学校でコンピュータを使うことが,もはやごく普通のことになりつつあるということでしょうか。

 時代に取り残されないようがんばりましょう。 


追記 これはウケねらい?
(本書P38より)
パソコンはまちがった操作をしてもこわれません。
しかし,次のようなことをすればパソコンはこわれます
その1 金づちなどでぶったたく
その2 急に電源スイッチを切ったり,コンセントをぬく
その3 水などをかける

いくら小学生でも,こんなことはやらないですよね。





 ブラジル日本語学校とのメール交換(3月13日)
 昨年度まで同僚だったブラジルの日本語学校のK先生との間でメール交換が始まりました。
 K先生の学校にコンピュータが導入され,インターネットができる環境になったそうです。先日faxで送られてきたアドレスにメールを出したところ,今日返事が送られてきました。

 私が出した日本からのメールが届いたということで,あちらの学校の先生方がずいぶん感激したそうです。

 私も同感です。日本から最も遠い国ブラジルとの交信は,よく知っているK先生が相手なだけに感激もひとしおです。文章とはいえ,K先生の声が聞こえてくるようです。

 これから色々と情報交換していけそうです。私の学校ではまだインターネットは導入されていませんが,私が間に入れば子供同士でメール交換などもできそうです。また,近いうちにホームページも作成したいとのことなので,とても楽しみです。

 ところで,CU-SeeMeを使うと,テレビ電話のように会話もできるそうですが,ブラジルとの間でも,実用レベルで交信できるのでしょうか。うまくいくようならぜひやってみたいです。

 本当に興味は尽きません。 


 K先生。暑い中,元気にお過ごしとのことで何よりです。 




 ブラジルからのおめでとうメール(3月19日)
 今日は卒業式でした。
 3月19日未明,先日メール交換を始めたばかりのブラジルのK先生から,3人の卒業生に宛てたメッセージが届きました。3人はいずれも外国人で,K先生が昨年3月まで日本語を教えていた子供たちです。メールのままではなんだか味気ないので,テキストを一太郎で編集し,カットを入れて,お祝いカードにして3名に渡しました。

 K先生は,全くのパソコン初心者で,毎日コンピュータに向かって悪戦苦闘しているとのことですが,こうしてメール交換をしているのですから,短期間のうちにずいぶん上達した模様です。(しかも使っているのはポルトガル語のPC)

 ところで,一昨日3月17日の朝日新聞に,日本消費者協会が昨年行った電話相談「パソコントラブル110番」の結果が紹介されていました。

 それによると四十歳以上が相談者の約6割を占めているとのこと。また相談内容も十代,二十代からの相談は,パソコンを使っていて起こる技術的な問題が多いが,中高年は,簡単さを強調した宣伝に誘われてパソコンを購入したものの,知識がなければ使えない商品を前に困惑し,パソコンを動かす以前の入り口の段階でつまづいているようだと分析していました。

 子供たちが,小学生のうちからコンピュータを学び,楽しみながら,新しい知識や技能を身につけている一方で,仕事などで必要に迫られてパソコンを使わざるを得なくなったオトナの方々はずいぶん大変そうです。

 私の手元に届いたメールからは想像できませんが,K先生の苦労も並大抵ではないかも知れません。

 21世紀は,パソコン知らずのオトナたちにとって,とても住み難い世の中になるかもしれませんね。




 からっぽの洞窟「ハイテク教室の子供たち」(3月23日)
 話題の書ということで,先月初めに購入したものの,学年末で多忙だったこともあり,結局一度も開かないまま本棚にしまっておいた「インターネットはからっぽの洞窟」(クリフォード・ストール著)を読み始めました。今日読んだのは,「はじめに」と「ハイテク教室の子供たち」の章だけです。

 「ハイテク教室の子供たち」では,作者クリフォード・ストールは,コンピュータ教育がもたらす問題点として,特に3つの点について警鐘を鳴らしています。

 1つは,コンピュータごしの授業は,「教える側と教わる側の緊密な関係を疎外する」という点です。コンピュータは決して人間(教師)の代わりになるものではなく,教育には人と人とのふれあいは欠かせないことを氏は繰り返し述べています。

 2つめは,コンピュータプログラムは,「他人の考えを教え込むのは上手だが,自分で考える力を与えてくれるものではない」という点です。コンピュータで要求される答えは,プログラムの制作者が意図する答えのみであって,決まった範囲の方法や答えしか受け付けないコンピュータプログラムは,自分独自の答えをひねり出す力を身につけるには向かないと氏は述べています。

 3つめは,コンピュータは,実体験を軽視しがちになるという点です。コンピュータ上で行えるのはあくまで代理体験であって,実体験ではないということです。コンピュータは,人間の「聴覚や視覚,嗅覚,味覚,触覚をほんのちょっとまねするだけ」にすぎないのであり,実際に自分の目で見たり,手でさわったりして得られる知識や感動には遠く及ばないと氏は述べています。

 これら3つの問題点は,我が国においても専門家が述べていることであり,私も一応知識としては持っていたのですが,この本の中では,具体的な事例を挙げながら主張しており,納得させられる部分も多く,コンピュータ教育のあり方について改めて考えさせられました。

 氏の主張によると,結局は小学生にコンピュータ教育など必要ないということになるのでしょう。

 確かに私たちの学校では,昨年まではコンピュータを使わずに授業をやってきたのだから,なくてもできると思います。小学生には,実際に自分自身で体験させ,肌で感じさせながら学ばしていくことが何よりも大切なこともよく分かります。氏の警鐘を私たちは真摯に受け止めなくてはならないと思います。

 でも私は,コンピュータの持つ様々な優れた機能は,教育にとって必ずしもマイナス面ばかりではないと思います。

 氏のように具体的に事例を挙げながら今すぐ答えることはできませんが,使い方しだいで,きっと大きな教育効果を生み出すと思うし,そうなるように活用法を考えていきたいと思っています。




 からっぽの洞窟「ハイテク教室の子供たち」U(3月24日)
 昨日の続きです。
 クリフォード・ストール氏が,コンピュータ教育を否定する主な理由として,次の3つの点を挙げていることを紹介しました。

(1)コンピュータごしの授業は,教える側と教わる側の緊密な関係を疎外する。
(2)コンピュータプログラムは,他人の考えを教え込むのは上手だが,自分で考える力を与えてくれるものではない。
(3)コンピュータによるシミュレーションは,実体験を軽視しがちになる。


 コンピュータには,氏が主張するこのようなマイナス面ばかりでなく,使い方しだいでは,教育効果を生み出すプラスの面もあるのではないかということで考えています。

 コンピュータのもつ優れた機能を生かした使い方の一つとして,私がまず思いつくのは,プレゼンテーションのツールとしての使い方です。

 例えば,社会科の授業で,調査し考察した内容を全員の前で発表するとき,従来の方法ならば,B紙にマジックで文章や図・グラフなどを書いて,全員の前に提示しながら発表するのだけれど,この作業をワープロや表計算ソフトで行ったとしても,それが実体験をおろそかにしたり,自分で考える力を妨げることには決してならないと思います。むしろ,各種ソフトウエアを活用してプレゼンテーションの資料を作成する作業は,自分の考えを的確に表現する能力を育てることにつながると思うのです。こういった能力を育成することは,これからの社会においてますます重要になっていくと思います。

 もちろん,あらかじめ用意されたフォントや線やグラフ機能を使わせるよりも,やはり実際に紙に書かせて手作業で行わせた方が表現能力が育つという考え方もあるでしょうし,コンピュータが作った文字より手書きの方が味わいがあって良いという人もいるでしょう。

 ですが,自分自身のためだけに書くならともかく,他者に見せるものを作る場合,子供たちも,大人がやるようにワープロを使って見やすいきれいな文字を見せたいと望んでいますし,表計算ソフトを使ってきれいなグラフを描きたいと思っています。

 子供たちの,そういう欲求に答える手段としてコンピュータを活用させることは,自然なことだし,とても意味のあることだと思うのです。


 この運営日誌は,教員以外の方にも読んでいただけるよう内容や表現方法に気をつけて書いているつもりですが,今日の話題はちょっと深入りしすぎかなあ。

 明日から春休み。新年度に向けて,コンピュータ室の環境整備を行うつもりです。




 遊びを知らない子供たち(3月29日)
  春休みの間に妹一家が,こちらに帰省しています。妹の子供(甥)は小学一年生なのですが,子供たちの遊び方についてずいぶん心配しています。

 甥の小学校でもコンピュータが導入されているのですが,甥はパソコンにはまるで興味がなく,コンピュータの授業では,友達がやるのを「いつも見てるだけ」だそうです。ファミコンにも全く興味がなく,家で遊んでいるときも,友達がやるのを「いつも見てるだけ」とのことです。

 小学校1年生ですから,ファミコンに興味を持たないことは,別に不思議ではないし,むしろ良いことだと思うのですが,妹が言うには,「友達関係などを考えると,色々心配なことがある」そうです。

 妹の家は,小学校からずいぶん離れたところにあるマンションなので,交友関係は,同じマンションの中の友達に限られています。その友達(5人)は,皆ファミコン好きで,毎日お互いの家を行き来して,ファミコンばかりやっているそうです。そして,どの家も,いつでも自由にファミコンをやらせるわけではないので,5人の子供たちは,ファミコンがやれる家を毎日はしごしているそうです。

 妹も,「おつきあい」ということで,一応子供にファミコンを買い与えているのですが,自分の子供は,「いつも見てるだけ」だし,小学1年生の遊びがファミコンばかりでは健全ではないので,「今日はファミコンはやらないでね。」と,遊びに来た子供たちに言うと,「それなら遊ばない。」といって帰ってしまう子もいるそうです。また,外で遊ばせようとして家から出しても,遊ぶことができずに,いつまでもボーッとしているとのことです。

 ファミコンの魅力にとりつかれた子供たちは,自分自身が体を動かして経験することよりも,画面の中の主人公(=自分の分身)が活躍する方が遙かに魅力的に感じられるのでしょう。(私にもそういう時期がありました。)

 先日の「からっぽの洞窟」ではないけれど,実体験によってのみ得ることができる喜びを,こんな子供たちに,ぜひ味わわせてあげたいです。



 シミュレーション(3月30日)
 子供が喜んでやるソフトにシミュレーションゲームがあります。
 私もこれまでに,「信長の野望」「大戦略」「TOWER」「SIM CITY」「プリンセスメーカー」など,何本ものゲームを楽しんできました。自分が考えた作戦や方針,環境しだいで,様々な結末を迎えることができるということで,ずいぶん熱中した時期がありました。

 教育ソフトにもシミュレーションを取り入れたプログラムは数多くあります。

 例えば,「スーパーCAI」という学習ソフトウェアに「めだかの育ち方」というシミュレーションプログラムがあります。市販の「アクアゾーン」によく似たプログラムで,水槽の設置場所,餌の与え方,水温などの条件を設定し,メダカを飼育するプログラムです。プログラム上の日数で数十日飼育した後,メダカの数が何匹増えたかが表示され,ゲームが終了します。途中でメダカが全滅したらゲームオーバーとなります。

 このソフトは,実際に自分で飼育する前に仮想体験としてやってみるのにはいいかも知れないけれど,実際の飼育の代わりに,このソフトで済ませてしまうのは,ちょっとまずいのではないかと思います。

 コンピュータのシミュレーションで済ませてしまえば,時間の節約になるし,面倒な世話をしなくても良いし,ゲーム感覚で楽しいし,必要な知識もよく身に付きます。テストの点を上げるためには,その方が効果的なのだけれども,本当に大切なことは,理屈では割り切れない様々なハプニングに対処しながら自分自身の手で問題を解決する力を育てていくことではないかと思います。

 テレビゲーム全盛のこういう時代だからこそ,世の中計算通りにはうまくいかないという経験を数多くさせることも,今の子供たちには必要なことではないでしょうか。

 でも,保護者の方々は,やはりどんなかたちであれ,テストで良い点を取らせてくれる先生の方がありがたいのでしょうか。


 まだ「からっぽの洞窟」にこだわっているfukufukuでした。





 のんびりと(4月12日)
 連休だというのに遊べる状況ではありません。
 来月の野外学習(キャンプ)の計画の立案,コンピュータ教育ガイドブックの作成,学級事務,授業の準備等々,仕事が山積み状態です。疲れもたまっているので,今日はほんの少し仕事をして,あとは昼寝をしたり,読書をしたり,のんびりと一日を過ごしました。
 明日は頑張ろう。

 学研「NEW教育とコンピュータ」5月号を読みました。面白かった記事をいくつかピックアップしてみました。

インターネットを使って入学試験
 京都芸術短大の専攻科デザイン専攻のビジュアルデザインコースで行われたとのこと。
 受験者がインターネット上に公開したWEBページを参考に,電子メールによる質疑応答を行うという方法で試験が行われたそうです。
 WEBページ作成の技能が大学入試に取り入れられるのも,社会のニーズを反映してのことなのでしょうが,身代わり受験などの心配はないのかな。当然そのあたりのことは十分承知しているとは思いますが...。

ソフト著作権侵害事件が相次ぐ
 学校や企業によるソフトウェアの違法コピーは,相変わらず後を絶たないようです。中には,1億4000万円もの損害賠償を請求された例もあるとのこと。
 以前,「学校は違法コピーの温床」という記事を読んだことがありますが,実際こういうことに無知というか鈍感な教員,多いと思います...。
 ちなみに,私の学校のコンピュータ室には,違法コピーによるソフトは一本もありませんよ。念のため。

教員研修,アメリカも同じ悩み
 アメリカでのコンピュータ教育は,日本と比べると進んでいると思われがちだが,実際は日本の実状と同じように推移しているとのこと。
 特に問題なのが教師のパソコン活用能力の伸び悩みで,教師の力量に問題が多いにもかかわらず,十分な研修の機会が確保されていないそうです。
 いくらハード面が整備されていても,それを使いこなせる人がいなければ,十分な教育が行えないということで,まさに日本と同じですね。


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