話題で選ぶ運営日誌

「機器・ソフトの活用法と授業」の巻 その2


 目標(4月4日)
 この数日間,今年のコンピュータ教育の”目標”について考えています。

 コンピュータ教育に関しては,私たち教員も子供たちも,まだまだ初心者に毛が生えた程度,というか,ほとんど初心者なので,ある程度足並みをそろえてやっていくつもりです。

 「先生方一人一人が自由な発想でやってみたいことをやりましょう」というには,まだ少し早いかなという感じがします。ある程度やることを決めておかないと,クラスによって,コンピュータの使い方や使う頻度に極端な差が出てしまいそうです。それでも良いという考え方もあるかも知れませんが,そうなると結果的に子供たちが気の毒なような気がします。

 目標−それからはずれまい,そこまで届こうとねらうもの。(三省堂新明解国語辞典より)

 そういうわけで,学校全体で「そこまで届こうとねらうもの」を考えています。

 目標を決めるにあたって,昨年度からの継続性,先生方や子供たちの現在の力量,教育界の動向など,考慮するポイントはいくつかあります。それから,私の学校のシステムは,他の自治体と比べるとたいへん恵まれた(お金がかかった)システムなので,しかるべき筋からのプレッシャーもしっかりあります。

 私がとぼけた目標を提案したら即座に却下されること間違いなしです。

 そういう諸々の状況を考慮して,まず第一に,どのクラスでもある程度コンピュータを活用していただけるようにするために,教科の学習にすぐ利用できる2つの学習指導用ソフト,シャープ「スタディタイム」とベネッセ「マルチブック」を1年間継続的に使用することを考えていきたいです。ただ,どちらのソフトも,コンピュータ上でやるよりも実際に体験した方が良いこともあるようなので,そのあたりを見極めながら進めていくつもりです。

 また,上記の学習指導用ソフトを使ってコンピュータの指示通り操作するだけでは,子供たちが受け身的な姿勢になり,想像力や表現力が育ちませんから,ワープロやグラフィック,表計算ソフト等を使ったプレゼンテーションあるいは情報発信,というようなことにも取り組んでいきたいです。

 ということで,本年度は学習指導用ソフトを1年間継続的に活用し,発展的な活動として表現活動にも取り組んでいけたらなあと思っています。

 今年の目標はこのような感じでよろしいでしょうか?

 ・・・ちょっと物足りないかなあ。






 試運転(4月16日)
 何となくあわただしい毎日。
 じっくり考えながら仕事をすることって,最近とても少なくなってきたような気がします。
 時間がほしいです!

 久しぶりにコンピュータの授業を行いました。というか,コンピュータで遊ばせました。子供たちがコンピュータに触るのはほぼ1ヶ月ぶりです。

 まず初めに,子供たちに手伝ってもらい,いくつかのソフトウェアの起動チェックを行いました。昨年末に,ベ××セ「マ××××ク」など3本の新しいソフトウェアが導入されたり,春休みに,メニューに登録するソフトを変更したりしたので,正常に起動するかどうか,少し不安があったのです。

 私の学校に導入されているソフトウェアは,画面の解像度や色数などの動作環境が,それぞれに異なっています。それらを,いったんWINDOWSを終了させることなく,メニューから連続して起動させても異常が起きないか,ちょっと心配だったので確かめてみましたが,その点は大丈夫だったようです。

 それから,html形式で編集した資料を閲覧するブラウザをインターネットエクスプローラからネットスケープに変更したので,ネットスケープを起動させてみましたが,こちらは私の設定ミスでうまくいきませんでした。3年生がもうすぐ活用する予定なので,早急に直しておきたいです。

 15分ほど起動チェックを行った後,残りの時間は,子供たちに好きなソフトを選ばせ,遊ばせてみました。

 クラス替えをしたので,今年のクラスの子供たちは,どのソフトが好きか興味があったのですが,人気No1は,「マジックフライト」というタイピング練習のソフトでした。

 「キッドピクス」などのお絵かきソフトや「HOVER」などのゲームソフトより,子供たちに人気があったとは意外でした。

 操作方法は簡単だけど,内容は適度に難しく,しかもゲーム性があるところが子供たちにウケたのでしょうか。


 別件ですが,今月下旬,業者の方にソフトウェアの講習会を行っていただけることになりました。
 この講習会は,某ソフトウェアを導入したら無料で実施いていただける講習会なので,10日ほど前にFAXで申し込んでいたのですが,業者からの確認の連絡がなかったのです。何か向こうに手違いがあったようです。
 希望した日が迫ってきているので,どうしたのかなと思い,こちらから再度連絡してみたら,すぐに決めていただけました。





 閑古鳥(5月1日)
 4月にコンピュータ室を使用したクラスは,たったの1クラスでした。

 その1クラスは私のクラスです。

 年度当初の忙しい時期ということもあり,それなりに事前の準備(練習)が必要なコンピュータの授業のことなど考える余裕がなかったのでしょう。

 私が本年度の方針を提案したのが,少し遅い時期(4月21日)だったということもあるでしょう。

 それに,昨年度最後に使用してから,かなりの月日が過ぎているので,先生方がコンピュータの使い方を忘れてしまった,あるいは,自信がなくなったということもあるかも知れません。昨年度最後に使用したのが2月下旬頃だとすると,もう2ヶ月もコンピュータに触っていないことになりますから。

 ですが,それにしても私のクラスだけとは...。

 昨年度はずいぶん盛況だったのですが,今年はいったどうなるのでしょうか。少し心配になってきました。





 ワープロ遊び(5月30日)

 6時間目の授業で,ワープロの文字修飾機能を使って遊ばせました。

 昨年学習した日本語入力の仕方を復習したあと,文字に変化をつける方法を簡単に説明し,あとは好きなようにやらせてみました。

 子どもたちには大変好評だったようで,フォントの種類やサイズを変えたり,色を変えたり,影文字にしたり,中抜きにしたり,斜体にしたりと,一時間中楽しく遊んでいました。

 いつもなら授業中に子どもたちから呼ばれるのは,トラブルが起こったり,操作方法が分からなかったりして困っている時が多いのですが,今日は違いました。

 「先生!見て見て。こんな風になったよ。」との,うれしそうな呼び声ばかりでした。

 そうそう,今日も一つだけトラブルがありました。何度入力を試みても,画面に文字が表示されないというのです。私の目の前でもやらせてみましたが,操作方法に誤りはないようです。

 変です。どうしたのでしょうか。

 実は,この子は文字の色を背景と同じ白色にしていたのでした。





 使い方(6月7日)

 たまごっちブームに象徴されるように,育成(飼育)シミュレーションソフトは子どもたちに大変人気のあるジャンルの一つです。

 教育ソフトにおいても,そういうシミュレーションの要素を取り入れたプログラムが次々とリリースされているようです。

 しかし,以前の日誌(3/30)でも述べましたが,体験的な学習を重視する小学校教育においては,お手軽に仮想体験ができるシミュレーションソフトは,使い方を間違えると,本物に触れさせる機会を子どもたちから奪い去り,教師の手抜きを助長するだけの好ましくない代物になってしまうと思います。

 忙しく,しかも知識偏重のこのご時世においては,短時間に効率よく知識を身につけさせる上では大変便利だと思いますが,画面上でいくらきれいに花を咲かせることができても,それはやっぱりただのデジタルデータなのですから,触ることも香りを楽しむこともできません。

 ですが,仮想体験ができるということは,使い方しだいでは大変便利であることは間違いないはず。そこで,シミュレーションソフトの使い方を次の3パターンに分け,それぞれの長所を考えてみました。

・実体験の前に行う
 どんな条件を整えなければならないかを予想し,試行錯誤を繰り返しながら行うので,仮想体験を通して自然に身につけたノウハウを実際の体験に役立てることができます。

・実体験のかわりに行う
 1日の星の動きの観察など,小学生にとって実体験が困難な分野ではずいぶん役立ちそうな気がします。(しかし実際に夜空を眺めてみると,シミュレーションソフトのように簡単に星座を見つけることはできませんから,そういう経験はやはり味わわせておく必要があります。)

・実体験の後に行う
 
実体験を通して学んだ知識を,もう一度体験を繰り返すような感覚で復習することができます。

 今日は,来週から始まる理科の「メダカの飼育」に先駆けて,スーパーCAIの「めだかの育ち方」というシミュレーションプログラムを行わせてみました。

 市販の「アクアゾーン」によく似たプログラムで,水槽の設置場所,餌の与え方,水温などの条件を設定し,メダカを飼育するプログラムです。プログラム上の日数で数十日飼育した後,メダカの数が何匹増えたかが表示され,ゲームが終了します。途中でメダカが全滅したらゲームオーバーとなります。

 ゲーム感覚で学習できるので,子どもたちはとても楽しそうに取り組みました。

 ですが,シミュレーションとはいえ,メダカを飼育するのはなかなか難しいようで,二人一組の計18組が挑戦したのですが,水槽に水道水をそのまま入れてしまったり,エアーポンプをセットし忘れたり,餌を間違えたりして,次々に全滅していきます。また,途中でネコに食べられてしまったり,誰かがいたずらで放り込んだザリガニに食べられてしまったりと思わぬハプニングも起こります。

 結局,無事最後まで育てることができたのは,18組中わずか2組でした。もっとも成績が良かったのは20匹のメダカを40匹に増やした子どもたちでした。

 それにしてもこのソフトおもしろいです。本物のメダカを育てるより楽しいかも。私も熱中してしまいました。


 連日の質問に対して,大変親切にご返答をいただき,本当にうれしいです。ありがとうございました。
 ノートパソコンは,衝撃が加わりやすいことを想定して頑丈に作られているわけですね。

 遠藤さん,コンピュータの電源切断に件で,プロクラ日記にて,図解入りで丁寧に解説していただきありがとうございます。






 グラフ作成(6月9日)
 私の学校のコンピュータ教育の目標の一つに,「児童の自己表現の手段としてコンピュータを効果的に活用させる。」という目標があります。

 この目標は,コンピュータを学ばせるのでなく,コンピュータで学ばせるという立場,すなわちコンピュータを,自分の考えを追求したり表現したりするための道具として活用していこうという考え方に立つものです。

 自己表現といっても,その手段は,文章,絵,写真,音声,音楽など様々あるのですが,私が,クラスの子どもたち(5年生)に身につけさせたいと考えているのは,「絵やグラフを使ったレポート作成ができる程度の技能」です。

 現在,私のクラスの子どもたちは,お絵かきソフトはだいたい扱えますし,日本語入力もある程度できるようになってきました。

 そこで今日は,表計算ソフトを使ってのグラフ作成に挑戦させました。

 使用したソフトは,スズキ教育ソフト「ハイパーキューブ」の中にある表計算機能です。「ハイパーキューブ」は,ワープロ・図形作成・表計算・データベースなどの機能を備えた子供向け多機能(統合型)ソフトで,それぞれの間でのデータ連携が容易にできるところが最大の長所だと思います。

 さて,授業の様子ですが,スプレッドシートは子どもたちにとって初めての経験なので,初めに私が実際にグラフを作成する様子を見せながら手順を教えたのですが(注),いざ子どもたちがやってみると,思ったより難しかったようで,ずいぶんとまどいが見られました。

 特に目立ったのが,文字と数値の入力作業でのミスです。文字の場合は「全角」,数値の場合は「半角」で入力しなければならないので,その切り替え操作で多くの子どもたちが混乱したようです。それから,グラフにする部分をドラッグして範囲指定する操作でも,操作ミスが多く見られました。

 この練習で使用したデータは,先日の理科の学習で調べた,気温と太陽高度の一日の変化の様子です。折れ線グラフだけでなく,円グラフ,棒グラフなども作らせ,どのグラフが最も適切かを考えさせながら行わせました。

 子どもたちは,数値を入力するだけで自動的にグラフが作成できることに驚き,さらに数値を修正すればグラフも自動的に修正されることに,コンピュータの便利さを強く実感したようです。

 これで,お絵かき,日本語入力(文字修飾含む),グラフ作成と当初予定していた内容を一通り学習しました。

 今後は,これらの技能を生かした学習活動を考えていきたいと思います。


注)教育用ネットワークシステムPC-SEMIを使えば,教師用パソコンの画面をスクリーンに拡大表示することができます。


 コンピュータ室運営日誌は,日記猿人に登録させていただいているおかげで,教員以外の方からもご意見を伺う機会が最近多くなりました。
 教員の方からのご意見は,どちらかというと私に対して共感的なものが多いです。
 教員以外の方からのご意見の中には,手厳しいものもずいぶんありますが,私はこのことを大変ありがたく思っています。




 パソコン利用教育研究会(6月11日)
  パソコン利用教育研究会が開かれました。

 今日の研究会ではS小学校に勤務するT先生の実践例の紹介が行われました。子どもが作成した「ミニ新聞」の紹介です。

 似たようなことは私も行っていますが,T先生の実践でおもしろかったのは,ワープロで作成した新聞の中に,作成者の上半身の映像と音声(ビデオキャプチャーボードで取り込んだもの)を組み込んでいたことです。サイズは小さいけれど,テレビのアナウンサーが話しているような感じでした。

 私は,クラスの中で発表し合う作品の中に,自分の顔や声を組み込むことは,全く意味がないと思っていましたが,全く関係ない第三者の立場で見ると,ニュースを作成した本人が私の目の前でしゃべっているように感じられ,親しみがあってなかなか良いものだと思いました。

 それから,T先生はネットワーク(LAN)の活用も積極的に行っていて,メール交換やMS「Net Meeting」を使ったインターネット電話やホワイトボードも行っているそうです。

 メール交換もインターネット電話も,コンピュータ室内で行うことにそれほど意味があるとは思えませんが,お遊びとしては楽しいです。すでに私の学校のサーバーにもIPアドレスなどが割り当てられているそうなので,特別な設定をしなくてもすぐにできそうです。ぜひ一度やってみたいと思います。

 それにしても,「Net Meeting」(IEに付属している)がタダというのがありがたいです。MSIEは,インターネット上ではこわくて使用できませんが,外部に接続していないLANでの活用ですから問題ありませんよね。





 ミニ新聞づくり(6月16日)
 今週土曜日の授業参観に向けて,ミニ新聞づくりを始めました。

 新聞の大きさは,記事全体を一目で見渡せるよう,ディスプレイ一画面分の大きさとしました。横全角32字×縦15行の480文字分になります。その中にタイトルやカット・写真なども組み込みますから,文章(記事)の量は300字前後でしょうか。

 内容は,新聞・テレビのニュースや,家や学校でのできごとの中から,印象に残っていることを自由に書かせました。子どもたちが考えてきた記事は,家で飼っているハムスターなどペットに関する話題が最も多く,クラスの約4割(15名)を占めました。次に多かったのがプロ野球などのスポーツ関係の話題で,約2割(8名)でした。新聞・テレビのニュース等の時事問題に触れた子どもは,わずか1名(愛知万博について)でした。小学生ですから,やはり身近なできごと以外には,あまり関心が向かないのでしょう。

 神戸の事件について(家で下書きを)書いてきた子どもが2名いましたが,興味本位という感じだったので,やめさせました。担任による言論統制ですが,こういう異常な犯罪を取りあげて,いたずらに子どもたちの感情を揺さぶりたくなかったし,まじめに取り扱うにしても子どもにはちょっと荷が重すぎる話題だと思ったからです。

 2名の子どもたちには,「今度の授業参観は,みんながニコニコ楽しめる時間にしよう」と話して,話題を変えてもらいました。


 さて,作業の様子ですが,今日は思い切って2時間(45分×2)を新聞づくりに費やしました。そのうち,最初の20分で,日本語入力の仕方の復習や新聞の形式の説明を行い,残りの70分を子どもたちの作業の時間に当てました。

 子どもたちはとても張り切って新聞づくりに取り組みました。

 ですが,思ったよりずいぶん時間がかかりました。

 一応,日本語入力は全員ができるのですが,まともに文章を入力した経験があるのは,昨年度私が受け持ったクラスの子どもたちだけです。他の子どもたちは,自分の名前や作品のタイトルなどの短い言葉しか入力した経験しかありませんから,色々とまどうことも多かったようです。

 おまけに保存操作のミスで,入力した文章がすべて消えてしまった子どももいたりして,なかなか大変でした。

 20台しかパソコンがないので,2人1組で1台のパソコンを交替で使用させたのですが,結局どの子も半分程度しかできませんでした。計算してみると,お絵かきソフトでタイトルやカットなどを作成する時間をのぞくと,300文字の入力するのに60分ぐらいかかるようです。

 予定では,今日の2時間でほぼ完成させるつもりだったのですが,あと2時間(90分)ぐらい必要です。


 困ったなあ。あと2時間か。
 先月行われた野外学習の準備等で,すでに授業の進度がかなり遅れてしまっているのです。
 でも仕方ないな。



 MS「NetMeeting」に関するアドバイスをいただき,ありがとうございます。早速私のパソコンにインストールした「NetMeeting」を調べてみたところ,TCP/IP以外のプロトコルも使えるようなので,うまくいくかも知れません。早速試してみます。





 ミニ新聞づくり2−データ消失事件−(6月18日)

 一昨日から始めたミニ新聞づくりですが,昨日も今日も行いました。

 昨日,授業開始時に確認したところ,全部で5人の子どもの文書データが消失してしまっていることが発覚しました。(一昨日の授業の最中に発覚した子が3名いるので,データを消失した子は全部で8名です。)

 一昨日2時間もかけて入力したのに,また一からやり直しということで,子どもたちはさぞかし落胆しているだろうと思いましたが,そうでもないようです。

 どの子もケロッとしていました。ショックを受けているのは私だけで,子どもたちは再度入力作業を行うことをあまり苦にしてないようです。むしろ楽しんでいる様子すら見受けられます。


 子どもたちに事情を聞いたところ,
  • 二人とも同じ文書名で保存したため,最初に入力した子どもの文章が上書きされてしまった。
  • 作業を交替する際,文書を保存しておくのを忘れてしまった。
 など,二人で一台のパソコンを使用しているために生じた誤操作が主な原因でした。

 他に,
  • 作業中に間違えていくつものウィンドウを開いてしまい,それらをすべて同じ名前で保存してしまったため,データが消えてしまった。
 という子どももいました。新規作成した文書は「文書1」「文書2」…などの記号で表示されるので,どれが”本物”か,見分けがつかなかったようです。

 保存の手順と「上書き保存」の意味を再度説明するとともに,自信がないときは上書き保存せずに,文書名を変更して保存するようにさせました。

 以後,保存操作の失敗や保存忘れによるデータ消失はなく,順調に作業を進めることができました。


 文書に組み込む写真は,私がスキャナから取り込み,イメージファイルを作成し,子どもたちに渡しました。スキャナがサーバーに接続されているので,作業は極めて簡単です。取り込んだイメージをそのままサーバー内にある個人用フォルダに保存してやるだけです。写真一枚につき所要時間1分程度でした。


 最後に,家庭で発表の練習ができるよう,出来上がった作品を印刷し,一人一人に持たせました。

 途中で失敗もありましたが,4時間で全員が作品を完成させることができました。

 授業参観の準備は整いました。一安心です。





 コンピュータ研究委員会(6月19日)

 今年度第2回のコンピュータ研究委員会が開かれました。地区の各学校のコンピュータ担当者が集まる会です。(前回は野外学習のために欠席しました。)

 今日は,4月からこれまでの各学校の校内研修会の実施状況と,この委員会の本年度の活動方針などが話し合われました。


 校内研修会の実施状況は,学校によってかなりの差が見られるようです。

 これまでに校内研修会を開いた回数は,各校平均1回程度でした。平均一回ですから,つまりまだ1回も実施していない学校もあるということです。また,実施した学校の中には,コンピュータを操作できる教員がいないために,他の学校の教員を講師に招いて研修会を開いた学校もありました。

 ちなみに,校内研修会を一番多く実施しているのは,私が勤務するM小学校でした。これまでに3回開いています。

 研修内容については,ほとんどの学校が,電源の入れ方など最も初歩的な操作や,学習指導ソフトウェアの基本操作の練習を行っているようです。どの学校もまだまだこれからという感じです。

 私の学校も,機器やソフトウェアの操作練習を行ったり,活用のアイディアを紹介しているレベルですから,そんなに進んでいるわけではありません。


 次に,この委員会の今後の活動方針が話し合われました。昨年度は,コンピュータ導入をめぐる様々な問題点やトラブルについて,業者の方にも参加していただきながら情報交換をしていたのですが,すべての学校に導入が完了した本年度は,どのような活動に重点を置くか決めかねていたのです。

 話し合いの結果,各学校でのコンピュータ活用を促進するため,コンピュータ室及び機器等の管理運用のためのマニュアルづくりと,コンピュータを利用した授業の実施例を作成していくことになりそうです。


 それから最近私が気になっているMS「NetMeeting」の話題も出ました。現在地区の2つの学校で「NetMeeting」を導入していますが,LANでの「NetMeeting」の導入は,やはり素人の手には負えないそうで,2校とも地元の業者さんに依頼して”無料”でセットアップしていただいたそうです。

 「NetMeeting」はインターネット電話,チャットやホワイトボード機能の他に,プログラムを共有(&遠隔操作)する機能があるそうです。その機能を使うと,例えば一本の電子辞典ソフトを(合法的に)複数の人間が利用できるようになるそうで,とても便利です。これを利用しない手はありません。

 早速,私も”無料”でやっていただくようお願いしたいと思います。





 授業参観にて−データ消失事件2−(6月21日)

 授業参観でした。子どもがたちが4時間かけて作成した「ミニ新聞」の発表会です。

 ワープロの編集画面に「ミニ新聞」を読み込み,その画面をそのままスクリーンに拡大表示しながら(注),発表させることにしました。

 水曜日に全員の作品が完成し,木曜日に最終確認をさせ,家でも発表の練習をさせたので,今日の発表会はバッチリ...


 ...ではありませんでした。え〜ん!(泣)


 授業の途中でAくんとBさんが私のところに来ました。Aくんの作品が無くなってしまったとのことです。

 というか,ファイルはちゃんとあるけれど,不思議なことに,ファイルの中身が,一緒に作業したBさんの作品になってしまっているとのことです。

 あれれ!?
 どちらのファイルを開いても,Bさんの作品が表示されます。(汗)

 Aくんに確かめたところ,木曜日の最終確認の時点でデータを消失したことに気づいていたそうです。ですが,Aくんがそのことを私に連絡したのは,自分の出番になってからです。

 「どうして今まで黙っていたの!?」と思わず問い詰めたくなりましたが,なにしろ授業参観の真っ最中です。焦りと怒りと困惑をぐっとこらえて平静を装い,とりあえず対応策を考えました。

 幸いにも,家庭での練習用にと,プリンタから出力した原稿があったので,それをスクリーンに拡大表示して発表させました。


 授業参観が終わり,保護者の方々が帰ったあと,Aくんを呼びました。

 「木曜日に気づいていたのに,どうして黙っていたの!!!」

 「すでに印刷を終えていたので,(データが)無くても困らないと思ったから黙っていました。ワープロの画面を,そのままスクリーンに表示するとは知りませんでした。」

 あれぇ。言ってなかったっけ?

 注)教育用ネットワークPC-XXXXの機能を使って,パソコンの画面をスクリーンに表示させます。


 思わぬトラブルがあったものの,無事授業参観を終えることができました。
 保護者の方々の関心も高かったようです。参観の時間が終わった後も,学習指導用ソフトを操作している子どもたちの様子を熱心に見ている方が数名いました。







 新しいおもちゃ(7月5日)

 忙しいです。1学期もあと2週間足らずとなりました。

 今の時期は,テストの採点やノート点検,そしてそれらを集計する成績処理に大忙しです。子どもたちも,最近毎日のように行われるテストにうんざり状態です。

 午後から冷暖房完備の静かな書斎(=コンピュータ室)にこもって,ずっと成績処理関係の仕事をしていました。

 仕事の合間に,先日地元の業者さんにセットアップしていただいたMS「NetMeeting」で遊びました。インターネット電話,チャット,ホワイトボードなど,子どもたちが喜びそうな機能が色々あります。


 中でも私が一番注目している機能は,”アプリケーションの共有”です。これにはおどろきました。まだ機能を試している段階ですが,ずいぶん役に立ちそうです。

 使い方は簡単です。共有したいアプリケーションを起動しておき,「NetMeeting」のメニューからそれを指定してやるだけです。それだけで,会議に参加しているメンバー全員の画面にそのアプリケーションが表示され,共有(あるいは遠隔操作)ができるようになるのです。

 2人同時に操作することはできませんから使い方は限定されますが,電子辞書や電子図鑑なら,交代で検索させるような使い方ができます。そうすればパソコン台数分のアプリケーションを購入しなくてもよくなるので経費節減になります。


 早速いくつかのソフトウェアを共有させ,その使い勝手を調べてみました。
  • 「駅すぱあと」
    出発点と目的地を入力し,その経路を表示させることができました。なるほど。遠隔操作なのに文字の入力もきちんとできるようです。
  • 「ペイント」
    お絵かきツールです。ホワイトボードと同じように,複数のパソコンで共同作業を行うことができました。
  • 「Singer Song Writer Lite」
    サンプル曲を演奏させてみました。別のパソコンから曲が流れてきました。ああそうでした。遠隔操作ですから,アプリケーションを起動させたパソコンからしか曲が流れてこないのは当然ですね。

 今日(7/6)も午後から学校に出かけるので,手持ちの百科事典ソフトや図鑑ソフトなどを持っていき,試してみたいと思っています。楽しみです。




 失望(7月6日)

 昨日に続いてMS「NetMeeting」の試用を行いました。

 今日はCD-ROM百科事典やCD-ROM図鑑の,”アプリケーションの共有(及び遠隔操作)”を試みたのですが,トラブルが頻発してしまいました。


MS「Oceans」(海洋図鑑)
 検索及び画像の表示はうまくいきましたが,動画(AVIファイル)の再生はコマ落ちをしてしまいました。


ORACION「渡良瀬橋」(森高千里)
 CD-ROMを挿入したら,ドライブからガガーッという異音が発生しました。少し不吉な予感がしましたが,一応スタート画面が表示されたので,実行ボタンをクリックしてみたところ,システムエラーが表示され,フリーズしてしまいました。CD-ROMを取り出して調べてみたら,表面に円形の傷が付いていました。(汗)

 再度挑戦しましたが,やはりドライブから異音が発生し,フリーズしてしまいました。

 CD-ROMに異常がないかチェックするために別のパソコンでも起動してみましたが,異音は発生しなかったものの,やはりフリーズしてしまいました。

 どうやらCD-ROMが壊れてしまったようです。(泣)


MS「DENGEROUS CREATURES」(動物図鑑)
 CD-ROMを挿入したら,またもやドライブからガガーッと異音が発生し,フリーズしてしまいました。だめです。CD-ROMを取り出して調べてみたら,やはり円形の傷が付いていました。

 どうやらこれも壊れてしまったようです。(泣)


MS「DINOSAURS」(恐竜図鑑)
 異音が発生するパソコンはあきらめて,別のパソコンから起動することにしました。実行ボタンをクリックしたところ,”メモリ不足で起動できません”とのメッセージが表示され,強制終了してしまいました。

 そこで,パソコンをリセットして再度挑戦したところ,今度は正常に起動しました。ただし動画については,画面が真っ黒になってしまい正常に再生されませんでした。(泣)


 どうやら,グラフィックを多用するこの種のソフトは大量にメモリを消費するようです。

 
MS「ENCARTA97」(百科事典)
 正常に起動しました。

 ところが,共有している他のパソコンに表示された画面が変色しているのです。このとき「画面にフィルタがかかってます」とのメッセージが表示されていましたが,何か関係あるのでしょうか。

 プログラムを共有させると色が変色してしまうなんて,MSもやることがちょっとセコいのでは。

 色は変わってしまいましたが,検索機能は正常に働きました。

 しかし,動作がずいぶん緩慢です。(怒)


アスキー「ガラパゴス」(生物図鑑)
共有させたとたんに真っ黒な画面になり,フリーズしてしまいました。(汗)共有している他のパソコンも同様です。

 アプリケーションを起動させたパソコンをリセットして再起動するまで,すべてのパソコンが使用不能の状態になってしまいました。(泣)



 アプリケーションを共有できるなどという夢のような話は,やはりそう簡単には実現できないようです。はあぁ。

 失望しました。



 おまけに,「NetMeeting」が正常に起動しないパソコンも2台ありました。
 タダでセットアップしていただいたので,業者さんには言いにくいです。ふうぅ





 本物を体験させたい(7月7日)

 覚えたばかりのMS「NetMeeting」を,早速クラスの子どもたちに紹介し,遊ばせてみました。

 今日はチャット機能とホワイトボード(お絵かき)機能を紹介しました。

 最初に,電話のかけ方とチャットやホワイトボードのやり方を,私が実際にやって見せながら説明したのですが,予想通り子どもたちは大変興味を示してくれました。


 さて,私からの簡単な説明を終え,早速子どもたちに自由に遊ばせてみました。

 「NetMeeting」のメニューは,大人向けのメニューなので少し心配でしたが,子どもたちは一度見ただけで操作方法を覚えてしまったようで,すぐに教室中で交信が始まりました。チャットでしりとり遊びをしたり,ホワイトボードで共同作品を描いたりして,パソコン越しのコミュニケーションを楽しんでいました。

 交信する前に,わざわざ交信したい相手の所まで行って,「今からかけるから待っててね!」と声を掛け合っていたのが,なかなかほほえましかったです。

 最後に,子どもたちを集めて,「みんなはコンピュータ室の中だけでお話をしたり,絵を描いたりしたのだけれど,インターネットをやると世界中の人とこういうことができるんだよ」と話したら,子どもたちからは一斉に驚きの声があがりました。

 「先生も世界中の人たちとお話ししているの?」
 「もちろん!」(嘘です)

 いつかぜひこの子達に,コンピュータ室内のお遊びではなく,本物の交信を体験させたいです。


追記:
先日(7/4)の日誌の話題について,「えんぴつのない教室」のkatagiriさんから,アドバイスをいただきました。

「パリティ何とかエラーというのは、おそらく現在ではNEC特有のトラブルだと思います。というのも、メモリに「パリティチェック機能」を要求するパソコンは、最近では NECのPC98シリーズぐらいのものだからです。」

ありがとうございました。PC98シリーズの「パリティチェック機能」は,ずいぶん厳しいようで,メモリを固定する位置がほんの少しずれただけでもエラーが出ることがあるようです。まだ保証期間内(1年以内)なので,メモリを交換してもらったり,それでも駄目なときは本体を交換してもらうなどのサポートがなされているとのことです。





 邪道かも−個別学習の試み−(7月11日)

 あと1週間ほどで1学期が終わってしまいます。

 うれしいけれど,この3ヶ月間を振り返ると反省すべきことも多く,もうひとがんばりしなくては,という気持ちです。

 1学期は,野外学習の準備などで授業の進度がかなり遅れてしまったため,教科書をどんどん進めていく授業になってしまいました。その上,出張がたいへん多かったため,授業後などに面倒を見ることもできず,できない子はできないままの状態になってしまいました。

 特に算数が深刻です。

 そこで,今日は,1学期の算数の復習を行いました。

 使用したソフトは,「スーパーCAI」の算数シリーズです。このソフトは,授業で教えるのと同じようにプログラムが進行していく学習指導ソフトです。最初に問題の解き方が図解で分かりやすく説明され,その後で練習問題を解いていく形式になっています。正解すると次のステップに進み,問題の難易度が上がっていきますが,間違えると問題の解き方が解説され,同種の練習問題が出題されます。

 これまでも,授業のまとめの復習で何度か行わせたのですが,今回は,1学期に学習した内容の中から,学習したい内容(プログラム)を子どもたちに選択させました。

 このソフトは,問題の解き方が丁寧に解説されるので,子どもたちにとって大変学習しやすく,授業の復習には最適です。授業で学習したことを忘れてしまって,本来なら私がつきっきりで教えてやらないとできない子でも,画面に表示される解説を見ながら,自分のペースで進めることができます。

 先生の代わりにコンピュータが授業を行うような学習指導ソフトは,現在のコンピュータ教育の流れからすると邪道かもしれませんが,このようにそれぞれの子どもの学力に応じた学習をさせたいときには,個別学習ができる学習指導ソフトは大変役に立ちます。

 でも,学力アップのためとはいえ,やはりコンピュータにコントロールされて学習するというのはあまり望ましくないかなあ?





 反省,というか,愚痴かも(7月19日)

 うれしい!
 今日から夏休みです。
 
 とにかくたくさん寝ます。
 そして,体調をすっかり回復させます。

 それから,休暇をたっぷりとって見知らぬ土地を旅したいです。


 でもその前に,1学期のしめくくり,というか反省をしておかなくては。


 昨年度に比べて,各クラスのコンピュータ室の利用回数が激減しました。

 昨年度は「先生方も子供たちもコンピュータの使い方を覚えよう」という目標で進めてきましたが,本年度は「教科の学習で活用しよう」ということに重点を置いて進めています。

 私個人としては,学校の時間割の中に「コンピュータの時間」があってもよいのでは,と思っていますが,現実にはそのような時間はありませんので,国語,算数など各教科の学習の中でコンピュータを活用する方法を考えていかなくてはなりません。このことが先生方にとって大変な重荷になっています。

 現状では,先生方にとってコンピュータは,やはり「とっつきにくく気難しくて面倒な機械」であるわけで,授業で使うどころか,ちょっとしたお遊びに使うだけでも一大決心がいるわけです。

 本音を言うと,本当は先生方にもう少し勉強してもらいたいのですが,何かの代わりにコンピュータが導入されたというわけではなく,これまでの教育活動の中にコンピュータが割り込んできたわけですから,この忙しい中,コンピュータの練習のための時間を生み出すのがなかなか困難な状況であることもよくわかります。

 それに,コンピュータの使い方をある程度覚えたとしても,
”コンピュータが使える”イコール”授業ができる”
 ではありません。

 コンピュータを操作できることは授業を行う上での必要条件にしか過ぎません。コンピュータの操作方法を覚えることより,コンピュータを授業の中でどう使っていくかを考えることのほうがはるかに難しいです。

 いっそのこと私のように,学習効果などはある程度無視して楽しんでいれば良いのですが,教員というのはやはり律儀でまじめな方が多いので,授業が遅れることを覚悟してまで,お遊びに時間を費やすことはできないようです。

 それで結局はごく少数のやりたい先生だけが使用するという状況になってしまっています。

 ではどうすれば良いのか?

 うーん。難しいです。

 結局愚痴になってしまいました。






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