海外コンピュータ教育事情


 USA教育事情−Report from San Diego−について(2月10日)
 カリフォルニア州サンディエゴ在住のMIZUTANIさんから,現地の小学校におけるコンピュータ教育の現状について,詳細なレポートをいただきました。     
        ・MIZUTANIさんのレポート ぜひご一読下さい!

 このレポートは,サンディエゴ南部のある小学校におけるコンピュータ教育の現状であり,すべて学校にあてはまるとは限らないとの断りがありますが,それでもいくつかの点で,日本の小学校と比べて明らかに進んでいると思います。

 指導する内容や方法,教師と児童のコンピュータ教育に対する意識などの面については,日本と似通っている部分も多いと思いますが,環境整備の面では,この地域はどちらかというと教育水準及び所得水準が低い地域であるにもかかわらず,日本と比べてずいぶん充実しているようです。またコンピュータ教育に対する保護者の関心も非常に高いようです。著作権に対する配慮も,訴訟社会といわれるアメリカらしく,注意深くなされているようです。


 <日本と比べて大きく異なる点>
・コンピュータ室に35台のパソコンが置かれているほか,各教室にも2台ずつ設置されている。 
  →日本では学校あたり20台前後が普通。(文部省が推奨しているガイドラインが20台ですから。)

・コンピュータ室専任の管理者がいる。(市の予算に計上されている。) 
  →私のように学級担任が兼ねているのが普通です。(予算化されていません。)

・コンピュータ教育のための費用の多くは,一般企業・団体からの助成金により賄われている。
  →日本の公立学校はもちろん税金によってまかなわれています。

・すべての教員がコンピュータ基礎知識コースの履修を義務づけられている。

  →地域単位,学校単位で研修会などは行われていますが,単位取得の義務はありません。

・保護者の関心が非常に高く,コンピュータ教育が充実しているかどうかが,学校を選択する重要な条件の一つとなっている。小学校にコンピュータ室があるかどうかの問い合わせが多い。

  →そのような話は一度も聞いたことがありません。

・著作権について,作品を公開する場合,保護者から必ず文書による承諾を得ている。

  →どうでしょうか。書面による同意までは行われていないのでは。本人の了解のみで保護者の同意は得ていないケースもあるようです。


 このように比較してみると,アメリカ(サンディエゴ)では,日本に比べて,コンピュータ教育に対する社会のニーズがずいぶん高いのではないかと想像されます。そのことが,このようなかたちで学校教育に反映されているのではないでしょうか。

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