海外コンピュータ教育事情


 海外コンピュータ教育事情−民間ボランティア−(3月12日)
 昨年10月にホームページを開いて以来,北は北海道から,南は鹿児島から,時には海外からと,様々な地域の多くの方々にご訪問いただき,とてもうれしく思っています。また色々な立場の方から励ましやご助言も数多くいただき,大変感謝しています。多くの人に支えられて”コンピュータ室運営日誌”は今日まで続いております。

 今日は,これまでにいただいたメールの中から,海外のコンピュータ教育事情について教えていただいたことを紹介したいと思います。(掲載にあたって,ご本人の許可はいただいております)
 日本のことしか知らない私にとって,他の国々でコンピュータ教育がどのように行われているかを知ることは,とても興味深いです。

 カナダ在住のJin Satoさんから。
 カナダの小学校でもパソコンは導入されていますが,カナダには文部省にあたるものは有りません。各州レベルでまちまちで,なおかつ各学区でも教科書も違うし,また,進め方もちがいます。それは,多くの人種がいるカナダでは自然だと思うし,教育に対して違う面で(教育ママみたいな事ではなくて)熱心にならざるを得ません。(もちろん、個人差がありますが)
 カナダの場合,現場からの意見としてパソコンを使いたいというようなボトムアップで使われて来ているような背景を感じます。
 日本の様に忙しい社会で,学校での運用を,ボトムアップというような方向で進めるには努力が必要だと思いますが,WebSiteなどで直接目に触れる機会が増える事で,先生方の立場や,父兄のボランティアを導入するような上からの押し付けでない環境や,父兄や社会の理解に役立つと思いますので,これからも,色々な問題などもどんどん公開して頂ければと思いました。


 アメリカバージニア州在住のMasato Itoさんから。  
 米国では,NetDayと銘打って小中学校にインターネットをというキャンペーンが繰り広げられています。ボランティアベースでケーブルを張るなどやってますが,ここでも現場ではいろんな苦労があると聞きました。教師が使えないとか,使いこなせないとか,機器の普及率に学校によって差が有りすぎるとか。(米国では公立校の場合その地域の財政をもろに反映しています)。いろいろ問題はあるのですね。
 日本でも,ボランティアベースで教育の支援をする何か有っても良いと思うのですが,無理でしょうか。

 (追記) NetDayのページについて
 ホームページを持っている学校の紹介やボランティア,スポンサーの募集まであります。住んでいる近所の学校を見たところ,ボランティアなし,もしくは数名,ホームページなしなどでした.カリフォルニアなど先進的なところとはやはり差があるようです。


 コンピュータ教育を円滑に進めていくためには,教員だけでなく,やはり専門的な知識を持った方々の協力が必要ということでしょうか。以前教えていただいたMizutaniさんからのレポートの中にも,各学校にコンピュータ室専任の管理者(教員ではない)がいるとの話がありました。
 日本ではこういう点で大変遅れているのですが,NTTなどが文部省との協力で進めている「こねっと・プラン」(注1)では,800名を越える民間ボランティアの方や全国2000名のNTTの社員の方が各学校の環境づくりやトラブル対策,HP作成等に協力する方針だそうです。こういうことがきっかけになって,コンピュータなど専門的な知識が必要な分野で,父兄や地域の方々に協力していただけるような体制ができていくといいなあと思います。 

注1)昨年11月にスタートした全国1000の学校にインターネットを導入するプロジェクトで,官民が協力しあって推進しており,41の企業・団体・個人が支援している。その中には小室哲哉さんの名前も見られる。

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