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Webサイトを作成する際に、お世話になる方も多いであろうWYSIWYG型Webオーサリングソフトソフト。私もお世話になっています。
従来、これらのソフトが吐き出すHTMLソースは、とんでもないモノが多いということで、使用すること自体がまずいとか言われてきたものです。
しかし、性能も向上したことですし、インストール後のデフォルト状態でどれだけまともなソースを吐き出すかを検証してみましょう。
正しいHTML文書の作成が出来れば、アクセシブルなサイト作成の大きな助けとなるはずです。
古いソフトについては、新・「斬・Webオーサリングソフト」(古いソフト)」を参照してください。
今回、この企画の餌食、もとい対象となったソフトは以下の通りです。
マルチプラットフォームで提供されているソフトについては、特に断りがない限りWindows版で検証しています。
環境 | OS | CPU | メモリ |
---|---|---|---|
Windows | WindowsXP Professional sp1もしくはsp2 | Celeron 2.0GHz | 1GB |
各ソフトをデフォルト状態で使用し、文書要素として、見出し、段落、強調(今回はSTRONG要素で検証)、リスト、アドレス、表(表題つき)、画像を含んだ文書を入力します。
及び、HTML4.01StrictDTDに準じたテスト文書を読み込んだときに、勝手にソースを書き換えないかを検証します。
1.の文書型宣言は、HTML文書であることを明示し、その文書がどのルールに基づいて記述されているかを明示するためのモノです。ここでは、XHTML文書が作成できるかもチェックします。
2.の無駄タグは、HTMLの文法上よろしくありません。また、ページ容量が重くなる原因ともなります。
3.は、見出し、段落、強調、リスト、アドレスといった要素はHTML文書を記述する上で基本となるモノです。基本的な文書構造をきちんと記すことができるかのチェックです。
4.は、HTML文書では必要不可欠であるTITLE要素をマークアップしているかと言う点と、TITLE要素の内容について触れています。TITLE要素の内容が適切でないHTML文書は、訪問者にとっては迷惑です。
5.は、アクセシブルなHTML文書を作成する際に、最も配慮の必要な表と画像の取り扱いについてチェックします。チェックポイント5-1は表についてで、TH要素、CAPTION要素、TABLE要素のsummary属性のマークアップが可能かをチェックします。チェックポイント5-2は画像についてで、img要素のalt属性(特にalt=""とできるかどうか)、width属性、height属性、border属性についてチェックします。
6.は、ページの文字化けに関する問題が発生する可能性があるかをチェックします。ここでは、各ソフトで扱える日本語文字コード(特にUTF-8対応かどうか)、meta要素での文字コード指定について扱います。
7.ホームページ作成ソフトが吐き出すソースは、間違っていたり、足りない部分があったりするモノです。
きちんとしたHTML文書を作成するために手修正を加えるケースが多いと思います。しかし、更新作業などで使い慣れているソフトを使うと、せっかく修正したHTML文書が勝手に書き換えられてしまい、また手修正を施し直す羽目にもなりかねません。そのような事態が発生しないかを見ます。
GoliveCS2に引き続き、XHTML1.0 Transitionalをデフォルトの文書型宣言に採用している。
文字コードがShift_JISでXML宣言が冒頭にないのは、サーバ側での文字コード指定でクリアできる問題なので大きなマイナス要素にはならない。
少し気になるのは、何も指定しないと、文字データをBODY要素の直下にマークアップすること。前バージョンまではP要素の下にマークアップされていたので、戻して欲しい。
cellspacing="2" cellpadding="0"
の設定がされているのは文法上の問題はないとはいえ、ちょっとおせっかい。Webオーサリングツールでは初めてXHTMLをデフォルトに採用。その他、PC向けサイトでは文字コードにUTF-8をデフォルトとするなど、前バージョンからの思い切った変更が見られる。
前バージョンでついていた、ページ編集とソース編集画面を同時に表示できる機能はなくなっている様子。ユニークな機能としては、PDFプレビューというものがある。
動作速度も体感的には前バージョンよりも早くなっていると感じる。動作も安定している。
要注意点としては、インストール時に関連づけが変更される点と、QuickTimeがインストールされていないとダイアログ表示が出る点。最近は、WindowsでもiTunesをインストールしているユーザも多いので、以前ほどは気にならないが……
ホームページ・ビルダー10 標準モードで作成したHTML文書
ホームページ・ビルダー10 標準モードで読み込ませて保存したHTML文書
コーディング面に関していえば、バージョン7からの進化はあまり見受けられない。今回あげられている問題点に関しては、設定の変更で対応できる範囲。
3度に1度の自動保存や、バックアップファイル作成がデフォルトになっているので要注意。
使いこなすためには設定変更は必須といっても良い。
インターフェイス面では、V7〜V9までのごちゃごちゃ感は若干薄まっている。それと、動作がやや軽くなっているような感じがする。
ホームページ・ビルダー10 どこでも配置モードで作成したHTML文書
ホームページ・ビルダー10 どこでも配置モードで読み込ませて保存したHTML文書
ホームページ・ビルダー10 どこでも配置モード変換後のHTML文書
バージョン6の時から口すっぱく言っているが、どこでも配置モードは使用するべきではない。なぜならば、文書構造が崩れる可能性が非常に大きいからだ。挿入ごとにソースを下に下に絶対配置で追加する。見た目には真下にあったとしても、ソース上ではものすごくかけ離れた位置にある可能性が高い。このように文書構造が崩れるとCSSが使えない環境では正しく情報が伝わらない。
どこでも配置モード変換後(ブラウザ共通のレイアウトに変換して保存する)については、絶対指定のレイアウトがテーブルレイアウトに置き換わる関係上、空セル、透明画像がたくさん挿入される。文書構造も減ったくれもなくなる。
FrontPage2003で読み込ませて保存したHTML文書
今バージョンより、ページ編集とソース編集画面を同時に表示できる機能が搭載された。GoliveCSも採用したので、これで、市販されている主要なWebオーサリングソフトでは、すべてこの機能が搭載されたことになる。
コーディング面についてはかなり改善されており、仕事で使う場合に修正をかなり入れなければならないと言う状況からは解放されるだろう。以前のバージョンを使っている場合は、アップグレードをおすすめする。
ただ、個人的に非常に気にくわないことが一つ。新規文書作成をすると、右側に「レイアウト テーブルとセル」なんてメニューが出てくる。このメニューはもろにテーブルレイアウト用。最初からテーブルレイアウトを推奨するようなメニューは出さないで欲しい。
Homepage Creator6で作成したHTML文書については、体験版のソフトウェア使用許諾同意書の中に、
2. 使用範囲
本ソフトウェアを使って作成したファイルを Web サーバーに発行することはできません。また、機能テストの目的でファイルを発行した場合には、機能を確認後に直ちにWeb サーバーから発行したファイルを削除してください。
と言う文書がありますので、ソースを掲載します。
<html>
<head>
<meta http-equiv="content-type" content="text/html; charset=shift_jis">
<title>新・「斬・Webオーサリングソフト」</title>
<meta name="generator" content="Namo WebEditor v6.0(Trial)">
</head>
<body bgcolor="white" text="black" link="blue" vlink="purple" alink="red">
<h1>新・「斬・Webオーサリングソフト」</h1>
<p>Webサイトを作成する際に、お世話になる方も多いであろうWebオーサリングソフト。私もお世話になっています。<br>従来、これらのソフトが吐き出すHTMLソースは、とんでもないモノが多いということで、私用すること自体がまずいとか言われてきたものです。<br>しかし、性能も向上したことですし、<b>インストール後のデフォルト状態でどれだけまともなソースを吐き出すか</b>を検証してみましょう。</p>
<h2>検証対象となったソフト</h2>
<p>今回、この企画の餌食、もとい対象となったソフトは以下のとおりです。Windows環境で動作&有料のソフトです。</p>
<ol>
<li>ホームページ・ビルダー7</li>
<li>DreamweaverMX</li>
<li>Golive6</li>
<li>FrontPage2002</li>
</ol>
<table border="1">
<caption>各ソフトの情報</caption>
<tr>
<th width="187">ソフト名</th>
<th width="187">メーカー</th>
<th width="187">通常版価格</th>
</tr>
<tr>
<td width="187">ホームページ・ビルダー7</td>
<td width="187">日本IBM</td>
<td width="187">14,800円</td>
</tr>
<tr>
<td width="187">DreamweaverMX</td>
<td width="187">Macromedia</td>
<td width="187">48,000円</td>
</tr>
<tr>
<td width="187">Golive6</td>
<td width="187">Adobe</td>
<td width="187">24,800円</td>
</tr>
<tr>
<td width="187">FrontPage2002</td>
<td width="187">Microsoft</td>
<td width="187">オープンプライス(実売19,800円)</td>
</tr>
</table>
<p><img src="list-yellow.gif" width="16" height="16" border="0"><a href="../neo_wysiwyg.htm">新・「斬・Webオーサリングソフト」へ戻る</a></p>
<hr><address>
文責:FUMING(<a href="mailto:fuming@neko.chan.ne.jp">fuming@neko.chan.ne.jp</a>)</address>
</body>
</html>
このソフトも、ページ編集とソース編集編集画面を同時に表示できる。インターフェイスはDreamweaverMX シリーズに似ている。メーカーのサイトでもDreamweaverMXを比較対照として取り上げている。
コーディングに関しては、文書型宣言を吐き出さないこと、書式設定が弱いのが気になる。
初期設定では、バックアップファイル作成がデフォルトになっているので要注意。
前バージョン同様、まずヘルプを見ないと何をしていいのか全くわからない。先ほども書いたが、最初にサイトを作成してその中にHTML文書や画像を追加する形式になっている。
いざサイトを作ろうとしたところ、ディレクトリ指定をするようにとダイアログが出たので、いつも使っているディレクトリを指定したら、、「指定したディレクトリにはファイルが存在します。削除される可能性がありますがよろしいですか?」とメッセージが。このメッセージだけは初心者にとっては怖いだろう。私ですら怖かったので、別ディレクトリに隔離する羽目に。
HTML吐き出しの質は、今回テスト対象になっているソフトでは最低レベル。こんなのに1,995円も払う価値はどこにもない。いくら、お絵かき機能やFTP機能がついていたとしても、絶対に使ってはいけない。
Nvuについては、基本的には英語版であり、日本語メニューを使うには日本語化拡張をインストールする必要がある。また日本語HTML文書保存時にはきちんと日本語のエンコードで保存する必要がある。
もう一つ気になるのは、リンクや画像でローカルにあるファイルを指定した場合、保存してもファイルへのパスがそのままになっている点。
コーディングに関する癖はMozilla Composerと同じであるため、Mozilla Composerを使ったことがあるのならほぼ同等の感覚で利用することが可能だろう。機能的には、Nvuのほうが上である。
Mozilla Composer同様、インラインスタイルシートの濫用が気になるが、フリーソフトとしてはかなり上質なソフト。
個人的主観を交えてランク付けをする。
リンクに関してはご自由にどうぞ。