HOME→Webオーサリングソフト編→新・「斬・Webオーサリングソフト」
新・「斬・Webオーサリングソフト」
Webサイトを作成する際に、お世話になる方も多いであろうWYSIWYG型Webオーサリングソフトソフト。私もお世話になっています。
従来、これらのソフトが吐き出すHTMLソースは、とんでもないモノが多いということで、使用すること自体がまずいとか言われてきたものです。
しかし、性能も向上したことですし、インストール後のデフォルト状態でどれだけまともなソースを吐き出すかを検証してみましょう。
正しいHTML文書の作成が出来れば、アクセシブルなサイト作成の大きな助けとなるはずです。
各ソフトをデフォルト状態で使用し、文書要素として、見出し、段落、強調(今回はSTRONG要素で検証)、リスト、アドレス、表(表題つき)、画像を含んだ文書を入力します。
及び、HTML4.01StrictDTDに準じたテスト文書を読み込んだときに、勝手にソースを書き換えないかを検証します。
チェックポイント
- 文書型宣言の有無、正確さ、扱える文書型の種類
- 無駄なタグ(例:<p> </p>)を出してこないか
- 見出し、段落、強調、リスト、アドレスを正しくマークアップできるか
- TITLE要素の取り扱い
- 表と画像の取り扱い
- エンコードについて
- 勝手にソースを書き換えないか
解説
1.の文書型宣言は、HTML文書であることを明示し、その文書がどのルールに基づいて記述されているかを明示するためのモノです。ここでは、XHTML文書が作成できるかもチェックします。
2.の無駄タグは、HTMLの文法上よろしくありません。また、ページ容量が重くなる原因ともなります。
3.は、見出し、段落、強調、リスト、アドレスといった要素はHTML文書を記述する上で基本となるモノです。基本的な文書構造をきちんと記すことができるかのチェックです。
4.は、HTML文書では必要不可欠であるTITLE要素をマークアップしているかと言う点と、TITLE要素の内容について触れています。TITLE要素の内容が適切でないHTML文書は、訪問者にとっては迷惑です。
5.は、アクセシブルなHTML文書を作成する際に、最も配慮の必要な表と画像の取り扱いについてチェックします。チェックポイント5-1は表についてで、TH要素、CAPTION要素、TABLE要素のsummary属性のマークアップが可能かをチェックします。チェックポイント5-2は画像についてで、img要素のalt属性(特にalt=""とできるかどうか)、width属性、height属性、border属性についてチェックします。
6.は、ページの文字化けに関する問題が発生する可能性があるかをチェックします。ここでは、各ソフトで扱える日本語文字コード(特にUTF-8対応かどうか)、meta要素での文字コード指定について扱います。
7.ホームページ作成ソフトが吐き出すソースは、間違っていたり、足りない部分があったりするモノです。
きちんとしたHTML文書を作成するために手修正を加えるケースが多いと思います。しかし、更新作業などで使い慣れているソフトを使うと、せっかく修正したHTML文書が勝手に書き換えられてしまい、また手修正を施し直す羽目にもなりかねません。そのような事態が発生しないかを見ます。

DreamweaverMX 2004で作ったHTML文書
DreamweaverMX 2004で読み込んで保存したテスト文書
- チェックポイント1
- 文書型宣言はHTML4.01Transitional(URLあり)。XHTMLも扱うことはできるが、こちらはXHTML1.0Transitionalとなる。
- チェックポイント2
- 無駄タグ吐き出しはなし。
- チェックポイント3
- 以前のバージョンからの問題点であるが、なぜかADDRESS要素が各種メニューからマークアップできない。
- チェックポイント4
- タイトル設定用のボックスに入力すればよいので、入力方法はわかりやすい。
- チェックポイント5-1
- TH,CAPTION要素、TABLE要素のsummary属性ともともマークアップOK。TH要素には、scope属性が設定されている。
必要な項目が作成時に設定できるのは非常にありがたい。他のソフトでは、プロパティを参照しなければならない見出しセルの設定も簡単だ。
ただし、デフォルトではテーブル幅が200pxで設定されている(作成時は表の幅を指定するようになっているが、作成後に幅指定をクリアすることも可能)。
- チェックポイント5-2
- 画像を挿入した時点では、width属性、height属性が設定、alt属性、border属性が非設定。alt属性については、画像のプロパティから、空を指定すればalt=""とすることができる。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。meta要素内ではすべて小文字になっている。EUC、JIS、UTF-8対応。
- チェックポイント7
- 書き換えはなし。
プロユースとしてはおおむね問題ないレベルだろう。問題がある部分も、HTML直接編集で補えば何も問題がない。HTML直接編集する場合は、入力補助なども行ってくれる。今回の評価外とはなるが、CSSで段組を組んだ場合でもレイアウトの再現性がよい。

ホームページ・ビルダー8 標準モードで作成したHTML文書
ホームページ・ビルダー8 標準モードで読み込んで保存したテスト文書
- チェックポイント1
- 文書型宣言は、HTML4.01Transitional(URLなし)。一応XML形式での保存はできるが、文書型宣言と矛盾してしまう(XML形式で保存した文書)。回避するためには、メニューのツール→オプションの一般タブで、「DOCTYPEを出力する」のチェックをはずした上で正しいものを補わなければならない。
- チェックポイント2
- デフォルトではGENERATORを吐き出す。これは、メニューのツール→オプションの一般タブで「GENERATORを出力する」のチェックをはずせば回避できる。
- チェックポイント3
- 基本的なマークアップに関しての文法的問題はないが、LI要素の終了タグがない(XML形式で保存した場合は補われる)。
また、デフォルトでは、要素が大文字、属性が小文字となっているのもネック。
- チェックポイント4
- 何もしないと、TITLE要素の内容はない。ページのプロパティでタイトルを設定するというのはわかりづらい。ちなみに見出し要素が設定されている状態で、ページのプロパティを開けば、最初の見出し要素の内容が設定される。
- チェックポイント5-1
- TH,CAPTION要素ともにマークアップOK。TABLE要素summary属性はマークアップNG。TBODY要素がマークアップされている。
- チェックポイント5-2
- width属性、height属性、border属性が設定。alt属性は設定なし。border属性については、TransitionalDTDなら問題ないが、StrictDTDの場合には手動で消すしかない。alt属性は画像のプロパティから設定可能だが、内容が空の指定はできない。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。EUC、JISには対応しているがUTF-8未対応。
- チェックポイント7
- 文書型宣言がHTML4.01Transitional(URLなし)に戻されるのはつらい。回避方法は、チェックポイント1で述べたとおり。GENERATOR挿入、一部のMETA要素が大文字になる。
コーディング面に関していえば、バージョン7からの進化はあまり見受けられない。今回あげられている問題点に関しては、設定の変更で対応できる範囲。だが、これだけ問題点が出ると、初期設定が悪いということにもなる。
インターフェイス面に関しては、非常にごちゃごちゃしている。編集スタイルが「かんたん」や「スタンダード」では1024×768では半分強しか編集スペースが取れない。おすすめは「エディターズ」だ。ドキュメントアウトライナを使うことで、通常メニューやプロパティから設定できない属性についても設定できる。
あと、3度に1度の自動保存や、バックアップファイル作成がデフォルトになっているので要注意。
このソフトとうまく付き合うためには、設定変更必須。お勧め設定は、筆者の別サイトを参照のこと。

ホームページ・ビルダー8 どこでも配置モードで作成したHTML文書
ホームページ・ビルダー8 どこでも配置モードで読み込んで保存したテスト文書
- チェックポイント1
- 標準モードを参照のこと。
- チェックポイント2
- どこでも配置モードの場合、すべて絶対座標で配置される。それゆえにDIV要素満載となってしまう。
- チェックポイント3
- P要素を配置したい場合に注意が必要である。段落の挿入で標準を指定しなおさないといけない。これを忘れると、DIV要素の直下にテキストが置かれる。
- チェックポイント4〜6
- 標準モード参照のこと。
- チェックポイント7
- 標準モードでの変更内容に加え、チェックポイント2でも記しているが、すべて絶対座標で配置される関係で、DIV要素がいたるところに挿入される。
バージョン6の時から口すっぱく言っているが、どこでも配置モードは使用するべきではない。なぜならば、文書構造が崩れる可能性が非常に大きいからだ。挿入ごとにソースを下に下に絶対配置で追加する。見た目には真下にあったとしても、ソース上ではものすごくかけ離れた位置にある可能性が高い。このように文書構造が崩れるとCSSが使えない環境では正しく情報が伝わらない。

ホームページ・ビルダー8 どこでも配置モード変換後のHTML文書
- チェックポイント1
- 標準モード参照のこと
- チェックポイント2
- どこでも配置モードの絶対指定レイアウトがテーブルレイアウトに置き換わるので、空セルや透明画像がたくさん挿入される。
- チェックポイント3
- 変換すると、文書構造もへったくれもなくなる。DIV要素以外はすべて残っていると入っても、これでは問題外。
- チェックポイント4〜6
- 標準モード参照のこと。
- チェックポイント7
- このテストは実施できない。
前バージョンから加わった、どこでも配置モードを共通のレイアウト(=テーブルレイアウト)に変換する機能だが、使用するメリットが非常に薄い。テーブルの幅は、Netscape4のデフォルト文字サイズである9ptが基準となるので、InternetExplorerをはじめとした12ptがデフォルトのブラウザでは逆にレイアウトが崩れてしまう。Netscape4向けの別ページをわざわざ提供するときぐらいにしか使えない。

ホームページ・ビルダー9 標準モードで作成したHTML文書
ホームページ・ビルダー9 標準モードで読み込んで保存したテスト文書
相変わらずあまり進化が見られないので、前バージョンである8と異なる点だけ記載する。以前のバージョンが抱えている欠点は相変わらず引き継いでいるので、使用するのなら初期設定変更必須。
- チェックポイント5-1
- このチェックポイントに関しては、2つの変更点がある。
1つ目は、テーブルに関してはスタイルが適用されるのがデフォルトとなった。スタイルを適用したくない場合は、表作成ボタンをクリックしたときに出るダイアログで「表にスタイルを適用する」のチェックをはずす必要がある。
表にスタイルが適用されると、スタイルの部分は外部CSSファイルに記載される。
td,th要素のclass属性にhbpという文字が入るので、ホームページ・ビルダー製なのがバレバレになる。
2つ目の変更は、表作成時に最初の行を見出しセルにするというオプションがついたことだ。これはデフォルトでONとなっている。DreamweaverMXほど柔軟な選択はできないが、table要素を本来の目的どおりに使う場合には非常にありがたい。
- チェックポイント6
- 今回からUTF-8にも対応するようになった。
マークアップ面では、テーブル周りでデフォルトでスタイル適用というのはちょっと厳しい。表作成時にデフォルトで最初の行を見出しセルにするのは、テーブルを本来の目的どおりに使うという方向性なのか?ただし、マニュアルの方を見ると、相変わらずテーブルレイアウト推奨なので意図がいまいちわからない。
バージョン7以降のユーザがバージョンアップをするかどうかは、UTF-8対応ページを作るかどうかだろう。

Golive6で作成したHTML文書
Golive6で読み込んで保存したテスト文書
- チェックポイント1
- デフォルトはHTML4.01Transitionalであるが、メニューからの変更ができる。ただし、自由にバージョン変更できるのは、HTML同士、XHTML同士となる。
- チェックポイント2
- デフォルトではGENERATORを吐き出すのと、BODY要素のbgcolor属性を吐き出してしまう。
- チェックポイント3
- ホームページ・ビルダー8同様、基本的なマークアップに関しての文法的問題はないが、LI要素の終了タグがない。XHTML文書としていればこの問題は解消される。
html要素でlang="ja"の設定あり。
- チェックポイント4
- 何もしないと、内容が、「Welcome to Adobe GoLive 6」となってしまう。編集画面上部に現在のタイトルが表示されているので、それをクリックして変更すればよい。
- チェックポイント5-1
- TH,CAPTION要素のマークアップはOK。TABLE要素summary属性はマークアップNG。TABLE要素に
cellspacing="2" cellpadding="0"
の設定がされているのは文法上の問題はないとはいえ、ちょっとおせっかい。
- チェックポイント5-2
- alt,width,height,borderの各属性が設定される。alt属性の内容は空。border属性が設定されるのだけが悔やまれる。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。EUC、JIS、UTF-8対応。
- チェックポイント7
- 書き換えはなし。
DreamweaverMX2004同様、プロユースとして問題のないレベル。初期設定でまずいと思われる点があるが、きちんと設定をすれば問題なく使えるだろう。
インターフェイスに関しては、Adobe社製ソフトのインターフェイスになれていないとちょっとつらい面もある。

FrontPage2002で作成したHTML文書
FrontPage2002で読み込ませて保存したテスト文書
- チェックポイント1
- 文書型宣言なし。XML文書形式にするのはHTMLソース画面から指定するが、XML文書形式にしても文書型宣言は補われない。
- チェックポイント2
- GENERATORだけでなく、Content-LanguageやProgIdというのも吐き出してくる。
- チェックポイント3
- メールへのリンクの仕方がいまいちわからず。その他は問題なし。
- チェックポイント4
- デフォルトでは、最初の行に入力されている内容。ページのプロパティからや保存時に変更可能。
- チェックポイント5-1
- TH,CAPTION要素はマークアップOK
だが、CAPTION要素がNG。TABLE要素summary属性はマークアップNG。TABLE要素で、border="1" cellpadding="0" cellspacing="0"
style="border-collapse: collapse" bordercolor="#111111"
id="AutoNumber1"
の設定があり、かなりおせっかい。
CAPTION要素については、メニューの表→挿入→表題でないと挿入できない。デフォルト状態では、表の幅は100%が指定されている。
表作成については、Wordの操作と同じなので好みが別れるところだ。行や列の挿入は右クリックメニューで簡単に出来るが、削除はメニューからだけで、操作性には課題が残る。
- チェックポイント5-2
- border属性のみ設定あり。width属性,height属性についてはページレイアウト確定を早めるためにはデフォルトで設定してほしいところ。画像のプロパティでwidth属性、height属性の指定は可能。alt属性の内容も設定可能だが、内容が空のは設定できない。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。meta要素内では、すべて小文字になっている。EUC、JIS、UTF-8対応。
- チェックポイント7
- 書き換えはなし。
よけいなモノが入りすぎという印象がある。マークアップも中途半端な印象。バージョン2003で修正されていればよいのだが。

GoliveCSで作成したHTML文書
GoliveCSで読み込ませて保存したHTML文書
- チェックポイント1
- デフォルトではHTML4.01 Transitionalであるが、メニューからの変更可能。ただし、自由にバージョン変更できるのは、HTML同士、XHTML同士という制限がある。
- チェックポイント2
- デフォルトではGENERATORを吐き出すのと、BODY要素のbgcolor属性を吐き出してしまう。
- チェックポイント3
- 基本的なマークアップに関しての文法的問題はないが、LI要素の終了タグがない。XHTML文書としていればこの問題は解消される。
html要素でlang="ja"の設定あり。
- チェックポイント4
- 何もしないと、内容が、「Untitled Page」となってしまう。編集画面上部に現在のタイトルが表示されているので、それをクリックして変更すればよい。やっとソフト名とバージョン名を表示するのをやめた。
- チェックポイント5-1
- TH,CAPTION要素のマークアップはOK。TABLE要素summary属性はマークアップNG。TABLE要素に
cellspacing="2" cellpadding="0"
の設定がされているのは文法上の問題はないとはいえ、ちょっとおせっかい。
ただし、作成時には、テーブル幅が180pxで設定されているし、行数や列数の指定が出来ない(3行3列で固定)。もちろん、これらの設定は後で変更できるとはいっても、他のソフトに比べると見劣る感じがする。
- チェックポイント5-2
- alt,width,height,borderの各属性が設定される。alt属性の内容は空。border属性が設定されるのだけが悔やまれる。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。EUC、JIS、UTF-8対応。
- チェックポイント7
- 書き換えはなし。
コーディングに関しては、前バージョンからの進化はほとんど見られない。初期設定でまずい点がちらほら。Adobe社製ソフトのインターフェイスは慣れの問題だと思う。
実は、DreamweaverMX 2004やホームページ・ビルダー8のように、ページ編集とソース編集画面を同時に表示できる機能が密かについている。
QuickTime6がインストールされていないと、起動時に、マルチメディア関連の機能を使うのにQuickTime6が必要というダイアログが毎度毎度出るのでウザイ。Macユーザはともかく、WindowsユーザではQuickTimeをわざわざインストールしなければいけないので面倒。
このソフトを使うにあたってのネックは重さとソフトの安定度だろう。重いし、落ちやすい。

Netscape Composer(Netscape4.78付属)で作成したHTML文書
Netscape Composer(Netscape4.78付属)で読み込ませて保存したHTML文書
- チェックポイント1
- 文書型宣言らしきモノはあるが、
<!doctype html public "-//w3c//dtd html 4.0 transitional//en">
と正しくない。XHTML非対応。
- チェックポイント2
- GENERATORとAuthorを吐き出してくる。
- チェックポイント3
- P要素は吐き出してこない。STRONG要素のマークアップもNG。HR要素にはwidth属性がついてくる。
- チェックポイント4
- 保存時に指定できる。また、ページのプロパティからも指定可能。
- チェックポイント5-1
- TH,CAPTION要素ともマークアップOK。TABLE要素summary属性はマークアップNG。ただし、TABLE要素で、
BORDER COLS=3 WIDTH="100%"
の設定がされており、Invalidなマークアップとなっている。
- チェックポイント5-2
- width、height属性のみ設定があるが、数値が囲まれていない状態。alt属性については、画像のプロパティから設定可能だが、内容が空の指定はできない。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。EUC、UTF-8対応。
- チェックポイント7
- 文書型宣言はチェックポイント1の内容に書き換え。P要素はすべて消される。GENERATORの挿入あり。一部の属性が大文字に書き変わる。属性値が数字の場合に、ダブルコーテーションが削除される。TABLE関連では、以下のような書き換えとなる。
<br>
<table BORDER summary="検証対象パッケージソフトの情報" >
<caption>検証対象となったソフト一覧
<br><tbody>
<br></tbody></caption>
ところどころでInvalidなマークアップとなり、使うには厳しいモノがある。所詮、旧世代ブラウザに付属していたソフトである。

Mozilla Composer(Mozilla1.5付属)で作成したHTML文書
Mozilla Composer(Mozilla1.5付属)で読み込ませて保存したHTML文書
- チェックポイント1
- デフォルトは、HTML4.01Transitional(URLなし)で変更できない。XHTML非対応。
- チェックポイント2
- 無駄タグ吐き出しはなし。
- チェックポイント3
- A要素のマークアップには疑問が残る。ファイルを選択しても、「URLは相対URLである」にチェックを入れないと、ファイルの場所が指定されてしまう。保存時の修正もされないので要注意。また、HR要素で、
style="width: 100%; height: 2px;"
の設定がされる。
- チェックポイント4
- 保存時に指定できる。また、ページのプロパティからも指定可能。
- チェックポイント5-1
- TH要素がなぜかマークアップできない。CAPTION要素のマークアップはOK。TABLE要素summary属性はマークアップNG。TABLE要素には
cellpadding="2" cellspacing="2" border="1"
style="text-align: left; width: 100%;"
の設定がされる。また、各セル(TD要素)には、 style="vertical-align: top;"
が設定される。
- チェックポイント5-2
- A要素のマークアップ同様、ファイルを選択しても「URLは相対URLである」にチェックを入れないと、ファイルの場所が指定されてしまう。保存時の修正もされない。
画像の幅と高さについては、width属性、height属性での指定ではなく、style属性での指定となる。style="width: 16px; height: 16px;"
alt属性については、画像挿入時に指定可能だが、代替テキストの内容が空の指定はできない。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。EUC、JIS、UTF-8対応。
- チェックポイント7
- 書き換えはなし。
新規作成時では、やたらとstyle属性を使う印象がある。インラインスタイルシートは最終手段であり、やたらと指定すべきモノではない。文法的には問題ないが、使用するのは少々厳しいだろう。

alphaEditで作成したHTML文書
alphaEditで読み込ませて保存したHTML文書
- チェックポイント1
- デフォルトは、HTML4.01Transitional(URLなし)。HTML3.2やHTML4.0Transitonalに変更可能だが、いまさらこれらの文書型宣言は使用しないだろう。XHTML非対応。
- チェックポイント2
- リストとテーブルの間に、<P> </P>が入る。
- チェックポイント3
- A要素に
target=""
が設定されてしまう。ホームページ・ビルダー8同様、要素は大文字、属性は小文字となる。
- チェックポイント4
- 何もしないと、TITLE要素の内容はない。ページのプロパティから設定可能。
- チェックポイント5-1
- TH,CAPTION要素いずれもマークアップNG。TABLE要素summary属性もマークアップNG。TABLE要素には、
cellSpacing=0 cellPadding=3 width="75%" border=3
が設定される。
- チェックポイント5-2
- width,height,alt属性が設定される。width属性とheight属性は数値が囲まれていない状態。alt属性は内容が空となっている。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。変更はできない。
- チェックポイント7
- 要素が大文字になる。属性値のダブルコーテーションがはずされる。
TABLE周りが弱すぎる。また、読み込み保存すると属性値のダブルコーテーションがはずされてしまうのは辛い。

OpenOffice.org 1.1.0で作成したHTML文書
OpenOffice.org 1.1.0で読み込ませて保存したHTML文書
- チェックポイント1
- デフォルトは、HTML4.0Transitonal(URLなし)。変更はできない。XHTML非対応。
- チェックポイント2
- GENERATORを始めとして、meta要素でいろいろなモノを吐き出してしまう。今回、筆者はインストール時に個人情報を一切入力しなかったが、入力していた場合には、これらの情報も吐き出してしまうので要注意。
また、英単語や数字を入力すると、その部分に<FONT FACE="Times New Roman, serif"><SPAN LANG="en-US">7</SPAN></FONT>
などとしていされてしまう。
BODY要素には、lang属性とdir属性が指定されている。
- チェックポイント3
- STRONG要素のマークアップNG。P要素には、
STYLE="margin-bottom: 0cm"
が設定されている。ADDRESS要素周りのマークアップは不可解。
ソースは要素、属性ともに大文字。
- チェックポイント4
- なにもしないと、TITLE要素の内容は空。設定方法はメニューのファイル→プロパティの全般タブで設定。
- チェックポイント5-1
- TH要素はマークアップOKだが、CAPTION要素はマークアップNG。TABLE要素summary属性もマークアップNG。TR要素で、valign属性が設定される。また、TH,TD要素にはwidth属性が設定される。TABLE要素には、
WIDTH=100% BORDER=1 CELLPADDING=4 CELLSPACING=3
が設定される。
COL要素がマークアップされている。
- チェックポイント5-2
- 画像に続けて文字列を入力しようとすると、改行されてしまう。width,height,border属性だけでなく、name,align属性も設定される。alt属性は設定できない。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。meta要素内ではすべて小文字になっている。変更はできない。
- チェックポイント7
- 書き換えが非常に多い。主なのだけでも以下のようなモノがあげられる。
ソースはすべて大文字に書き換えられる。
文書型宣言は、HTML4.0Transitonalに変更される。
外部スタイルシートの設定が消されてしまい、STYLE要素で勝手にスタイル設定をしてしまう。
テーブルの各セルおよびリストの項目ごとにP要素が挿入されてしまう。
BODY要素にTEXT,BGCOLOR,LINK属性の設定がされてしまう。
STRONG要素に設定していたstyle属性の内容が、<STRONG><SPAN STYLE="background: transparent"><FONT
COLOR="#ff0000">
となってしまう。
属性値が数字の場合、ダブルコーテーションがはずされてしまう。
ソフトとしては新しい部類にはいるはずなのに、新規作成でも使うには非常に厳しい。デフォルトでHTML4.0であることと、alt属性の設定ができない点は辛すぎる。よけいな情報を多く吐き出すのもまずい。もっと辛いのは、書き換えが非常に多い点だ。Netscape
Composer(Netscape4.7付属)よりひどい。

alphaEDIT+で作成したHTML文書
alphaEDIT+で読み込ませて保存したHTML文書
- チェックポイント1
- デフォルトではなし。フリー版のalphaEDITでは、DTD選択機能まであったのだけど、今回は削除された様子。XHTML非対応。
- チェックポイント2
- LI要素内でDIV要素を吐き出してしまう。他にも操作のちょっとした違いによって、<P> </P>を吐き出してしまったり、P要素の直下にTABLE要素が入ってしまうというのもあるので要注意。
- チェックポイント3
- 文法的には問題ないが、リストのマークアップでDIV要素が入るのはいただけない。後、1度保存してからでないと、相対パスでの指定が出来ないので要注意。太字ボタンでSTRONG要素が挿入されたり、メールアドレスへの自動リンクなどの配慮はありがたい。ソースの吐き出しは、要素が大文字、属性は小文字となっている。
- チェックポイント4
- ソース編集画面で編集しないとTITLE要素の中が空の状態になってしまう。ツールバーのメニューのプロパティから設定可能。右クリックメニューのページ本体のプロパティではBODY要素に関する設定になるのでややこしい。
- チェックポイント5-1
- CAPTION要素のマークアップはOKだが、TH要素のマークアップが出来ない。summary属性もマークアップできない。THEAD要素やTFOOT要素のマークアップが出来るのだが、TBODY要素のマークアップが出来ないという感じで、ちぐはぐになってしまっている。
挿入時の画面であれこれ指定できる割には、肝心なところが抜けているという印象だ。
- チェックポイント5-2
- width,height,border,alt,hspaceが指定されている。hspaceは余計だ。属性値が数字の場合、ダブルコーテーションでの囲みがない。alt属性については、デフォルトではファイル名が入ってしまうが、挿入時の画面で消せばOKだ。
リンク同様、1度保存しないと相対パスでの保存が出来ないので要注意。
- チェックポイント6
- デフォルトはShift_JIS。meta要素内ではすべて小文字になっている。EUC、JIS、UTF-8対応。
- チェックポイント7
- IMG要素やA要素で小文字が大文字になっている。また、ところどころ属性値のダブルコーテーションが消えている。IMG要素alt属性とTABLE要素summary属性で非数値の値が入っているにもかかわらず消えているのは非常にまずい。
alphaEDITのシェアウェア版。操作面ではかなり親切になっているが、肝心のマークアップがあまり良くない。相変わらず、数値にダブルコーテーションが入っていなかったり、読み込み保存で勝手にダブルコーテーションが外されてしまうといったことがある。そもそも、作者のページで、
※注記
当ソフトはHTMLソース解釈の基幹部分にMicrosoft社のコンポーネントを使用しており、これにより生成されるHTMLソースはW3CのHTML仕様には準拠していない部分があります。
と言い訳されているので、HTMLソースの吐き出しの質については期待するなと言うことか。2000円出して買うぐらいなら、他のソフトをおすすめする。

個人的主観を交えてランク付けをする。
- S:DreamweaverMX 2004
- DreamweaverMX2004は、完璧までとはいかないが、プロユースとして使用しても問題ない。細かい部分での配慮も効いている。難点は、価格が高いこと、起動にやや時間がかかること。
- A:Golive6,GoliveCS
- Goliveシリーズは、DreamweaverMX 2004には細かい点で劣るが、こちらもプロユースとして問題ないレベル。ただ、ソフトの動作が重たい。非力なマシンには向かない。
- B:ホームページ・ビルダー8 標準モード、Homepage Creator6、ホームページ・ビルダー9 標準モード
- ホームページ・ビルダー8は、初期設定を変更すれば、静的なページを作成する際にDreamweaverMX 2004やGoliveCSに負けないコーディングは可能。ただ、XHTML文書の作成にはあまり向かない、UTF-8が扱えない、サーバサイドスクリプトとの連携ができないという点が厳しい。また、初期設定のまずさが非常に目につく。9では、UTF-8が扱えるようになった。表周りの扱いが変更されているが、良い方向(プレビューがついた)と悪い方向(デフォルトでスタイル適用)両方に変更があるので、プラスマイナス0とする。
- C:FrontPage2002、Mozilla Composer(Mozilla1.5付属)
- 読み込み保存による書き換えはいずれのソフトもないが、FrontPage2002はコーディングの弱さが、Mozilla Composerはコーディングの過剰さが辛いところ。
- D:なし
- なし
- E:Netscape Composer(Netscape4.7付属)、OpenOffice.org 1.1.0
- Netscape Composerはもはや過去のソフトなので使わない方がよい。OpenOffice.orgは、よけいな情報を吐き出したり、文書型宣言がHTML4.0であったりする。また、読み込み保存での書き換えが多すぎて、使用に堪えない。
- F:ホームページ・ビルダー8 どこでも配置モード、ホームページ・ビルダー9 どこでも配置モード
- 使うべからず。ホームページ・ビルダーのユーザはこのモードの存在を忘れた方がよい。もちろん、変換してうんたらかんたらというのもするべきではない。

HOMEへ戻る Webオーサリングソフト編目次へ
©Copyright 2006 FUMING fuming@neko.chan.ne.jp
リンクに関してはご自由にどうぞ。