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嫌われ者の重たいページ

WWWサーフィンをしていて一番辛いことは、「必要な情報を取り出すために、長い間待たされること」です。すなわち、ページの表示に時間がかかることです。このような時に、「ここのページ重いな〜」と感じます。

テレホーダイの時間帯だとどうしても、アクセスが集中しやすいので、サーバーの負荷がそれだけ高くなり、レスポンスも悪くなりがちです。で、これまた、「重たいな〜」と感じさせます。

なぜ、重たいページが嫌われるのかと言えば、
 「通信時間とお金の無駄」につながるし、表示を待たされるのは「ストレス」以外の何物でもないからです。

訪問者が表示に待てる限界時間

表示に10秒以上かかるページはまず見てもらえないと言っても過言ではありません。ページがなかなか表示されなければ、訪問者は「戻る」ボタンをクリックしてしまうでしょう。
特にトップページが重たいのは、致命傷です。せっかく検索サイトやリンク集などで自分のサイトを見つけてもらって、クリックしてもらったとしても、トップページが重たければ、トップページすら見てもらえないという悲劇に見舞われます。

で、ここで言う10秒は、訪問者が最大限待てる時間で、それも内容的に期待できるものがある場合です。

10秒と言っても、環境に応じて異なります。1秒間で、どれだけの情報をやりとりできるかを、まとめたのが下の表です。bpsは、1秒間に転送できるビット数のことです。1バイト=8ビットとなります。
この表で記したbyte数は、数字通りの速度が出た場合であり、やりとりできるファイルサイズは少なくとも2〜3割は減少すると考えておいて下さい。特にアナログ接続の場合は、接続速度が遅くなる傾向が強く、ポテンシャル通りの速度はまず出ないと言ってもよいでしょう。

通信速度とファイルサイズ
速度 バイト数/秒 10秒で表示できるサイズ(小数点第2位切り捨て
9600bps 1200byte 12000byte(11.7KB)
14400bps 1800byte 18000byte(17.6KB)
28800bps 3600byte 36000byte(35.1KB)
36000bps 4575byte 45750byte(44.7KB)
56000bps(56k) 7000byte 70000byte(68.3KB)
64000bps(64k) 8000byte 80000byte(78.1KB)

9600bpsというのは、携帯電話の通信速度です。パソコンでダイヤルアップ接続をしてWWWサーフィンする場合は、28800bps以上のモデムがほとんどだと思います。現在の主流は、アナログ56k もしくは ISDN64kだと思われます。

56kもしくは64kにターゲットを絞るとしても、10秒以内でページを確実に表示させるには、50KBが限界です。アクセシビリティのことを考えれば、20KB以内におさえるべきでしょう(携帯電話や遅いモデムを使っている人はある程度表示に時間がかかるのを覚悟しているとは思いますが)。

通信速度が速くなったからこそ、待てなくなってきているという声もあります。リンクをクリックしたら、「ぱっ」とページが開いて当たり前という考えです。
訪問者側のハード面が充実してきているだろうから、少々重たいトップページを作っても大丈夫だなんて思っていたら、泣きを見ますよ。

やむを得ず、コンテンツの内容として、ファイルサイズの大きなデータを貼り付ける必要がある場合(50KB以上)は、ファイルサイズを明記しておくのが訪問者に対する配慮だと思います。ファイルサイズが明記されていれば、訪問者側は、ダウンロードにどれだけの時間が必要なのかを予想することができます。

ページのデータを構成するもの

HTMLファイル(タグとテキスト文章)+画像、動画、音楽などのファイル
ただし、JavaScriptなどで制御している場合、体感速度はスプリクトを使用していないときよりも遅くなります。これは、ブラウザに余計な仕事をさせるためです。

重たいページの原因

で、なぜ重たいページになってしまうのかというと、たいていは画像の使いすぎ(他にも原因はある)。HTML+テキストだけなら、どんなに多くても10KBぐらいまででしょう。

画像

トップページだからこそ、訪問者に注目してもらいたいと思って、見栄えが少しでも良いページを作りたいという気持ちはよ〜くわかりますが、見栄えに懲りすぎて画像を使いまくると、あっという間にファイルサイズが大きくなってしまい、重たいページの原因となってしまいます。

先ほど1ページあたりのファイルサイズの話をしましたが、理想的なファイルサイズとしての20KB以内におさえるのであれば、画像で10KBぐらいしか使えません。この数字はかなり厳しいと思うのですが、軽快なページ表示を考えるのであれば、これぐらいをめざすぐらいの心意気はあってもよいかと思います。

訪問者にとっては、見た目の良さもある程度重要ですが、余程崩れたデザインでない限りは見てくれると思います。見た目の良さを追求するのであれば、スタイルシートを活用しましょう。

特にトップページに画像を貼り付けるときは、本当に必要なのかを吟味して、できるだけファイルサイズをおさえるようにしましょう。そして、width と height で画像サイズの指定をしておきましょう。画像サイズの指定があれば、画像を表示するスペースを先に確保してくれるので、その分だけ表示が早くなります。

JavaScript

Internet ExplorerとNetscapeで同じ様な動きをつけるために、複雑なJavaScriptで制御しているページも散見されます。
JavaScriptを使うことでブラウザが担当する仕事が増えてしまい、マシンに負担がかかります。低スペックのハードの場合、下手をするとOSのフリーズにつながります。単なるアニメーションであれば、取るべきでしょう。本当にそのJavaScriptを使うことが必要なのかを考えてから使って下さい。

表組み

古いブラウザでの表示のことも考えて、レイアウトが崩れないように表組みを使うサイトも多いですが・・・表組みは、その中のデータを全て読み込まないと表示することができません。2重、3重に表組みの指定をしていればなおさらです。表組みの中に大きなデータを貼り付けていると、ただでさえ遅い表示がなおさら遅くなってしまいますので注意。
表組みを使ったレイアウトをするのであれば、なるべく1枚の表で行うのではなく、複数の表を組み合わせるようにしましょう。

結論

ページが重たくていいことはまるっきりなし!多少味気ないと言われようが、軽いページで表示がスムーズにできる方が、結果として見てもらえるページになります。

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