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推奨環境は書かない

わがままなお願い

WWWサーフィンをしていると、トップページでよく以下のような文字にお目にかかります。

 「このページはInternet Explorer 4.0以上でご覧下さい」

 「1024×768ピクセルで見て下さい」

いずれも、制作者のわがままとしか言いようのないお願いですね。言いたい気持ちはわからなくでもない(自分がデザインしたとおりに見てほしい、自慢のデザインが崩れるから嫌だ等)ですが、このような記述があると、サイトの印象は確実に悪くなります。

自分の使っているブラウザがおすすめでなかったり、解像度の問題で大きな解像度が指定できない訪問者がこのような文字列を見たら、
「私みたいなのは、お呼びじゃないんだ・・・」と思ってしまい、「戻る」ボタンを押してしまうでしょう。

特定のサイトを見るためのだけに、最新バージョンのブラウザやプラグインをインストールするのなら、もしかしたらやってくれるのかも知れません。しかし、わざわざハードウェアを買い換えようとはまず思わないでしょう。

ウェブデザインをする上で、制作者が一番犯しやすいミスは、
 「自分が見ることができるのだから、訪問者達も同じように見ることができる」
と勝手に思いこむこと。

訪問者の環境は人それぞれ。ハード面で言えば、解像度の問題、モニタサイズの問題があるし、ソフト面では、ブラウザの問題があります。そして、GUIベースで見ている場合、表示サイズは訪問者側で自由に設定することが可能なのです。これらの観点がサイト制作時に抜け落ちていると、わがまま言い放題のサイトになってしまいます。

どんなに古いブラウザや小さな画面でも、テキストはきちんと表示することができます。CSSを慎重に使えば、古いブラウザでも便利なページに、新しいブラウザなら見栄えのよいページを作ることはできます。デザイン面での見栄えに懲りすぎて、特定のブラウザでしかきちんと表示ができなかったり、特定の画面サイズでしかきちんと表示ができないようなサイト作りはナンセンスです。

WWWは、ソフトウェアと違って、どのように使うかは訪問者の自由なのですから。

より多くの人に自分のサイトを見てほしいのであれば、ブラウザの独自の機能に追随するよりも、HTMLの標準的な文法に気を遣うべきですね。
そして、トップページは、どんな環境の訪問者であっても閲覧できるようにしておきましょう。

トップページに推奨環境を書かないために何をすべきか?

解像度に依存したページ作りをしない

解像度で問題となるのは、訪問者に横スクロールをさせてしまうかどうかということです。WWWサーフィンの場合、縦スクロールをするのは自然なことですが、横スクロールは不自然です。しかも、1行見るごとに横にもスクロールをしなければ内容を見ることができないというのは、訪問者に不便を強いるだけです。

基本的には、固定幅でのデザインをするのではなく、ウィンドウサイズの割合に応じた幅(パーセンテージ指定)でデザインするほうが良いでしょう。どうしても、固定幅でデザインをしたければ、横幅は600ピクセル以下におさえましょう。

ブラウザ独自の要素や属性は使用しない

Internet Explorer、Netscapeいずれも、ブラウザ独自拡張の要素があります。Internet Explorerでは、MARQEE(流れる文字)、IFRAME(インラインフレーム:注1)、BGSOUND(BGMを流す)等、Netscapeでは、BLINK(点滅する文字)、MULTICOL(段組作成)、LAYER(画像を重ねる)等です。

特に、ユーザ数の割合が少ないNetscape独自拡張の要素や属性を使ってしまうと、自分がせっかく作成したデザインがほとんどの訪問者に正しく見てもらえない結果になってしまいます。 

問題となるのはHTMLの独自拡張要素だけではありません。JavaScriptやスタイルシートでも同様です。ブラウザ独自の機能をトップページで使うのはやめましょう。

コンテンツの内容がどうしてもブラウザ依存になるのであれば、その旨を目次となるページに書いておくのが親切でしょう。

注1:インラインフレームは、HTML4.01の規格できちんと定義されていて、Netscape6.xには対応済みです。Netscape 4.x以前のバージョンには対応していませんので注意。

最新ブラウザにしか対応していない機能は使用しない

ブラウザがバージョンアップしたからと言って、ダウンロードコーナーへ直行するWWWサーフィン利用者はあまりいません。それは、バージョンアップ直後はどうしても動作が不安定であったり、セキュリティに関する問題がたくさん出てきてしまうものなのです。ちょっと古めのブラウザでも安定した動作をしてくれる方がよいと思っているユーザもいます。

ですので、最新ブラウザにしか対応していない機能をつかってしまうとこれまた自分がデザインした通りに表示がされないという問題を引き起こしてしまいます。 

人々が安心してバージョンアップをするのは発表されてから1年はかかるものだと思っておいても良さそうです。

プラグインがなければ概要すら見られないようなトップページは作らない

Flash等のプラグインを利用しているページも多いですが、プラグインがなければ目次すら見ることができない等のページ作りは絶対にしてはいけません。Flashを使ったスプラッシュページなんていうのは、論外です。
プラグインを入れたくないと言う訪問者もいますし、プラグインが動作しない環境の訪問者もいます。単にまだ導入していないという訪問者もいるでしょう。

コンテンツでプラグインを使うなとまでは言いませんが、プラグインを使うのであれば、一言記しておいて下さい。

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