ぼくがその幼いアオバズクの兄弟に出会ったのは、島の長い梅雨のまっただ中のことだった。

 夕方、仕事帰りのおとうさんがダンボール箱を大事そうにかかえて帰ってきた。

 その中には、まだ産まれて間もなアオバズクのひなが入っていた。

 道路工事で切り倒された大きなシイノキから転がり落ちたところをひろわれて、自然公園で働くおとうさんのところに届けられたんだ。親鳥は木が切られたときにびっくりしてとんでいっちゃったんだって。今頃はどこかで心配しているかもね。

 ひなたちは不安そうに体を上下に揺らし、大きな目でじっとぼくを見ていた。

 こわがらなくてもいいんだよ。

 ぼくはその兄弟に「アオ」と「バズーカ」って名前をつけてあげた(2匹合わせてアオバズーカ!)。

 ひなたちの体重は140グラム。 おとうさんが食料品店で買ってきた肉を少し無理に口に押し込むとごくりと飲み込んだ。

 いっぱいたべて大きくなれよ。

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