お盆も過ぎて夏休みも後半に入ったある日の夜。家の裏の林から「ホウ、ホウ」という声が聞こえてきた。

「あれはアオバズクだ」

 ひなの鳴き声とはぜんぜん違う大人の声だ。

 おとうさんは、アオかどうかはわからないといったけど、ぼくは絶対アオが鳴いているんだと思った。

 その声はけっしてさびしそうではなく、穏やかだけど力づよくて、自分が生きていることを知らせているように、ぼくには聞こえた。

 アオの鳴き声は、秋になったいまでもまだ聞こえている。

おわり
ひとつもどる | 最初へもどる

 


KF Marine Lab表紙へ | CESホームページへ