8月2日

 じめじめして暑い日だった。

 家の裏で庭そうじをしていたおかあさんが、コンクリートの上に何かが散らばっているのを見つけた。

 それは鳥の羽と骨だった。

 おとうさんはしばらくだまって羽を見てから言った。

「たぶんバズーカだと思う。イタチに食べられたんだ…」

 ついこのあいだ、目玉をくりくりさせ餌を食べ、空を飛んでいたバズーカが、こんなバラバラの骨と羽だけになったなんて、ぼくには信じられなかった。

 おとうさんとぼくは骨をひろい、庭のすみにうめてバズーカのお墓を作った。羽はきれいにあらって乾かした。

 おとうさんはだまっていたけれど、しばらくしてこんなことを言った。

「きっとイタチもおなかがへってたんだよ。それに生きものはみんないつか死んで生まれ変わるんだ、バズーカは次は花になるかもしれないし、虫になるかもしれない。そしてそのうちきっとまた鳥になるよ…」

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