7月29日

 強い風がふいている。今日で4日間、アオもバズーカもすがたを見せていない。元気でいるのかとても心配だ。2ひきは出会えたのかな。それともどこかにとんでいってしまったのだろうか。

7月30日

 夕方、仕事から帰ってきたおとうさんが外で声をあげ。た

「アオとバズーカが来てるぞ!」

 大急ぎで家の外へ出ると、2ひきは電信柱と家の屋根にとまっていた。2人いっしょだったんだ! 雨や風をどこでしのいでいたの? えさは食べていたのかい?

 おとうさんはいそいでえさを用意して2ひきに差し出した。すると1匹がふわっと飛び、こっちに向かってきた。でもねらいは差し出した肉のえさじゃなくて、ぼくたちの頭の上を飛んでいるカナブンだった。空中でじょうずに虫をキャッチすると電信柱にもどって、おせんべいを食べるように音をたてて食べた。見ている前で2ひきは何回も虫をつかまえてみせた。まるぼくたちに、えさをとれるようになったことを見せに来たように。

 そのすがたは、オリの中で心細そうに鳴いていた鳥とは見違えるようだった。

 もうだいじょうぶだね。

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