7月24日
梅雨が明けて、夏休みになった。
アオはここ3日間すがたが見えない。どうしているのだろう。オリの中のバズーカもだいぶじょうずに虫を食べるようなった。
それを見ておとうさんは、
「もうそろそろかな」 ってつぶやいた。
7月25日
「今日バズーカをはなす」 おとうさんが言い出した。あまり長く飼いすぎると野生に戻れなくなるんだって。 オリのとびらをあけると、バズーカははじめキョトンとしていたけれど、しばらくするとぎこちなく空を飛び、庭のセンダンの木にとまった。五分ぐらい周りを見回しながらジージー鳴いていたけれど、やがてどこかへ飛び去っていった。
「これでよし」 っておとうさんは言った。
ぼくはずっと飼っていたかったし、ほんとうはどうしてはなさなきゃいけないのか分からなかったのだけれど。