7月16日

 夕方のえさやりの時、大事件が起こった。一瞬のすきをついてアオが外へ逃げ出したんだ。オリから一気に屋根まで飛び上がった。もう飛べるようになっていたんだ! アオはしばらく近くの木の上にいたけれど、やがて日が暮れて見えなくなった。

 おとうさんは、

「自分で虫をつかまえる練習をしてからはなしたかったなあ」
って少し残念そうだった。

 家の周りではアオがじーじーなく声がしていたけど、夜おそくになって降り出した強い雨の音にかき消されて聞こえなくなった


7月17日

 一日雨。家の周りではアオの声もすがたもない。どこでどうしているのだろう。羽がぬれて飛べなくなっていなければいいのだけれど。

7月18日

 おかあさんの呼ぶ声で目がさめた。朝、おかあさんが起きて部屋のカーテンを開けると目の前の物干し竿に、アオがこっちを向いてとまっていたんだ。えさをあげると一切れだけ飲み込んでまたどこかへ飛んでいってしまった。もっと食べていけばいいのに。おなかがすいたらいつでもこいよ。


7月21日

 アオはときどき家の周りにいるけれどえさをあげようとしても、なかなか寄ってこない。たまに取りに来るときもひなの時のように口で受け取るのではなく、足でわしづかみにして持っていくようになった。

 朝や夜になるとアオは家の近くでないている。それに答えるようにオリの中のバズーカもなく。アオは「お前も来いよ、外は面白いよ」って言ってるのかもしれない。

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