その10(1999.06.28)

梅雨入りしたとはいえ、当初は本当にいいお天気続きだったんですけど (気温32度という真夏日もありましたし・・・)、先々週辺りから、 空気がジメジメして来るのを肌で実感しています。平日、今いる公舎でも (鉄筋コンクリ造ですから当たり前と言えば当たり前なんですけど) 不快指数は相当なものです。除湿器かけても追いつきませんしねぇ。 しかし、来年の夏からは断熱の効いた涼しいお家に住める、となるとやっぱり 努力のし甲斐があるというものです。本当、来年福島県中通り地方に異動に なるといいんですけど、こればっかりは人事的な話ですからねぇ。まあ、 願望ということで。原町でも通わせて貰えれば問題はない(本人は至ってその気 だし)のですが、ちょっと微妙な状況になって来た、ということもありまして・・・。 しかし、日中涼しく過ごす、という意味では図書館も捨てがたいものが あります。職場は・・・省エネ励行ですから・・・。生活費節約の為、新聞 も職場で読むかと図書館で読むかしていることもあって、特に休日の情報収集 には欠かせない、ということもありまして(ちなみに、読むのは日経・朝日に 地元紙2紙。これだけ読んでおけば、情報的には差し当たり十分だと、自分では 思っていますが)。 家づくり関係の本は自前で揃えていますが、それ以外の本は図書館にリクエ ストして揃えて貰うことも多いですし、本当に活用して損のない存在だと 思います。 家づくり関係の本で言えば、最近読んだ本でちょっとショックを受けたもの があります。  「『いい家』が欲しい」 松井修三さんという方が書かれていて、              三省堂書店が発行しています  詳しい内容は実際にご覧になってもらった方が良いと思いますので、ここ では省略しますが、要は「家づくり」には断熱・工法・依頼先の選択が重要 であってそれを誤ると取り返しがつかなくなる、ということを実例を挙げて 説明されています。論理は明確ですし、何よりショックを受けたのはこれまで 自分が購入して読んできた家づくり関係の本の内容についても冷静に批評して いる事と、何より(この方はソーラーサーキット外断熱工法による在来木造を 推奨されていますが)輸入住宅も欠陥だらけと一刀両断していることにあります。 要は工事中に構造体が濡れることとグラスウール断熱による壁内結露のことを 問題にされている訳ですが・・。  まあ、現場写真も雨対策を怠っている現場のものですし、計画換気をしな ければ当然気密性の高い2×4ではすぐ壁内結露はするでしょうから、施工や 仕様の善し悪しで大きく左右される面はあると思います。それに、輸入住宅も 少数派とはいえ、もう10何年も変わらぬ高断熱を保っている家も実例で存在 する訳で、十把ひとからげに「構造的欠陥」とされるのは、それを選択した 施主の立場からすれば、複雑な心境であることは確かです(ただ、設計仕様書の 項でも書きましたが、壁内結露の問題については、自分でも不安に感じている 面がなくもない訳ですし)。 ただ、自分は素人ですから、記載された内容が本当に正しいかどうかを判断 出来る立場にはありません。それについては、自分自身施主になった訳ですから、 出来上がったおうちで、30年ローン付きの壮大な実証実験をすることで、 あくまで個人的な結論を出せば足りると思っています。それにここは東北・ 公庫V地域・福島ですから、地域特性で変わって来る面もあると思いますし。 だから、今は自分の選択した工法で、完璧とは行かないまでも、少なくとも 構造断熱防湿的には何ら問題のない家を、自分も積極的に関与することで 創り上げることに全力投球したいと思っています。 一つ痛感したのは、家づくりに関して勉強の為に本を読むという行為は、ある 意味で(結果的に良い場合と悪い場合とがあるでしょうが)その著者が主催する ××教信者になってしまう可能性がある、ということですね。知り合いから得る 情報もしかりで、家を建てる施主は、「迷える子羊」からは根本的には抜け出せ ないのかもしれません。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 当初予定では、6月17日の木曜日からフレーミング(組上)開始とのことでし たが、これまでのピーカン天気が嘘のように、本格的な梅雨になってしまい、結局 その日の組み上げは中止ということに。 結局、一応天気が小康状態となった金曜と土曜で、基礎パッキンを敷いて、床組 (根太)まで組み上げていました(ちなみに、上の写真は20日の日曜日に撮影。 この日も雨でした)。床の合板を敷いて断熱材入れる時は雨が降るとまずいけど、 根太までは雨に濡れても大丈夫・・・とは現場担当さんの話でしたが。 確かに、ビニールシートで覆われている資材を見てみると(やっぱり2×6とも なると、構造体も確かに太くて頑丈そうだなぁ、と思いましたし、JASマークも 入ってましたから、乾燥材だし多少の雨では大丈夫だとは、ものの本で分かっては いても、やっぱり施主の立場からしますと、精神衛生上は複雑なものがありました。 基礎の防湿コンクリ面も結構水溜まってましたし・・・。

ただ、輸入住宅といっても、セルコホームはカナダで壁や床組となるフレームパネルを予め
カナダで組み立ててから輸入しているタイプです。そこで、設計図面に合わせて予め何処に
何をはめ込めば良いか、番号が振ってあるのですが、それとは別に赤い字で「7188」番と
という番号が記載されていました(上の右の写真でちらっと見えるのがそれです)。このメー
カーもフランチャイズの分を含めれば輸入数量もかなりのロットになっていることでしょうから
4桁なのでしょうが、これが自分の分なのか、と思うと野積み状態でもやっぱり愛着が湧く
ものです。これは、建てた人でないと理解してくれないかな・・・。

しかし、月曜からの平日については、空自体は今にも降り出しそうな状況が続いたのですが、
雨自体は殆ど降らずに済んだため、工事も大分進んだはず。ならば、ちょっと体力的に
きついけど、水曜はどうせノー残業デーだし、夜なら休み取らなくても見に行けるから、という
ことで見て来ることに。往復4時間現場1時間はさすがに切ないものがありますけど(笑)。

ちょうど夏至の日だったので、夜7時過ぎに到着してもしばらくは周囲は明るいものでした。
そしたら、まだフレーマーさんが後片付けをしているではないですか!お2人でチーム組んで
いるようですが、かなり若くて、ただいかにも「職人さん」という風貌の方でした。

そりゃ取り敢えずご挨拶しませんと。すると、向こうさんも親切にいろいろ話してくださいました。
せっかくですから、いつもの通り質問大会になるわけです。



進捗状況は上の写真の通りで、一階の壁は組み終えて、二階の床組まで組んだ状態
でした。月火水の3日間でここまで進むのですから、やっぱり早い方なのでしょうか。
(現場担当さんの話だと、雨が降らなかったお陰で床の断熱材も無事入れることが
出来た、とのこと。その後は写真にある通りツーバイガードで完璧に覆っていました)
フレーマーさんと話した感じだと、通常はやらない二階床にもツーバーガードを施工
するよう(現場担当さんから)依頼があったそうで、このHPのお陰かどうかは知りませ
んが、施工に注意を払ってくれていることは感じられましたね。

勿論、ざっと見た限り、釘打ちや金物関係についてはきちんとしていました。
確かに、営業さんが言っていた通り、丁寧な仕事と言っていいと思います。

フレーマーさんも自宅をこれで建てた、との事(その方は元社員で、今は独立して
仕事を請け負っているそうです)で、部材の厚さや質的にも他の大手メーカーのより
ずっと良いし、自分も住んでいるけど快適だよ、と力説(?)されてました。
その方は、自分が今回採用した屋根洋瓦(セラマウント)をセルコホームで最初に
採用したとのことで、普通標準のスレート(コロニアル)で建てる人が大多数なのに
自分がセラマウントを採用したのが興味があるらしく、結構何でこれにしたのか(そりゃ
耐久性重視以外の何者でもありませんが・・)とか、やっぱり自分が25歳独身で建てた
こととか、和気あいあいに話は進みました。

さりげないんですけど、内心嬉しかったのは、「ここの基礎屋は上手いね」と言ったこと。
鉦(かね−垂直のこと)がきちんと立っているから、根太張りが楽だったそうです。
と、いうことは基礎については安心して良いのだな、と・・・。何しろ一番気にしていました
ので。

話している内に真っ暗になってしまったので、車のヘッドライトで建物を照らして写真を
撮ってから、丁重に挨拶して引き揚げてきました。

結果論なのですが、このフレーマーさんと顔合わせするのはこれが最初で最後でした。
以下に土曜日(26日)の状況を書きますが、その日は家庭の都合で仕事はお休み、で
今週半ばには仕事も完了するそうなので・・・。
そういう意味では、この日行って大正解でしたね。やっぱり互いに顔が見えた方が張り
合いも出るんでしょうし・・・。

と、言うわけで土曜日に現場見に行ったら、誰もいませんでした。お茶出しの準備して
行ったんですけどねぇ。もっとも、現場担当さんとは事前に落ち合う約束をしてましたので、
じきに来ましたが。



ちなみに、写っているのは家を見たいと付いてきた職場の入庁同期の同僚君です。
モテない同士、今からホームパーティ(焼肉)しようぜ、と言っています(笑)。
ま、せっかくの広さですからね、有効活用したいものです。

つまり、木金で2階の床を貼って壁パネルも組み上げ(クレーン使ったそうです)、
更に屋根の小屋組まで組んだ訳で、それはさすがに手際がいいなあ、と思いましたね。
ここまで組むと、具体的に建物全体や各部屋のイメージが掴めて来ますね。
やっぱり結構な大きさなんだな、と実感しました。

で、許可もらって中にも入らせて貰いました。


奥がリビングで手前が和室となります。

中にはもう樹脂サッシも搬入されていて、(重量のある掃き出し窓は既に取り付けも済んで
いたし)もう「現場」の雰囲気を漂わせていました。せっかくだから金具の取り付け状況に
ついても、現場担当さんに確認し、問題はなさそうでした。ただ、樹脂サッシって滅茶苦茶
重たいものなんですね。ガラスがペアだということもあるのでしょうが・・・。
断熱性能は期待できそうです。

2階や小屋組も見せて貰いましたが、デジカメの電池が切れてしまったため、次回掲示
ということでお願いします。今度の週末に中間立ち合いがありますので、内部構造特集号と
してお送り出来れば、と思っています。研修等もあるため、更新はちょっと遅れるかもしれま
せんが・・・。

今後は、フレーミング自体は今週半ばで完了し、続いて屋根工事にかかるとのこと。 スレートなら2日ぐらいで葺き上がってしまうみたいですが、瓦だともう少しかかる みたいです。中間立ち会いは今度の土曜日を予定している、とのことなので、職場 対抗バレーボール大会が終わったら午後飛んで行こうと思っています。 電気配線とかの最終確認ですね。 勿論、構造面もじっくり見せていただきますが・・・。 そして、郡山市は検査が毎週火・金の事なので、順調なら7月8日の火曜日が 公庫中間検査、ということになります。まあ、問題はないだろうとは思いますが、 もし予定が合えば立ち会いたいのだけど・・・。出張予定どうでしたっけ?

そんなところで、家づくりも大分形になって来た感があります。7月に入れば休みも取りやすく
なるため、極力現場も見に行こうと思っています。但し、夏バテには注意しませんと・・・。

さて、どうなりますことやら。

その11へ