その4

経営状態及び施工監理体制につき、社長決裁後に文書
にて返答するとしたI社でしたが、のらりくらりと結局2月第2
週に入っても引き延ばしていたんです。

請負金額は一番高いは、契約約款は露骨に業者寄りだ
はで、ただ文書にて回答をくれるという(証拠として残りま
すよね)誠意を見極めたかったのですが、もう待っても仕方
がないな、という気になりますよね。一ヶ月もかかっては。

で、刺激が少なくて済むよう業者さんの休日(水曜日)を
狙ってファックスで交渉辞退文書を送り、縁を切りました。
ここも、土地を購入する前からの付き合い(福島県に進出
して来た時、社長の著作を見て構造見学会に行ったのが
始まり)なので、足かけ1年半接して来たけれど、最後は
あっけないものでした。ただ、何も言って来なかったことを
見ると、もともとあの照会文書を出した段階で、見込み客
から外していたのかもしれませんが・・・。

そして最後に残ったのが、S社(セルコホーム梶j。 

宮城県仙台市に本社があり、仙台近郊でのマンション/
建売分譲と南東北3県(宮城・山形・福島)でのカナダ製
輸入住宅を販売を手掛ける中堅業者です。

様々なコスト軽減努力により坪29.8万円からの価格帯
で高性能の輸入住宅を販売していることを知り、これも土地
を購入する前に、一度福島市にあるモデルハウスを見に
行った事から始まった付き合いです。

まずは、フリープランで自分の要望入れて間取りを組んで
貰いました。しかし、フリーだと坪単価が2割アップとなるた
め外壁総レンガ(−耐久性のある材料であることが条件で
す−)という条件を付けると到底価格的に手が届かないな
いものとなってしまい、この案はお流れに。

その為、自分の予算に見合うものにするにはどうすれば
良いか、ということで企画プランの一部変更にすれば何と
かなりそう、となり仕切り直しに。

但し、坪単価が安いので、みんな大きな家を建てたがる
のでしょうか?床面積が大きいプランが殆どで、自分のスト
ライクゾーン、公庫基本融資金額が一気にアップする125
平方メートル超近辺のプランで、かつ総二階、おまけに北
道路のプランは、といえばこれが2つしかない始末。
8×8メートルの正方形の総二階と、7×9メートルの長方
形の総二階。外壁を総レンガにするという金のかかる願望
を持っていた自分にとっては、正方形の方が使用数量が
少なくなるため良かったのですが、肝心の間取りが、いくら
ベースといってもパッとしない。

と、言うわけで画像集にアップした基本プランで話を進めて
いくことになりました。

企画プランなので変更出来るところは限られているようで
したが、少しずつ変えて行き、ついには原型の面影が見え
るのは階段と水回りぐらいというところまで自分の希望に
合わせてガラッと変えてしまいました。
(断ったI社のプランと比較して頂ければ近似性が感じられ
 ると思います)

2/13にも打ち合わせに行きまして、折衝の末、画像集
にある「S社の間取り」で一旦落ち付き、後は請負金額に
ついての条件闘争で(で、納得出来れば契約する)流れ
だなあ、と自分では考えていました。

2/20は大安ですし(その辺り、私自身は意外に古風な
ところがあります。土地購入契約をしたのも大安でしたし)、
決めるならこの日かな、と思い交渉場設定のアポを取りま
した。その日の午後に目一杯時間を取って貰い、とことん
詰めた上で、最終決断しようとの目論見でもありました・・・。

しかし、事態は思わぬ所から急展開し始めます。

何と、台所部分の採光面積が足らず、このままでは建築
確認自体が下りないということが判明したんです。で、営業
の方が提案して来たのは、リビングとダイニングとの間の
間仕切りをなくして、直接南からの光が北面まで届く様に
する、というもの。

これに対し、私自身はといえば、焼魚とかの臭い/油煙
対策や神奈川時代に住んで来た実家が独立したダイニン
グだったということもあり、あくまで独立型ダイニングにこだ
わりがありました。また、玄関からリビングに行くのに必ず
ダイニングから入らなくてはいけないのはやっぱりしっくり
来ない、というのもありました。

そこで、連絡を受けたのが平日だったため、速攻で対案
を考え、昼休みにアパートに戻ってファックスで送ったのが
画像集にある「変更後プラン」の原型なんです。和室とダイ
ニングとの場所の交換なのですが、これでとうとう一階の
レイアウトはフリープランで作ったものと殆ど変わらなくな
ってしまう結果に・・・。


そして2/20に、もの凄く気合いを入れて、セルコの
福島営業所に行って来ました。懐には実印と印鑑証明と
金曜日に揃えた現金を持って。

しかし、いきなりカウンターパンチを食らいます。

その1「協議の結果、契約約款の特約による変更は
    認められません。この約款で契約をお願いします」
   (I社よりは数段マシでしたが、業者寄り記載も
    それなりにありました。見た感じ大手メーカーの
    契約約款と殆ど同じものです)
その2 オプション単価一覧表から転載した単価の合計
    で出した、「概算」見積をそのまま契約の見積に
    しようとした−暗にサービスを求めても頑として
    譲らなかった。
その3 自分で修正した上記の間取りについてはまだ
    建築基準法上の採光面積確認が出来ていない。
    よって、(おそらく大丈夫だとは思うが)駐車場を
    何処に取るかによって位置により採光の可否が
    変わって来るので、まずは敷地調査してみないと
    この間取り自体で行けるかどうか、がはっきり
    しない。
その4 諸費用を含めた見積金額合計は、自分が考えて
    いたのよりもン万円多かった・・・。

顔には出しませんが、内心では相当がっくり来てました。
勿論、詰められるところは詰めましたが、今日契約する
意欲は萎えてしまいました。

契約書を汚したくないのは結局ここも同じなのか・・・。

しかも、会社の方針として(かかる労力の点で)敷地調査・
地盤調査は通常契約後に行うものなのだそうです。だとし
ても、この間取り自体成立しないのであれば、それで契約
するのは危険過ぎると思いませんか?契約約款を変えられ
ないのなら、特に。

すると、営業の方が最後に

・敷地調査を週明け早々に行いたいので、それには「契
 約」としてではなくあくまで敷地/地盤調査代金として
 10万円お預かり出来ないか
・手持ち資金が少なければ、輸入住宅のパッケージ発注
 までに50万円だけ入れて貰い、あとは引渡しの時に
 清算してもらって構わない(その間の費用はこちらで立
 て替える)。

                 と提案して来たのです。  

ここまで、交渉3時間半。
正直言って疲労困憊でした。
契約ではなく、あくまで調査実費としての扱いであれば
最悪の場合それをドブに捨てれば済む。間取りが成立
することが分からなければ、そもそも判断のしようがない
訳だから。ならば・・・。

10万円を支払い、調査代金名目としての領収書を貰い、
おいとまして来ました。
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その後、いつものように飯坂温泉の共同浴場に向かっ
たのですが、なまじ気合いが入っていたせいか、燃え尽
きていました。よく事故起こさずに済んだものです。

で、本当に温泉って有り難いです。浸かったら、これま
での疲れが嘘の様に消えて行きました。

そして、考えてみました。

そもそも、企画型の単価で交渉しているのに、間取り
自体はフリープランでやっているものと殆ど変わらなく
なったのに、かかるのは設計変更料として計上された
10万円のみ。つまり、好意的に見れば差し引き約200万
円分サービスしてもらったことにならないか。
  
プラン変更で間仕切りが相当増えているのに、その分
の金額はサービス(藪蛇になっては困るので、聞いては
いないが)になっている。間仕切りの下地材に石膏ボード
にビニールクロスの施工手間を考えれば相当な金額を
サービスして貰っていることにはならないか。
そして、そこにはまるドアは、カナダ製の威力か木製
ホワイトペンキドアにもかかわらず、一本6000円。 
標準の単価自体、確かにリーズナブルではある。

引き渡しまで50万円の支払いで済むとすれば、他の
メーカーのように早い段階で結構なつなぎ資金を借りず
に済み、逆に高金利のつみたてくん(住宅金融公庫で
発行している住宅取得希望者向け割り引き債券です)
を引き渡しぎりぎりまで温存できるから、その差額だけ
でも10万単位にはならないか?

今週半ばには、敷地調査の結果も判明するとの事なの
で、28日にいよいよ最終決断ということになりました。

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