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15.The Beauties


今年も World PC Expo の季節がやってきた。 Windows2000、モバイルなど、話題のアイテムはそれなりにあったが、 最大の目玉は、やはり日本初登場の iBook だろう。 "iMac to go."、直訳すれば『行く iMac』。 iMac のコンセプトを、そのまま持ち運べるようにした、という意味らしい。

どちらかというと、ぽっちゃり丸くて「可愛い」という印象の iMac に対し、 iBook は、あの名画『ヴィーナスの誕生』で、 生まれたままの姿のヴィーナスが立っている貝殻のようだ。 半透明で白い内側など、ちょっぴり「セクシー」な感じさえ受ける。

Windowsでなければパソコンではない、と思っている諸氏は、 「あんな重くて大きいノートパソコン、使えるかよ。」と見向きもしないようだが、 そんな事はお構いなく、この人気。 iBook の前で「記念撮影」をする人さえいた。 性能はさておき、見た目の美しさでもかなり売れるだろう、と私は見た。

ぐるぐると回ってます。 iBookの画面に吸い込まれそう。
長蛇の列で後ろからは全然見えません。 前に立って記念撮影する人もいました。

長く続く不景気のせいか、 はたまた「テクノロジーの発表会に色気など不要」という方針なのか、 今年も、派手なコスチュームのキャンペーンガールは少ない。 そんな中で、ピチピチのレースクイーンを連れてきたメーカーが、 高木産業だ。

「高木産業」と言っても、ピンと来ない人がいると思う。 しかし「パーパス」と言えば、風呂釜や湯沸器を思い出すだろう。それは全く正しい。 元々は住宅設備機器の会社である。 ノートパソコンの BTO (顧客の要望に合わせた生産)を始め、 天体望遠鏡と組み合わせたアプリケーションセットの提案など、 かなり意欲的な展示をしていたが、コンピュータ業界では無名に近い存在。 ショウで注目されるには、健康な色気はとても効果的だ…。

私は今まで『レースクイーンなんて、単に衣装が派手なだけさ。』と思っていた。 しかし彼女たちは、 私の浅薄な先入観を見事に裏切って、とてもチャーミングだった。

とってもひょうきんな、杉山まどかさん。 ただいま営業中で〜す。 二人とも愛想がいいです。
背中だって魅力的です。 カメラの皆さん奇麗に撮ってね。 『ほら、あそこから撮ってるよ。』井藤純子さんに見つかっちゃった。

私は、宇宙服のようなギンギラの衣装や、やたらに露出を強調した衣装は好まない。 色づかいもデザインも、シンプルなものがいい。 それでいて、さり気なく色香が漂えば最高。 今年のパーパスPCの衣装は、 とても好感が持てた。特に彼女には…。

一所懸命にカタログを配る彼女の名前を、もちろん私は知らない。 ここに写真があるのを知ったら、きっと驚く事だろう。

カタログを配るのが彼女の仕事です。 あまり立ち止まってくれません。
通りがかる人に一所懸命… 『あ、可愛い子がいる。』
『後ろ姿も撮っちゃおう。』 彼女は私に微笑んでくれました。 あ、カメラを持つ手が震えた…

私は、きっちり構えた写真より、スナップの方が好きだ。 相手が意識していると、ついついカメラを引っ込めてしまったりする。 ところが、遠くからカメラを構えている私に気づいた彼女は、 笑顔で手を振って応えてくれた。面食らったが、何だか妙に嬉しかった。

後になって、私は彼女から、カタログを全く受け取っていなかったことに気がついた。 しかもせっかくの写真はピンぼけ。彼女には申し訳ないことをしたように思う。 だからこれだけは言っておこう。 『貴女はあの日、幕張メッセの中で一番輝いて見えました。』と。


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Original pictures were exposured on September 10, 1999 by Konica Q-M100V.

This page was updated on Tuesday, May 02, 2000

Copyright©1999-2000 Toshiyuki Kato