27.江ノ電100周年(2)

開業当時の「江ノ島電氣鐵道」は、実は現在の会社と無関係なのだそうだ。その後の「江ノ島電気鉄道」が、戦後「江ノ島鎌倉観光」となり、現在の「江ノ島電鉄」に引き継がれている。一時廃線の話もあったらしいが、テレビドラマで注目されて観光客が増え、昭和後期からは、新造車も次々と導入されている。

平成の仲間たち(2000型・10型・20型)

江ノ電にとって、観光客の人気を落とさず、かつ地元の足として快適な車輌は何か。2000型2編成の導入以降、毎回さまざまな試行錯誤を行っている。次の30型(?)の登場は、300形が引退するまで、当分お預けだろう。


1991(平成3)年新造の2000型(2001/2051)。直線的外観、両開き扉、機器も大手民鉄並み。鉄道友の会のローレル賞を受賞したが、何となく「江ノ電らしくない」せいか、1000型のようには増えていない。最近無人化された由比ヶ浜駅にて。

『レトロ電車』10型は1997(平成9)年の登場。明かり採り風の屋根が特徴。ややウケ狙い過ぎか?和田塚駅にて。

100周年の2002(平成14)年登場の20型。10型似の外観に2000型似の内装とか。塗色は300形似。極楽寺駅にて。

主力1000型の仲間たち

1000型は、1979(昭和54)年、江ノ電のイメージを崩さない丸っこいデザインに、時代に適応した性能を載せて、「46年ぶりの新車」として登場した。鉄道友の会「ブルーリボン賞」を、特急車輌以外で初受賞するなど、ファンにも好評だ。1100型、1200型、1500型とともに「1000型」系列として、現在の主力になっている。

腰越〜江ノ島間の路面を走る1500型と10型
1986(昭和61)年新造の1500型(1501/1551)。登場時は「サンラインII」として1200型と似た白い塗色に赤系のストライプだったが、現在は1000型のオリジナル塗色になっている。ライトが扁平形で、1000型とは顔つきがやや異なる。

七里ヶ浜駅に入る1000型(1001/1051)。「初の扇風機搭載車」として、1979(昭和54)年に登場。現在は冷房付き。

1981(昭和56)年、1000型の冷房準備仕様で登場の1100型(1101/1151)。峰ヶ原信号所〜鎌倉高校間。

1993(平成5)年、冷房付登場の1200型(1201/1251)。当初は白地に橙・黄の帯で「サンライン」の愛称。極楽寺駅。

このグループは広告電車として塗色が頻繁に変わるので、外観だけでは何型なのか見分けにくい。七里ヶ浜駅。

生活の中で


江ノ電は、運転手が無人駅で改札しやすいように、運転台が車輌の中央にある。この2000型は前面展望仕様のため窓も広く、運転台も若干低くなっている。極楽寺駅にて。

龍口寺門前の道路併用軌道から江ノ島駅に入る10型。道路混雑時の定時運行に、誘導係は欠かせない存在。

地元の和菓子屋の広告が走る。1000型は側面が広く平らで広告が扱い易い。峰ヶ原信号所〜鎌倉高校前駅間。

江ノ島駅に進入する1500型。塗色は変えていないが、バスのように側面広告が貼られる事が多い。

薄暮の江ノ島駅で交換する1500型と20型。早朝深夜を除き、昭和初期から変わらぬ12分間隔で黙々と走る。

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Original pictures were exposured on May 5-6, June 1, 2002 by Kodak DC4800

This page was updated on Saturday, December 28, 2002

Copyright©2001 Toshiyuki Kato