予想通り関空まではあっと言う間だった。
 てなわけで、空腹と猛烈な眠気でふらふらになりながら関空に着いた。
 しかも集合時間まで、時間がない。ま、こういうのってだいたい余裕があるからと思ってゆっくりしていると、初めての関空でしっかり迷子になってしまった。しかも、忘れ物をどんどん思い出した。
 とりあえず、集合場所へ何とか到着。ツアコンの秋葉さんにこのとき初めて会う。前日自宅に電話を掛けてきた立派な人だ。私は当然留守でしたけど。頭がぼーっとして何を言われてもよく理解できなかった。とにかくでかい荷物を預けたら、1時間後に再集合らしい。
 空き時間は、忘れ物を買うのとお金をおろして(銀行にも行ってない奴)、ドルに替えるので精いっぱいで(しかも、またも迷子)、昼飯も食べられず。
 再集合。もうひとつの乗馬のコースの人も来ていて、なんだか全部で50人ぐらいいる。どんな人がいるのか気にもなったが、とにかく頭の中は「なんか食べたい」の一色であった。
 書類をもらいダッシュで出国手続きに行く。団体行動なのかどうかなんて気にもしない。とにかくおなかがすいているのだ! 手続きを済ませ、出発ロビーに向かおうとすると、目の前に「スナック」の文字が! ここで食べなきゃどーすんだってなわけで、とにかく店にはいる。ああ、関空! メニューに「きつねうどん」があるではないか! てなわけで、あまりものうれしさに半べそかきながらきつねうどんを食べた。
 モノレールに乗って出発ロビーに。またも時間ぎりぎりだ。飛行機に乗るやいなや、スチュワーデスに元気に「サインバイノー(こんにちは)」と言って席を探す。この程度のモンゴル語は覚えているのだ。モンゴル航空の飛行機は、なんと席の固まりが右と左しかなく、他の国際線にあるまん中の席の固まりはなかった。大丈夫か、モンゴル航空? 
 私は、左側のまん中の席だった。窓際にはじじいが、通路側には後に行動をともにする中川君が座っていた。が、もちろん、そのときの私には誰が誰だかわかるはずもなく、それが誰でもよかったので、さっさとウォークマンを耳にして眠る体勢に入った。

 モンゴルは思ったほど寒くなかった。
 離陸後、窓から外を見る者の歓声や、気流の乱れによる騒ぎなどを尻目に私はひたすら眠った。途中、機内食が出たことや、気流の乱れの最中隣のじじいがトイレに行こうとして、スチュワーデスにものすごい勢いで怒られてたのを何となく覚えているが、そのほかの記憶は全くない。
 予定通りウランバートルに到着。時間は7時を回ってるというのにけっこー明るい。そりゃそうか、西にきてんだもんな。それに、それ程寒くない。この時季ほとんど0度近いと聞いていたのに。それで、何で寒くないってすぐわかったかって言うと、タラップ(タラップですぜ、今時)で、空港に降り立つとターミナルまで歩くといったことがあったからで、しかも途中コンクリが段になっていて、しっかりこけている人もいた。なんだか小汚い板の上を渡り、狭い入り口からターミナルに入る。
 これが、国際線の空港だろうか? 大丈夫か、モンゴル? これからの旅にかなりの不安を感じた瞬間であった。
 てなわけで、割と期待いっぱいで来たモンゴルであったが、大した感慨もなく意外とあっさりと着いちゃったのである。そんなに眠かったのか、垣内?
 ツアーなので、ツアコンまかせで入国審査。ビザもまとめて取ってあるらしく、名前を呼ばれた順に要領よく進む。このあたりで、ツアーのメンバーに気が回りはじめる。やはり年齢が上の人が多い。う〜ん、身の振り方をどうしよう? しかし、疲れていたので、この辺で考えが止まる。明日考えよう!
 マイクロバスで、ホテルに行くらしい。昔から素行の悪い私は1番後ろの席に座った。遠足などで、だいたいワルは後ろに座りたがるものなのだ。しかし、この1番後ろというのがくせ者だった。この後、この1番後ろの席を巡ってツアー客の熾烈な戦いがあるのだが、それは、またいずれ書くこととなるであろう。
 とにかく揺れるバスだ。いや、バスが悪いのではなく道が悪いのだ。もう、まわりはすっかり暗くなって、外は何も見えない。どういう状態なのか全くわからない。とにかくホテルまでの20分間、ひたすらがたがた揺られていた。
 ホテルでは、食事が出されていた。当初、初日は機内食だけだと言われていたので、これはうれしかった。バイキングだった。モンゴル料理を食べられるのかと内心喜んでいたのだが、みそしるなどけっこー日本食だぞ。ま、これも観光客に対するあたたかい配慮と良い方に解釈したのであるが、これも大きな勘違いであることを後に知ることとなるのであった。
 部屋割りによって部屋に入る。当初、添乗員の秋葉さんが「一人部屋ですけど、相部屋にしますか?」なんて聞いてきたけど、とんでもない! 夜くらい一人にさせて、これから毎日どっぷり知らない人たちと一緒なんだから。
 てなわけで、一人で部屋に。まずは、部屋検査。あまり期待してなかったけど、やはりきれいなモノではなかった。でも、思ったよりは清潔にしてある。バスルームは、う〜ん、汚い。バスタブの、蛇口の下あたりが茶色になっている。水のせいか? ま、お湯さえ出ればいいや。ちょっとの辛抱だ。郷に入ったら郷に従えだよね?
 チャンネルがふたつしかないテレビをつけて(ひとつは英語放送、もう一つはモンゴル語)、荷物を整理して、勢いの弱いシャワーを浴びて(でも、お湯でした)、本でも読もうか(でも、電球が切れててちょっと暗い)と横になると電話があった。秋葉さんから「明日でサマータイムが終わるので、時差が1時間になりますので時計合わせて下さい」とのこと。時計を合わせたら、もうだめ、強烈に眠気が襲ってきて、10時過ぎには眠りについてたみたいだ。
 明日からは、ゲルの暮らしだ!

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