機動戦士ガンダムSEED

題名・内容
 
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PHASE-14〜26(その2)

機動戦士ガンダムSEEDの題名及び内容概略一覧です。

地球に降りたアークエンジェルは砂漠の虎の攻撃を受ける。アフメド達の支援を受け、なんとかインド洋へ抜ける。
キラはカガリと再会し、そして砂漠の虎、ハイドフェルドと出会う。ハイドフェルドの言葉はキラの心の奥底に深く残る。
戦いの舞台は宇宙から地球へ。そして陰謀渦巻く「オペレーション・スピット・ブレイク」が開始される。


PHASE-14 果てし無き時の中で クルーゼの目を通しての総集編。一部用語の説明・歴史的解説あり。

今回解説のあった用語
血のバレンタイン:スペースコロニー ユニシス7に地球連合が核ミサイルを発射。コロニーは崩壊
し、24万3721名の死者を出す。これが地球連合・ザフトの直接戦争の起因となる。
ニュートロン ジャマー:核分裂を抑止する兵器。ザフト軍が地球連合の核兵器使用に対して散布
を行った。これにより核兵器および核融合エンジンを使ったあらゆる動力が使用できなくなり、ザ
フトの開発したモビルスーツが戦争において圧倒的な破壊力を持つようになった。
ジョージ・グレン:17歳でMITのドクターコースを修了、オリンピックシルバーメダリスト、空軍エースパ
イロットで木星探索の最初のメンバー。木星探索出発時に自らが遺伝子操作を受け誕生したことを
発表し、ネットワークにその遺伝子操作のマニュアルを残す。
コーディネーター:ジョージ・グレンが初めて使った遺伝子操作を行い生まれてきた人間。遺伝子操
作を受けていない人間(ナチュラル)と異なり驚異的な能力を持つ人類。ナチュラルから疎まれる人
種である。
PHASE-15 それぞれの孤独 眠るキラ。大気圏突入直前の戦闘を夢に見ながらうなされる。そんなキラを乗せたアークエンジェル
は静寂な砂漠に着地している。
単身大気圏突入を始めたストライクは角度がアークエンジェルと微妙に異なっていたため、地球降
下地点が大きく乖離する可能性があった。それを回避するためラミアスはアークエンジェルをストラ
イクの前方に移動させる。ストライクは無事回収。だが、着地地点はアラスカとは大きく離れた、ア
フリカ大陸であった。そこはザフトの勢力圏内。ラミアスは明らかに後悔の念でいっぱいのように、
フラガからはみられた。
キラはフレイにつきっきりで看病されていた。そこでキラの状態を医者から聞いているサイ達。医師
はキラの体がナチュラルとは全然違うという説明しか繰り返さない。その言葉にコーディネータが自
分達とは明らかに違うと思い知らされるサイ。
クルーゼ隊では、イザークとディアッカが船に戻れず地球に降りていた。アスランはキラのことを考
えていた。ニコルの話すことに対しては上の空。
キラはようやく気がついていた。フレイの献身的な看護が続いていた。サイの少し休んだ方がという
言葉も受け入れず、そのままキラの看護を続けようとする。それを制止しようとするサイだったが、
フレイの別れを示唆するような言葉に呆然とするだけであった。フレイの思いはただ一つ。キラが戦
い抜いて、そして戦いの中で死んでいくこと。それをかなえるためにもキラには元気になってもらわな
ければ困るのである。
フレイはキラの元に折り紙の花を届ける。その花はアークエンジェルに避難していた少女からもらっ
たものであった。それをみた瞬間、シャトルを守れなかった自分を許せず、涙を流すキラ。「大丈夫、
私がいるから。」「私の思いがあなたを守るから。」そっと抱き寄せ、口づけをするフレイ。
そのアークエンジェルを見つめるカガリ。そのカガリのもとにザフトが接近しているとの連絡が入る。
PHASE-16 燃える砂塵 アークエンジェルを見つめるアンディ。目的はアークエンジェルとストライクの戦力評価と部下に伝
え、出撃を命令する。
そんなことも露知らぬアークエンジェル。未だ緊張感の無いクルー達であった。サイはフレイに振ら
れたことがあきらめきれず、フレイの寝室で何とか話をしようと粘っていた。ラミアスも寝室にはいる
ものの、眠れぬ時間を過ごしていた。アークエンジェルではNジャマーの影響で策敵が全く行えない
状況であったが、レーザー照射を検知、警報が鳴り響く。キラは出て行く。「もう誰も死なせない。死
なせるものか。」その隣で不気味な笑い声を上げるフレイ。「みんな守ってね。」
ザフトは攻撃ヘリ、モビルスーツバクゥで、アークエンジェルへの攻撃を開始する。キラは戦力がわ
からない状態にもかかわらず、ランチャーストライクで出撃する。だが、重力に対する調整が十分で
はないストライク、そして慣れていないキラはバクゥの格好の標的にすぎなかった。キラは何とか反
撃をしようとするが、まったく当たらない。フラガのスカイグラスパーも整備中で未だ出撃できず。
キラはその中で驚異的なスピードでストライクのOSを書き換える。突然動きの良くなるストライク。
ようやくバクゥを1機撃沈する。
それと同時にアークエンジェルに向けてレセップスより砲撃が開始される。アークエンジェルはその
敵に対する有効な装備を持ち合わせておらず、整備が終わったスカイグラスパーで飛び出すフラガ。
彼の手で策敵を行い、そこを目がけてミサイルを撃ち込むくらいしか手がなかった。だが、そんな状
態で回避運動が間に合わず、ついに直撃を受けそうになるアークエンジェル。だが、キラの驚異的
な力が覚醒し、誰もがその目を疑うほどの行動でアークエンジェルを救う。だがそこまで。ストライク
はパワーダウン寸前となり、攻撃になすすべもなく絶対絶命のピンチを迎えてしまう。そこに現れた
のがカガリ率いるレジスタンス。カガリはキラにバクゥをトラップポイントにおびき寄せるように指示
する。カガリを信じてバクゥを導くキラのストライク。トラップにはまったバクゥは全機爆雷の中に
沈んでいく。その瞬間ストライクもエネルギー切れ。フェイズシフトダウンを招いてしまう。
一方、フラガから入電。敵の母艦はレセップスとの言葉を聞かされるラミアス。「レセップス?アン
ディー・バルトフェルドの母艦だわ、敵は砂漠の虎ということね。」
PHASE-17 カガリ再び レジスタンスと話し合いをすべく交渉に赴くラミアスとフラガ。サイーブ・アシュマーとの話し合いが
始まる。レジスタンスの情報量に驚く2人であったが、彼らとしては迷惑なものが降りてきたとの認
識でしかなかった。協力を前提とした話し合いをしたいとの言葉に「まずは銃をおろすのが先」と
言い放つサイーブ。ストライクでスタンバイしていたキラも、その場に姿を現す。そのキラに驚くカ
ガリ。「おまえがなんであんなものに乗っている」と殴りかかるカガリ。
ともかくカガリの口添えにより、レジスタンスの前線基地に身を寄せることとなるアークエンジェル。
作業を終え、一息をついているキラのもとに来るカガリ。カガリはキラに先ほど殴ってしまったことを
謝りに来たのであった。コロニーで別れた後どうなったのか心配していたが、今はストライクのパ
イロットであり、そして地球軍の軍人であることを揶揄するカガリ。「いろいろあったんだよ。いろい
ろとね。」とだけ答えるキラ。
ラミアス・フラガ・ナタルの3名はサイーブといかにアラスカに抜けるかを話し合っていた。状勢は3日
前にビクトリアがザフトの手によって陥落したことから変わっていた。高度がとれないアークエンジ
ェルはジブラルタルを越えるか、紅海を経て太平洋に抜けられるかを考えるラミアス達。しかしサイ
ーブはその前に倒すべきはレセップスだと念を押す。
その夜。キラの名前を忘れたカガリは、キラを探し回る。そんなとき言い合いをしているサイとフレイ
と出会ってしまう。そこに現れたキラ。フレイの「夕べはキラの部屋にいたんだから」の言葉にショック
を受けるサイ。「もうよせよ、サイ。どう見ても、君が嫌がるフレイを追っかけているようにしか見えな
いよ」と冷たく言い放つキラ。その言葉に激怒したサイはキラに殴りかかろうとしたが、軽くあしらうキ
ラ。「止めてよ。本気で喧嘩したら、サイが僕にかなうはずないだろう。」気持ちをわかって優しくして
くれたフレイをあくまでもかばうキラ。そのキラをそっと抱きしめるフレイ。
そんなときサイーブの元に連絡が入る。レジスタンスの町、タッシルが燃えているという内容である。
にわかにあわただしくなるレジスタンス。
PHASE-18 ペイバック バルトフェルドは住民達に警告を与えてから攻撃を行っていた。住民達は逃げる時間をもらってか
らの攻撃であったため、死者は無く、怪我人もほとんど出ずにすんだ。
レジスタンスのキャンプは大わらわ。とにかく陽動作戦を恐れ半数でタッシルの町を目指した。フラ
ガはスカイグラスパーで先行。アークエンジェル自体は動かず、ナタル達がバギーで町に向かった。
フラガが到着したころには、すでにバルトフェルド達は撤退していた。サイーブ達レジスタンスも到
着。長老から死んだ者はいないが、食料や弾薬は焼かれたと告げる。フラガはそれを聞き、今回は
これが昨日のおしおきだろうと言った。だが、フラガが「こんなもの」と言ったことに対し、住民達やカ
ガリに反感を買ってしまう。レジスタンスの一部はバルトフェルドの後を追うと言い張り、サイーブの
制止も聞かず、町を出て行った。やむを得ずサイーブもカガリも彼らの後を追う。ラミアスは追ってい
ったそのレジスタンスを制止できなかったフラガをなじるとともに、全滅することを阻止するため、スト
ライクを発進させることを指示する。
レジスタンスの気持ちを察知しているかのようにゆっくり部隊を動かすバルトフェルド。そこに追い
ついたレジスタンスは自走砲を使ってバクゥへの攻撃を開始する。応戦命令を出すバルトフェル
ド。カガリの乗るバギーも吹き飛ばされ、アフメドは地面にその身を強く打ち付ける。形勢不利にな
ぜあのとき追撃すると言った者達を止められなかった悔やむサイーブ。そこに現れたストライク。ビ
ームがそれる原因の熱対流を計算に加味し、正確な射撃をし始めたのをみて感心するバルトフ
ェルド。その実力を試すべく、自らバクゥに乗り込むバルトフェルド。
突如フォーメーションが良くなったバクゥ。被弾を続け今度はストライクの方が危うくなる、そこにキ
ラの覚醒。バクゥの攻撃に翻弄されなくなり、バクゥを1機失い、そして自ら操るバクゥの片足
もストライクに落とされてしまうバルトフェルド。やむなく後退。「ふふ、とんでもない奴だな。久々にお
もしろい。」
戦闘が終わり、レジスタンスの前に降りたキラ。「死にたいんですか?こんなところで何の意味もな
いじゃないですか。」カガリはその言葉に食ってかかったが、そんなカガリに平手打ちをするキラ。
「気持ちだけでいったい何が守れるというんだ。」
PHASE-19 宿敵の牙 キラやナタルなどのアークエンジェルの人間数人と、カガリやアフメドらレジスタンスは砂漠の虎の
本拠地である町に来ていた。キラはカガリの護衛で町へ買い出しに。
ラミアスとフラガは最近のキラについて話をしていた。ストライクのコクピットで寝泊まりをし、そして
フレイと付き合っている状態を憂い、ラミアスは兵士としてのメンタルの訓練を怠っていたことを悔
やむ。フラガに解消法のアドバイスを求めるも当てにならないことにがっかりする。
アフメドとナタルは兵器調達のため、交渉の席についていた。交渉は成立し、べらぼうな価格なが
らも武器の調達に成功する。
フレイの注文をだいたい買いそろえ、カガリのぼやきを聞きながらも一息つくキラ。食事中に突如
割り込んでくるバルトフェルド。ソースに何をかけるかでカガリと張り合い、キラの食事を台無しに
する。そこに突如始まる銃撃戦。バルトフェルドを狙ったものであった。成り行き上、バルトフェルド
を助けるキラ。一波乱を終え、礼を言うバルトフェルドに驚く2人。2人は正体を知らなかったのだ。
バルトフェルドはキラとカガリを自分の邸宅に招待する。ソースまみれのカガリは別室に連れて行
かれ、キラはバルトフェルドと2人きりで話をすることとなる。次第に戦争の根本原因へと話が進む。
そこに見違える格好をしたカガリが入ってくる。ドレスをまとうカガリに「女の子?だよね」と思わず
言ってしまうキラ。
そのころキラとカガリが約束の時間になっても現れないという知らせを受け、騒然となるアークエ
ンジェル。電波状態が良くないため、ナタルと連絡がとれないながらも呼び続けるように指示する
ラミアス。その知らせを聞き、何か熱いものを感じるサイ。一人ストライクの格納庫に立つ。
キラとバルトフェルドの話にカガリが加わり、話はバルトフェルドへの感情論と発展していった。バ
ルトフェルドはすでにキラやカガリの正体を知っており、そして戦争の終わらせ方をキラに問う。銃
を向けるバルトフェルド。そこでカガリはキラがコーディネーターであることを知る。だが銃を構える
のを止め、2人に早く帰れと促す。「また戦場でな」バルトフェルドの言葉に立ち止まる2人。
アークエンジェルではサイがストライクを勝手に動かすという事件が起きていた。結局ストライクを
倒し、コクピット内で何もできない自分をなじるサイ。そしてフレイもそれをみて涙ながらに立ち去
っていく。
PHASE-20 おだやかな日に アスランはラクスの家に久しぶりに来ていた。ハロの歓迎を受けるアスラン。
日差し暖かなテラスでつかの間のかたらいを楽しむアスランとラクス。突如出てきたキラの話題に
暗くなるアスラン。でもキラが未だトリィを持っていることをラクスから聞き、ちょっと驚くアスラン。
ザラ委員長はオペレーション「スピット=ブレイク」を進ませようとしていた。クライン評議会議長はあ
くまでも穏健な方法での解決を模索していたが、ザラは地球との全面戦争しか道はないと考えてい
た。第3世代の出生統制もうまくいかず、コーディネータとしての先細りが見えている中、地球との
戦争は得策とはいえないと考えているクラインとの意見対立はすでに修復不可能なほどの溝を作っ
ていた。「我らは進化した訳ではないぞ。パトリック。」
一方、未だキャンプ地にとどまっているアークエンジェル。サイはストライクを勝手に動かした罪で
倉庫室に1週間の監禁となっていた。キラは心配であるが、またもサイが逆上する可能性があると
言われ、まともに顔を合わせることができない。
アフメドはラミアス達に砂漠の虎との戦いについてある提案をしていた。アフメドは虎の支配に入
れば確かに幸せな生活を送れるかもしれないが、支配されない独立した生活を望んでいることを
訴える。自分達への損害は大きなものになるが、共同してのレセップス突破作戦が正に始まろう
としていた。
カガリはアークエンジェルで戦争シミュレーションを行っていた。完全なるトップの成績。その余韻で
スカイグラスパーを見つめるカガリ。キラの部屋に来たフレイ。さきほどサイの監禁されている場所
をこっそりのぞきに来ていたことをフレイに聴くが、「大丈夫よ、キラ」とサイに迫るフレイ。それを拒
み部屋を出て行くキラ。いい知れない悲しみがキラを襲う。
ザラとクルーゼは密談をしていた。真のオペレーション・スピット・ブレイクの発動のために。そんな
ことを知らないアスランは、自室でキラと2人の写真を見て、なぜこんな状態になってしまったのか
という自分の運命を呪っていた。
PHASE-21 砂塵の果て 砂漠の虎、バルトフェルドのところにザウートとクルーゼ隊イザークとディアッカの2人が派遣された。
バクゥが来ないことやイザーク達を含めどうもバルトフェルドは気に入らない様子。
アークエンジェル滞在中のキャンプもにわかに騒がしくなっていた。レセップス突破作戦の開始で
ある。その動きはいち早くもバルトフェルドにキャッチされていた。パルパディア工場区跡地に向か
っているその動きの先手を打ち、レジスタンスが仕掛けていた地雷原を誘爆させる。
キラは何かにつけ、バルトフェルドの事を思い出していた。どうしても頭から離れない。それはカガ
リにも同じであった。ただバルトフェルドへの印象は違うようであったが。
フラガはスカイグラスパー1号機にランチャー、2号機にソードを搭載させ1号機で発進。ストライクも
バクゥの高速戦闘に対抗するため、エールストライカーで発進した。バクゥを相手に善戦するストラ
イク。確実にバクゥを破壊していく。バルドフェルドはラゴゥで出撃。イザーク達はレセップス支援の
配置に不満を漏らしたが、バルトフェルドの言葉に引き下がざるを得なくなる。
優勢に立っていたアークエンジェルの背後を突く、潜伏していたもう1艦の敵。助けに行こうとしたス
トライクの前に立ちはだかるバルトフェルドのラゴゥ。アークエンジェルは工場の残骸にひっかかり、
身動きがとれなくなっていた。カガリはそれを見て、スカイグラスパー2号機を強引に発進させる。
意外に善戦するカガリであったが、油断した隙に被弾。墜落してしまう。
アークエンジェルはひっかかっていたものがとれ、レセップスに向け、ゴットフリート発射。直撃を受
けるレセップス。
ストライクはエネルギー残量に警告が出ている状態。ラゴゥも足が1本落とされていた状態であった。
バルトフェルドはレセップスに対して退艦命令を出し、キラに対して最後の戦いを挑む。バルトフェ
ルドを殺したくないキラは降伏勧告をするが、バルトフェルドは攻撃の手をゆるめず。ストライクは
エネルギー切れのアラート、フェイズシフトダウンをも招く。覚醒したキラ。アサルトナイフを突き刺し
ラゴゥ爆発。ハイドフェルドとアイシャも一緒に。。。「僕は殺したくなんかないのにぃー」キラの叫び
が響き渡る。
PHASE-22 紅に燃える海 砂漠の虎を倒し、アフメドとささやかな祝宴をあげるラミアス達。戦士を送る祈りを捧げている儀式
で、戦いを今後も繰り返さざるを得ない、アフメドの数奇な運命を思うフラガであった。
キャンプを離れ出発しようとするラミアス達に対し、同行したいと主張するカガリ。迷うラミアス達を
前に「もう決めたぞ」と言い放ち、勝手についていくカガリであった。
アークエンジェルは砂漠を抜け、紅海に出た。交替でデッキに出ることを許すラミアスに対し、規律
の乱れを律するナタルであった。インド洋のど真ん中を突き進むアークエンジェル。物資の補給を
受けられないアークエンジェルが、領土拡大戦を行っていないザフトの攻撃に一番遭う確率が少な
そうなのが、この航海なのである。
キラはデッキで潮風を受けながら、ハイドフェルドのことを思い出していた。ハイドフェルドにバーサ
ーカーと言われたことを気にしながら、それを悩み、攻め、そして一人泣くキラ。そこに現れたカガリ。
キラが泣いていたことに気づき、抱きしめ、そして「大丈夫だ」と子供をあやすように慰める。落ち
着きを取り戻すキラ。「誤解するな、泣いてる子は放っておいちゃいけないって、ただそういうことな
んだからな」、恥ずかしがってすぐに離れるカガリ。「おまえちょっとおかしい。」というカガリ。突然
自分に怒ったり、コーディネーターなのに連邦軍にいることとかが疑問らしいのだ。キラはカガリと
一緒だと言う。そしてコーディネーターでも訓練がなければ、カガリ達と何ら変わるところはないと
話す。そんなところに挑発的な格好で現れるフレイ。ばつが悪そうに「じゃあなお邪魔みたいだか
ら」と立ち去るカガリ。そのカガリを見るフレイの顔はどことなく策略の香りを漂わせていた。
モラシム隊長のところには嫌みとも思えるクルーゼからの通信が入っていた。その挑発にわざと乗
るかのようにアークエンジェルへの攻撃を開始するモラシム。アークエンジェルに迫る2機のディン。
戦闘配備、スカイグラスパーで出撃するフラガ。カガリも出撃したかったが2号機は修理中。ディン
への応戦をしているアークエンジェルでは、水中を迫り来るグーンを探知していた。キラはグーンを
なんとかするために、ストライクにバズーカを装備させて海に入る。動きの速いグーンに翻弄されつ
つも接近戦に持ち込みグーンを撃破していく。またディンもアークエンジェルとスカイグラスパーの
攻撃により劣勢を強いられ、撤退せざるを得なかった。海底に沈み行く残骸を見つめ、つぶやくキ
ラ。「わかっている。わかってるけど、でもやらなきゃ僕たちも。」
宇宙ではクルーゼ隊が出撃しようとしていた。オペレーション・スピット・ブレイクの発動。アスラン
とニコルも乗り込んでの、地球降下作戦開始である。
PHASE-23 運命の出会い クルーゼ隊の降下作戦が開始された。モビルスーツコンテナのジブラルタル基地への降下は、連合
軍でもキャッチしていたが、制空権のない今ではなすすべが無かった。
インド洋を進むアークエンジェルでは、フレイがすっかり船酔いになっていた。優しいキラにわがまま
言い放題のフレイ。そのフレイが現任でキラとサイは何となくぎくしゃくしていた。カガリも何かの信念
をもって事を起こそうとしているのだが、キラのことを考え、何かができずにいた。
無事ジブラルタルに着いたアスランとニコル。ブリーフィングルームではイザークがクルーゼになんと
しても自分の手でストライクを討ちたいと懇願していた。スピット・ブレイクで手を離せないクルーゼ
は、アスラン指揮の下、イザーク、ディアッカ、ニコルの4人でカーペンタリア行きを命じる。アスランの
指揮というのが気にくわないイザークだったようだが。
アークエンジェルにはモラシムの乗るゾノとグーン隊が、再び襲いかかっていた。キラはビームの威
力を気にしなくて良いソードストライカーで発進。フラガも2号機搭乗を許されたカガリを引き連れ、ス
カイグラスパーで母艦攻撃に出撃した。海に潜ったストライクはゾノの機動性に苦戦する。ストライク
の援護がないアークエンジェルはグーンの攻撃になすすべなし。フラガ達は母艦を発見、正にディー
ンを出撃させようとしていたところに対潜攻撃を開始した。アークエンジェルは360度バレルロール、
ゴットフリードで見事グーンを撃破した。その爆風に乗じてゾノを捕らえるストライク。近接戦闘でどう
にかゾノを撃沈させる。
カガリのスカイグラスパーはディーンの攻撃で被弾していた。カガリの機体が邪魔なフラガは、カガリ
をアークエンジェルに帰投させる。その途中でザフトの輸送機と出会う。それはカーペンタリアに向か
う途中のアスランが乗った輸送機であった。撃ち合いになる2機。カガリのスカイグラスパーは被弾
し、墜落。輸送機も被弾し、アスランはイージスで輸送機から脱出する。
島に流れ着いたカガリ。アークエンジェルを呼ぼうにも電源系統がダウン。救命パックも波に流され、
何も手だてがなくなった。とりあえずスカイグラスパーを降り、島の探索に出かける。そこで、同じく
たどり着いたアスランを見つける。銃弾を浴びせるカガリ。突然の銃弾に負傷し、落とした銃を諦め、
岩陰にとにかく身を潜ませるアスラン。銃を構えゆっくり近づくカガリであった。
PHASE-24 二人だけの戦争 カガリ消息不明。日没間近であったが、ラミアスはストライクでの探索を依頼する。
対峙していたアスランとカガリ。銃を身構えていたカガリであったが、結局は素早いアスランの動き
についていけず、形勢逆転。カガリに馬乗りになり、ナイフを突き刺そうとした瞬間、悲鳴をあげる
カガリ。その声、胸のふくらみに「おんな?」と手を緩めるアスラン。捕らわれの身となったカガリで
あったが、アスランは今のところ、地球軍の軍人ではないカガリを殺すつもりはないらしい。手足を
縛ったまま放置し、無線を使っての連絡を試みたが、スコールのせいで無線障害が起きていた。
崖をよじ登っていたカガリは突然の雷鳴に驚き、潮だまりに転落してしまった。スコールのため水
かさが増し、溺れる寸前のカガリ。そこに伸びるイージスの腕。カガリはアスランに助けられた。だ
が、礼も言わず、砂まみれになった体を洗うためにとスコールの中でで水浴びを始めるカガリ。カガ
リが安全そうだと判断したアスランは、両手両足を縛る縄を切る。
洞窟で雨宿りをする2人であるが、いつしかどちらが戦闘を始めたかで言い争いに。元より話題もな
く、いつしか交わす言葉もなくなってしまう。アスランはいつしか横になって寝ている。ふとアスランの
腰のホルスターに下がっている銃に目がとまるカガリ。たき火の炎が燃え上がり、アスランが反応し
たと同時に銃を抜き、構えるカガリ。アスランはナイフを構える。モビルスーツによる殺戮を繰り返さ
せたくないがため、アスランに銃を向けてみたものの、思い出すのはバルトフェルドの言葉。どちら
かが滅亡するまで戦争は終わらない、「ちくしょう。」 銃をたたきつけようとするカガリをみて、それを
やめさせようと飛びつくアスラン。落ちた銃が暴発。カガリは銃が暴発することを知らなかったのだ。
その暴発でアスランはまたも負傷。自分で治療すると言うアスランから治療キットを奪い、「このまま
じゃわたし、借りのつくりっぱなしじゃないか。少しは返させろ」と自分に治療させることを言い張るカ
ガリ。
夜が明け、アスランのイージスにニコルからの無線が入る。一方、フラガ、キラも救難信号をキャッチ
していた。戦闘になるのを避けるため、別れて救助を待つことにするカガリとアスラン。「私はカガリ。
おまえは?」自分から名乗るカガリ。アスランも自分の名前を名乗る。
PHASE-25 平和の国へ アスラン率いる4機のガンダムの波状攻撃を受けるアークエンジェル。キラのストライク、フラガのスカ
イグラスパーだけで防ぎ切れるものでもなく、砲台はどんどんつぶされていった。キラはイザーク操る
デュエルガンダムのグール(土台)を破壊し、またそれに気をとられたニコルのブリッツが乗るグール
も破壊した。アスランはキラの戦いのうまさに感心するしかなかった。
カガリはアークエンジェルが落とされるかもしれないことに焦りを感じていた。もうすぐオーブだからと
いうことである。オーブ連合首長国の領海侵犯になる可能性を考え、ラミアスは針路変更を指示。そ
こに現れるカガリ。カガリは領海に飛び込むことを提案する。そこにオーブ艦隊から領海侵犯の警告
連絡が入る。無線機を奪い取るカガリ。「行政府へつなげ。父を、ウズミ・ナラ・アスハを呼べ。私は、
カガリ・ユラ・アスハだ。」しかしその訴えは退けられる。フラガがバスターガンダムのグールを破壊し
たものの、ディアッカが放った最後の一撃は、アークエンジェルのエンジンを直撃。煙を上げながら、
高度が落下していくアークエンジェル。海面へ不時着し、領海侵犯のためにオーブ海軍のアークエン
ジェルへの攻撃が開始された。だが、これはアークエンジェルをオーブに導き入れるための一つの
芝居であった。オノゴロ島の隠れドッグに入港するアークエンジェルであった。
オーブは、アークエンジェルが領海からすでに離脱したことをザフトに通達していた。イザークは攻撃
強行を主張したが、外交問題に発展する可能性があるため、アスランはその行動を制止する。その
代わりにカーペンタリアから圧力をかけ、事態が変わらぬようであれば潜入することを提案する。文
句を言いながらも指示に従うことを約束するイザーク。
カズイは偶然にも入国できたオーブに降りることができないかと疑問をミリアリアやトール、サイ達に
漏らす。いずれにしてもアークエンジェルは修理をする必要があり、その可能性はあるかもしれない
が、国自体が難しいので、艦長が戻らないと何とも言えない状況。皆、オーブの家に帰りたいのであ
る。
ウズミ・ナラ・アスハは、ラミアス、ナタル、フラガと謁見していた。そもそもオーブのものであったミネ
アポリスで建造されたアークエンジェル、モビルスーツ、そして巻き込んでしまったオーブの学生達を
葬ろうと何度考えたかという苦悩を語りつつも、ストライクガンダムの戦闘データとキラ・ヤマトのモル
ゲンレーテ行きを条件にアークエンジェルへの便宜を図ることを約束する。ナタルは反対するが、ラ
ミアスの説得で、キラにモルゲンレーテまで行ってもらうことでその場はおさまる。
ストライクがモルゲンレーテに入った頃、アスラン達は手引きにより、オーブへの潜入に成功してい
た。
PHASE-26 モーメント 熱核弾頭ミサイルから始まった血のバレンタインで緊張が走った地球・プラント間。ザフト軍による
地球へのニュートロンジャマー投入はすべての核分裂を抑止し、地球に深刻なエネルギー問題を
引き起こした。そして当初優勢と思われていた地球軍との戦争を11ヶ月にもおよぶ膠着状態を招く
こととなる。地球連合はG兵器を中立国家オーブが保有するミネオポリスにて開発。だが、その情
報を察知したザフト軍はG兵器奪取計画を展開する。それはミネオポリスに避難していたキラ・ヤ
マトと、プラントに戻っていたアスラン・ザラを戦場にて再会させるという運命のいたずらを引き起こ
すことになる。キラはミネオポリスの仲間を救うために、ストライクを操らなければならないという運
命を背負ってしまう。アスランの戦友、ミゲルを死なせ、アスランとの溝は深まるばかり。
そんなときに現れたのはラクス。アスランの婚約者であるラクスとの出会いは、キラに安らぎの心を
与えてくれる。キラはラクスをアークエンジェルにおいておく気にはなれず、ラクスをアスランの元に
届ける。ここでの会話が、キラとアスランの最後の会話となってしまう。
ミネオポリスでのカガリとの出会いは、キラの運命を変えたもう一つの要因である。カガリはアスラン
とも出会い、アスランの戦争概念そのものに疑問を投げかけることとなる。
キラ、アスラン、そして関わる少年、少女、人々の想いは、戦争での人々の思惑を複雑なものへと導
いていく。


2003. 4.12 Update

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