機動戦士ガンダムSEED

題名・内容
 
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PHASE-27〜39(その3)

機動戦士ガンダムSEEDの題名及び内容概略一覧です。

傷ついたアークエンジェルそしてストライクは、カガリそしてキラ達の母国、オーブ連合首長国に入国する。
キラの技術協力を条件にアークエンジェルは修理を受けられることになる。そしてキラに待ち受けるものは。。。


PHASE-27 果てなき輪舞 オノゴロ島に上陸したアスラン隊の4人。工場の第1ゲートまで潜入できるパスをザフトの潜入員より入手し、オーブの工場へ紛れ込む。
アークエンジェルはモルゲンレーテからのエンジニアが到着し、修理に取りかかっていた。キラはストライクと共に、オーブにある、アークエンジェルそしてストライクの開発会社、モルゲンレーテ本社に向かっていた。
モルゲンレーテのエリカ・シモンズ主任は、今までのストライクに関する行動を私的ファイルにまとめていた。ストライクはそもそもキラの能力により、想定しうる性能を超える性能を発揮していることを、モルゲンレーテでは重要視していた。結局のところ、ナチュラルはコーディネータに対抗する兵器を、コーディネータの手を借りなければ運用できないということを証明したに過ぎなかったことをレポートとしてまとめる。一方でアークエンジェルの幹部将校に対する資質の疑問視、そして人的問題についても言及を行っていた。キラの能力については一般的なコーディネータとは明らかに違うとエリカは考えていた。以前バルトフェルドが考えていたのと同じように。。エリカはキラの資質を以前、学会で発表されていた、「Superior Evolutionary Element Destined - factor」ではないかと考え、個人的に非常に興味を持っていた。
エリカのもとに到着するキラとストライク。キラはシモンズにオーブ製のモビルスーツ、M1アストレイが並ぶハンガーに連れて行く。そこに現れるカガリ。オーブは他国を侵略しない、他国の侵略を許さない、そして他国の争いに介入しないを貫くためにこのような兵器を用意しているのだと語るカガリ。そしてその原則を逸脱した父親、ウズミの行為、つまりヘリオポリスで地球連合軍の秘密兵器を製造し、その技術協力をしていたという事実が許せなかった。これはモルゲンレーテの単独の行動であったと、熱くなったカガリをなだめるエリカであったが、聞く耳を持たないカガリ。ついには恩知らずとカガリをなじり、そして騒ぎを起こしてたたかれたことを笑うエリカ。ばつが悪そうに赤くなった右頬を隠すカガリ。
エリカはキラをM1アストレイの訓練場に連れて行く。起動するアストレイ。動き出したもののその動きは非常に遅かった。倍近く速くなったという言葉に驚くキラ。カガリの的にしかならないという茶化しに喧嘩が始まったが、それを制止ながらエリカは言う。「でもカガリ様の言うことは事実よ。だから、私達はあれをもっと強くしたいの。あなたのストライクのようにね。技術協力をお願いしたいのは、あれのサポートシステムのOS開発よ。」
PHASE-28 キラ アスラン達はオーブに上陸していたが、どこにアークエンジェルが停泊しているかを全くつかめない状態でいた。
アークエンジェルでは、サイ達が軍本部での両親との面会が許可され、キラはすでに限界まで達していたストライクの整備に追われていた。その合間にカガリからなぜレジスタンスになった経緯を聞いていた。カガリは早く戦争をやめさせたいという気持ちが強く、それについてはキラも十分同意できた。サイ達が両親との面会をしていたころ、キラの両親はウズミと会っていた。そして両親がすでにいなくなり、寂しく歩き回るフレイのところにキラが戻ってきていた。驚くフレイであったが、両親に会いにいかないキラに対し、同情されているのではないかと腹を立てていた。同情されているキラを殴りながら、「何であなたに私が同情されなければならないの」と怒りをぶつけ、部屋を立ち去る。
キラの両親と話しを続けるウズミ。どうやらキラとカガリは何か関係があるらしいことをほのめかす3人。
両親との面会を拒絶したキラは、アストレイのOSを書き換え、運動能力を飛躍的に向上させていた。あまりの運動能力向上に驚くモルゲンレーテの技術者達。だが、フラガはキラの不機嫌そうな顔が気になってしょうがない様子。両親に会いに行けと説得するフラガであったが、両親に何で僕をコーディネーターにしたのかと言ってしまいそうで怖いと漏らすキラ。突如キラの元を飛び出すトリィ。トリィの向かった先、それはアスラン達のところであった。
工場の外で途方に暮れていたアスラン達。そのアスランの手に停まるトリィ。驚くアスラン。まもなくキラがトリィを探してやってくる。そのキラにトリィを持ってくるアスラン。柵越しでの再会。無言でトリィを渡すアスラン。「君の?」「ありがとう」立ち去ろうとするアスランに声をかけるキラ。「昔、大事な友達にもらった、大事な物なんだ。」一度は振り向くが、「そう」とだけ言い残し立ち去るアスラン。
PHASE-29 さだめの楔 アークエンジェルは出航準備をしていた。キサカ一佐はラミアスやナタル達に現在のザフトの動きを知らせる。パナマの状態、そして北上が得策であると。ラミアス達は感謝の念を述べるが、逆にカガリを連れ戻せたことで礼の言葉を返される。
アスラン隊はオーブを後にし、潜水艦に戻ってきた。アスランの「足付きは間違えなくここにいる」という言葉に従い待機をしているものの、根拠が全く感じられないその言葉に、すでにアークエンジェルはオーブを後にしているのではと気が気でないイザーク。だが、ちゃかすディアッカに熱くなることもなく、ベットに寝ころぶイザーク。外で海岸をのんびりと眺めながら、ニコルと話をするアスラン。
アークエンジェル出航の日。ブリッジではミリアリアが憂うつそうな顔をしていた。トールがスカイグラスパーのパイロットとして志願し、認められたからである。そしてカガリもアークエンジェルに乗り込もうと準備をしていた。そこに現れるウズミ。「お前が戦えば、終わるのか」その言葉でキラ、バルトフェルドの言葉を思い出すカガリ。悲しみの連鎖を断ち切るために、銃をとるばかりではなく、それ以外の戦争の終わらせ方に従うカガリ。
出航直前のアークエンジェル。ウズミ前代表より、キラをデッキに出してほしいとの連絡が入る。デッキに立つキラ。駆け寄ってくるカガリ。「キラ、お前のご両親、あそこに」カガリの指さす方向を見るキラ。手を振る父親と泣き崩れる母親。「お前、どうして会ってあげないんだよ。」「今は、ごめんって伝えてくれる。今は、僕。」それだけ言い残し、背を向けるキラ。「カガリも元気で。その、いろいろありがとう。」抱きつくカガリ。「お前、死ぬなよ。」「もう、大丈夫。大丈夫だから。」みんなの見守るなか、静かにドックを出航するアークエンジェルであった。
オーブ艦隊に守られ北上するアークエンジェルであったが、それはアスラン達に捕らえられていた。領海線を離れ、浮上するアークエンジェル。待っていたかのようにアスラン隊が発進する。キラのランチャーストライク、そしてフラガ、トールのスカイグラスパー発進。始まるモビルスーツ戦。初戦でアスラン達のグールに損傷を負わせたキラは、ストライクをエールストライクに空中換装、アスラン達との空中戦に突入する。ニコルのブリッツの腕を叩き切り、グールを奪取したキラは、アスランのイージスとの戦いとなる。直撃を受けたイージスガンダムのエネルギー残量は少なく、そこにソードストライカーに換装したキラが襲いかかる。「もう下がれ、君たちの負けだ」、白兵戦になるソードストライカーとイージス。「なにを今さら、撃てばいいだろ。お前もそういったはずだ。」「お前も俺を撃つと、そう言ったはずだ。」ストライクの顔面への一撃で、フェイズシフトダウンを起こすイージス。キラがソードを構えたとき、横から割って入ってくるニコルのブリッツ。反射的にキラはブリッツのコクピットをソードで貫いてしまう。炎に包まれるブリッツ。自分の行為に震えるキラ。「ニコルーー」と叫ぶアスラン。  
PHASE-30 閃光の刻 ニコルのブリッツが落ち、冷静な判断を忘れストライクへの総攻撃をかけようとしたアスラン、イザークであったが、ストライクを救出に来たアークエンジェルの攻撃とディアッカの助言によりひとまず撤退する。一方、アークエンジェルに戻ったキラは軍曹達に英雄扱いされるものの、その言葉に激怒し、立ち去っていった。その姿を見たフラガはキラに声をかける。「俺たちは軍人だ。人殺しじゃあない。戦争をしているんだ。討たなければ討たれる。俺も、お前も、みんな。なら、迷うな。命取りになるぞ。」一方、アスラン達も気が立っていた。冷静さを失っているイザークはロッカールームを立ち去り、そしてアスランはニコルのロッカーからこぼれ落ちた楽譜を見て、泣きわめく。「討たれるのは俺の、俺のはずだった。俺が、今まであいつを討てなかった俺の甘さが、お前を殺した。」「キラを討つ。今度こそ必ず。」 
アークエンジェルではアラスカ基地への連絡が取れず、いらだちを隠せないラミアスがいた。ナタルはラミアスに「フラガ少佐は、あれはクルーゼ隊ではないというようなことを言っておられました」と漏らす。その言葉を非常に不思議がるラミアス。敵がアークエンジェルをロストしていてくれることを密かに願わずにはいられなかった。一方、トールは自分の英雄伝に花を咲かしていた。それとなくその話を聞きながらキラの身を案じるフレイ。キラはアスランを完全に敵に回してしまったことを、認めようとしていた。
ラミアスの願いもむなしく、アスラン達はアークエンジェルの位置をキャッチした。にわかに殺気立つアスラン、イザーク、ディアッカ。夜明けとともに3機が襲いかかってくる。警報発令、デッキに向かうキラ。フレイが話しかける。「キラ、私。」「ごめん、後で。帰ってから。」その言葉を胸にしまうかのような仕草をするフレイ。キラ達が奮戦するも、アークエンジェルの被弾は著しく、機体の推力も維持できない状況になっていた。この状況を打破すべく、トールはスカイグラスパーで再び出撃する。キラはイザークのデュエルガンダムの片足を爆破させるも、アスランのイージスガンダムともつれ合い落下。島での格闘戦となっていた。アークエンジェルもある島へ不時着。そこをディアッカのバスターガンダムがおそってくるが、フラガのスカイグラスパーと相打ち。アークエンジェルのバリアントが動けなくなったバスターを狙っていることを知り、ディアッカは素直に投降する。
ストライクとイージスが死闘を繰り広げているところに、トールが救援のために現れる。「トール、だめだ。来るな!」トールのスカイグラスパーめがけて投げられたイージスの盾は、スカイグラスパーのコクピットに命中。空中で爆発する。スカイグラスパーのシグナルが消え、動揺するミリアリア。キラは覚醒。だが、アスランもSEED-Factorであった。覚醒し、ストライクを追いつめる。ストライクに取り付き、あと一歩のところで、イージスはフェイズシフトダウン。アスランは自爆装置を起動させ、脱出する。ストライクを巻き込み爆発するイージス。
PHASE-31 慟哭の空 キラのストライク、そしてトールのスカイグラスパーの双方のシグナルが消え、必死で呼びかけるミリアリア。だが、その呼びかけを止めさせ、出発準備を命令するナタル。そこにディン接近のアラート。MIAと識別されたキラとトール、それを見捨てられないラミアス。一度はキラとトールがロストした地点に引き返そうとしたが、アークエンジェル乗組員の安全を最優先し、この空域離脱を命じるラミアス。同時に人命救助の名目でオーブへ救援要請をする。「そんなはずはない」と自分に言い聞かせるかのようにデッキに向かう、ミリアリア。トールが使っていたシミュレータにたどり着く。心配に思い声をかけるフラガ。「トールは?そんなはずないんです。MIAだなんて、そんなはずないんです。だから。」
泣き崩れるミリアリア。「くそぉー」悔しさで壁を殴るフラガ。
アークエンジェルが空域離脱をしたころ、オーブから1機の飛行艇が発進した。その飛行艇にはキサカ一佐と、カガリが乗っていた。
カーペンタリアに一人戻ったイザーク。イザークを待っていたのは、アスランとディアッカがMIAだという事実。クルーゼからの帰投命令を受け、2人を探索することなく基地へ戻ることを淡々と説明する艦長。「すぐに艦を戻せ。あの2人がそう簡単にやられるか。だてに赤を着ている訳ではないんだぞ。」「ならば、状況判断も冷静にできるはずだがね。我々は帰投を命じられたのだ。捜索には別部隊が出る。」黙り込むイザーク。
ストライクのシグナルがロストした地点にオーブの飛行艇が到着した。無惨な現場。イージスが自爆し、ストライクが巻き込まれたのは明らかであった。傷つき横たわったストライクをよじ登るカガリ。焼きただれたシートを見て、「あいついない。もぬけの空だ。とばされたのかもしれない。いや脱出したのか。」駆け出すカガリの元に誰かが倒れていると連絡が入る。駆け寄るカガリ。それは海岸に打ち寄せられたアスランであった。
目覚めるアスラン。アスランはオーブの飛行艇で治療を受けていた。銃を向けるカガリ。「聞きたいことがある。ストライクをやったのはお前だな。」「ああ。」「パイロットはどうした。お前のように脱出したのか。それとも。見つからないんだキラが。何とか言えよ。」「あいつは俺が殺した。殺した。俺が。イージスで組み付いて自爆した。脱出したとは思えない。」胸ぐらをつかみ、銃を突きつけるカガリ。「それしかもう手がなかった。あいつを倒すには。」涙を流すアスラン。「貴様!」ベットに押しつけ銃を向けるカガリ。だが、アスランを撃つことができず、壁に向かい「くそー」と叫ぶカガリ。「でも何で俺は生きているんだ。あのとき脱出しちゃったから。お前が俺を撃つからか。」再び怒りから銃をアスランに向けるカガリ。「キラは危なっかしくて、訳わかんなくて、すぐ泣いて。でも、優しい。いい奴だったんだぞ。」「知ってる。」意外な言葉に驚くカガリ。「やっぱり変わってないんだな。昔からそうだ。あいつは。」「お前。」「泣き虫で甘ったれで、優秀なのにいい加減な奴だ。」「キラを知っているのか?」「知ってるよ、よく。小さい頃からずっと友達だったんだ。仲良かったよ。」「それでなんで、それでなんであいつを殺すんだよ。」アスランを責め続けるカガリ。「わからないさ。わからないさ。俺にも。別れて、次に会ったときには敵だったんだ。」「敵?」「一緒に来いと何度でも言った。あいつはコーディネータだ。俺たちの仲間なんだ。地球軍にいることの方がおかしい。なのにあいつは聞かなくて、俺たちと戦って、仲間を傷つけて、ニコルを殺した。」「だからキラを殺したのか?お前が。」「敵なんだ。今のあいつはもう。なら倒すしかないじゃないか。」「馬鹿野郎!なんでそんなことになる。なんでそんなことをしなきゃならないんだよ。」「あいつはニコルを殺した。ピアノが好きで、まだ15で。それでもプラントを守るために戦ってたあいつを。」「キラだって守りたい者のために戦っただけだ。なのになんで殺されなきゃならない?それも友達のお前に!殺されたから殺して。殺したから殺されて、それで最後に本当に平和になるのかよ?え?」泣き崩れるアスラン。飛行艇に静かに回収される主を失ったストライク。
アークエンジェルはアラスカ基地の勢力圏内に無事辿り着いていた。疲れ果てているクルー。アラスカ守備隊が離脱し、第2戦闘配備が解除される。その瞬間、フラガがキラ達の捜索をするため、機体の修理を急げと言い出す。直接フラガの元に向かうラミアス。ラミアスの今すぐ助けに行きたいが、フラガまで失ったらこの船はどうなるという強い口調に、「ラジャー」と返す以外ないフラガであった。
サイはナタルよりキラ、トールの遺品整理を命じられる。遺品という言葉に強い反感を覚えたサイであったが、ナタルの「ここは戦場だ」という言葉に従うしかない。一方キラがMIAになったことを立ち話から知ったフレイは、カズイに本当のことかと詰め寄る。だがカズイの「たぶん死んだんだよ」という言葉に、絶句するフレイ。キラ達の遺品を片づけに来たサイは、落ち込んでいるミリアリアを見つける。遺品の整理箱を気づかれないように隠しながら、励まし、食堂へ連れ出そうとするサイ。部屋を出ようとした時、捕虜になったディアッカと出会う。泣きそうなミリアリアに近寄り、「馬っ鹿みたい。何泣いてんの、泣きたいのはこっちだって言うの」と言葉を残すディアッカ。その言葉に怒りを覚えるサイとミリアリア。
カガリのところにイザークの乗るヘリが迎えに来る。「ザフトの軍人ではオーブには連れて行けないんだ。」とアスランを立たせるカガリ。「やっぱり、変な奴だな。お前は。ありがとうっていうのかな、今はよく分からないが。」部屋を出て行こうとするアスラン。「ちょっと待て。」アスランを呼び止め、自分の首からかけていたネックレスをアスランの首にかけるカガリ。「ハウメアの守り石だ。お前、危なっかしい。守ってもらえ。」「キラを殺したのにか。」「もう誰にも死んでほしくない。」イザークの元に戻るアスラン。「貴様、どの面下げて戻って来やがった。」「ストライクは討ったさ。」アスランが無事であったことに隠れてほほえむイザーク。
宇宙、プラント。ラクスの家。ハロを追いかけるラクス。「ピクちゃん、いけませんよ、そちらは。」ベットに近寄るピンク色のハロ。ベットのうえに乗っかるハロ。それを静かにとるラクス。その気配でベットに横たわっていた人物が目を開ける。「あっ、お早うございます。」それは、怪我の治療を受けたキラであった。
PHASE-32 約束の地に 傷ついたアークエンジェルはアラスカ基地の防衛隊に率いられ、無事ドックへの入港を果たした。アラスカでの上層部ではアークエンジェルを厄介者と思っており、そしてコーディネータがストライク(GATシリーズ)を操っていたという事態がなくなったことを感謝していた。そんな経緯もあってかアラスカ基地、軍司令部サザーランド大佐から出た命令は現状のまま艦内待機というものであった。いささか驚きを隠せないラミアスとナタル。
ザフト軍、カーペンタリア基地。入院中のアスランの元にクルーゼが見舞いに訪れる。アスランのストライク撃破に対し、ネビラ勲章の授与と国防委員会の特務隊への異動が発令された。それを淡々と伝えるクルーゼ。ザフト軍の意外な評価にいささか困惑気味のアスラン。いずれにせよクルーゼ隊からはずれることは決定的なのである。
キラは目覚めた。「ここは?」「おわかりになります?」「ラクス・・さん?」そこに現れるマルキヨ。マルキヨは地球の祈りの庭で倒れていたキラを、ここまで連れてきた人物であった。それを危機突如現実の世界に引き戻されるキラ。アスランとの戦いを思い出し、苦しみ出す。「僕は、僕はアスランと戦って。。死んだはずなのに。」
「どうしようもなかった。僕は、彼の仲間を、殺して、アスランは僕の友達を殺した。だから。。」「あなたはアスランを殺そうとしたのですね。そしてアスランもあなたを。」「でも、それは仕方のないことではありませんか。戦争であれば。お二人とも敵と戦われたのでしょう?違いますか?」キラとラクスの悲しげな会話を聞き、その運命に同情を寄せるかの表情をするマルキヨ。
そんな状況をよそに評議委員会では、オペレーション スピット・ブレイクが発動された今となっては、地球との講話など考えられないとはねつける。ザラ議長の体制が浸透している今となっては、マルキヨのもたらした講和の話を持ち出してきたクライン前議長の話を聞くものは、もう誰もいなくなっていた。
極秘任務として偵察部隊として派遣されたクルーゼ隊が迫るアラスカ基地、その最高司令部では、アークエンジェルは、すでに現状のまま艦内待機の命令が出て、すでに5日間が過ぎていた。ミリアリアはトールを失ったショックから何も食べず、寝られない状態が続いていた。サイはそんなミリアリアを気遣い医務室へ連れて行こうとする。そんなサイを呼び止めようとするフレイ。だが、サイは「急ぐんじゃないのなら後にしてくれない。」と冷たく言い放ち、その場を去っていく。サイはミリアリアを医務室に残し、去っていく。その医務室にはディアッカがいた。警戒するミリアリア。
サイはフレイの元に戻ってくる。「トールがいなくて、キラがいなくて、みんな悲しいんだ。俺も悲しい。だから俺、今、君を慰めてやることなんかできないよ。ごめんな。誰か他の奴に言ってよ。」立ち去ろうとするサイ。「けど、私、本当は。」「フレイ。」「あなた、わかってたじゃない。私、本当はキラのことなんか。」「いい加減にしろよ。君はキラのことが好きだったろう?」「違うわ。」「違わないさ。最初はどうだったか知らないけど。あいつ、優しくて。だから、そういう奴だから。」「違う、違う。」
ディアッカは泣き悲しんでいるミリアリアのことを罵倒するかのような言葉を浴びせていた。こらえていたミリアリアであったが、ナイフを見つけると、ディアッカめがけてそのナイフを突き立てる。「なにすんだよこいつ」ついに乱闘になるミリアリアとディアッカ。そこに入ってくるサイ。「落ち着くんだ、ミリ。」「離して、トールがトールがいないのに、なんでこんな奴。こんな奴がここにいるのよ。」その姿を見て、父の乗った船が爆破されたことを思い出すフレイ。引き出しにしまわれている銃を発見し、何かを決意する。銃をディアッカに向けて構えるフレイ。「コーディネータなんてみんな死んじゃえばいいのよ。」
それを見てフレイに駆け寄るミリアリア。火を吹いたフレイの銃は大きくはずれ、フレイとミリアリアは一緒に倒れ込む。呆然とするフレイとフレイにかぶさり、泣き続けるミリアリア。
「明日から第8艦隊所属艦、アークエンジェルのこれまでの軍務について査問を行う。マリュー・ラミアス少佐、ムウラ・フラガ少佐、ナタル・バジルール中尉は明0700こちらに出頭したまえ。」ようやくサザーランドの命が下り、ため息をつくラミアスであった。
PHASE-33 闇の胎動 フレイはミリアリアに尋ねる。「何するのよ。なんで邪魔するの。自分だって殺そうとしてたじゃない。あんただって憎いんでしょ?こいつが。」「トールを殺した、コーディネータが。何よ。あんただって同じじゃない。あんただって私と同じじゃない。」たまらず止めに入るサイ。「違う、違う!」涙ながらに叫ぶミリアリア。そこに入ってくるアークエンジェルのクルー。ナタルは甘すぎるディアッカの処遇、銃の保管についてをラミアスに責める。ナタルはアークエンジェルに的確な指揮官が必要だと力説する。ラミアスは「あなたならきっといい艦長になるわね」と微笑んで去っていく。「だから甘いというのだ。」吐き捨てるかのように言うナタル。ディアッカは独房に移されていた。ミリアリアに襲われたのはかなりのショックであった様子。興奮状態で寝ようにも寝付けず、いままでのミリアリアへの発言を思い出すディアッカ。
サザーランド大佐らによる、アークエンジェル乗組員に対する査問会が開始された。
プロント、ラクスの家。食事を運んできたラクスはキラがベットにいないことに気づく。キラは海の見えるバルコニーでトールのことを考えていた。思い出すトールとの日々。そして涙ぐむキラ。「何を見てらっしゃいますの。」ラクスが話しかける。「キラの夢はいつも悲しそうですわね。」「悲しいよ。」「たくさん、人が死んで。。僕もたくさん殺した。」泣き崩れそうになるキラであったが、その涙を手でぬぐい、肩を抱きかかえるように勇気づけるラクス。「あなたは戦ったのですわ。それで守れた物もたくさんあるのでしょう。でも。今はお食事にしましょう。」食事のテーブルにキラを連れ戻そうとするラクス。「大丈夫です。ここはまだ平和です。」
査問会ではストライクにキラを乗せたラミアスの行為について、思慮のない判断が行われたかのような詮索が行われていた。そしてその結果がヘリオポリス崩壊を招いた、とサザーランド大佐の口から発せられていた。コーディネータによるキラさえいなかったら、ヘリオポリス崩壊は免れなかった、コーディネータを乗せたという判断自体が誤りだったときっぱり言い切るサザーランド。そしてその行為が結果、アルテミス、先遣隊、第8艦隊の消失を招いたと責め立てる。そこまでの犠牲を払ったにもかかわらず、ストライクは失われている。「全てを明確にし、この一連の戦いの成果と責任をはっきりさせねばならないのだよ。誰もが納得する形でね。では、続けようか。」冷たく言い放つサザーランド。
サイとカズイがミリアリアのもとに食事を持っていった時、そこにミリアリアはいなかった。ミリアリアはディアッカのもとにいた。ディアッカが驚き飛び退いたとき、ミリアリアも驚き立ち去ろうとした。「待てよ。」呼び止めるディアッカ。「お前の彼氏、どこで、その。」「スカイグラスパーに乗っていたの。島で、あんた達が攻撃してきたとき。」「スカイグラスパー?」「戦闘機、青と白の」「俺じゃない。」寝ころぶディアッカ。「どうしたんだよ。殺しに来たなら、やればいいだろ。」
査問会は長時間の質疑・応答を終了し、散会となった。アークエンジェルの乗員は、フラガ、ナタル、フレイの3人を除き、現状通り艦内待機となる。この3名は転属命令となった。「あの、アルスター二等兵も転属というのは?」サザーランドに尋ねるナタル。「彼女の志願のときの言葉、聞いたのは君だろう?アルスター家の娘でもある彼女の言葉は、多くの人々の胸を打つだろう。その志願動機とともにな。彼女の活躍の場は前線でなくとも良いのだよ。」
カーペンタリアの自室を後にするアスラン。廊下ではイザークが腕を組み立っていた。無言で通りすぎようとするアスラン。
海を見続けるキラに近寄り、話しかけるラクス。「ずっとこのまま、こうしていられたら良いですわね。」  
PHASE-34 まなざしの先 ザラ議長の元にクルーゼからの連絡が入る。「スピット・ブレイク、全軍の配置、完了しました。後はご命令いただくのみです。」一方、ラクスの家で過ごすキラ。ラクスが呼びに来る。「まもなく雨の時間です。中でお茶にしませんか。」
また、カーペンタリアを後にしようとするアスランの前をふさぐかのように立つイザーク。「俺もすぐ、そっちへ行ってやる。貴様など特務隊とはなあ。」さっと手を差し出すアスラン。「いろいろとすまなかった。いままでありがとう。」応えて、握手をするイザーク。「今度は俺が部下にしてやる。それまで死ぬんじゃないぞ。」「わかった。」そう言い残して立ち去るアスラン。
アークエンジェルでは、嫌がるフレイをナタルが強引に手を引いて、艦を降りようとしていた。「嫌だ、嫌です私。艦長、なぜ私だけ。」「いい加減にしろ、これは本部からの命令だ。君は従わねばならない。」「そういうことになってしまうわね。軍本部からの命令では、私にはどうすることもできないの。ごめんなさい。意義があるのならいちおう人事局に問い合わせることはできるけど。」慰めの言葉を一応かけるラミアスであったが、ナタルの「とりつくわけがない」という言葉にかき消されてしまう。「今までありがとう。バジルール中尉」敬礼をするラミアス。返礼をするナタル。「また会えるといいわね、戦場でないどこかで。」嫌がるラクスを引っ張り、アークエンジェルを降りていくナタル。「俺も言うだけ言ってみるかな、人事局にさ。」ぼやくようにラミアスに言うフラガ。「なにもこんなときにカルフォルニアで教官をやれはないでしょう。」「あなたが教えれば、前線でのルーキーの損害率が下がるわ。」慰めの言葉をかけるラミアス。そして涙を浮かべながら礼を言う。「今までありがとうございました。」「俺の方こそ。なっ。」みんなに敬礼をしながら船を降りていくフラガ。そんなアークエンジェルにはアラスカ守備隊への配属が決定した。ラミアスからの要望は何も聞き入れられないまま。。
プラント、ラクス邸。雨が降るなかでのお茶の時間。尋ねるラクス。「キラはどこにいたいのですか?」「わからない。ここにいて、いいのかな。」「私はもちろん、とお答えしますけど。」言葉を挟むマルキヨ。「自分の向かうべき場所、せねばならぬこと。やがて自ずとしれましょう。あなたはシードを持つ者。故に。」同じような悩みを持つアスランも宇宙に向けて飛び立っていた。
オペレーション スピット・ブレイクが発動された。目標はアラスカのジョシュア。つまり地球軍総司令部のある場所である。誰もが皆、パナマだと考えていただけに驚愕の声を発する。ラクスの父、クラインは地球へ降りる方法を模索していた。そこに同志からの連絡が入る。目標がアラスカ、ジョシュアであったことを聞き、驚愕するクライン。評議会が作戦発動を承認したのもパナマという前提だったからこそである。それを聞き、突然体調がおかしくなるキラ。
方々の基地への出発で混乱している人混みの中に、ナタル、フラガ、フレイがいた。名残惜しむかのようにナタルは別の船に乗り、そして一緒の船であったフラガ、フレイも、フラガが「俺、ちょっと忘れ物」と去っていく。一人ぼっちになり不安そうなフレイ。突然鳴り響く警報。それはザフト軍の接近を受けてのものであった。守備軍発進を命じるサザーランド。基地の中を見て回っていたフラガはどこもかしこももぬけの空であることに気づく。そう、この攻撃を上層部は事前に予知していたかのようであった。
キラはある決心をする。「僕、行くよ。」「どちらへ行かれますの?」「地球へ戻らなきゃ。」「なぜ?あなたが一人戻ったところで戦いは終わりませんのよ。」「でも、ここでただ見ていることも、もうできない。」「何もできないと言って何もしなかったら、もっと何も出来ない。何も変わらない、何も終わらないから。」「また、ザフトと戦われるのですか。」首を振り否定するキラ。「では、地球軍と?」「僕達は何と戦わなければならないのか少しわかった気がする。」「わかりました。」
フレイは一人アークエンジェルへ戻ろうと基地内をさまよっていた。また、フラガはクルーゼが近くにいると感じていた。クルーゼはモニタを見て何かを感心していた。背後のフラガの気を感じ取り、銃撃戦になる。「久しぶりだな、ムウラ・フラガ。せっかく会えたのに残念だが、今は貴様に付き合っている時間が無くてな。ここにいるということは貴様も地球軍では、すでに用済みか。落ちたものだな、エンデュミオンの鷹も。」逃げるクルーゼと出会うフレイ。声が父親に似ていて、「パパ」と思わず叫んでしまうフレイ。クルーゼに向けた銃が火を吹くが、フレイを気絶させ、一緒に連れて行くクルーゼ。
「キラはこれに着替えてください。」渡されたのは赤の軍服。「あちらに連絡を、ラクス・クラインは平和の歌を歌います、と。」車にキラを乗せ、ラクスはキラを連れある建物に入っていく。そこで見た、1台のモビルスーツ。「ガンダム?」「ちょっと違いますわね。これはZGMF-X1OAフリーダムです。でも、ガンダムの方が強そうでいいですわね。奪取した地球軍のモビルスーツの性能をも取り込み、ザラ新議長の下、開発されたザフト軍の最新鋭の機体だそうですわ。」「これをなぜ僕に?」「今のあなたには必要な力と思いましたの。思いだけでも、力だけでも駄目なのです。だから。。」「キラの願いが、行きたいと望む場所に、これは不要ですか?」「おもいだけでも、ちからだけでも、君は誰?」「私はラクス・クラインですわ。キラ・ヤマト。」「ありがとう。」
フリーダムにコクピットにたどりつく2人。「大丈夫?」「私も歌いますから、平和の歌を。」「気をつけてね。」「ええ、キラも。私の力と共に」そっと首に口づけをするラクス。「では、お気をつけて。」OSを起動させるキラ。「すごいストライクの4倍以上のパワーがある。」「思いだけでも。」「力だけでも。」閉まっていくデッキのシャッターで手を振るラクスの姿を映すモニター。
発進するフリーダム。それを阻止しようと動くザフト軍。「止めろ僕を行かせてくれ」行く手を遮ろうとするジンをすれ違いざまに破壊していくフリーダム。あまりの速さに何が起きたのかを把握できないザフトのパイロット達。フリーダムの行く手に現れるアスランを乗せたシャトル。そのシャトルとすれ違い、地球に向かうフリーダム。  
PHASE-35 舞い降りる剣 ザフト軍のアラスカ ジョシュアへの熾烈な攻撃は、地球軍を確実に劣勢へと追い込んでいった。アークエンジェルも守備隊としてよく戦ってはいたものの、貧弱な布陣。そして戦力差から劣勢に立たされていた。そんな戦いの中、フラガは基地施設をオートバイで走り抜けていた。クルーゼと出会った閑散とした基地司令部の中で見たものを確認するために。高みの見物を決め込むクルーゼ。「生け贄はユーラシアの部隊とあれ(アークエンジェル)か。色々と面白い構図だな、地球軍は。強固な守り手が立ち塞がると、その奥の宝への期待が高まる。頑張ってもらいたいものだな、足付きにも。」
フラガはすでに突破された格納庫にいる軍人達に撤退を命じ、自らはそこにあった戦闘機でアークエンジェルに向かった。
アークエンジェルは司令部に再三の命令確認をするが応答なし。そんなときに被弾したフラガがアークエンジェルに強行着陸をする。真っ先にブリッジに向かいラミアスに言う。「すぐに撤退だ。こいつはとんだ作戦だぜ。守備軍はいったいどういう命令を受けてんだ。いいか、よく聞けよ。本部の地下にサイクロップスがしかけられている。作動したら、基地から半径10キロは溶鉱炉になるっていうサイズの代物だ。この戦力では防衛は不可能だ。パナマからの救援は間に合わない。やがて守備軍は全滅し、ゲートは突破され、本部は施設の破棄をかねてサイクロップスを作動させる。それでザフトの戦力の大半を奪う気なんだよ。それがお偉いさんのシナリオなんだ。」驚愕するブリッジ、そしてラミアス。「そんな。。」「俺はこの目で見てきたんだ。司令本部はもう、もぬけの空さ。残っているのは、ユーラシアの部隊と、アークエンジェルのようにあっちの都合で切り捨てられた奴らさ。」動揺を隠せないアークエンジェルの乗組員。「ザフト軍を誘い込むのがこの戦闘の目的だというのなら、本艦はすでにその任を果たしたものと判断します。なおこれはアークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスの独断であり、乗員には一切、この判断に責任はありません。」「本艦はこれより現戦闘海域を放棄、離脱します。僚艦に打電。我に続け。機関全速。取り舵、湾部の左翼を突破します。」耳打ちするフラガ。「脱出はかなり厳しいが、心配するな、俺も出る。忘れた?俺は不可能を可能にする男だっていうことを。」
クルーゼは、母艦に戻ってきていた。そのタイミングで目覚めるフレイ。恐がり、コクピットに戻るフレイ。「おやおや。」笑うクルーゼ。
フラガもスカイグラスパーに出て、奮戦するが、なかなかアークエンジェルを見逃してくれないザフト軍。そんなときにアークエンジェルに襲いかかるイザークのデュエル。「足付き。今日で終わりだな。」フラガのスカイグラスパーが応戦に出るも、やはり、デュエルは強い。ランチャーを破壊されてしまうフラガ。そのためアークエンジェルの戦力はさらに手薄になってしまう。さらにザフト軍のモビルスーツ軍が接近。アークエンジェルの稼働率は43%に低下。ついにモビルスーツに取り付かれてしまう。アークエンジェルのブリッジにライフルを向けるジン。ライフルを撃とうとした瞬間、突如ライフルが爆発する。現れたのはキラが操るフリーダムであった。
「こちらキラ・ヤマト。援護します。今のうちに退艦を。」耳を疑うアークエンジェルのクルー。フリーダムの戦力は圧倒的であった。次々と破壊されるザフトのモビルスーツ。さらにキラからの連絡。「マリューさん。早く退艦を。」とまどいながら答えるラミアス。「本部の地下にサイクロップスがあって、私たちは囮に。作戦なの。知らなかったのよ。だからここでは退艦できないわ。もっと基地から離れなくては。」「わかりました。」通信回線を開くキラ。
「ザフト、連合、両軍に伝えます。アラスカ基地は、まもなくサイクロップスを作動させ、自爆します。両軍とも直ちに戦闘を停止し、撤退してください。」「下手な脅しを。」フリーダムに接近するデュエル。シャトルを破壊したデュエルを思い出すキラ。だが、何かを決心したかのようにデュエルの攻撃を払いのける。「止めろと言ったろ。死にたいのか。」なおも攻撃してくるデュエルのコクピットをわざとはずし、デュエルを戦闘不能な程度に破壊し、海にたたき落とす。「早く脱出しろ、もう止めるんだ。」助けられたイザークは理解できない。
アラスカ基地内でサイクロップス作動。次々と破壊される基地施設。そしてザフト軍のモビルスーツ。逃げまどう軍人達。サイクロップス作動を感知したアークエンジェルも全速で戦域を離脱する。被弾したモビルスーツを連れて全速で離脱するキラ。「なぜ、こんなことに。」騒然とするザフト軍。「してやられましたな、ナチュラルどもに。」不適な笑みを浮かべるクルーゼ。
難を逃れたアークエンジェルだったが、キラは連れ出したモビルスーツのパイロットを助けられず、悲しみの拳を大地に突き立てていた。
「全滅?全滅とはどういうことだ。」騒然とするプラント。そんなところにアスランは帰ってきた。偶然、ユウキ隊長と出会う。「アスラン・ザラ、どうしたんだ?こんなところで。」「いえ、どうしたんですか?この騒ぎは。」「スピットブレイクが失敗したらしい。詳しいことはまだわからんが、全滅との報告もある。」「そんな。」「君にはもう一つ悪いニュースがある。極秘開発されていた最新鋭のモビルスーツが1機、何者かの手で奪取されたらしい。その手引きをしたのがラクス・クラインということで、今国防委員会が大騒ぎなんだ。」「そんな、ラクスが。。そんな。」ただ、驚くしかないアスランであった。 
PHASE-36 正義の名の
もとに
アスランが戻ってきたとき、ザフト軍は混乱のきわみに達していた。ザラ議長はこれらの事態をラクス前評議議員が裏切り者であると判断し、彼とゆかりのある議員の拘束を命令。そして訪ねてきたアスランにラクスがフリーダム奪取の手引きをしたと判断した、監視カメラの映像を見せる。そしてラクスとの婚約解消とラクスが国家反逆罪で指名手配中の逃亡犯であるとの認識を示す。アスランは同じく開発されたジャスティスを使い、フリーダムのパイロット、および接触したと考える施設など全ての破壊を命じる。そして奪還できない場合は破壊せよ、と。ジャスティスとフリーダムはニュートロンジャマー・キャンセラーを搭載していることを打ち明けられ、驚きを隠せないアスラン。
ジャスティスの前でニコルの父親と話すアスラン。ニコルの父は裏切り者が出たために、さらなる犠牲者が出たことを憤慨しており、戦争終結のためにもNジャマー・キャンセラーの搭載に踏み切ったことを話す。そしてこれが地球軍の手に渡った場合、再び核の惨事が起きるであろうことを恐れて。。ただアスランは未だにラクスが裏切り者となったことを自分の頭の中で消化し切れていない様子である。
一方、アークエンジェルのクルーの前に突如現れたキラを、みんなは驚きをもって迎えるしかなかった。ラミアスと色々と話をしなければならないことがあることをほのめかすキラ。フラガの「ザフトにいたのか?」の問いに、「そうですけど、僕はザフトではありません。そしてもう、地球軍でもありません。」ラミアスは了承したとの言葉をかけつつ、フリーダムについてはどう扱えばいいのかを尋ねる。整備は不要であると答えるキラ。そしてフリーダムにはNジャマー・キャンセラーが搭載されていることも明かす。データを取ることも許さず、奪取しようとするなら敵対することも辞さない姿勢を見せるキラ。ラミアスはその意を汲み、機体には一切手を触れないことを約束するラミアス。
ラクスの家で昔の思い出にひたるアスラン。そこに現れるハロ。ハロを持ち走り去るアスラン。
キラは、今後アークエンジェルがどのように動くのかを尋ねる。パナマに戻ったところで敵前逃亡艦と扱われるのは目に見えていた。キラは言う。「こんなことを終わらせるためには何と戦わなければならないとマリューさんは思いますか?僕たち、僕はそれと戦わなくてはと思います。」そんな言葉を受け、フラガはラミアスにオーブに行くことを提案する。一方、キラはいなくなったフレイの部屋にいた。そこに入ってくるサイ。フレイのことを尋ねるキラ。転属になったことを話すサイ。だが、キラを見ていると自分が惨めになってしまうと自分の気持ちを吐露するサイ。慰めの言葉をかけるキラ。「君にできないことは僕ができるかもしれない。だが、僕ができないことは、君ができるんだ。」
アスランはラクスの面影を追っていた。劇場に入り込むアスラン。聞こえる歌声の銃を構え、様子を伺うアスラン。舞台には紛れもないラクス・クラインが歌っていた。駆け寄るハロ。「やはりあなたが連れてきてくださいましたか。」その言葉に舞台に駆け上がるアスラン。「ラクス、どういうことですか?これは?」「お聞きになったから、ここにいらしたのではないのですか?」優しく微笑みかけるラクス。「では、本当なのですか、スパイを手引きしたというのは?なぜそんなことを。」「スパイの手引きなどしてはおりません。キラにお渡ししただけですわ。新しい剣を。今のキラに必要で、キラが持つにはふさわしいものです。」「何を言っているんです。キラは、あいつは?」「あなたが殺しましたか?大丈夫です、キラは生きていますわ。」「うそだ。」銃をラクスに向けるアスラン。「一体、どういう企みなんです?ラクス・クライン。そんなばかな話を、あいつは生きているはずがない。」「マルキヨ様が私の元へお連れになりました。キラはあなたと戦ったと言っていましたわ。言葉は信じませんか。では、ご自分でご覧になったものは?戦場で、久しぶりに戻ったプラントで、何もご覧になりませんでしたか?アスランが信じて戦うものはなんですか?いただいた勲章ですか?お父様の命令ですか?そうであるならば、キラは再びあなたの敵となるかもしれない。そして私も。敵だというのなら、私を撃ちますか?ザフトのアスラン・ザラ。」「俺は。。」
そこに入ってくるザフトの諜報部員。一斉にラクスに銃を向ける諜報部員。アスランの後をずっとつけていたらしい。アスランはラクスをかばいつつ、諜報部の人間に発砲。ラクスを連れて瓦礫の裏に逃げ込む。ラクスの支援者達が諜報部員を一人、また一人と倒していく。諜報部員は全て銃弾に倒れる。静まる劇場。「ラクス様、そろそろ」支援者達とともに旅立とうとするラクス。「では、アスラン。ピンクちゃんをありがとうございました。キラは地球へ。お話されたらいかかですか?お友達とも。」
ラクスの言葉をかみしめつつも、ジャスティスの発進準備を進めるアスラン。「キラ、お前は何を?」ジャスティスを発進させるアスラン。 
PHASE-37 神のいかずち アークエンジェルは再びオーブ連合首長国の隠しドックへと入港した。アークエンジェルが入港するや否や艦内に駆け込むカガリ。キラを見つけるや否や抱きつくカガリ。「本当に死んだと思っていたんだぞ。」ラミアスもウズミ前代表に謁見していた。地球軍本部壊滅は世界情勢にかなりの影響を与えているとのことを聞くラミアス。いずれにせよ、自由は制限されるものの、クルー達への休みは保障できることを聞き、安堵するラミアス達。だが、「貴殿らが着ている軍服の意味を考えよ」と告げられるラミアスは、どことなく曇りのある表情を隠すわけにはいかなかった。
安心したのはサイ、カズイ、ミリアリア達も同じである。軍籍を離れたアークエンジェルにいるということは、オーブで降りられるのではないかと考えているカズイ。だが、サイは敵前逃亡は銃殺、時効なしと冷たく告げる。食堂を後にする3人。ミリアリアは1つだけ残されているトレーに気が付く。それは捕虜となっているディアッカのものであった。
カガリはアスランに会ったことをキラに告げる。キラはニコルを殺してしまい、そしてアスランはトールを殺したという事実を再び思い出すキラ。なぜ小さい頃からの友達、そんな奴と戦ってまで地球の味方をしようと思ったのかを尋ねるカガリ。みんな(ミリアリア達)を守るためだということを素直に話すキラ。
ディアッカの元に食事を運んでくるミリアリア。ディアッカはなぜ乗せられたままであるかとミリアリアに尋ねる。吐き捨てるように「ザフトよ。」と答えるミリアリア。そしてミリアリア達も船から降りられないという事実だけを告げ、ディアッカのもとを後にする。
ジョシュア壊滅はサイクロップスによる破壊だということを聞き、顔の表情をいっそう険しくするウズミ。そしてそのジョシュア攻撃の事実を巧みに利用したニュース番組をラミアス達に見せる。さらに大西洋連邦は中立国への圧力をかけてきているという事実を話す。オーブとしてはコーディネータとナチュラルが融合している国家造りをしているだけに、その2つの陣営が対立している馬鹿げた戦争に手を貸せないと断言するウズミ。フラガの「それは理想にすぎない」という発言をも退け、話すウズミ。「その軍服を裏切れるというのなら手も尽くそう。君らは若く力もある。見極められよ、真に望む未来をな。まだ時間はあろう。」キラは問う。「ウズミさまはどう思っていらっしゃるのですか。」「ただ剣を飾っておける状況ではなくなった。そう思っている。」
ザフト軍はジョシュアの恨みを晴らすがため、残存兵力だけでパナマ攻略作戦に入った。パナマのマスドライバーだけは潰しておきたいという考えである。クルーゼはフレイを連れ回していた。フレイに対して、「お前へすでに死んだ身だ。」と言い放つクルーゼ。わかってはいながらもクルーゼへ銃を構えるのを止めないフレイ。「しかし、君にはにあわんな。そんなことは。軍服を着ていても、君は兵士ではない。違うかね。」
キサカよりパナマが攻撃を受けていることを聞く、ラミアスとフラガ。複雑な心境の2人であったが、アークエンジェルは何もすることができない。
パナマでは少しでも被害を抑えようと、第13独立部隊、つまりモビルスーツ隊を出撃させた。モビルスーツ投入はザフト軍に驚きをもってとらえられていた。だがクルーゼはそんなことはあまり驚きもしなかった。ザフトは秘密兵器、グングニールを発動させる。グングニールにより簡単に破壊されるマスドライバー、そして軍施設。稼働できなくなった兵器をことごとく破壊していくザフト軍。「さて、新たな舞台の幕開けとなるか。。。」不適な笑いのクルーゼ。
フリーダムの前でキラに問うフラガ。「お前は一人でも戦う気か?」「できることと、望むことをするだけです。このままじゃ嫌だし、僕自身それで済むと思ってないから。」そこにカガリがやってくる。キラに見せたいものがある、とエリカが言っていると。カガリとともにエリカの元を訪ねるキラ。そこには修理を終えたストライクがあった。「キラのOSを載せてあるけど、今度は別のパイロットが乗るのかなって。」というエリカの言葉に、「例のナチュラル用の」と答えるフラガ。真っ先に俺が乗ると名乗りを上げるカガリ。「いやだめだ、俺が乗る。」とはっきり答えるフラガ。「少佐?」「じゃあないんじゃない、マリューさん。」キラのフリーダムと模擬戦を始めるストライク。「いきなり僕と模擬戦はないんじゃないですか?」「うるせー、いくぞ。」  
PHASE-38 決意の砲火 パナマ全滅に連合軍の会議は紛糾していた。オーブの連合不参加に話が飛び火する会議。ブルーコスモス筆頭のアズラエルがついに腰を上げる。オーブへの侵攻をほのめかすアズラエル。「もしかしたらあれのテストができるかもしれませんしね。」「あの機体を使うつもりかね、君は。」整備中のカラミティ、フォビドゥン、レイダーの各ガンダム。「それは向こうの出方次第ですよ。そのアズハさんとやらが噂通りの頑固者なら、ちょっとすごいことになるかもしれませんね。」
オーブでは連合からの最後通告を受け、騒然としていた。最後通告の武力対峙を辞さないという内容を聞き、呆然とするウズミ。「現政権の放棄、武力解除」を48時間以内に行うことを突きつけてきていた。迫りつつある大西洋連邦軍。オーブのマスドライバーとモルゲンレーテを奪取するのが目的と見るのは、明白であった。中立国家は既に連合に加入しつつあり、オーブもどちらかに属することを決めねばならない時期ではなかろうかと進言する者もいるが、「明日はパナマの二の舞ぞ」と言い、断固中立を貫こうという姿勢を崩さないウズミであった。
アスランはジャスティスで、イージスを自爆させた現場に来ていた。イージスの残骸から顔をのぞかせる子供達。そこにマルキヨが現れる。
ラミアスはアークエンジェルの全クルーを集合させた。ラミアスはオーブに連合軍が侵攻中であることを告げ、アークエンジェルは明後日09:00に開始されるであろうオーブ・地球連合軍との戦闘に加わることになるが、戦いへの参加は強制せず、ここで艦を降りたい者はオーブ政府の指示に従って、退艦し、避難してほしいことを発表する。今まで従ってくれたことに感謝の念を述べるラミアス。カガリはオーブが戦場になることが未だに信じられない様子。キラはそんなカガリに、僕もできる限りオーブを守ると励ます。カズイはアークエンジェルを退艦することを自身で決める。サイやミリアリアが降りないことに対し、自分だけが卑怯者にされそうで嫌だという気持ちを吐露するカズイ。カズイは戦争に向いていないだけだよ、それまで生きていろよと励ますサイ。再び残ろうとするカズイの気持ちを断ち切ろうとするかのように。ミリアリアはディアッカの元に来ていた。ディアッカにノーマルスーツを渡すミリアリア。「どういうことだよ。」と問いかけるディアッカに対し、アークエンジェルはまた戦争に出るとだけしか言わないミリアリア。ディアッカはなぜアークエンジェルが地球軍と戦わなければならないのか理解できない。ただアークエンジェルを降りることしかできないディアッカ。
まもなく期限になろうとするオーブ。アークエンジェルからの退艦者は11名だということをラミアスの元に告げに来るフラガ。「少佐はなんで戻ってらしたんです。ジョシュアで。」「えっ」言葉を詰まらせるフラガ。「いや、その、聞かれるとは思わなかったぜ。」優しくラミアスを抱き寄せ、口づけするフラガ。「私は、モビルアーマー乗りは嫌いです。」「あっ、俺今、モビルスーツのパイロット。」もう一度口づけする2人。
アスランはマルキヨの家に来ていた。「どうやら避けられぬようです。オーブと地球軍との戦闘。人はたやすく敵となる。」「なぜ、オーブと地球軍が。」マルキヨが預かっている子供がアスランをけっ飛ばしてくる。その子はカーペンタリア占領戦のとき、戦火に巻き込まれたことをマルキヨの言葉から知るアスラン。「広げるのはたやすく、消すのは難しいものです、戦火は。」
ついに地球軍の攻撃が開始される。アークエンジェル出撃。オーブ軍モビルスーツ、M1アストレイも初出撃となる。降下作戦を展開する連合軍モビルスーツ、ストライクダガー。アークエンジェルからもフリーダムとストライクが出撃する。一方アズラエルが乗る空母からもクロト、オルガ、シャニが操るカラミティ、フォビドウン、レイダーの各ガンダムが出撃していた。M1アストレイはモビルスーツ戦に不慣れ、押されつつあった。そこに援護に入るフリーダムとストライク。アークエンジェルはカラミティとレイダーに捕まっていた。アークエンジェルの援護に入るフリーダム。そのアークエンジェルを見つめるディアッカ。ミリアリアとの会話を思い出し、決意したかのようにモルゲンレーテに向かって走って行った。
フリーダムはフォビドウンのビーム攪乱幕に手こずっていた。防御が手薄になったアークエンジェルに襲いかかる連合軍の戦闘機部隊。それを助けに入ったのはディアッカのバスターガンダムであった。バスターの援護に驚くラミアス達。そしてその戦闘を遠くから見つめていたもう1機のモビルスーツ、それはアスランのジャスティスであった。キラのフリーダムを見つけるアスラン。ニコルがやられた時のことを思い出す。そしてラクスの言葉を。。何かを決意したアスラン。やられそうになったフリーダムを救ったのはアスランのジャスティスであった。  
PHASE-39 アスラン 「こちらはザフト軍特務隊、アスラン・ザラだ。聞こえるかフリーダム。キラ・ヤマトだな。」そんな中でも攻撃をしてくるフォビドゥン、レイダー。アスランに問いかけるキラ。「どういうつもりだ。ザフトがこの戦闘に介入するのか。」「軍からはこの戦闘に対して何の命令も受けていない。この介入は俺個人の意思だ。」そんな戦闘を行っている中にカラミティの攻撃が始まる。それでジャスティスがあたらに加わっていることに気づくみんな。オルガが乗るカラミティの攻撃は敵も味方も無関係の攻撃。キラとアスランはシャニのフォビドゥンに手こずっているが、何とか連携して破壊をもくろむ。戦闘中に突如苦しみ出す3人。「ちくしょう、時間切れかよ。」早々に帰還してしまう3人。アズラエルはそれを見て艦長に一時撤退を進言する。
連合軍が撤退し、対峙するフリーダムとジャスティス。「援護は感謝する。だが、その真意を改めて確認したい。」キラの言葉に、コクピットを外にさらし、答えるアスラン。「俺はその機体、フリーダムの奪還あるいは破壊という命令を本国から受けている。だが今、俺はお前と、その友軍に敵対する意思はない。」「話がしたい。お前と。」「アスラン。」
破壊されたオーブの街。そこに各モビルスーツのパイロットは一息をつくために降りていた。そこに降下してくるフリーダム、ジャスティス。カガリやラミアス達、みんながそこに集まってくる。銃を構えるオーブ兵に言うキラ、「彼は敵じゃない。」お互いに歩み寄るキラとアスラン。そこにトリィが来る。
「やあアスラン」微笑むキラ。拳を握りしめ、キラに怒りをぶつけようとしたアスラン。そこに「お前ら」と走り寄って来るカガリ。2人を抱き寄せ、「この馬鹿野郎」と言う、その言葉に思わず微笑む2人。
オーブ内の整備工場。そこで並んで腰を下ろす2人。それを見守るみんな。アスランの前でキラはオーブにつくことを宣言する。「僕は君の仲間、友達を殺した。だが僕は彼を知らない。殺したかった訳でもない。君もトールを殺した。でも、君もトールのことを知らない。殺したかった訳でもないだろう。」「俺は、お前を殺そうとした。」「僕もさ、アスラン。戦わないで済む世界ならいい。そんな世界にずっといられたんなら。でも、戦争はどんどん広がるばかりで。」アスランは父、ザラ議長の言葉を思い出していた。キラの話が続く。「このままじゃ本当に、プラントと地球はお互いに滅ぼし合うしかなくなるよ。だから僕も戦うんだ。」「キラ。」「たとえ守るためでも、もう銃を撃ってしまった僕だから。」キラの顔を見つめるアスラン。「僕たちも、また戦うのかな」「キラ?」ラクスの言葉を思い出すアスラン。「もう作業に戻らなきゃ。攻撃、いつ再開されるかわかんないから。」その場を立ち去ろうとするキラ。呼び止めるアスラン。「一つだけ聞きたい。フリーダムにはニュートロン・ジャマー・キャンセラーが搭載されている。そのデータ、お前は。」「ここで、あれを何かに利用しようとしている人がいるなら、僕が撃つ。」
立ち去ろうとするミリアリアを呼び止めるディアッカ。「トールって奴を殺したの、あいつ。」「あんた聞いてなかったの、キラが言ったこと。」「いや。」「あの人を殺すとトールが帰ってくるの?だったら言わないで、そんなこと。」そのやりとりを聞いていて、思わず腰を上げるアスラン。
アズラエルはクロト、オルガ、シャニが苦しみ続けている中、攻撃再開の命令を下す。
アスランにずっとついて回っているカガリ。「なんでずっとくっついている?」「気にするな。見張っているだけだ。」と言うカガリ。「そうか。」だが、その後アスランに話しかける。「キラが生きていて良かったな。」「ええ?ああ。あのとき俺は礼も言わなかったな。」「いったさ、ちゃんと。一応な。ぼけてたからな。覚えてないんだろう。」「キラ、変わったろ。」カガリはアスランに問いかける。「いや、やっぱりあいつだよ。」と言い残し、カガリの元を後にしようとするアスラン。「ああ、えーと、お前。どうするんだ、これから。」「わからない。」「またかよ。」「でも、もう答えは出ているのかもしれない。苦しいな。」それだけ言って、ジャスティスに向かう。「みんなな。」ぼそっとつぶやくカガリ。
地球軍の攻撃が再開される。出撃していくオルガ、シャニ、クロト。「あの2機、今度こそ落としてやる。」  


2003. 7.13 Update

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