ハッセルブラッドもしくは変なおじさん
ライカと共に信者が多いカメラで、世のお父さん方の憧れ的の一つでしょう。広告の仕事を割とリッチにこなしている人以外では、これで仕事をしていますという人にはあまりお目にかかれない。実際よく写るし問題がなさそうだけど、実際はフイルムパックの設計が古くて現在のフィルムの平面安定性に比べると疑問が残ったり、システムとして大変高価であったり、だいたい6×6は・・・。といった理由からも敬遠されているのが実状でしょう。SWCは結構使われていたりしますが。ただし個人的にはかなり所持率は高いかもしれません。あまり持っているなどと言いたくないカメラなんですよ、プロとしては、なんか俗っぽくて。
だいたい撮影にいって一番じゃまなのが群をなして三脚をたて撮影もせずにくっちゃべってるおじさんやおばさんの団体。なにしにきているんだか延々とおしゃべりが続くし、いい加減じゃまです。こっちは仕事じゃ!と叫んだこともありました。で、この連中のヒーロー的な人が厳かに不必要にでかいカメラバック(ブランド品)から更に丁寧にくるまれたハッセルを取り出して延々と自慢が始まる・・・。こんな図式をよく見てしまうので、このカメラは敬遠する対象です。どうみてもアマの機材に成り下がっています。なんかハッセルで撮影していると自分もアマみたいで自己嫌悪に陥ることがあります。
格言「撮るなら撮れ、撮ったらドケ!」
そういえば、雑誌の観光地案内みたいな企画で、35mmで山で撮影していたときのこと、その時はロケハン的なつもりで撮影していたのですが、割と撮影地として有名な場所だけにいっぱい変なおやじがうじゃうじゃいて、さっさっと済ますつもりだったのですが「兄ちゃん山はネ〜、大きなカメラじゃないとだめだヨ〜。そんなんじゃ写らないヨ〜。」と自慢げにマミヤ6×7に中系の望遠つけて、「中版はいいよ〜、なんたってフィルムがでかいからね〜」と言われ一人静かにキレた私は「そうなんですか」といってその場を去り8×10を車から持ってきて、どでかいジッツオに載せて一応セットアップしてから「35mmで十分だよ!」と吐き捨ててしまいました。まあこの手のおやじはそういうことをすると手のひら返したように「プロなんですか」「私の知り合いにもプロがいまして、○○さんて知らない?」などと聞いてくる。知るわけがない!この世界で食っている人間ごまんといる。大抵カルチャーセンターで先生でござい等とやっている輩なんだろうけど(ハ!私もやっていたりする・・・(; ;)。)教えるのと売るのは天と地ほど違う。だいたい教えられて出来るぐらいなら苦労しない、いろいろ修羅場くぐってなんぼのもんです。ピアノに詳しければ名演奏が出来るのか、ゴルフに詳しければ誰でもパープレー出来るのか、てな感じですか。
あ!ハッセルの話しないと・・。
10数年前に500cというのを中古で購入、ただしこの500cはピントグラスが4本のネジで中浮きになっていて結構シビアな扱いを要求される。銀座の銀一カメラでオーバーホールしたついでに、加工してしまおうかとも思ったのですが、そのころは上記の理由ではなく何となく相性が悪くてあまり使わなかったので、そのままにしておきました。そのころはニコンF3とホースマン45で主な仕事は足りていたので、手持ちじゃ不安で、三脚立てるのは面倒。なんか中途半端な感じがして、で、知り合いに安く譲ってしまいました。
ところが最近、コンタックスの645が発売されると聞いたとき、セットで買って使おうかと言う話が持ち上がり、経理的にもOKが出たのですが、その総額に何ともいえない引っかかりがあり、ひょんなことからハッセルの道に舞い戻ってしまいました。今度は500CMの最終モデル、これがいいんです。今のモデルはなんかちゃちで欲しくなかったのです。前に感じた違和感もなく、バリバリ使っています。