2002年7月8日から8月1日まで、入院しました。
特に、暇な毎日だったので取り立てて書くこともないのだけど、
何しろ暇なので、だらだらと日記調に書き込んでいました。
酒は・・・飲めるわけもなく・・・

入院生活って、飛行機の中のような生活だということに気がついた。
寝てるか、飯を食うか、映画(テレビ)を見てるか・・・
ヨーロッパ線に乗っている、そんな感覚がずっとあった。

あと、ここの病院には屋上喫煙所(?)があるんだけど
ぼーと空を、雲をこれほど無意味に眺めるのは、本当に久しぶりで
夏の夕暮れの雲の色の変化を楽しみながら、一番星を探す・・・
いつもの生活では絶対出来ない余裕が、心にしみました。
これが又、飛行機に乗って旅行に行きたくさせるんですよネ〜


入院中の雑記


最初に入った病室。
手術後ほぼ同じのシンメトリックに左右逆の作りの部屋に移ることになる


7/8 本日から入院生活です。酒は飲めません、です・・・。暇です。明日から本格的に検査三昧みたいです。

7/9 本日造影などの検査。結構痛い思いをした。入院前からCTやらレントゲンやら血管造影を含めいろいろやっているのに、未だに何ら説明がないのに少々不安を感じる。看護婦に申し渡しをしておいてもらったので、明日には・・・

7/10 覚悟はしていたことだけど、明日手術になった。この際どうでもいいけど。しかし明日の4時過ぎからの手術なのに昼飯を食って呑気にしていたら、もう食事は終わり、3時にいきなりだもの、もう水すら飲むななんて言われても・・・24時間飲まず食わずかい!資料には21時以降って書いてあるじゃん!!なんで〜。などと言いつつ、医者に交渉しようと思う。下剤はレモン果汁の濃縮した原液みたいなのを500cc飲まされ、吐いた。胃が悲鳴を上げた。でも、うがいしか許可されてないし・・・。は〜。



とりあえず一本!?


7/11 4時まで断食&断飲。それよりも風邪がもの凄く悪化し、ツバすら飲むのに苦労する。何が原因でで入院しているのか分からないような状態だ。2時間のオペ。腰椎麻酔は過去経験した中で一番痛かったが、術中はまったく痛みもなく快適だった。(過去2回の手術経験では術中痛くて麻酔の追加したりとかと、あまり麻酔を信用していなかった)生まれて初めて尿道カテーテルを入れられた。非常に不快だったので病室で即抜いてもらう。断飲は病室に戻ると解除になったが、なんと!1週間も禁食を言い渡されてしまった!つら〜い。


抗生剤?


7/12 今回は術後の痛みが少なくて、というかほとんど無くて助かる。傷口(手術したところ)の消毒は気を失うぐらい痛かったけど・・・立ち上がって耳鼻科へ行った。


本日のご飯ですよと看護婦に言われた。うれしかないよ!


7/13 今日の消毒は昨日のような痛みを伴わなかったので、助かった。昨日はガーゼが患部に癒着していたためだったらしい。しかし何か食べたい・・・。10時から18時、18時から2時、2時から10時のローテーションで一日3本を24時間体制の点滴です。タマに(?)抗生剤が追加されています。腹の足しにはなりません


息子が見舞いに来た


7/14 かなり元気になってきた熱も平熱にようやく下がりと、喜んだもつかの間、夕方から左側の片から頭に掛けて痛くてしょうがない。熱も出てくる、ん〜なんだ?肩こりか、顎関節症のせいか??

点滴の針は3日に一度刺し直す

台風の影響で雲や空が綺麗。病室の窓から撮影

 この2つを代わる代わる24時間


7/15 遂に一週間経過。変な頭痛も朝には治まり楽になった。しかし何でこうテレビは料理を絡めたものばかり何だろう・・・絶食して初めて気がついた。人間の基本的欲望ですから、仕方がないといえば仕方がないが。この身には辛すぎる。体力も落ちてきたため一日中ベットだし、テレビを見ている時間が長くなるのは致し方がないところ、ツラッ!

7/16 今日も台風。昼過ぎには日も射してきた。梅雨明けももうすぐでしょう。ところでこんな雑誌を見つけた。「月刊がん」何ともストレートな名前!これ年間購読しててきっと・・・ね〜。何ともブラックな気分。明日で丸一週間絶食が続いたんだな〜・・・などと、どうにもこうにも力が入らずフラフラな身体と頭で考えている。

月刊ガン


7/17 午前中、併設されている看護学校の生徒が入院患者の話を聞くという実習できていた。若いというのはつくづく良いものだと感じるのは歳のせいでしょうね・・・。緊張した看護師と看護婦のタマゴ2人とおしゃべりして少し元気を分けてもらった。遂に丸一週間の絶食が2週目に突入し、一体いつになったら食事が出来るのだろうかと、少し(かなり)不安になってきた。体重は入院時から5k、平常時より4kも減った。いいダイエットです!?肩こりか偏頭痛か顎関節症かと思っていたら、どうやら虫歯のようだ!水がしみる!歯磨くと激痛が!!ど・どうしよう??

7/18 朝突然、昼から食事再開といわれる!8日ぶりに食べたら胃が少し悲鳴を上げた。しかし現金なもので食事をするといきなり元気になる。今まで立ちくらみがちだったのにシャキっとした。食い物の威力は凄い事を実感した。最終的に63k台になっていた(平常時68k)。

7/19 今日の午前中で点滴も終わった。後は手術後の経過を見ながら、良くなるまでの我慢大会。そうそうこの病院は入院するとIDカードなるものを持たされる。入院が決まった時点で写真を撮られて、常時(しやしないけど)首から提げろといわれた。
今日DVD発売になった「千と千尋の神隠し」を遅ればせながら初めて見た。今回持ち込んだノートPCはDVDが見れるので2日に一本ぐらいのペースで、今まで見たくてもなかなか見れなかった映画をまとめて見ている。いい時代だ。本日ニョウボは実家へ子供を連れて帰ってしまった。

 IDカード  最後の・・・

 終了です!抜針です!!長かった・・・


7/20 夕べかなり痛みが激しく、初めて難儀したが朝には回復していた。午前中10日ぶりにおトイレへ!少し散歩したらもの凄く疲れた。たいした距離を歩いたわけでもないのだけど(数百メートル)体力が極端に落ちている事を実感した。夕ご飯は土用の丑の日なので鰻が出た!結構美味しくて嬉しかった。

7/21 久しぶりに奥さんが洗濯物を取りに来た。朝早く来たので少しビックリした。午後には両親も顔を出した。外は異常に暑いいつの間にか本気で夏になっている。猿の惑星(新しいの)を見た。最後はちょっとギャグが入ってる(?)気がした・・ティムバートンだからね。終わり方というか結末の持っていき方がやたら力業!

7/22 遂に入院3週間目突入。少し入院生活にも慣れを感じてきた。身体に刺さっていたパイプ状の物を先週細くしたのに引き続き、ナイロンを束ねたような物に変更したため、違和感が少し改善された。今日午後抜け出して事務所に行ってみた。足が上手く動かないことに初めて気がつく。階段の下りで足がガクガクする。事務所でトラブっていた写真を処理して小一時間で戻る。かなり暑かったので汗をかいた。しかしこれしきでもの凄く疲れてしまった、体力無くなっているな〜。そういえばサーブ9000のホームページを立ち上げている方から、最近更新無いですねとメールをもらう、直前に入院をほのめかしたままだったので心配してメールを頂いたみたいだ。思いも掛けぬ連絡だけに非常に嬉しかった。
ところで部屋の番号の話。病院で使わない番号、縁起の問題だけだと思うけど“4”“9”それと日本ではそれ程でもないと思うけど“13”ですよね。多分たいていの人はそう思うと思う。で、最初に入った病室は“409”次ぎに移った病室は“313”号室・・・気にする性格じゃないから良いけど。

7/23 まったく・・・うちのスタッフから必要な物があるのでといわれ、又抜け出して事務所に行った。昼のご飯が異常にまずかったので初めて一口で残し、外でそばを食べた。久しぶりに子供が遊びに来た。

7/24 術後2週間がたった。午後クィックマッサージへ行った。なにしろ肩こりがひどすぎる、30分徹底的に首だけ揉んでもらう。テーピングまでしてもらって帰ってくる。夕方先生が様子を見に来てくれて、遅ればせながら初めて今回の手術についての説明を聞いた。で、状況はかなり良く、来週にも退院という話になった。家に戻っても寝たきり状態じゃ意味がないので多少時間がかかっても自他共に認める状況で退院したいと思っている。

7/25 朝から計算書をやっていた。久しぶりに椅子に座ってみた。おっかなびっくりにしろ何とかなった。お昼近くから雨が降り、午後のお散歩ができなそうでしたが、2時過ぎに雨も上がり近所までペンと絵の具を買いにいった。黒の絵の具がなかったので何とかごまかして書いていたけど、コントラストが出ないので購入。小学生の定番のような絵の具です。ようやく夕方書き終わる。身体は徐々に良くなっているのが分かる気がする。

7/26 午前中やたら電話が鳴って、看護婦に見つかってしまう(当然の如く病室は携帯禁止)。さして怒られずに済んだ。優しい看護婦で助かる。ここの病棟の看護婦さんは本当に気持ちのいい人が多い。午後昼食が終わると、事務所へ。計算書の不明分やら、請求書を書かなければならないのと、急ぎの版下製作があって戻る。2時間ぐらい働いて病院に戻る。結構疲れた。



いつもお世話になっている“O”さん!


7/27 昨夜はあまり寝れなかった。昨日の処理関係で又事務所に行く。ほんの数分で済んで戻る。午前中の回診で「シャワーを浴びてもいいか」と質問すると即、ダメと言われたが看護婦が「どうしてですか?」と食い下がってくれて上司の先生に聞いてくれた。おかげで何と約3週間ぶりにシャワーを浴びることが出来た。非常にスッキリした。今までは日に2回蒸しタオルで全身を拭いてはいたがやはり石けんで洗うと気分がいい。しかしこんな調子で本当に退院出来るのだろうか・・・?少々不安。今日は「アトランティス」を観た。結構良い映画だった。夕方から病院の近くの小学校で盆踊りをやっていた。食後にふらりと見に行った。途中でナゾの写真屋を見つけた。ショウウインドウに中古のかなりマニアな(業務用など)カメラと共に何故か「坂本龍馬のポートレート」そこまでは許せるとしてもガラスのコーヒーのサーバーや果てや漆器・オセロゲームまでが同列で並んでいる。暗くなっていたのでデジカメの限界でしたので明日又じっくり観察してきます。


盆踊り会場


ナゾのショウウインドウ


7/28 本日体重を量る。64K又少し減ったかな・・・。で昨日のナゾの写真屋さんに行ってみた。


エッチ本の自販機は久しぶりに見た気がする。隣が家族計画でしょ?ん〜“パラドックス”。しかし節操のない店だ。何でもかんでも扱っている。特大ポスター“犬”“ゴジラ”etc...50円・・・ナゾは深まる。

昼飯を食べたあと、散歩に行った。少し早めに戻ると両親を伴ってニョウボ子供が見舞いに既に来ていた。早めに帰って正解!危ない危ない!!抜け出して散歩に行っていたなんて知れたらえらい騒ぎだ!家庭的によりもヘタに騒がれて、病院側に知れたら・・・。今日は少し過ごしやすい天気だった。入院も遂に3週間経ってしまった。


何時も明るい“Y”さん


7/29 今月の初めに専門学校でゴシック建築に関連した話をしました。その話のまとめも入院中にと思って補足やら、蛇足やら分かりやすくと、まとめ直しをしているんですが、朝、何気なく検索サイトで「シャルトル」と「大聖堂」で検索したら1050件もヒット!しかもかなりの情報量ではないですか!今まで本だけを頼りにやっていたのに、必要だった写真や、違った見解などを見つけ今更ながらインターネットって凄いな〜と・・・毎日使ってしかも仕事までしているのに何で今まで検索かけなかったんだろうと、自分でも首を傾げています。多分インターネットなんてものの普及前から色々な事柄を頭にランダムに入れ込んでいて、カオス状態に頭の中がなっていたため、メモや手持ちの本で方向性やら肉付けやらをすることで済んでしまっていたからだと思います。しかし・・・この際この資料は再度構築しようと覚悟を決めました。
7時過ぎに担当の若い方の先生が来て、特に希望したわけでも無いのだけど、外出して良いよと言われた。有難い!しかも明日、手術した所の傷口を少し掃除し、状況を見て近日中に抜糸できるかも知れないと言われた。これは正直本気で嬉しい!

7/30 外出許可を取って午後から正々堂々と事務所に行った。時間がかかってしまっている「エネ賞」の郵送用のラベルを作ったり、細かいことを片付けた。昼は近所でスパを食べたが、もの凄くもたれてきつかった。まともな食事すらツライとは・・・。暑さのせいもあってかなり疲労困憊して病院に戻った。

7/31 今朝の回診に学会のため留守にしていた担当医が久しぶりに来た。傷口の掃除といきなり糸を抜いて、明日退院が決まる!あまりに突然でビックリした。本日から阿佐ヶ谷の写真を撮ろうかと思っていたのに・・・。良いことだけど!
お昼から散歩ついでに写真を撮ってきた。昔、今の家を建てている間1月半ばかり住んだアパートにも行ってみた。


阿佐ヶ谷逃避行的散策写真館はこちらから

(注:写真が大きいため少し重めです)

屋上の指定席 結構良い感じです

屋上からの風景 妙に気に入った風景

夕方にもう一度主治医が来て傷口の様子を見てくれた。かなり様子は良いようだ。しかし長かったような慣れてしまったせいか最近は日にちの過ぎるのが速くて、アッという間だった気もする。たぶん仕事に復帰すると浦島太郎状態なんだろうと思いつつ、最後の夜です。少しずつ帰宅の準備をします。

8/1 何故か?明け方傷が痛んで目を覚ます。退院の日に何故?今まで取り立てて痛むようなことがなかっただけにショック!朝にはかなり治まったけど、これからが不安。
入院中に読もうと本をかなりたくさん持ち込んだんですが、半分ぐらいしか読めませんでした。精神的に安定していなかった前半はしかたがないとしても、後半は集中力を欠いて読めませんでした。僕にとって読書はかなりテンションをあげていないと出来ないことを実感しました。もっとも持ち込んだのが小難しい哲学書やコアな歴史本だったせいもありますが。もうじき回診が来て、手続きが終わればここから出られます。