積ん読書庫


力道山と日本プロレス史

梶原一騎・著
弓立社・刊
1996年7月26日 第一刷
定価1600円
ISBN4-89667-663-7
1971年に曙出版から出版されたものを底本とし、写真を全面的に変更して新たに構成しなおした本です。もとになったのは劇画原作に手を染める以前、力道山の存命中にスポーツ新聞に連載していたもので、最終章のみ出版時に付加したそうです。たぶん『男の星座』(梶原一騎・原田久仁信、日本文芸社)で触れていた「力道山物語」でしょう。前書き「わがスポーツ劇画の恩人」の以下の文章もそれを裏付けていると思われます。

   これを見た劇画誌の編集者が、私のもとへ依頼に訪れたのだからして、
  具体的にもリキさんの恩恵をこうむっている。

序文「ほぼ完全な力道山像」を書いているのがほかでもない(当時)国際空手同連盟/極真会館館長・空手八段 大山倍達(故人)。この人のここらあたりの分析がなかなか味わいぶかいですね。

   氏は私の門下で空手三段、柔道も有段者だけに、われわれバカのように
  戦うしか能のない男達を描かせては、たんに机上の空想のみの作家では及
  ばぬ何物かがあるようだ。

その「何物か」いわゆる「一騎節」に惹かれる私たちにとっては、このうえない資料となる本でしょう。いや、資料としてだけでなく、読み物としても絶品です。

で、この本をさらに楽しむのに最適な本が、前述の劇画『男の星座』です。これについては別項で(水増し)。

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