private eyes U
by 遙か
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触れずには いられない 生気ある白
指でなぞり 唇を這わせ 汗ばむ肌を嬲る
押し殺せない声を 聴きながら
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過敏症の八戒の裡から、俺自身を一気に引き抜いた。
ビクン、と八戒の身体が一瞬だけ跳ね上がって。
次には、力が抜けていった。
バックからだと、俺も八戒も獣的気分になるらしくて。
夢中になって、ハードにやっちまう。
そーすっと、負担が大きくなるのは、受け身の方の八戒で。
俯せのまんま、ベッドに沈みつつ。
さっきから、全身で息を整えようとしてる。
八戒の横にひっくり返った俺は、暫く無言で見ていた。
顔は腕で隠してて、見せてくんねえ。
覗きこもーかと思ったが、ヤメといた。
後が、こえーモンな。
こーゆーコトは、しつこく覚えているからさ、八戒は。
性別は男で一緒だってのに、八戒って色白いよなあ。
不健康な、青白さじゃなくて。
綺麗なピンクに染まる白って、の。
八戒ってさ、興奮してくっと。
ホーント、全身隅々までピンク色になんだよなあ。
こお…香り立つって、カンジでさあ。
色っぽいの、ナンのって。
俺としては、誘われ捲りなワケ。
八戒は違いますって、ムキになって言うけどさあ。
正面切って、顔見ながらヤッテる時の八戒のおめめはさ。
感じれば感じる程、涙で一杯にうるうるしてて。
イッちゃっててさ。
あの目で見られたら、三蔵だって堕ちるね。
見せねーけどさ。
これ以上、大っぴらにライバル増やしてたまるモンか。
ボーズって、むっつりスケベだよな。
やだねえ〜。
男は正直に生きるのが、一番だよな〜。
その方が、こーんな可愛い恋人をさ、ゲット出来るんだよ〜。
悦に入りつつ、八戒を見ると。
まだ、俯せのまんまだった。
んー、今晩は回復がいつもより、遅くねーか?
ヤリ過ぎちまったかなあ、とご機嫌を伺えば。
「あなたのせいじゃないですかっ。」
きっついおめめで、睨まれちまった。
そんなコト言ったって、お前だってノリノリだったくせに〜。
ぶっっ!
お前なっ、仮にも恋人の顔面に枕なんかぶつけんなよっ。
しかも、容赦なくって……あれ?
あれれ? 八戒〜、大丈夫か〜。
力尽きたってカンジで、八戒が又ベッドに沈んだのを見て。
俺は、慌てちまった。
マジ…ヤリ過ぎたか?
焦って肩を揺さ振ると、ひっくい声で返事を返してくる…。
ヤベッ…。
こーゆー時は、ひたすら下手に出た方がイーんだよな。
八戒は俺に甘いから、怒ってても持続しねーんだ。
「…仕方ない…人、ですねえ。」
ほらな。
ガキを抱くみてえに、俺の頭をぎゅっと抱き締めてくる。
俺の好きな八戒の指先。声。匂い。
全部が俺を更に、煽り、誘ってくる。
もう一回、正面から抱き合って。
呼吸を合わせて、負担を掛けないように。
八戒の中へ、俺を挿れる。
あったかい、締め付けに。
それこそ…奥の奥まで、余すコトなく貪るように。
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「…悟浄。」
「八戒? 気が付いたな。」
「…僕。」
「10分程、気ぃ失ってた。」
「水。…お水。」
「ん。了解。」
多分、目が覚めたら水を欲しがるだろーな、と思って。
用意しといたヨミは大当たり。
八戒の力の入らない身体を抱き起こして、赤ん坊を抱くように。
俺の胸へと凭れさせる。
楽なように、調整してやってから。
親指で、唇をなぞり開かせる。
軽く顎を上げさせ、噎せないように一口ずつ水を飲ませてやった。
「…甘い。」
「そうか。」
汗の引き始めた八戒の身体を毛布と俺の腕に刳るんで。
寝やすいように横にする。
「おやすみ、八戒。」
「おやすみなさい…悟浄。」
小さくアクビをして、八戒は目を閉じた。
首の力が徐々に抜け、小さな頭が俺の肩へと寄せられる。
ほどなく、規則正しく、穏やかに立てられた寝息に。
俺も安心して。
八戒の閉じられた瞼に、ひとつキスをしてから。
俺も眠りへと入った。
スキダヨ……
2003.12.03 UP
☆ コメント ★
ケイ さまに、捧げますvv
:ケイさまのサイトの40万ヒットのお祝いに
強引に贈りつけちゃったv
以前、差し上げた単なるイチャイチャ話の
こちらは、八戒さん編です
悟浄編と併せて読んで頂けると
砂吐き度だけは、高まります(笑)
では、慎んで贈らせて下さいませvv
モドル
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