Airport
日本の空港ライブラリー −写真で見る実際の空港
下地島探訪マニュアル
2006.12.16-18
民間旅客機パイロット訓練専用飛行場のある下地島へ行ってきましたので、その様子を纏めておきます。

下地島へ行くには宮古島から近距離フェリーで伊良部島へ渡ります。宮古までの直行便は2006.12現在羽田と伊丹からのJAL便のみ。他は那覇からの乗り継ぎになります。那覇−宮古間は45分のショートフライト(写真上B-737)。

夕方着の便だったので宮古で一泊し、実際に伊良部へ渡ったのは翌朝です。ところで今回の足にはレンタカーを借りました。宮古空港周辺に大手含めて各社あって発着ロビーから送迎してくれます。小さな島ですし道が細いところもありますので車も小さいものがお薦めですね。宮古島内ならバスもあるにはありますが、伊良部・下地では公共交通は期待できません。かろうじてタクシーがフェリー乗り場に数台いる程度ですので時間と行き先の自由度を考えるとやっぱりレンタカーが一番気楽に巡れます。

フェリーは宮古島西部の平良港から出ています。空港から港まで15分程度。島南部からでも30分くらいですね。乗り場の受け付け(というか小屋)で往復切符(日にちをまたいでもOK)を買ったら車をバックで船に乗せます。便数もそこそこあり、対岸まで約20分です。この時はオフシーズンだからか、いつもそうなのか、乗った車は宅配便の軽トラ含めて5台だけでした。

出航して防波堤の外へ船首が向くと、もう伊良部島が見えています。海が水色をしていて、いかにも南国って感じ・・・なんですが、天気があいにく曇りで小雨まじり。しかも相当風も強くて結構揺れました。縦横30度くらい捻りの入るコークスクリュー状態(笑) 甲板では手すりに掴ってないと海へ飛ばされそうでした(^^; といっても航路は岩礁の内側で外海には出ないため極端な大波は有りませんし滅多に欠航はしないようですが。

ほどなく伊良部島佐良浜港に到着。地元の方々は船が接岸し終わる前から車を動かし始めるので、下船準備はお早めに(^^;

下船はせっかちですが島内の交通は至極のんびり南国ルールで時速30km/hが基本です。ウインカーや優先道路などはお互いあてになりませんので安全運転でいきましょう(笑)

伊良部島と下地島とはほぼ地つづき。フェリーの着く佐良浜港と下地島空港とは正反対の位置にありますが、小さな島の真中(県道90号線)を突っ切って30分もあれば着いてしまいます。途中にあるファミリーマートは伊良部・下地島内で唯一のコンビニで24時間営業。駐車場の入り口に「この先最後のコンビニ」という看板がありましたが、「この先」がどこを指しているのかいまいち謎というか、島的にはここが中心部にあたるので先も前も無いような(笑)


空港へ行く前にちょうど昼時だったので腹ごしらえを。伊良部島と下地島の南の境目にあたる「渡口の浜」近くにある「ホテルサウスアイランド」(観光マップなどを見てもちょっと場所が分かりづらいですが、この大きさの白い建物はそんなに多くないので近くまで行けば海沿いに見えます)の2Fに「レストラン入り江」というのがあり、そこで「肉そば」を頼んでみました。出てきた時はてんこ盛りの野菜が予想外(だって「肉」そばなのでは?)でしたが、下にちゃんと豚肉が隠れていました。宮古そばの類だと思いますが味はちゃんぽんに近い感じですかね。美味しかったです。

なお、ここの1Fはスーパーになっています。一応中ものぞいてみましたが、雑貨や食料などたいがいのものは現地調達可能です。特徴的だったのは沖縄では「さんぴん茶」というのがポピュラーみたいで、飲料売り場には各メーカーのペットが色々並んでました。とりあえず試しに買って飲んでみましたが、まあ、JAVAティーに近い普通のお茶です(笑) 逆に緑茶の勢力は小さい様子。他にもローカルなインスタントラーメンやお菓子などもいろいろありました(もちろん全国区のものも普通に売ってます)。昼間のうちはファミリーマートよりこっちで買い物した方が楽しいと思います。後述する「さしばの里」からも車で10分かかりません。

さて、寄り道も済んでいよいよ目的地へ。伊良部島と隔たる細い水路(ほとんど用水路の域です)を渡り、下地島に上陸!! あとは適当に走っているだけ(どこをどう走っても空港しか無い島ですから(笑))で空港が見えてきます。

というか、もったいつけなくてもさっきからばんばん頭上を飛んでます(^^;
 


やってきました下地島空港。朝方に比べたら時折晴れ間も出てくるようになりましたが、うーーーん、常夏の島のイメージにはちと遠い現実。正直海風が肌寒いです(^^;

そうそう、書き忘れましたが12月半ばの下地島の気温は15〜20度の間くらいで、本州太平洋岸で言うと「秋からやや冬」の感覚でした。厚手のコート類は必要ないですが、陰ったときは薄手の上着はほしいくらいですね。海風もありますし。いちおう地元でもこれくらいの時期から2月くらいまでは「冬」と称するそうです。天気も荒れがちだとか。。。

と、余談はさておき、まずは空港事務所(写真下)の建物に接近。日曜祝日はお休み(この日は日曜日)との事で玄関は閉まってましたが、ガラス越しに見える中は普通の事務所です。当たり前ですが特に観光客を応対するようにはなってません(笑) 事前に事務所に問い合わせれば施設建物内を見せてもらえるという話もありますが、特に中に何があるというものでも無い(滑走路の見えるデッキくらいはあるのかな?)という話も。いずれにしてもお問合わせは平日に。

で、肝心の飛行機ですが、上にも書いたようにばんばん飛んでます。この日はRWY35を使用しての訓練中。タッチアンドゴーして左旋回、海側にダウンウィンドレグをとって、すぐまたタッチアンドゴーを繰り返していました。2〜3機同時に周ってますのでそれこそひっきりなしにです。無線交信(TWR118.30)も休む間もないという感じ。

なお、訓練機のスケジュールなどは「さしばの里」(「オーシャンハウスinさしば」)のHPなどに掲載されています。訓練のある日は朝から日没まで一日中飛んでるみたいですね。

空港の風景はAirport本編に載せてありますが、とりあえずここにも一枚。滑走路北端(RWY17進入端)あたりから管制塔を望んだ写真です。とにかく風が強くて立ってられないくらいでした(^^; ピントがややずれてるのはそのせい・・・なのか、単に下手なだけか、、、

滑走路北端(17進入端=35先端)には有名(?)な海に伸びる誘導灯があるところですが、RYW17使用時はアプローチ真下は「着陸時進入禁止」になってます。訓練の邪魔にならないように注意しましょう。



伊良部島側にならお昼を食べた「サウスアイランド」はじめ幾つか小さなホテルもあるのですが、せっかくなので今回の宿泊は空港関係者の社宅の集まる「さしばの里」にある「オーシャンハウスinさしば」にしました。社宅に併設というか、社宅そのもの(写真上)です(笑)

まず、クラブハウス兼レストランの建屋(写真下)に受け付けがあるので、そこでチェックインして鍵を受け取ります。最初誰も居なかったのですが、しばらく待ってるとおばちゃんが車で戻ってきました。鍵さえ受け取ればあとはただの一人暮らし状態ですね(笑) クラブハウスの向かいにあるC棟1階のまんま社宅の鉄のドアを開けると、中は1DKの普通の独身寮でした(^^; 建物の周りでは子供が遊んでたりもします(笑)

部屋はけっこう小奇麗(写真中)で設備も整ってます。TVはCATVなので地上波各局+地元宮古テレビにNHK−BS、さらにディスカバリーチャンネル(やっぱ「脅威の軍用機」とかを見るため?)やキッズステーション(「ストラトスフォー」を見るためですね(断言))まで映りますし、エアコンも完備。冷蔵庫は家庭用のでかいやつが置いてあります。それに洗濯機があるのは並の宿泊施設ではないですね(笑) 洗剤は買ってこないといけませんが。お風呂は普通の家庭風呂でシャワーも出ます。「1DK」というくらいで台所もあって、ガスレンジこそ付いていませんでしたが湯沸しポットは置いてありますのでちょっとした自炊もできそうです。さすがは長〜中期滞在仕様。その他歯ブラシ、石鹸、シャンプー、バスタオル、ドライヤー、目覚し時計など一通り揃ってますが、寝間着だけは要持参です。

なんかこういう雰囲気は個人的にすごく落ち着きます。とても気に入りました。夏場に1ヶ月くらい魚釣ったり泳いだりしながらステイするなんてのもいいかもなあ。そんなに休めないけど(^^;

参考までに「オーシャンハウスinさしば」のホームページは→こちら 
(なぜかタイトルが「伊良部島」となってますが、間違いなく所在地は下地島です)
ホームページ内のメールフォームからも予約できるみたいですが、普通に電話してもOKです。畳敷きの和室もあるそうです。
 

夕食の時間まで少し間があったので、夕暮れの風景を期待して再び滑走路へ行ってみました。ここから滑走路端まで車で10分です。が、あいにく雲が厚くて夕日は出ませんでした・・・残念。戻ってきたらちょうど夕食開始の18時。

夕食は前述のレストランという名の食堂(笑)で頂くのですが、学生食堂や社員食堂と同じカフェテリア方式になってますので予備知識が無いとちょっと戸惑うかもしれません。いや、少なくとも私はちょっと戸惑いました(^^; 今後行かれる方は以下をご参考に。


まず、おもむろにカウンター一番左奥まで入っていってお盆を取ります。次に右へすすんで小鉢類(別料金)をお好みに応じて取ります。その右隣に今日の定食A,Bが飾ってあるので内容を確認。そのまま進んでおばちゃんの前に来たら食べたいメニューを告げます。Aなら「Aしょくお願いします」Bなら「Bしょくお願いします」と言いましょう。その他単品メニュー(牛ステーキやゴーヤチャンプルーなども有る)も上の品札に書いてあるのでそれを頼むのも可です。ただし、定食以外はごはんと味噌汁は別になりますので個別に頼む必要があります。

注文が済んだら出来上がるまでお盆をカウンターに放置して待ちます。後ろの給茶器でお茶だけ先に汲んで空いてる席につくか、座敷の縁(障子の前)に座ってれば良いでしょう。あんまり遠くの席(=TVの近く)に居るとおばちゃんの声が聞こえないので要注意。料金は待ってる間か出来上がった時に現金で支払います(訓練生は食券を持ってますが旅行者は現金払いでOK)。出来上がったら受け取って席につきます。お箸や醤油はテーブルにあります。ちなみにこの日は「B食」の酢豚(+納豆追加)を頂きました。予約するとスペシャルメニューも食べる事ができるらしいです。もちろん関係者もここで食事を取るわけでして、18時直後は部屋着姿の訓練生がわらわらとやって来て混みますので、ちょっと時間をずらした方が良いかも知れませんね。混んでも席が無くなることは無いと思いますが。

食べ終わったらカウンター右横の下膳コーナーへ。ゴミは左手のゴミ箱、食器は食べ残しなどを水で流して(水が出てなかったら右のコックを開栓)からシンクに沈めて「ごちそうさまでした」。ちなみにチェックインした受け付けのところで缶ビール(オリオンビール)が売ってます。食後はそれを買って帰って部屋でTVを見ながらまったり過ごしました(笑)

翌朝、昨日夕日が見れなかったので日の出の風景を見ようと早起き。7時(実はそんなに早くない)に出て、7時15分の日の出前には滑走路端に到着。しかし、この日も残念ながら曇りでした。

しばらく雲間を眺めるも一向に晴れる気配が無いため、宿にもどって一服した後チェックアウトとあいなりました。
 

伊良部・下地島には空港以外は基本的に何も無いところですが、ちょっとした観光スポットは点在しています(MS編参照)。なにせ小さな島ですのでレンタカーがあれば半日で一通り巡る事ができます。写真は伊良部島北端の白鳥崎の海岸風景。
こちらは帰りがけに撮った宮古島(池間大橋)の写真。
宮古島で食べた「宮古そば」。昨日の肉そばとはだいぶ見た目が違いますね(笑)
味もうどんに近い感じでした。
帰りの便を待つ間に宮古空港でも飛行機見物。
今回天気がいまいち(といっても雨はほとんど降られずに済みましたが)でしたが、たぶん本当はもっともっと綺麗な風景が見られるのだと思います。是非ともまた改めて訪れてみたいですね。一つ思ったのは、下地島は旅客機の訓練場ですが、航空機写真の練習場にもなると言う事。あれだけ同じ飛行機が繰り返し飛んでれば飽きるほど同じシャッターチャンスがあります。まあ、私はポケットデジカメですので腕は気にしませんけど(笑)
おまけ 下地島探訪ストラトス・フォー編 
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