Flight Plan3
こんな設定で飛んでみました −管制官の指示で旅客機を飛ばす&コールサインの変更
 keyword:FS2004,FlightSimulatior,解説,フライトプランナー,IFR,ATC,コールサイン

さて、TSR.2からはちょっと離れて今度は路線便のシミュレーションで遊ぶ解説をしてみます。たいていの人の遊び方はこっちですよね(笑) FS2004には様々なアドベンチャーシナリオが実装され、またアドオンシーナリーソフトにもアドベンチャーが付いていたりしますが、やはり自分の好きな所へ好きなように飛ばしたいものです。風景やGPSを頼りに有視界で好き勝手飛ぶのも良いですが、ここではフライトプランナーを使って管制指示を受けながら目的地に飛ぶ、すなわち航空会社の旅客機と同じ飛び方を遊んでみましょう。

フライトプランナーでルート作成
「フライトの作成」をクリックしてフライトプランナーのメニューを起動します。「出発地」「目的地」をそれぞれ選びます。飛行方式は「IFR」を選択、ルーティングは「高高度エアウェイ」にしておきましょうか。これであとは「ルートの検索」をクリックするだけでFSが自動的にルート設定してくれます。検索が終了したら自動的に画面が「編集」画面に移りますのでルートを確認してみてください。
     
   フライトプランナーでルート作成
実際の航路っぽくルートを編集
自動的に検索されるルートは単に最短距離を結んだだけで、実際の航路とは違うのはすぐに気が付くでしょう。エアラインパイロットの気分を味わうならここは修正したいところです。しかし、「ウェイポイントの削除」というボタンはあっても「追加」や「変更」のボタンは見当たりません。最初、どうやればルートを好きに直せるのかよくわかりませんでした。が、方法は実は簡単でした。マップ上のルート(赤い線)をマウスでドラッグできるんですね(笑)

赤い線を適当なところで摘んで(クリックして)、引っ張っていって(ドラッグして)、通過させたいウェイポイント=VORやインターセクションにくっつける(ドロップする)だけです。ね?簡単でしょ?(私はこれに気がつくのに数日を要しました(^^;)

不要なウェイポイントは「削除」ボタンで消します。ちなみに私はまず最初に「ウェイポイント」を全部いったん消してから、必要な「ウェイポイント」を足していくようにしてます。ここでちょっと気をつけないとならないのは、あまり極端なルート設定だと、ATCの管制が見失う(航路から外れてもほったらかし状態にされてしまう)ことがあるようなので、ここらへんは色々試してみてください。あと、なんとなくインターセクションは青色の「△」は選ばない方がよさそうな感じです。同時に巡航高度も設定できますので20000ftとか30000ftとか好きな値を入れてください。

     
   線をドラッグしてルート修正
実際の旅客機っぽくコールサインを変更
さて、これでATCの管制官から誘導指示を受けながら飛ぶことができます。が、どうせ管制指示をうけるなら、コールサインも本物っぽく変えてみたいところです。ちょっと順序が前後しますがその方法を説明します。ATCから何と呼ばれるかは、そのデフォルト名が機体データごとに既出のAircraft.cfgに書かれていて、これを変更するというやり方もできますし、機体を選ぶところの「コールサインの変更」でその場で選べるようにもできます。ここでは後者を説明します。

機体を選ぶ画面の「コールサインの変更」で、いくつかの航空会社名(らしきもの)が出てくると思いますが、実はここに出てくる以外でもちゃんと対応されている(音声・字幕のデータがFSに入っている)名前が他にもたくさんあります。標準では単にそれらが有効になっていないだけなんです。これを有効にするには、FSの「Aircraft」フォルダの直下にあるAirline.cfgに会社名を追加します。このファイルを開くと一覧に出てくる名前と一致してるのがわかりますよね。ここに書き足すだけです。日本の航空会社では「All Nippon」と「Japan Air」の2つが対応されています。両方とも足しておきましょう。足した状態のAirline.cfgは以下のようになります。

All Nippon
Japan Air
Airwave
World Travel
Gaia
Orbit
Soar
Landmark
Pacifica
Global Freightways
American Pacific
Emerald Harbor Air
この状態で機体選択の時に追加した航空会社を選び、さらに「フライト番号」で便名を入れれば、ATCから「All Nippon 1701(関空07:10−福岡08:20@737-500)」などと本物っぽく呼ばれるようになりますよ(^^)
     
   コールサインの変更画面
IFRでフライト
準備ができたらフライトしてみましょう。シミュレーターが始まったら、まずATCにコンタクトして「IFRクリアランスを要請」します。これをやらないと始まりません(もし選択肢にIFRが出ない場合はFSを再起動した方が良いです)。あとは管制に従うだけです。とりあえず離陸前に指定された高度を目指し、離陸後も都度指示が出ますので、旋回、上昇、下降とこなしていきます。できれば自動操縦装置も活用したいですね。フライトプランナーを使うとGPS上でもルートが表示されるようになりますので、現在位置とATCの指示とを確認しながら飛ぶこともできます。あ、着陸はILSを使うのでNAV1無線機の設定も忘れずに。

着陸が近づくと滑走路に回りこむためにATCの指示がルートから外れることもありますが、そのまま従います(まれに外国まで飛ばされる事がありますが、そのときはATCが自機を見失っている可能性が高いので自力復帰してください(^^;)。最後の旋回指示で「Clear to ILS」と言わたところで自動操縦のアプローチスイッチを押すと丁度良いです。フラップと速度を調整しながらILSに乗り、ギアが出ているのを確認して着陸!ゲートにタキシングしてエンジン停止、フライト終了です。

参考までにフライトプランと飛行中の操縦例を示してみます。なお、私はエアラインパイロットでも何でもないですから、実際の旅客機がこのように飛んでるかどうかは全く知りませんのであしからず、、、

フライトプランと操縦事例(関西空港→福岡空港RWY16 高度30000ft B-737)
     

<離陸準備>
ストロボ灯=ON
航行(NAV)灯=ON
着陸(LAND)灯=ON
ビーコン=ON
フラップ=5
オートブレーキ=RTO
AP高度=10000、V/S=3600、HED=離陸滑走路方位
(*APマスタースイッチはOFFのまま)
ATモード=IAS、速度=210
(*ATマスタースイッチはOFFのまま)
NAV1周波数=111.70
ILS方位=157
TRIM離陸位置(1目盛程度上昇側へ)

<離陸上昇>
ATC離陸許可で滑走開始、
95%N1、155ノットで機首上げ20度へ、速度200ノット維持、ギア=UP

1500ft通過でフラップ=1、90%N1、機首15度へ下げ、
安定維持でAPマスター=ON、ALT=ON、ATマスター=ON、IAS=ON

3000ft通過でフラップ=0、オートブレーキ=OFF、着陸灯=OFF、IAS=250ノットへ
ATCデパーチャへハンドオフ、ヘディング指示に従う

10000ft通過でIAS=280ノットへ

<巡航>
ATCの指示により順次上昇
30000ft巡航IAS=300ノットへ

<降下着陸>
ATC降下指示で降下、V/S=1800程度、IAS=280程度

10000ftでV/S=1200、IAS=250へ、オートブレーキ=2、Nav1周波数確認

5000ftでフラップ=1、IAS=200へ

ATCからILSクリアの指示が出たらアプローチスイッチ=ON、
3000ftでフラップ=5、IAS=170へ

グライドスロープを捕まえたら、ギア=DOWN、フラップ=15、IAS=150へ、
ATC着陸許可で着陸灯=ON

1000ftを切ったらフラップ=25、IAS=140へ
続けてフラップ=30、IAS=135へ

AT=OFF、AP=OFF、軽くフレアをかけて着陸
 

ATCとの上手な付き合い方
FSのATC(AI)はなかなか良く出来てますが、2つほど不満なところがあります。一つは進路指示のタイミングが不正確なこと。予定ルートから大きく外れると修正指示を出してくれるのは良いんですが、その指示がちょっと極端なんですよね。修正進路角が大きすぎる上に、タイミングが悪いとルートをまたぐようにジグザグに飛ばされることもしばしば。これではいつまでたっても乗客にジュースを配れません。これを回避するには、離陸後ATCから「予定のコースを飛行」と言われたら、その後はGPSを見るなり、VORを捉えるなり(実機はたぶん後者?)して進路の微調整をするのがお勧めです。実際、そうして飛んでる限りはATCから余計な進路指示も来ませんし、所定位置で降下指示ももらえます。着陸滑走路に回りこむための指示(これもスマートな指示からは程遠いことがしばしばですが)はルートから外れてもしょうがないので指示どおりにしましょう。もし無視してもしつこく言ってきますけどね(笑)

もう一つ不満なのは高度の指示タイミングが遅いことです。30000ftまで上がるのに、いったん10000ftまで指示が出て、10000ftで水平飛行に移った瞬間に次の上昇指示が出るという具合。ちゃんと連続的に指示がほしいところです。これを回避するには、APのALT設定をATCの指示より1000ftほど余分にセットしておくと良いです。こうしておくと、ちょうど設定値を超える頃に次の指示が来ますので、改めて新たな指示高度をセットします。これならピッチ角は一定のままです。実際、そうして飛んでて怒られない所をみると、やはり単に指示出しがちょっと遅いだけで、スムーズに連続して上昇することにはATCも異存ないようです。降下も同様ですが、アプローチ高度についてはATCの指示どおりにしないとしつこく怒られます。


TOP
トップページに戻る