蓼科の二日目(1/2)
|
クリックして2/2へ>> |
早起きの奥様に起こされて、普段よりずっと爽やかで涼しい朝を迎えました。
普段は朝食をとらずに家を出て仕事に行くんですが、今日はなんか食べられそうです。
不思議なもんです。ホテルでお約束のバイキング形式の朝食をとりながら、
今日の予定とルートを練ります。
| |
今日のルート(♂)
| |
今日の目的地は「八島ガ原湿原」と「ピラタス横岳ロープウエイ」です。どっちを先にするか、
奥様と協議の結果、遠いところから攻めることにし、 ※八島ガ原湿原に行ってから横岳ロープウエイで横岳山頂へ というルートをとる事になりました。道は、良くも悪くも白樺湖を経由するビーナスラインしかありません。 連休なので、渋滞の可能性が頭をよぎりましたが、「時間が早いからだいじょーぶ」という自信を持って、 車を駐車場から出します。 | |
またもや「ところが…」(♂)
| |
ホテルを出てビーナスラインへと車を進めます。今日は天気が良くって、気持ちいいドライブ日和です。
葉の緑と白樺の白さに囲まれた道を、車は快適に進みます。奥様は「フィトンチッドの匂いがする!」と、
窓を開けてご機嫌です。おっと、先の方に見えるのは… 焼きもろこし屋だ!!! 焼きもろこしはうまいです。焦げたしょうゆの香りは、宝物の香りです。 でも悲しいかな、朝食をお腹いっぱいに食べてきてしまった二人には、 今は焼きもろこしを格納する場所がありません。涙をのんで、 たなびく「もろこし」の旗を横目に見ながら一路「八島ガ原湿原」を目指します。
ブラインドあり、オープンありの緑のコーナーを気持ちよくクリアし、
少し大き目のブラインドコーナーを抜けるとそこは 車がつながってる… ものごと、悪い方向に考えちゃいけません。「ちょっと混んでるだけだよね」と奥様と軽く会話をして、 今まで続けていた会話に戻ります。「何話してたっけ?」「えっとね…」などの軽いジャブの応酬の後、 会話は再びラリーへと復活です。でも車の列は一向に進みません。そのうちにどちらからともなく、 ぽつりと禁断の一言が。 「渋滞じゃん」 あっという間(0.5秒くらい)に二人でダークです。でもフィトンチッドは素晴らしい。 ダークを回復させる効果があるようです。奥様の「ま、しょうがないっか」の一言に救われ、 復活した二人は、カメラを取り出し、車内から外の景色を撮影しながら、 時折のろのろ動く渋滞からの現実逃避をはかります。 −でもね− 電線があるんですね。空が青くて夏の雲があって、木々の葉の緑との境目がとてもキレイなのに、 そこに電線があるんです。人が生活をするには、今は電気や電話が不可欠なのはわかるんだけど、 なんか納得行かないんですね。地中に埋めるとかなんとかすればいいのに。結局写真は撮れなくて、 でもまだ渋滞は続いてます。
現実に戻って、動かない前のワンボックスをぼーっとみてると、運転席から「おっさん」が出てきました。
道路脇の草むら方面に向かっています。
「おいおい…」と安易な想像からその先の展開を予想した私たちは、
ちょっとだけ顔をしかめます。でも、おっさんの行動は予想に反して、「植物の採取」でした。
なにやら花(草?)を持って車内に戻っていきます。 「高原の小枝を大切に」 by 小森のおばちゃま とちょっと(かなりか?)懐かしいフレーズが頭に浮かびますが、 口にすると奥さんにバカにされそうなんで、「いかんね、ああいうのはね。」とだけぽつりと つぶやきます。奥様も「そうだそうだ」と同意してます。
ところが、おっさんのこの行動は一回にとどまらず、
ほんとに落ち着き無く車から降りちゃ採りを繰り返してます。ガラガラの対向車線を来る車に
クラクションを鳴らされても、一向にひるむ様子を見せません。大物です。
そのうち、助手席からも別のおっさんのものとおぼしき手がでて、
のろのろ進んでる時にも「採取」をしています。
こっちはこっちで二人とも「???」状態です。二人の叡智をかき集めての推理をし、 「ワンボックスの後部座席には子供がいて、夏休みの自由研究に<高原の草花>というテーマを選び、 親ばかとその友人が協力してるに違いない。」 という素晴らしい結論に落ち着いた頃に、渋滞の原因の交差点が見えてきました。 やはり「白樺湖」に入る交差点での渋滞でした。
「朝早いから大丈夫」ってのは正しかったんですが、「朝早い」という部分の解釈に、
世間様と私たちの意見の食い違いがあったようです。
それにしても、この「白樺湖」のあたりはやかましいです。野外スピーカーでは大音量で、
はやりの歌謡曲が流れてます。なんか違うんじゃないかなぁって気がしますね。
| |
白樺湖から八島ガ原湿原まで(♂)
| |
白樺湖周辺の喧燥を尻目に、大門街道との交差点を越えて、
ビーナスラインの有料区間への入り口「白樺湖料金所」を過ぎたあたりから車は流れ始めます。
空は晴れて、山の緑とのキレイな対比が視界を流れていく、とても気持ちいいのドライブです。
とりあえず最初のパーキングスペースに車を停めると、 焼きもろこしだ!!! 渋滞は素晴らしいです。私たち二人の胃袋に、焼きもろこしを、 分け合って1本格納できるだけのスペースを作ってくれました。焼き立てを1本買って、 熱々の焼きもろこしを交代で食べました。 「うまいなぁ」 「おいしいね」 三流の童謡のような言葉を言い合ってもろこしを食べ終え、車に戻り八島ガ原湿原に向かいます。 | |
霧が峰の料金所を過ぎ、八島料金所を過ぎると、八島ガ原湿原はもうすぐです。
この「もうすぐ」ってところに料金所を設けるあたり、なかなか心憎い設定です。
う〜ん、ビーナスラインはちょっと高いかな。でも横横道路よりは良心的ですね。
八島ガ原湿原が近くなると、またもや渋滞の雰囲気が漂ってきました。
道路脇にはビッシリと路上駐車のアラシです。駐車場がいっぱいなんだなぁと、
少しダークになりかけたところで、レガシーにぴったりサイズの空きスペースがありました。
少しだけ良心の呵責に苛まれながら、喜び勇んで車を停めます。路肩が広いので、
走る車の邪魔にはならなそうです。湿原までの距離が分からずちょっと不安ですが、
車を降り、ドアにロックをして歩き始めます。
車を停めたところから湿原までは予想以上に近く、歩いて数分の距離でした。
渋滞の原因はやっぱり駐車場待ちで、すでに険悪な雰囲気が渦巻いています。
そんな脇をのんきに通って八島ガ原湿原に到着です。
「七島八島」と示され、故事来歴が書かれた(読んでないんですけど)看板(?)をまわると、
そこには広い湿原が広がっています。
眼下の池に空と雲が映ってとてもキレイです。
カメラを向けると、
奥様も思わずポーズをとってしまいます。
お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、奥様のこの左手を髪に添える「ポーズ」ですが、
これは決して癖とかお気に入りとかではないんです(だと思います)。
多分、前髪が半端な長さなので無意識にこうなるのでしょう。今後の、
また今までの写真で同様の「ポーズ」を見ても、お気になさらないように。
湿原には散策のコースがいくつかあります。細かいことは気にしない私たちは、
地図など見ずに、とりあえず歩き始めます。それにしても自然が好きな人々の多いこと多いこと。
おまけにかなりの確率で「いいカメラ」を持ってるんですね。でもこの湿原に来ていた人たちには、
「本物」が多く、会話も 「この %#*+$%&@ は、どこどこで見た &=\$% とは花弁が違うね」 などと専門的ですし、後の「坪庭」で登場する「エセ・ナチュラリスト」とは違いました。 |
蓼科の二日目(1/2)
|
クリックして2/2へ>> |