F9FT移動用改造


 フランスTONNA社製F9FTを入手し早速移動用に改造したので紹介します。このアンテナはラディックスと並んで
6m移動マンに人気があります。みなさん移動用に使いやすく改造を施されており今更という感はありますが私流という
事で紹介します。今までラディックスの6エレを使ってましたがもっとお手軽移動用にと準備しました。
 

●まず全体像は、
 
 
こんなアンテナです。(手前)
向こうに見えるのはCOMETの4エレHB9です。
こんな派手な箱に入って送ってきました。
さすがおふらんす!!!!
 
  



● 給電部 
 
マッチングBOXはこんな格好してます。
同軸はユーザが取り付けます。
箱の上蓋を開けるとまるでTVアンテナみたいな
端子があってここに同軸の芯線とシールド部を
ネジ止めします。
バランは付いていません。これはちと驚きでした。
しかたないので簡易バランとして同軸にトロイダル
コア(T-50-10)を5個挿入し、自己融着テープで
止めました。写真の膨らんでいるところ。
同軸ケーブルは5D−FB(フジクラ電線)です。



●マッチングセクション
 
 
これはオリジナルのマッチングセクションです。
TマッチでΦ5のアルミ棒を両サイドの金具で
ラジエータにネジ止めします。
こんな作業は移動ではいちいちやってられません。
ワンタッチポンで付けられるようにしたTマッチセクション
です。この方法は今や常識化してます。hi
Φ5の真鍮パイプと目玉クリップで構成
装着時間は3秒です。
オリジナル(上)と移動用(下)
Tマッチ棒
目玉クリップと真鍮パイプの接続は
銅線をパイプに巻き、目玉クリップの穴に通して
仮固定、その上から半田付けしています。

 



●ブームのジョイント
 
 
ブームは3本の四角パイプで構成されてます。
2カ所を接続して一本のブームにしますが
写真のように2個の金具と2本のネジで固定します。

この写真は改造後です。
・ネジは蝶ポルトを使います。
 (ホームセンターで仕入れました)
・ブームのネジ穴の片方にスリットを入れます、(写真
左側)これで蝶ボルトを完全に抜かず、ゆるめるだけで
脱着が可能になります。
この接続作業は15秒/箇所ぐらいでしょうか!

 



●マストクランプ
 
 
これは改造後です。
オリジナルは補助ブームとでも言うんでしょうか
メインのブームの下15cmぐらいのところににもう
一つブームがあって2カ所でマストに固定します。
(大型のUHF TVアンテナにあるような感じ)
写真の固定金具はその一個
移動ではその一個だけを使います。もともと金具は
マストと共締めで固定するようになっていますが、
写真のように(ちょっと見にくい)ブームにあらか
じめナットで固定します。これで作業がしやすくなる。

またオリジナルのマストクランプ部は重量バランスが
悪いため給電部方向に約10cmほどずらしました。
穴を2個あけるだけでOKです。
写真左側の穴はオリジナルの穴です。
この写真では右側が給電部になります。

マストクランプのネジは勿論蝶ネジにします。
(写真はまだ)

 



●パイプカット
 
 
国内RTTY周波数50.900MHzで使えるように
パイプカットします。これも良く知られた方法。
各エレメントの左右各10mmずつカットしました。
パイプカッターを使ってカットしている様子。
いとも簡単に切れます。
パイプカット前後のSWRを測定してる様子。

 
 
 
 
測定結果です。

ガタガタしている線がオリジナルの寸法でシミュレーションした結果です。
赤線(赤丸)がオリジナルの実測値です。シミュレーション結果と比べて、、、
うーーん何とも言い難い。まぁまぁ合ってるとみますかね。
勿論実測値が正しい値です。

黒線(黒×)が10mmカット後のSWRです。
期待どおり50.8〜51.0MHzまでのSWRがぐんと下がりました。
その代わり50.1MHzまでのSWRは少し悪化してます、でも1.4以下で全然問題ありません。

カット後のシミュレーションは、、、してません。面倒になってきた。
カット前後のビームパターンの変化についてはこちらを参照ください。

 


K.Ohmae/JF3IPR   28th.Oct.2001