ちょこっと行って来る温泉


    No.13   泉温泉 明日の湯  



     私の家は仙台市青葉区大字山奥字谷底・・・と言う山間部である。
    そんな場所だから近くに温泉があってもそれ程不思議ではないのだが、いやはや、こんな近くに在ったのか、と言う程近くに在った。
    車で30分以内で探しても10カ所やそこらは何とかなると思うが、車で10分以内が可能と言うのは驚いた。
    今日行った温泉「明日の湯」は、マップルの温泉案内に小さく載っていたので名前は知っていたし、近くだな、とも思っていた。
    しかし、近いと言っても多分、泉ケ岳の方に登って・・・うーーん、何処だろうなぁ?などと考えていた。
    いつか探してみるつもりでは居たが、近いから、いつでも行けるしと思って放っておいたのだつた。
    で、本日、午後はゆっくり読みたい本が有ったので、午前中に運動して、昼飯喰って、近い所で泉が岳の温泉とやらに行ってみようと言う段取りで家を出た。
    昼飯を食い終わって時計を見ると2時少し前だった・・・おお、良い塩梅の時間だなぁ・・・で、泉が岳を目指して走り出した。
    運動していた泉中央から泉が岳の駐車場まで行って、およそ30分・・・てっぺんの駐車場に温泉は無かったから、途中に出来たんだろうな、と想像して走って行った。
    上り道になって程なく、中途半端な所に「スパ泉が岳」の看板が見えた・・・しかし、ここまで来たんだからてっぺんまで行ってみようと、やり過ごして7〜8分。
    スキー場の下の大駐車場に車を入れ、もう一度ガイドブックを確認する・・・間違いないな、さっきのアレだな・・・戻ろう、と。
    ふとスキー場の斜面に目をやれば、そろそろ冬の支度に取りかかっているのか、リフトの一部に椅子が取り付けられていた。
    へぇー・・・早いな、と思ってよく見ると、リフトは廻っている・・・へっ、なんで?
    ああ、そうか、ハンググライダーの人や登山の人達が利用するので一年中廻っているのか・・・納得・・・なぁーんだ、と。
    さて、ほとんど交通量の無い道路をするすると下る。
    途中のスノーシューターのトンネルを抜ける時に、昔自転車の登り足を鍛えるのにこの道を登っていたときの事を思い出した。
    どう言う訳かスノーシューターの中でパンクする事が多かった。
    スパ泉が岳と言う気取った名前が気に喰わないし、雑誌で下調べした所では入浴料700円となっており、主義に反しているのだが、近いので一度は攻めておかないとな、と言う事で駐車場の奥へと進んだ。
    ああ、ここが盛んに宣伝していた、泉が岳の温泉「やまぼうし」なのか・・・ああ、そうか、なぁーんだここかぁ、と納得。
    宿泊の温泉宿が出来たと噂は聞いていたが覗きに来た事は無かった・・・そりゃそうだ、近すぎて泊まる事はあり得ないもの。
    で、そこに、日帰り入浴専門の「スパ泉が岳」を併設したと言う事なんだな・・・へぇー・・・客来るんだろうか?
    仙台近郊には老舗の温泉も新興のスーパー銭湯もナンボでもあり、それも天然温泉を謳っている・・・本気で掘ればどこからでも温泉は出るそうだ。
    もっとも、日本国中、2000メートル掘る覚悟が有るなら何処でも出るのだそうだが・・・。
    と、要らぬ心配であるが、気にしつつ、お風呂セット一式をぶら下げて建物へ向かって階段を登る・・・なんか違和感を感じるなぁ、と。
    正面入り口の張り紙がくっきりと読める距離に入った所で、ガビョーン・・・木曜定休日、ですと。
    やっぱし相性悪いと思ってたんだよなぁ・・・名前が嫌いだったもんなぁ・・・700もするしなぁ・・・ブツクサ・ブツクサ、と車に戻る。
    んじゃぁ、明日の湯しか無いじゃんかぁ・・・と言う事で山を下る事に。
    これも余計な事なんですが、どーしてこう言う街道筋には、チャレンジャーが後を絶たないのでしょうか?
    定年後のおやじなら蕎麦屋で、中途半端に若げな人だと、ログハウスにパスタ屋だ・・・平日、ランチメニューやっても無駄でしょ?
    まあ、他人様の商売にケチ付けてもナニですから、アレですけれども・・・はい、温泉、温泉と。
    バカーナビで検索すると日帰り温泉の項目で明日の湯が出た・・・ホントーかぁ?お前、知ってるのかぁ?と疑うが、任せてみた。
    で、パーカーナビが、目的地周辺です、と言う所まで来たのだが、それらしきものは一向に見えない。
    ええっ?お前、ウソついてるだろう?と、バカーナビを疑って車を進めると、ルートを変更しました、と言って、元の位置へ戻そうとする。
    そーかい、そこまで言うのか・・・じゃぁ、もー一遍廻ってみるわ、と思った途端に、小さな看板を発見した・・・バカーナビ、ごめん。
    なんとも分りにくい、田んぼの真ん中の集落の中に埋もれておりまして、まあ、カーナビで近くまで行って、皆さん苦労するはずです。
    なんだかとっても庶民的・・・こりゃぁアレだ、この界隈の年寄りの集会場になっているぞ、絶対に、と、覚悟を決めて暖簾をくぐった。
    やったぁー・・・やっぱりだ・・・膏薬の臭いが微かに香り、狭い休憩の長椅子には、湯上がりで放心状態の様な爺様が伸びていた。
    券売機に500円を入れて入浴券を買い、番台のおばちゃんに私、脱衣場へ。
    雰囲気は、どこにでもある共同浴場のそれで、何の特徴も無い・・・脱衣籠に鍵無しロッカーだ。
    風呂場へ入る・・・おっ、先客が3名・・・やっぱし爺様だな・・・もっとも平日のこの時間に良い若い衆が温泉に浸かっているはずも無いのだが。
    きちんと仕切りで分けられた洗い場が、なんとも銭湯臭くて、やっぱし地域の風呂屋なんだな、と・・・シャンプーと石鹸常備は豪勢だな、と。
    下湯を使いいざ、湯船へ・・・おい、爺様、一人で真ん中で手足のばしてたら迷惑だろうが・・・いい歳して常識ネェなぁ、と伸びてる年寄りを見たら、本気で寝てやがって、他の客が入って来た事に気付いていない。
    私は親切心から思い切りお湯を揺らして湯船に沈んだ・・・勢いでお湯にずり落ちて潜った爺様は溺れかけてお湯を飲んだ・・・年寄り虐めは好きです。
    魂消た爺様はあたふたと上がって行った・・・よし、邪魔者は後二人だ・・・いなくなったら速攻で写真だ・・・あら、また新手が入って来た。
    さて、お湯に浸かってビックリです・・・なんと素晴らしいお湯でしょうか。
    源泉掛け流し、加水・加温一切無しの天然の掛け流しのお湯は、弱アルカリでとろりと柔らかで、少しぬるりとします。
    で、このお湯が新鮮な証拠として、含まれる炭酸が身体の毛にプツプツとくっ付きます・・・これ、新鮮な炭酸泉しかならないそうで、田んぼの真ん中にこんな凄い温泉が有ったとは、いやぁー・・・日本は広い。
    加水も加温も無し、源泉の掛け長しと言うのは、有りそうで少ないのです・・・山奥の沢沿いならいざ知らず、田んぼの真ん中ですから・・・しつこいか?
    洗い場や湯船は何の工夫も無い、下手したら壁に富士山の絵を描きそうなセンスの風呂ですが、お湯だけは素晴らしいので、丸であります。
    これは、仕事帰りにも立ち寄りたくなるかもしれません・・・直ぐに家に帰って一杯やれるしね。
     
    明日の湯 外観

    明日の湯 能書き


     明日の湯・・・うんちく

     源泉   43度 弱アルカリ性 無色 透明 薄塩味 無臭。
     泉質   塩化物泉 ナトリウム・たぶん炭酸
     効能   切り傷・皮膚病・やけど・神経痛・疣痔・・・など。
     飲用   たぶん不可。
     入湯料  500円 駐車場あり  シャンプー・石けん 有り 手ぶら可 


     この話 完。


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


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