ちょこっと行って来る温泉


    No.16ー1   水沢温泉 露天風呂  



       さて、秋田駒ヶ岳から下山して、目指したのは水沢温泉であります。
    秋田駒の八合目小屋から下って直ぐ、田沢湖スキー場の脇、麓であります、が、田沢湖温泉とは別口であります。
    乳頭温泉や田沢湖温泉の有名どころの蔭に隠れ、スキーシーズン以外はとっても暇ですとの雰囲気が、そこはかとなく漂っておりました。
    さて、昔は湯治の宿もやっていたらしいのでありますが、今は日帰り専用の温泉に生まれ変わった、露天風呂と言う直球ズドンな名前の温泉であります。
     とてもきれいな外観でありまして、中に入るとどことなく今時のスーパー銭湯風でありまして、はっきり言って秘湯の風情ではありませぬ。
    カウンターで金500円なりを支払い、とてもキレいで清潔なロビー、廊下を通り脱衣場へと入りますと、これが結構でかいんであります。
    ふぅーん、混む時にはしっかり混むぞ、と言う気迫に満ちた脱衣場でありまして、んじゃぁ、と、風呂場へ入れば、おおおっ、脱衣場の広さもハッタリではない、でかい湯船が二つ、どでぇーん、と構えているのでありました。
    いや、こりゃぁスーパー銭湯だな、と言う感じの洗い場は、シャワーも蛇口もたっぷり有りまして、広々であります。
    お約束通り、軽く身体を洗いまして、二つ有る湯船の右側へ・・・ややぬるめの、推定39度の白濁した柔らかいお湯であります。
    湯船は大きく、ゆったり入っても7〜8人は楽勝で、詰めたら15〜16人は行けるなと言う大きさでありました。
    私一人の貸し切り状態で、どでかい湯船にぬるめのお湯、と、心の底からのびのびして参ります・・・いや、ついつい長湯しますよ。
    さて、似たような大きさの内風呂がもう一つ隣に有りまして、こちらは熱めですよ、と断り書きがありました。
    で、わざわざ言うだけの事は有って、しっかり熱めの堅いお湯です・・・加水されていないのか、お湯が濃いようでした。
    やや硬めの、源泉そのまま風のお湯はとても良いのでありますが、如何せん熱くて、長湯は出来ませぬ。
    んじゃぁ、と言う事で外の露天風呂へ。
    露天風呂もでかいのが二つ在って、それぞれに温度を変えているらしいのですが、スキーシーズン前の手入れで、高温の湯船が改修中で湯が有りませんでした。
    しかし、一方のぬるめの露天風呂一つでも十分な広さで、本当にのんびりした気分に浸る事が出来ます。
    でかい風呂にたった一人であったからかも知れませぬが、私は人影の多い乳頭温泉郷よりも、水沢温泉の方が断然気に入りました。
    露天風呂の石の床に寝転がり、抜けるような晩秋の空の青を見ていたら、申し訳ない程の幸せ気分に、何だか泣きたい気分になってしまいました。
    水沢温泉の露天風呂に入ったら、登山での筋肉の張りが治まりました・・・ここは、花丸でありました。

    打たせ湯や障害者用の浴槽が有ります

    ぬるい方の露天風呂です


     水沢温泉 露天風呂・・・うんちく

     源泉   62度(自噴 毎分1000リットル)中性 乳白色 無味 微硫黄臭。
     泉質   硫酸塩・塩化物泉
     成分   硫黄・カリウム・マグネシウム・カルシウム
     効能   神経痛・リュウマチ・切り傷・疲労回復・疣痔
     飲用   たぶん不可。
     入湯料  500円 駐車場あり  シャンプー・石けん あり 手ぶら可 


    No.16ー2   玉川温泉   



     これからまだ随分と行きたい温泉が残っていると言うのに、思いのほか水沢温泉でのんびりしてしまいました。
    それだけ良い温泉で有ったと言う事なのでしょうね。
    さて、次は玉川温泉であります・・・天然記念物の北投石とラジウム泉と天然岩盤浴で有名な玉川温泉であります。
    水沢温泉から国道341号を一時間も走れば玉川温泉で、この辺りからが八幡平温泉郡と言って良いだろうと思うのであります。
    紅葉の絶景を眺めつつ、のんびり気分で走って玉川温泉近辺へ差し掛かると、新玉川温泉の看板が・・・。
    はて、新玉川とな? うーん、老舗の温泉のはずだからそれは名前の通り新手であろう、と言う事で無視して先へ。
    程なく、玉川温泉の看板を見つけ右折して直ぐ、大きな駐車場が・・・黙って200台は入りますよ、たぶん。
    これが満車でありますが、連休明けの平日でござりまするぞ・・・まあ、年寄りは年中暇だからいつでも良いんだろうけれどもね。
    うひゃぁー、と、混んでいるのが苦手な私は気後れしてしまったのでありますが、駐車場の回転は良いようで、直ぐに入れたので、んじゃ折角だからと行く事にしました。
    まあ、入っちまった以上仕方が無いと・・・あっ、駐車場は無料で秋田県の管理のようでした。
    で、後で分った事でありますが、大量の車は、玉川温泉の来ている事は間違いないのですが、湯治場に行く訳ではなく、無料で設置されている、岩盤浴をするためにやって来ているのだそうです。
    なので車から降りる人はほぼ全員、手にはゴザと着替えを入れた袋などを下げているのであります。
    で、玉川温泉へお風呂セットをぶら下げて歩いて行きますと・・・なぁーんだ、こっちに車を入れられるじゃん、と言う事が判明。
    まあ、雰囲気を楽しみ、散歩だと思えば少しの距離は楽しいもんであります。
    ちょっと分りにくいごちゃごちゃした建物が列ぶ中、看板に従って入って行くと券売の番台を通り、脱衣場へ。
    駐車場の混みようの割りには空いていると言えるかもしれないのでありますが、やはり、人は多いのであります。
    脱衣籠は有るのですが、番台のおばちゃんがしきりに貴重品はコインロッカーへと言うものですから、仕方なく小銭しか入っていない財布をロッカーへ入れました・・・ふぅー疲れる風呂だな、と。
    ここの風呂は撮影禁止で写真は一枚も無いのであります・・・まっ、有名どころですからね。
    さて、風呂場に入りますと、どでかい浴槽が二つ右側に列び、その向かい側に何やら個性的な浴槽が列びますが、どれがどれだか、いちいち覚えては居られません・・・メモ帳もって入るほどバカじゃなし。
    入ってすぐにかぶり湯が有り、下湯を使ってから、いざ湯船へ、と。
    源泉50パーセントと書かれた大浴槽に、じーっと動かずに数人が沈んでおりますところへ、私も静々と入ってみましたです。
    と、身体を沈めた途端にジーンと金弾が縮み上がる感じで、お湯がしみて参ります・・・傷なんか有ったら飛び上がるんじゃないでしょうか。
    ここのお湯は日本一の強酸性、pH1.2なのだそうでありまして、しかも、自噴の湯量が毎分9000リットルと、これも多分日本一であろうと思われる訳であります。
    毎分9000リットルの掛け流しと言うのは、それはもう垂れ流しな訳でありまして、お湯はもうもうと湯気を立てておもての川を流れて行くのでありました。
    さて、大分雰囲気にも馴れ、観察も一通り終わり・・・なんか、湯治場独特の異様な雰囲気みたいなものが有りまして、並の温泉ではない、霊気のようなものさえ漂っているようでありまして、馴れが必要だと思うのであります。
    で、馴れた所で、ほとんど人の入っていない、源泉100パーセントの湯船に入ってみました。
    これがまた、どひゃぁー・・・であります。
    いや、冗談でも誇張でもなく、金弾袋が縮み上がりますですよ、ホントに。
    pH1.2の実力は半端では有りませぬ・・・これはちょっと強烈でありまして、要注意であります・・・しかもメチャ熱です。
    と、言う事で、霊験あらたかなる玉川温泉は、私にはちょっとナニでありまして、まあ、合うか合わないかで申し上げれば、好きじゃないです、と。

     玉川温泉・・・うんちく

     源泉   98度(自噴 毎分9000リットル) 酸性 鉄さび色 酸味 微硫黄・金気臭。
     泉質   塩化物泉
     成分   硫黄・アルミニウム・鉄・二酸化炭素
     効能   神経痛・リュウマチ・切り傷・疲労回復・疣痔 他色々なもの
     飲用   可。
     入湯料  600円 駐車場あり  シャンプー・石けん あり 手ぶら可 


    No.16ー3   後生掛温泉   



     さて、本日三軒目の後生掛温泉でありますが、玉川温泉からけっこう近くでありまして国道341から、アスピーテラインに入ってすぐであります。
    八幡平の地熱地帯のど真ん中でありまして、ビジターセンターなるものが有ったり、後生掛自然研究路では、温泉や地熱や火山に関する学習などが出来るらしく、高校生が大量にウロウロしておりました。
    この高校生の人並みに騙されて、うひゃぁー超混みだぁ、と勘違いして、一番手前の空いていた駐車場に車を停め、てくてくと歩いて行ったのでありました。
    すると、温泉の真ん前にたっぷりの空きがあるではありませんか・・・しかも、日帰り客は既にほとんどが帰り足であります。
    まっ、歩くのは馴れましたから、と言う事で、フロントと言うよりは帳場で入浴券を買い求め、順路の案内に従って風呂場へと。
    後生掛は先ほどの玉川温泉とは違って、管理がゆるゆるでありまして、無賃で入ろうと思えばナンボでも、と言う感じであります。
    脱衣場には一応コインロッカーも有ったと思いますが、いかにも湯治場然とした雰囲気では、竹の脱衣籠がぴったりでありまして、貴重品注意の張り紙はありましたが、無視であります。
    後生掛温泉は、木造の元祖スーパー銭湯でありましょう・・・なんと言っても、風呂の種類がそのまんまスーパー銭湯でありまして、泡・打たせ・蒸し、等々、今時のスーパー銭湯に有るものがなんでもあります。
    そして、極めつけは、泥湯でありました・・・能書きがありましたがメモも無いので忘れました。
    泥湯の温度は、けっこう低く、人肌プラス1度、と私は見ました。
    これにじっくり浸かっていると、じわーっと温まって、知らず知らずに額から汗が流れ出て来るのであります。
    で、この風呂には砂時計が付いておりまして、15分以上入らない事、と書かれているくらいに、低温でナンボでも入っていられる感じがするのです。
    が、しかし、私は10分程度で汗が流れて止まらず状態になったので上がりました。
    すると、全身から筋肉痛やら強張りが消え、嘘のように筋肉が甦っているでは有りませんか。
    これなら今からでももうひと山登っても良いぞ、と言うほどに筋肉がほぐれたのでありました。
    が、しかし、であります・・・足腰の筋肉がほぐれて良くなったと思った後に、どーんと、全身から滲み出る疲労感と言いましょうか、脱力感と申しましょうか、とにかく、全身の力が抜けてしまったのような感覚に捕われたのであります。
    なるほど、入り過ぎに注意の意味はこれかぁ、と納得であります。
    箱]蒸しやら火山風呂やらと色々じっくり試して見たかったのでありますが、山登りの後で力が残っておりませぬ。
    後生掛は玉川温泉と違って、なんとなく気さく、気楽な雰囲気でありまして、風呂場には人工透析のガラガラ車を引っ張った人まで居て、そして、お湯で程良く温まった床には太の字になって寝ている人も数人見かけられ、自由にお湯を楽しむ事が出来る湯治場であるな、と感じました。
    ここでゆっくり、一晩泊まってみるのも悪く無いと、後ろ髪を引かれまくったのでありますが、青年は荒野を目指す訳でありました。
    しかし、ナンですね、噴気口からガスが出ていたり、硫黄で焼けたり、泥がぶくぶく泡吹いている所は、どうして例外無くナニナニ地獄と呼ばれるのでしょうか? 天国と名付けるへそ曲がりが居たら嬉しいと思うのは、私だけでありましょうか?

     後生掛温泉・・・うんちく

     源泉   93度 酸性 白濁色 微薬味 微硫黄・金気臭。
     泉質   硫黄泉
     成分   硫黄・アルミニウム・鉄・二酸化炭素
     効能   神経痛・リュウマチ・切り傷・疲労回復・疣痔 他色々なもの
     飲用   可。
     入湯料  700円 駐車場あり  シャンプー・石けん あり 手ぶら可 


     この話 完。


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


    行った温泉について 質問を承っております


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