ちょこっと行って来る温泉
No.17ー1 ふけの湯
さて、一夜明けて、八幡平の夜明けであります・・・えっ、何処に泊まったのかって?へへへっ、車の中ですよ、と。
冬用のテントを持っているので、どこかのキャンプ場でと思ったのでありますが、大きく季節外れでありまして、もう何処も閉鎖でありまして、まっ、広さ的には十分だし、と言う事での車中泊であります。
ただ、私の場合特異体質と申しましょうか、とにかく、ンコが近いので、安心して使えるトイレが無いとダメな訳であります。
で、遠い記憶を頼りに、八幡平のてっぺん近くに大駐車場とトイレが有ったな、と思って言ってみようとした訳であります。
すると、アスピーテラインの途中、ふけの湯入り口に大きな駐車場が有り、しかも、キレいな水洗トイレ付きと来たもんです。
あはは、これで決まりだ、と、言う事で、車を一番端っこに寄せて停め、晩飯もここで炊事して済ませたのであります。
なんと、自販機も有ったのですが、如何せん甘いものばかりでありまして、ビールは売っていないのでありました・・・残念。
と、言う事で、昨晩もする事も無く早寝したものですから、5時前には起きてしまいました。
しかし、本日は山に登る訳でもなく、温泉巡りの後に仙台へ帰るだけですから、早起きする必要は無いのでありました。
しかも、本日の一発目は、目の前のふけの湯からでありますから、お風呂に入れてもらえる午前七時を待つしか無い訳であります。
豪華に、鶏釜飯とサンマの蒲焼きで優雅な朝食を済ませ、一つ残っていた番茶など入れ、朝もやの中まったりと流れる時を楽しみつつ7時を待ったのでありました。
しかし、ラジオくらい入っても良さそうなもんだけど、NHKでさえまともでは無く、しかし、なんだって朝鮮語の電波はビンビン入るんですかねぇ?。
さて、7時ぴったりにふけの湯の駐車場に車を入れ、帳場に行って風呂に入りたい旨を申し出ると、何とも気持ち良く、どーぞどーぞで、金600円也でありました。
まずは、廊下の手前に有った露天風呂へであります・・・ここは外に沢山の露天風呂が有るのですが、今時分の朝は温度が低くて入らない方が良いと、風呂掃除に来たふけの湯の爺様が語ってくれました。
そして、ふけの湯では、お湯はナンボでも有るのですが源泉がとても熱いんだそうで、それをちょうど良くするのにうめる水の方が貴重なのだとか。
で、温泉の色は、沢から引いて来る水の色で決るのだそうで、茶色い時は雨で増水した時の泥水だそうです・・・鉄分だと思っていたのに。
いかにも湯治場の温泉の脱衣場で服を脱ぎ、さぁ、と風呂へ飛び出すと、そこは駐車場から丸見えで、今から宿を発とうとする妙齢の御婦人方数人の熱い視線を浴びてしまったのであります。
もっとも、距離も有るし、ナニも豆こいので大事には至っていないと思うのでありますが・・・。
さて、このお湯が、噂に聞く「無温」と言うやつか、と言う事で、不思議な事に温度を感じないのであります。
いや、掛け流しの湯口はほんのりと温かですし、一番端は少し温いのでありますが、誰もいない露天風呂の真ん中に座り込みますと、無温なのであります。
乳白色の少し重い感じの硫黄臭のお湯、これなら何時間でも入っていられそうであります。
しかし、まだ先が有りますから、ゆっくりしたいのは山々でありますが、そうも行かない訳でして、んじゃ次へと。
ふけの湯
無温の露天風呂
廊下の先に内風呂が有りまして、これが多分一番古い湯船なのだろうと思う風情で有りました。
ここ、ふけの湯は開湯から300年と言われる老舗でありまして、建物や湯船は歴史を感じさせるに十分なものでありました・・・まあ、歴史と言うよりもガタが・・・おっと、風情でありますね、侘びと寂びでありましょうか。
丸太を一本くり抜いてお湯を溜め、それを洗い場の湯として使っています
ふけの湯は子宝の湯と呼ばれているのでありますが、男の私にはほとんど感じるものが有りませんで、ナニが効くのか分りませんでしたが、お湯は柔らかで、酸性なのにしっとり系でありましょう。
ただ、源泉が高温な為に加水されている訳ですが、これがちょっと多いのではないか、もっとお湯が濃い方が良いのではないか、でなければ、玉川温泉のように源泉100パーセントと薄め50パーセントのような風呂があったら良いと思ったのでありました。
もっとも、全部に入った訳ではないので、外の露天にはそう言うのが有るのかも・・・でも、ぬるいからやめた方が良いと言われたし。
しかし、何だかんだ言いましても、ふけの湯、私の中では、ゆったり系のんびりの湯として、かなり上位に位置するものでありました。
水沢温泉 露天風呂・・・うんちく
源泉 62度(自噴 毎分1000リットル)酸性(pH2.5) 乳白色 無味 微硫黄臭。
泉質 単純泉
成分 硫黄・カルシウム
効能 神経痛・リュウマチ・皮膚病・疲労回復・疣痔
飲用 可だが、あまり飲むなと爺様が。
入湯料 600円 駐車場あり シャンプー・石けん あり 手ぶら可
No.17ー2 藤七温泉 彩雲荘
こちらは岩手県であります。
で、いくらも離れていない秋田県側の八幡平温泉群とは、明らかに一線を画すのが、彩雲荘なのであります。
いや、はっきり言って参りました・・・今まで入った温泉の中で、絶対的、圧倒的な強さで王座を獲得する温泉であります。
温泉としての姿勢は、実直でありまして、言葉にすれば「まず、黙って入れ」でありましょうか?
建物のボロさ加減、それを宿のおやじの手作業でやっつけ修繕してある味、継ぎ接ぎだらけ、張り合わせ、ぶっつけの釘がそこかしこに見られる建物と湯船は、ボロや古いと言うのを超越して、豪快かつ大胆で、見るものに力さえ与えるものであります・・・いゃ、大げさで無いってば。
と、言う事で、何もかもがガタガタでありまして、どこがどうとか、私のつたない文章ではとても書き表す事は出来ませぬ、であります。
ところが、それらの修繕や工夫をじっと見てみると、どれも的確で、不安やいい加減さは全く感じる事が無く、成る程な、必要にして十分、そうなんだ、これでいいんだよな、と、人の生き方の無駄さえも諭されているように見えて来るのであります。
で、お湯でありますが、これがまた建物以上に豪快でありまして、そこいら中、どこを掘ったってお湯が噴き出すのを良い事に、適当に掘ってはお湯を溜めて露天ならぬ野天風呂にしている訳であります。
ここも源泉掛け流しなどと言う甘いものではなく、源泉垂れ流しで、熱いので沢水で加水であります。
外に六つあったと思う野天ぶろは、それぞれに熱めや適温などに調整されており、好きな所に気ままに入れば宜しい、と言う感じであります。
私がかなり熱めの野天ぶろに入っていると、宿の爺様が「そこ熱かんべょ、普通は入らねぇけどなぁ、熱いの好きなんだベねぇ」と感心して立ち止まった。
「なにぃー、この程度は熱かぁねぇよ・・・でも、爺様、もちっとぬるいの無いの?」と聞いてみた。
すると、もう一つ上のが塩梅よかんべぇ、と教えてくれ、そして、熱かったら好きなだけ水を入れろとも。
で、私は爺様推薦の風呂に入ったのだが、これがまた本当に良い温度で・・・そう、お湯の温度は良いのだが、ケツの下からお湯が沸いて来るもんで、下手な所に腰を下ろすと熱くて飛び上がる。
あっちちぃ、と逃げると、一部には板が沈められており、安心して座る事が出来るようになっていた・・・何も但し書きが無いのもここの良さだと私は思うが、これは賛否別れそうでもあるな、と思う。
お気に入りの湯船はアスピーテラインから丸見えで、混浴になってはいるけれども、婦女子にはちと恥ずかしいかもしれない。
で、一番下の見え難い所に、周囲を透けて見えるヨシズで囲った女性専用の露天風呂が一つ用意されている・・・それ以外は全部混浴です。
私はお気に入りの野天風呂で温まっては外の板の上に寝転がってうたた寝をし、冷えて目が覚めるとまた温まってを繰り返して、何だかんだとグスグズしていました。
本当はこの次の予定として、松川温泉に行くはずだったのでありますが、彩雲荘の良さにすっかり魅せられてしまい、動く気が無くなってしまったのでありました。
ああ、もうここでお終いにしよう、ここで目一杯のんびりして帰ろうと決めたのが午前九時少し前でありまして、それから10時半頃まで、ずーっとお気に入りの野天風呂でゴロゴロしていたのでありました。
もう間もなく冬期閉鎖になり、再開は来年の春だそうで、新緑の頃、是非また行きたいと思った、ホントーに良い温泉で有りました・・・お勧め一番。
一応内風呂も有ります
洗い場の手作りの蛇口が絶品です
熊出没ではないのです・・・秘湯の湯の提灯が・・・
内風呂の前の露天風呂です・・・国道からよく見えます
野天風呂全体の雰囲気です
お気に入りの野天風呂です
敷地内で熱い泥が噴出しています
写真右脇から無賃で入る事も可能です
藤七温泉 彩雲荘・・・うんちく
源泉 90度 酸性 乳白色 薬味 硫黄臭。
泉質 硫黄泉
成分 硫黄・カルシウム
効能 神経痛・リュウマチ・皮膚病・糖尿・高血圧・疣痔
飲用 可
入湯料 600円 駐車場あり シャンプー・石けん あり 手ぶら可
この話 完。
まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?
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