ちょこっと行って来る温泉


    No.20-1  大湯温泉 阿部旅館   



         きょうは山伏岳なんか登ろうかと思っておりましたが、朝から時雨れておりまして、とっても山登りの気分ではありませぬ、と言う事で朝から温泉であります。
    夕べはどうしたのか?・・・へへへっ、川原毛地獄の登山道入り口の駐車場で車の中で寝た訳であります。
    食い物はたっぷりあるし、エンジン掛けてりゃ冷暖房完備、駐車場に水洗トイレはあるし・・・他人様に気を使う事の無い車でのカタツムリは気楽で楽しいものであります。
    ちなみに、冬に備えて、寝袋は氷点下18度まで平気だけれども、最高気温が0度以上では暑すぎますよ、と言う極寒地仕様のものでありまして、ヌクヌクで快適であります。
    車の窓を適当に大きく開けておけば、車内でガスコンロ使用しても水蒸気も換気も大丈夫でありますよ・・・まあ、神経質な人は外でやるべきでしょうけど。
    でね、車内泊をやる時のコツなんですがね、どんなに寒くても窓を閉め切ってはダメな訳でして、そして、開けておこうと思う窓側が風下になりように車の停車位置を考える必要があるのです・・・風向きは変わりますけどもね。

     さて、朝の一発目は何処へ行こうかなと地図を眺めて考えたのでありますが、雪が降ったので栗駒山へは登れない、通行止めかもしれないな、との予感がする訳であります。
    んじゃぁ、と言う事で、栗駒山の須川温泉へ行く途中にある大湯温泉へ、取りあえず向かって、上に行けるかどうかを確認しようと走り出しましたが・・・やっぱりダメでした。

     で、本日1番目の阿部旅館でありますが、ここは大湯温泉と言われた一軒宿で、けっこうな有名どころであります。
    特に、秘湯の会なんかの本を頼りにしている方々には外せない温泉になっているようであります。
    有名どころにはあまり良い思い出が無いのでありますが・・・でも、食わず嫌いは良く無いし、何より400円と言う価格にちょっと謎を感じたものですから、これは一度は覗かなきゃぁ、と言う事で・・・。

    受付と言いますか、帳場ですかね・・・そこへ行きまして400円也を支払って、風呂場の説明を受けたわけでありますが・・・応対は満点以上の105点であります。
    簡単明瞭でありながら、冷たさや嫌みのかけらも無い、接客とはこれだと、完璧なものでありました。
    私はこの時点で、阿部旅館の好感度はメーター振り切りでありました・・・妙冷のご夫人でありましたが、自然天然流の達人ではないかと・・・。

    旅館には入らず、脇から廻って風呂場へ行きます・・・やる気なら潜り込めますが

     帳場の脇を通って風呂へ行くまでの通路なんですが、それをただの通路とは言わせない心配りが随所にみられるのであります。
    雰囲気抜群の休憩所や、貴重品入れ(無料)の木製のロッカーが配置されているなど、全てにお客の身になっての姿勢が、よぉーく分かるのであります。
    私は歓迎されるのは大好きでありますが、これを演じる方に廻るのは大の苦手でありまして、接客業は絶対にダメなんでありますね・・・だからこそ、迎える側の気配りには敏感だと自負しておるのですが・・・大いなる勘違いかも。

    休憩所の前から風呂の建物全景を撮ってみました・・・ちなみに建て替えて3〜4年のようです

     花の鉢一つ、休憩の椅子一つと、全てに心遣いの行き届いた雰囲気に、私は風呂に入る前から既に和みモードに入っておりまして、これで400円って、ナンでぇ?と不思議に思う訳であります。
    それだけ風呂に自信があって、さあ、入ってみろ、と言う事なのかなぁ・・・でも、半端に安い400円の意味がどうしても計りかねるのでありました。

    ここを降りて行くと風呂場であります・・・どーですか、この演出は?

     さて、阿部旅館でも宿泊客専用の内風呂はあるようですが、メインは川沿いの露天風呂で、売り物は、風呂から眺める渓流の景色独り占め状態のようでありました。
    露天風呂は、かなり大きい湯船と、そこそこの大きさのものと、それぞれに深さを変えたり湯の温度を変えたりと工夫が凝らしてあります。
    で、湯船から見える沢の景色の絶景とは別に、すぐ目の前から湧き出している源泉の湯煙と、河原に降りたら瞬間で火傷するので立ち入るな危険のしつこい程のペンキが目立っておりました。
    建物や施設にあれほどの気配りをする旅館の人が、赤ペンキも毒々しく無粋に、立ち入るな、危険と書くのは、ホントーに熱湯で危ないからなんでしょうね。

    一応、檜の壁の内風呂もあります

     で、露天風呂の爽快感はもちろん文句の付けようが無いのでありますが、こじんまりとした檜の壁で石造りの内風呂がまた、なんだか分かりませんがとても落ち着くのであります。
    なんで?と問われても応えに窮しますが、広くも無い風呂が妙に馴染んで、圧倒的な景観の露天風呂の後にとても和む訳であります。
    これ、勝手に解釈などしてみますと、露天風呂から見える自然の無秩序な景観と、人工物の直線が見せる秩序の安心感のようなものの違いではないのか・・・なんちゃってぇ?

    大きい方の露天風呂です・・・奥は水深130センチありました。

     お湯は弱酸性、さっぱり系で癖がありません。
    さらっとした感触で、酸性系のお湯にありがちなピリピリや刺激も全くなく、黙って入ったならば単純泉だろうな、と思う程素直なお湯でありました。
    湯船によって温度が違うと言う事は、加水の量が違う訳で、熱い方が源泉たっぷりな訳で濃いのであります・・・浸かっていると実感しますよ。
    残念ながらシーズンを逸して入れませんでしたが、夏期には河原にお湯を張って「川風呂」が作られるそうで、また行ってみたいし、次は泊まりたいな、と・・・。
    あっ、ああ、これかぁ、400円の理由はお試し価格と言う事なんだな、と・・・やっと気づいたタコおやじでありました。
    とにかく、阿部旅館・・・とっても良かったであります・・・泊まりたい温泉でありました・・・あっ、飯はなぁ、川魚嫌いなんだよね。

     大湯温泉 阿部旅館・・・うんちく

     源泉   99.8度(pH 3〜6) 無色 透明 硫黄臭 薬味 
     泉質   硫黄泉
     成分   硫黄・塩化物
     効能   神経痛・リュウマチ・皮膚病・疲労回復・便秘・糖尿病・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  400円 駐車場あり  ・石けん あり 手ぶら可 


    No.20-2  小安峡温泉 共同浴場   



     小安峡温泉共同浴場は、手持ちのどの温泉ガイドにも、観光マップにも記載が無かったのであります。
    がぁ、しかし、温泉ハンターとしての嗅覚がかなり発達して来ました私は、ちょっこっと掲げられていた看板を目敏く発見してしまう訳であります。
    と、まあ、発見して入浴して、ひと風呂分のログが増えたと言う事は喜ばしい事ではありましたが、周りを名だたる秘湯名湯に囲まれたこの地にありましては、あまり重要な位置にある風呂では無かったな、と言うのが偽らざる感想でありまして、番付で申し上げるならば、三段目上位と言う所ではないかと思う訳であります。

    この看板を見つけてしまった訳であります

     共同浴場の駐車場らしきスペースが有るのではありますが、そこまで入る通路が狭すぎて、私の車を入れる気には絶対にならなかったので、道路沿いのナントカ旅館の駐車場に無断駐車でありました・・・ゴメン。
    で、はたして開いているのかな、と言うくらいに静まり返って人気を感じさせない建物の入り口をそぉーっと開けてみますと、番台風の窓が開いているのであります。
    しかし、そこには人は居らず、木戸銭の300円なりを銭函に投入して入浴せよ、との但し書きが有るのみでありました。

    しっかり鍵掛かってますが、箱は簡単に持ち上がります・・・嘘。

     へぇー・・・と感心しつつも、これで300円か、とも思いましたが、嫌なら入らなければ良いだけの話でありまして、文句を言える筋合いは無い訳であります。
    さて、誰も見てないもんねぇ・・・なぁーんてケチな事はしませんで、しっかりと300円入れましたよ・・・ホントーです。
    で、脱衣場はそのまんま公衆浴場のそれでありまして、たぶん、温泉ハンターを始めたばかりの頃なら素朴であるぞ、と感心したかもしれませんが、今では馴れてしまった為か、古ぼけてんな、としか思わない訳であります・・・意識って、恐ろしいもんです。
    施設は新しくは無いのですが、けっして汚い訳ではなく、風呂場もピッカピカに磨かれており、気持ちのよい風呂でありました。

    たっぷり湯が掛け流しであります・・・タコ坊主が出ます。

    大きな浴槽に源泉掛け流しで、高温なので加水と書かれておりましたが、小安峡の温泉らしく、清冽すっきり系のお湯でありました。
    温度は私の好きな高めの風呂で、共同浴場と言うのは概して熱めの風呂が多いもんだと私は思っておりますが、爺・婆が相手だとどうしても高温になるようであります。
    公衆浴場としてみればかなりの高得点で、過不足無しでありまして、おそらく、地域の人たちは無料なのではないかと思うのでありますが、定かでは有りませぬ。
    小安峡温泉のお湯の多くがサラサラ系なのですが、とりわけここは超サラサラ系でありまして、見事な単純泉でありました。

    小安峡温泉 とことん山・・・うんちく

     源泉   62度(pH 6.5) 無色 透明 無味 超微硫黄臭  
     泉質   単純泉
     成分   ナトリウム・炭酸ガス
     効能   神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  300円 駐車場あり (入り口無し) ・ 手ぶら不可 


    No.20-3  小安峡温泉 とことん山   



     本日の第3湯目は「とことん山」であります・・・名前を見た時に激しく悩みましたよ、しかもキャンプ場内の施設だと言うし。
    で、東北地方の普通のキャンプ場は、遅くても10月半ばで休業に入る訳でありますから、営業しているのかなぁ?であります。
    以前は何で秋の遅くまで営業しないのかな、秋がキャンプに最適期なのになぁ、なんて思っていたのでありますが、答えは単純なようでありまして、寒くてやってらんない・・・しょぼい寝袋じゃ寒くて寝られませんから、と言う事でしょうね。

     と、言う事で、阿部旅館から泥湯へ戻る道すがらでありますから、ちょこっと立ち寄ってみました「とことん山」。
    結論から言うと、番付で行けば東の関脇と言える堂々の露天風呂でありまして、恐るべし「とことん山」でありました。
    キャンプ場の管理棟で金360円也を支払いまして、歩いて137歩程離れた露天風呂のログハウスへ行く訳であります。

    とことん山 露天風呂の山小屋建物です

     さて、本日は閑散としたとことん山でありまして、敷地内にたぶん客は私一人と、従って風呂も独り占めな訳であります。
    で、こういう状況だと精神的に開放されやすい訳で、それだけで印象はズズーっと良くなるのでありますね。
    しかし、ここの露天風呂はそれを割り引いてみてもかなりな物でありまして、お近くへお越しの折りには是非お立ち寄り下さいと、薦めたくなる風呂であります。
    何と申しましょうか、とことん山露天風呂は林間風呂とでも申しましょうか、河原や沢沿いに開かれた露天風呂が多い中で、珍しい樹木に囲まれた露天風呂でありました。
    ちょっと経年変化による劣化が気になり始めた脱衣場は、料金の安さから目を瞑って見逃す事にしまして、風呂場へと進みます。
    傾斜地を利用して上から3段に風呂が作られてありまして、一番上は檜の浴槽で、2段目がちょっと熱めの岩造りで、3段目は2段目と同じ仕様ですが、お湯の温度低めに設定された岩風呂でありました。

    一段目、木製の湯船にタコ坊主出現

     一番上の木製の浴槽は、たぶん41度程度で、2段目石風呂が43度で、掛け流しの湯が入る場所で44度程で、その下が39度程でありましょうか?。
    檜の風呂は定員4名程度のものですが、岩風呂は2段目も3段目もゆったりで15人は入れるんじゃないか、と言う特大の露天岩風呂であります。
    で、一番上は加水しているのですが、下の方は源泉掛け流し混ぜ物無しの天然百パーセントだそうでありまして、なんとなく濃い感じがするような、しないような・・・。
    歯切れの悪い書き方で申し訳ないのですが、単純泉で含有物も少なめの清冽系のお湯のに、沢水を加水しているらしく、源泉の感覚と加水の感覚にさしたる違いが感じられないのであります。

    特大岩風呂と湯船からの借景は絶品でありました

     で、私思うんでありますが、若干の塩素系の消毒剤が入っていたとしても、沢水や地下水を利用している加水は、その水自体が養分を含み滋養の高いものであって、温泉を薄めてはいないのではないか?なんてね、シロート考えでした。
    さて、とことん山の温泉はお湯そのものの特徴は薄いのでありますが、しかし、この界隈にあって珍しい弱アルカリの、しっとり系のお湯は中々であります。
    まず、とことん山の価値は、風呂の作りと環境が絶品でありまして、上手く表現できませんが、番付は東の関脇と言う事でご理解いただければ幸いでござりまする、と。
    小安峡温泉 とことん山・・・うんちく

     源泉   97度(pH 7) 無色 透明 硫黄臭 薬味 
     泉質   単純泉
     成分   ナトリウム・炭酸ガス
     効能   神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  360円 駐車場あり  ・シャンプー・石けん あり 手ぶら可 


    No.20-4  泥湯温泉 奥山旅館   



     さて、超有名どころの「奥山旅館」であります・・・泥湯と言ったらここ、と言われ、雑誌や観光のパンフレットで紹介されている露天風呂はここであります。
    と、言うよりも、泥湯にある三軒の旅館と数件の民宿で、露天風呂が有るのは奥山旅館だけなのであります。
    商売っ気と言う点では抜きん出た存在なので有りましょうね、秘湯ブームの追い風をしっかりと掴んでぐんぐんと上昇中であります。
    奥山旅館程になると私の半端な説明は必要ない程にあちこちに出回っている訳でありまして、しかも、写真撮影禁止でありますので、私としては入る前からガチョーンでありました。

    奥山旅館だけが冬でも営業するので、薪を仕込んで冬支度です

     でも私も有名どころの取り扱いに随分と馴れたので、んじゃぁと、イワナの塩焼きなど販売している茶店で入浴券500円也を買い求め、爺様から道路を挟んで2カ所の風呂の説明を受けて、いざ、泥湯へ・・・。
    茶店の爺様の応対や説明に嫌みは無く、とても素朴で、香ばしいイワナの匂いに包まれて、有名どころで在りがちな、けっして気分の悪いものでは有りませんでした。
    さて、天下に名高い泥湯初体験でありますが、たぶん、私が入るまで誰も入浴していなかったのだろうと思うのであります。
    それが証拠に、私が入って湯船をかき混ぜた途端に、乳白色であった湯の色は、立ち所に泥の色に変わったのであります。
    で、泥の色や景色に騙されがちですが、泉質は中々に攻撃的で、結構なピリピリ系であります。
    奥山旅館のお湯の一部は「引き湯」でありまして、けっこう遠くの山の中から引っ張って来ているのだそうであります・・・ラーメン喰った食堂で聴きました、と。
    で、まあ、定かではないのでありますが、湯量はそれ程豊富ではないとの話も有り、大きな湯船を沢山構えている訳で、十分に賄い切れているのかどうかは、結構?マークでもある訳です。
    で、泥湯の感想でありますが、うーん・・・八幡平の後生掛温泉の泥湯のイメージとは掛け離れており、あちらが、地下からの霊験な泥とすると、こちらは、和やかに田んぼの泥と言う感じで有りましょうか?
    まあ、私にとっては撮影禁止・カメラ持ち込むなと言われた段階でどんな名湯であっても、マイナス30点付ける訳で、泥湯もヨーイドンから心象は落ちているのでありますね・・・我が侭だねぇ。

    写真撮影は禁止ですが・・・あれっ?こんな所に偶然カメラがぁ、と。

     さて、最初に入った露天風呂が雑誌などで有名な景色の良い大露天風呂でありまして、道路を挟んで向かい側にも別な風呂の棟がある訳です。
    で、たぶん、こちらが元々の風呂であろうと思われる、木製の内風呂と、その先にも露天風呂が有るのであります。
    で、こちらも泥湯的濁り湯なのでありますが、私の見立てでは源泉は向うとは違うだろうと思う湯の質で、重いと言いますか、濃いと言いますか、とても良い訳であります。
    結構な硫黄の匂いに包まれつつも、刺激的ではないお湯に、私は好感が持てるのでありますが、好きずきでしょうかね・・・湯上がり後に長い事汗が噴き出す温まり系のお湯でありました。
    と、言う事で、泥湯と言うものの本質を極めていないので評価するのもナニなので、良いとも悪いとも言えないのでありますが、話の種に一度は入ってみるのが良いのでは無いでしょうか、と・・・番付では、西の筆頭ですか?・・・ホントかねぇ?

    泥湯温泉 奥山旅館・・・うんちく

     源泉   89度(pH 2.4 酸性) 泥色 硫黄臭 ざらざらで酸っぱい 
     泉質   硫黄泉
     成分   多すぎて忘れた
     効能   切り傷・糖尿・疲労回復・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  500円 駐車場あり  ・シャンプー・石けん あり 手ぶら可 


    No.20-5  泥湯温泉 小椋旅館   



     さて、一日に五軒の風呂と言うのは正直言うと飽きます・・・で、疲れます・・・がぁ、はたして、泥湯温泉は奥山旅館が全てなのか?ひょっとしたらそんな事は全く無くて、もっと凄いお湯が有ったりするのじゃないのか?なぁーんて疑り深い私は「元湯 小椋旅館」の看板に吸い寄せられて行った訳であります。
    小椋旅館は奥山旅館のすぐ隣でありまして、この界隈三軒の旅館は、建物の外観を黒塗りの板で統一する事に申し合わせたものかどうか、同じ雰囲気会わせてある訳です。
    なもんで、まるで棟続きのように似ているのですが、小椋旅館はちょっと閑散としておりまして、今イチ活気と言う点でナニでありましたが・・・大きなお世話か。
    さて、風呂とは別棟の旅館の方で木戸銭300円ほ支払って向かい側の、旧来の建物に行くと風呂が有る訳であります。
    この建物を宿泊には使っていないと思うのでありますが、もしも泊まれと言われたら、俺は車に寝袋が有りますんで、と心置きなく辞退させていただきたいと思うものでありました・・・で、昔の山間部の建物なので天井がいきなり低くて、私の頭がほとんど天井にぶつかる程でありました・・・貴重かもしれません、よ。

    写真で見ると素朴で哀愁帯びた佇まいなのですが・・・

     さて、風呂のお湯を見て吃驚しました。
    やっぱし、来て見るもんでありますねぇ・・・お湯の色が赤錆色なんでありまして、しかも、薄らと油膜のようなものが浮いているでは有りませんか。
    いやぁ、この色、この雰囲気は全く初めてだわい・・・収穫だなぁ・・・しかし、見栄えは悪いし、ちょっと気持ち悪いかもな・・・若い女子は逃げ出すかも・・・いや、女子は図太いからかえって若い男が・・・まあ、どうでも良いことでした。
    と、それ程に結構ナニな雰囲気なのでありますが、その理由の一端に、風呂場全体暗くて、思い雰囲気を感じさせるからであるのかと・・・。
    よっしゃぁ、と、意を決して湯に入ってみますと、何と言う事も無い硫黄臭の普通の風呂でありまして、泥が赤錆色である事の他は、普通であります・・・タオルに泥を付けると赤茶けた色がしみ込んでとれませんでした。
    ややぬるめのお湯は多分酸性で、塩化物と鉄分を含んでいると思われる味で、えぐ味強く、酸っぱい、しかも鉄分のざらつき感と、複雑な味のお湯で有りました・・・飲用不適なので飲み込みませんが。
    先ほどの奥山旅館のお湯の能書きによれば、総量は1350ミリグラムとなっていたのですが、こちらも負けていない、超濃い目のお湯であろうと思います。
    で、この後でラーメンとおにぎりのお昼を食べた隣の食堂でこの界隈の話を聞いたのですが、小椋旅館の鉄さび色のお湯は、前の栗駒の地震までは乳白色の泥湯であったのだそうです。
    栗駒の地震の後、だんだんと茶色が濃くなって、今ではすっかり鉄さび色の、金気の多いお湯になってしまったのだそうです。

    写真で見るよりも実物の方が赤く見えます・・・タコ坊主がでます

     と、言う事で、実は、ここのお湯の成分表示は多分今の状態のものでは無いのではなかろうか・・・良く読めないのです、古っぽくて。
    おおっと、小椋旅館には特筆すべきものが有りましたですよ・・・打たせ湯であります。
    結構な湯量を中々の高さから落としての打たせ湯は、名ばかりの屁タレの打たせ湯が多い中で、本格派でありました。
    でも、もしも泥湯方面にお立ち寄りの際には、是非、恐いもの見たさ・・・いいえ、金気の多い鉄さび色の珍しい風呂に入る事をお薦め致します。
    いや、冗談抜きで個性的で、温泉好きと言うのであれば絶対に外せない、珍湯的名湯だと・・・まあ、そう言う事ですね。

    泥湯温泉 小椋旅館・・・うんちく

     源泉   鉄錆色 硫黄臭 ざらざらで酸っぱい 
     泉質   たぶん硫黄泉
     成分   多すぎて分かりません
     効能   疲労回復・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  300円 駐車場あり  ・シャンプー・石けん あり 手ぶら可 


     この話 完。


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


    行った温泉について 質問を承っております


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