ちょこっと行って来る温泉


    神ヶ根温泉・神の湯  



       本日は二口山塊の一番はずれ、川崎町のオボコンベ山へ登った帰りに「神ヶ根温泉・神の湯 」に立ち寄ってみました。
    神ヶ根温泉は歴史ある、古くからの湯治場で、今現在も湯治場として営業しており、旅館の建物の中を風呂まで歩く間に、湯治客の自炊用台所がありました。
    私がガイドブックで見る神ヶ根温泉の写真は古い民家のような建物なのですが、それとは別に新しい旅館の建物が建っておりました。
    神ヶ根温泉の外観、入り口

    秋保街道から看板従って入って行くと、ちょっとした渓谷美を眺めつつ・・・らいらい峡と言うのだと思いますが・・・橋を渡ってすぐ神ヶ根温泉であります。
    狭い道を入って行きますと最初に、古くて由緒有りそうな民家が目に入ります。
    秋保石を土台に、杉の板塀が張り巡らされた屋敷は、なんだか文豪か憂国の政治家などでも住んでいたのか、と思わせる風情で有りました。
    が、しかし、今は無人のようで、初冬の西日を受け哀愁を漂わせておりました・・・まっ、ただの民家だとは思いますけど・・・。
    その先が神ヶ根温泉の駐車場でありまして、車を停めると眼前に見事な日本庭園風の池が見られます。
    錦鯉がいないのが上品で宜しい、と、思ったのでありますが、ひょっとして食用の鯉の生け簀を兼ねているのかも、です。
    で、駐車場に車と止めて車外に出ますと、ちょっと離れた所の納屋の軒先に繋がれている真っ黒のゴールデンレトリバーがウォンウォンと吠えます。
    するとそれが来客の合図なのでしょう、婆様が古い方の家から現れまして、入浴料の木戸銭を徴収して行かれます。

    とても立派な建物の玄関から一番奥の風呂まで、結構な廊下を行きますと風呂場であります。
    で、この浴室には、何所の風呂にも絶対に有るべきものが無いのでありまして、私はちょっと躊躇ってしまったのであります。
    それは、男湯、女湯を区別している暖簾が無いのであります。
    もっとも、風呂場の扉は一つしか無く、状況から察するに、たぶん風呂は一つ・・・ええっ?混浴?まさかぁ・・・狭いもんなぁ、と。
    脱衣場を見ますと先客の衣類が有りまして、紛れも無く男物でありますから、ああ、ここは男湯なんだな、と一安心・・・ガッカリか?
    それにしても女湯は何処に、普通は並んで在ると思うし、ましてや規模が小さいので、私にはちょっと解明出来ない謎として残ってしまいました。

    神ヶ根温泉の能書きです・・・読めたら総量を見て下さい。

     さて、待望の風呂であります・・・先客は私が入るのと同時に上がりまして、独占独り占めであります。
    大きなサッシ窓に囲まれた浴室は明るく、昔風のタイルの湯船は、昭和の良き時代を彷彿とさせる田舎臭いモノでありました・・・褒めてるんですよ。
    下湯を使い、山登りの汗を流して湯に浸りますと、程良い湯温がじわーっと足先から沁みて参りまして、微かに肌に滑りなど覚え、弱アルカリ性の単純泉であるな、と感じるのでありました。
    無味無臭、無色透明、炭酸などの気泡も湯の華らしき物も無く、良く言えば清冽、悪く言えばただの湧き水とでも申しましょうか、個性的では有りません。
    後で読んだ能書きによれば、弱アルカリの単純泉で、温度は28度との事で、昔の基準では鉱泉だったと思われる源泉であります。
    従って、効能も、一般的な単純泉のものでありまして、疲労回復と神経痛などであります・・・個人的には傷などに効く硫黄泉が好きなんですが。

    神ヶ根温泉の風呂場、湯船であります

    誰も居ないので記念写真を撮ろうとしていた所に新手のおっさんが一人入って来まして、湯船の写真を撮った所でアウトでありました。
    で、件のおっさんは、百均で買った小型バスケットに自前のお風呂セット一式を持参するあたりが、徒者ではない、と思わせる訳であります。
    そして、手早く、しかし、しっかりと手順道理に風呂へ入る作法を踏みまして湯船に沈んだ訳であります。
    この時も、おっさんらしく、由緒正しい意味不明のうなり声を静かに吐きつつ湯に浸ったのでありました。
    むむっ、やるなぁ、と、温泉ハンターらしき臭いをおっさんに感じつつも、私は、いつものタコボーズスタイルでタオルを額に巻き、静かに沈んでいたのでありました。
    さて、狭い風呂におっさん2人でありますから、自然に話が始まり、やはり温泉おやじである事が判明し、それぞれに知っている温泉の話をする訳でありました。
    しかし、このおっさんは相当の手練でして、私が知っている程度の温泉は総て網羅している訳であります。
    そんな訳で私はおっさんの温泉ガイドを一方的に聴くばかりで、なかなか上がるタイミングを見出せずに、ほとんどユデダコ状態でありました。
    まずまず、教えてもらった情報にはキラッと光る話も有りまして、有意義だったのですが、なにぶん話が終わらなくて・・・。
    そんな時にやっと新手が現れまして、上手い事にこちらもお風呂セット持参の「通の人」で有りましたので、私は、それを機に退散させていただきました。

     神ヶ根温泉は看板に湯治場と謳ってあるように、素朴な温泉宿であります。
    ナニがどうと言う事は無いし、お湯も、正直に言って特筆すべき物は無いのでありますが、なんだかとても和む、良い風呂でありました。
    また一つ、お薦めできるお湯の手持ちが増えたと言う事で、嬉し、楽しいひとときで有りました。


       神ヶ根温泉・神の湯・・・うんちく

     源泉   28度  加水 加温 循環
     泉質   単純泉  弱アルカリ性 無色 透明 薬味 無臭
     成分   ナトリウムなど・・・薄い
     効能   神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用   不可
     入湯料   入浴料 500円 駐車場あり  石けん  手ぶら? 


     この話 完。


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


    行った温泉について 質問を承っております


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