ちょこっと行って来る温泉


    No.25-1     南川温泉・HANA  



       船形山に登りに行って来ました。
    船形山に登った登山者は、帰りに台が森温泉に立ち寄ると言うのが定番であるようです。
    しかし、私としては、なんとなく今イチ馴染めない温泉であった台が森を避けて、別口を探そうと・・・。
    いや、南川温泉は知っていたんでありますが、昔は鄙びた日帰り温泉など見向きもしなかったので忘れ去っていた訳です。
    で、船形山への近道として南川ダムの道を通った際に、日帰り温泉の赤いのぼり旗を発見して、おお、そう言えば、と思い出した次第で有ります。
    場所は、それこそ南川ダムの畔でありまして、行けば分かる所にあります。
    この温泉は、20年程前に南川ダムの建設に伴って掘削をした際に、当時の基準では鉱泉が湧き出して、それを利用して沸かし湯の温泉を始めたのが切っ掛けだそうであります。
    たぶん、ダム建設の工事関係者向けの宿泊施設が建てられていたので、それに付随して温泉も作られたと思うのであります、が・・・これは想像です。
    で、数年前に経営者の婆様が亡くなってからは温泉も宿も閉めていたのですが、今年の春に経営者が代わり、温泉宿を再開したのだそうであります。
    と、若い、多分おかみさんと思われる女性が話してくれました・・・で、たった500円の日帰り入浴に、2009年のカレンダーなんか配ったりして、とても気持ちよく、私としては、この界隈の一押し温泉に推薦したいと思う次第であります・・・いや、カレンダー貰ったからでは無いってば。
    南川温泉 HANA

    一押しと言うからには、やはりそれなりの理由が必要な訳でありますが、すばり、泉質の良さであります。
    源泉温度は26.6度の低温泉なので加熱しており、しかも循環で掛け流しではないのでありますが、湯は清潔です。
    そして、旧泉質の分類ならば、純食塩泉になるお湯は、弱アルカリと濃い濃度の塩分で、とろり、まったりとした癒し系のお湯になっているのであります。
    温泉の泉質を語る時には、お湯に含まれる成分の総量を見るのも大切な訳でありまして、多ければ多い程濃いお湯、と言う事も出来る訳であります。
    ただし、溶け込んでいる成分がガス性の物であれば揮発してしまい内容物としては薄いとなってしまうのでありますが、南川温泉は、ナトリウムがたっぷりであります。
    ナトリウムとカルシウムで3194mgと言うのは、なかなか濃い訳でありまして、特筆すべき効能に「虚弱体質」と言うのが有る訳です・・・何で温泉がそのような物に効くのか、とても不思議な気もしますが・・・。
     さて、玄関を入りますと、ツキノワグマの剥製がいらっしゃぁーい、と出迎えてくれるのに少し驚きつつ風呂場へ行きます。
    風呂は、多分私の想像する、ダムの工事現場用宿泊施設の風呂場として作られたと言うのが正解だと思う作りで、けっして温泉の営業用に作られた雰囲気では有りません。
    取りあえず掛け流しをしていた名残と見て取れる、湯口はあるものの、今は湯は流れておりません。
    湯船は3〜4人でいっぱいですし、洗い場も3人が良い所、と言う広さしか有りませんので、環境的にはちょっとなぁ、であります。
    しかし、まあ、たぶんそれ程混む事は無いと思いますので、行けばゆっくり入れるであろうと思います・・・勝手な想像ですけど。
    熱かったら水出して下さいと言われたお湯は、確かに熱かったんでありますが、それが好きなのですから、ううっーっと唸りながら沈む訳です。
    すると、見た目の透明感とは裏腹に、湯は少し重めでありまして、トロリとしております。
    なんぼか炭酸も含んでいるようで、僅かでは有りますが、身体に気泡も付きました。
    で、温泉と言うのは、石けんは泡が立たないと思っていたのでありますが、全部がそんな訳でも無く、アルカリ系の温泉は泡は立つようであります。
    なので、こちらの温泉も、湯船から直に手桶で汲んだお湯で洗髪などしましたが、とても良く泡立ち、仕上がりしっとり、でありました。
    しかし、ナニでありますね、温まって冷え難いと言ったら、塩化物泉が一番だと私は思うんでありますが、山で疲れた筋肉にはとても良いようでありました。
    カレンダー貰ったから言う訳では有りませんが、泉質は、この界隈では一番だと、推薦させて頂きます。
    半端な知識で言うのもナニですが、これだけ塩分を感じるお湯で低張性なんでしょうか?高張性と謳う女川の湯ぽっぽに匹敵すると思うのでありますが・・・。

    南川温泉 HANAの湯船

    南川温泉・HANA・・・うんちく

     源泉   26度  無色透明 超塩味 無臭・・・
     泉質   低張性弱アルカリ性低温泉  ナトリウム・塩化物泉  PH8 弱アルカリ性。
     効能   慢性消化器病・リュウマチ・神経痛・切り傷・慢性皮膚病・疣痔・・・など。
     飲用   不可。
     入湯料  500円  駐車場あり  手ぶら可


    No.25-2    滝ノ原温泉・ちどり荘 



     さて、南川温泉で山の汗を流し、筋肉の疲れをお湯に溶かしてもらって、さあ帰ろうとした時に、玄関口に置いてあった、南川ダム周辺の観光案内パンフレットが目に入りました。
    何気なく手にとり眺めてみますと、なんとぉー・・・すぐ近くにもう一軒日帰り温泉が有るではないですかぁ、と。
    これは行かねばダメだべねぇ、と言う事でパンフレットに載っている地図を頼りに、滝ノ原温泉へと向かった訳であります。
    HANAが上流に向かって右岸だとすると、滝ノ原温泉は左岸に当たりまして、南川ダムの管理事務所などが有る、賑やかな方の道路を山側に登って行くのであります。
    で、10分程も行きますと、舗装道路が突然、まさかと思う程の山道になりますが、そこに滝ノ原温泉ちどり荘はあります。
    看板には割烹温泉旅館と記されておりまして、おお、なんだか格式高そうな宿では有るまいか・・・日帰り入浴なんて気軽な雰囲気ではないな、と、そんな感じであります。
    元来気の小さい私は、とりあえず、温泉セットの小を手に(セット小はバスタオルと手ぬぐいのみ・セット大はシャンプー石けん込み)玄関へと向かったのであります。

    滝ノ原温泉ちどり荘 表から

     さて、玄関から入りまして、頼もぉー・・・と一声掛けると、奥からおかみさんらしき人が現れまして、けっして無愛想では有りませんが、どちらかと言えば無表情に500円の木戸銭を受け取り、さっさと奥に消えて行きました。
    うん、割烹旅館と言うくらいだから、泊まりで宴会やら会食なんぞしながら温泉に入る人が多いんだベネぇ・・・と、なれば食材は山の幸と、魚はイワナとか、か?
    まっ、500円しか払えない私には無縁な世界だな、などと思いつつ、けっこう長い廊下を風呂場へと向かうのでありました。
    脱衣場の扉を開けますと、先客の爺様が二名程、たった今上がって服を着る所でありました・・・誠にラッキーだぜ、と。
    おっと、風呂場はまずまず、建物に比例する程度の広さは有るな、でありますが、それでも、湯船が定員5名、洗い場の水道は3カ所でありました。
    で、さらりと下湯を使いまして、ザブリと湯船に沈みますと・・・うーん、つるりとする感触は、アルカリ泉であるな、で、無臭で透明と。
    この手の温泉で一見掛け流しに見える湯口のそれは、まず循環と見て間違い有りませんで、もしも掛け流しの場合は、絶対に、源泉掛け流しと謳っているもんであります。
    なので、これらの掛け流しの湯を味見するのは、衛生的に如何なものかと思う訳でありますが、まあ、ちょっとくらい舐めた所でどうなる物でもないだろうと・・・。
    で、舐めてみた訳でありますが、その味は・・・無味、で有りました。
    無味無臭・無色透明で、ややトロリめのアルカリ性単純泉、と私は見たのでありますが・・・私は最近、入浴前に能書きを見ない事にしております。
    40度前後の適温と言える湯にずーっと浸っておりますと、手足の毛に僅かな気泡が付く訳であります。
    ほほぅ、これは、炭酸泉であるのかな、と、見て取れる訳でありまして、へぇー、随分軽そうなお湯だけれども、まあ、何かは入っているんだベネ、と。
    山からの帰りで、2発目の温泉と言う事で体力の余裕もあまりない訳でして、適当に観察が終わった所で上がって能書きを見てみました。
    いやぁ、驚きです・・・これは井戸水になり損ねた鉱泉ではないのか、と言う位に、成分の薄い水なのであります。
    お湯の中の成分の総量は160mg程度でありまして、まず、きわどい所で新分類の温泉になっている訳であります。
    で、成分表を見る限りでは、炭酸ガスはほとんど含んでいない訳でして、私の身体の毛に付いた気泡は・・・屁は放っていないんでありますが。
    こちらの温泉の分析表は平成17年の物でありまして、禁忌症の表示は有るのですが、効能は無いのであります。
    最近の成分表には効能は書かない事になったのでありましょうか?

    滝ノ原温泉ちどり荘の風呂です

     そんな訳で、滝ノ原温泉ちどり荘のお湯は、取り立てナニ、と言う所が無い、普通のお風呂でありますが、強いて言えばアルカリ性のつるり感が好ましいと言えます。
    風呂は広々感が有りますし、浴室からの眺めもまずまず、低山の雑木林など眺めながらのんびり出来そうでありますので、秋の紅葉シーズンには良いかもしれません。


       滝ノ原温泉ちどり荘・・・うんちく

     源泉   21.7度  無色透明 無味無臭・・・
     泉質   低張性弱アルカリ性冷鉱泉  PH8.5 アルカリ性。
     効能   書いていないのでわかりません
     飲用   不可。
     入湯料  500円  駐車場あり  手ぶら可


     この話 完。


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


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