ちょこっと行って来る温泉


     新潟県の温泉 いろいろ 長いので要注意 



       本当の目的は新潟県は南魚沼へスキーをしに行くのでありますが、行く道すがら、また帰り道には温泉が有る訳でして、 そこも少しは味わって、と言う事で立ち寄った温泉の話を少しばかり・・・。

     3月3日・・・朝から絶好の晴天を迎え、幸先の良いスタートかと思ったんでありますが、恵まれた天気は束の間でありまして、この後は粗方雨の毎日となるのであります。
    しかし、東北道では蔵王の勇姿を間近に眺め、磐越道では磐梯山と飯豊連峰に見とれ、明日から天気は大崩れなんて事は知らずに快調に走って行った訳でありました。

     さて、本来であれば高速は会津坂下で降りて、只見から入広瀬経由で南魚沼市に行くんでありますが、田子倉ダム周辺は冬の通行止めでありまして、通れないのであります。
    そんな訳で、んじゃぁ次善の策は、と、物色したのが、国道290号線をひたすら走って行く道を決めた訳であります。
    いや、しかし、この路線とても豪雪で有名な旧入広瀬村を通るので、積雪量によっては除雪が間に合わずに通行止めとか、凍結による、峠の夜間通行止めはしばしば、と言う事で際どいのであります。
    まあ、それでも今年は雪が少ないので大丈夫であろうと、高を括って行ってみた訳であります。
    磐越道を安田インターで降りて、カーナビの教えに従って行ったんでありますが、これがいつも通りのマニアックな小道を選んで、小刻みに県道を繋ぎ合わせて行くのでありました。
    まあ、方角としては概ね良かろうと言う方向に向かっているので、本来予定していた国道290号線に出ずにナビの指示に従ったのでありますが、いや、裏道マニアには涎物の進路で有りました。
    困ったのは、食堂とかコンビニなんて有るはず無いと言うあきらめムードの道ばかりを選ぶ訳でして、腹が減っても何も喰えなかった事でありました。

    No.32-1 松村 さくらんど温泉  



     しかし、こんな道を走ってこそ、至極の秘湯や名湯にブチ当たるんでありましょうぞ、と言う思い込みで走っておりますと・・・看板が有りました。
    田んぼ道で「松村 さくらんど 温泉」の看板を発見しまして、私の感が、これは上物であるぞ、と訴える訳であります。

    松村 さくらんど温泉・・・外観はまさにスーパー銭湯でした。

     走っている道は、そこはかと無い郷愁を誘う田舎道、辺りには雪を頂いた中越の山々、と来れば、温泉は間違いなく鄙びた秘湯なはずと思うのは必定であります。
    がぁ、しかし、いやはや、来ちまったものは仕方が無い、でありますが、建物は見事にどこにでもある健康ランドのそれでありました。
    しかし、なんで田舎のこのような建物は判で押したような中途半端につまらないデザインなんでありましょうか?
    まあ、ちょっと休憩するのも良かろう・・・しかし、料金によるよな、と言う事で、取りあえず覗いてみる事に・・・。
    すると、微妙に絶妙とも言える、料金は700円と言う事で、まあ、来ちまった以上は入って行くか、と言う事で入浴であります。

     こちらは新しい施設のようで、食堂やらリラクゼーションコーナーやら、大広間の休憩室やらと、今時のこのような施設が整えるであろう要素は総て押さえてありました。
    で、木戸銭を払うと、下足の鍵を人質に獲られ、何が有っても逃げられないようにしてから風呂に入れてもらえる訳であります・・・最近これが多いですね。
    そして、風呂場の入り口にも小型のロッカーが有って、貴重品はこちらへ入れろと誘う訳です。
    が、しかし、んじゃぁ脱衣場は竹籠で古典的かと言うと、とても立派で大きめの鍵付きロッカーな訳でありまして、この村にはそんなにこそ泥が多いのか?と逆に疑っちまう訳であります。

     さて、風呂でありますが、洗い場は広く、シャンプー・石けん常備・・・700円ですからね、当たり前とも言えますが・・・。
    しかし、隣との距離感が微妙で、遠慮の無い爺様がバシャバシャとシャワーなどを使うと、洗い終わった脇の人はまた泡だらけになるかも知れないと言う感じの、ちょっとした配慮の欠如がが惜しかったなぁ・・・と、残念感が漂う訳であります。
    で、風呂の湯は、珍しくも無い塩化物系鉱泉の類いのものであり、沸かし湯の循環で期待した程のものではなかったな、と思った次第であります。
    露天風呂も、まあ、これは正しく露天であるな・・・風通しが良いな・・・爽やかでありまするな、と言う程度のものでありまして、先を急ごうか、と思わせるのであります。
    んじゃぁ上がろうか、と、被り湯などしているその時に「源泉」と言うキラリと輝く二文字が私の目に入った訳であります。
    大浴槽の脇に「源泉100パーセント」と書かれた、小さな浴槽がありまして、薄茶色の汚いお湯を讃えていた訳であります。
    むむむぅっ・・・と、言う事で早速浸かってみますと、なんだか塩っ気は感じるものの、ポヨヨーンと言いますか、ノホホーンと言いますか、気持ちの良いお湯を感じる訳であります。
    そして、これがまた泪の出る程絶妙な「37度」でありまして、ほとんど人肌なわけで、いわゆる「未温」とか「無温」と呼ばれる類いのものであった訳です。
    で、後で能書きを見て?と思ったんでありますが「等張性温泉」と書かれているではありませんか。
    私は今まで、低張性と高張性は見ておりますが、たぶん、等張性温泉は初めてであろうと思う訳で、なんだか良く分かりませんが、やっぱり秘湯であったな、と。
    と、言う事で調べてみましたら・・・生理食塩水や目薬の浸透圧も8.8g/kg(0.9%)・・・と言う事で、とても身体に優しく、負担が少ない貴重なお湯なんでありました。
    いやぁー・・・20分も遠回りした甲斐がありました・・・でも、こんなに塩っぱくて、浸透圧8.8ですかねぇ?私ってば、疑り深いんです。
    でね、成分表を見ると、ガスと遊離物の含有総量が8700程もある訳で、ナトリウムイオンと塩素イオンはかなり多い訳であります。
    これでホントーに、等張性とやらは保たれているんでしょうか?海の水は塩分濃度で高張性な訳でありますが・・・知識、間違ってますかね?

    さくらんど温泉・・・うんちく

     源泉   37.0度(微アルカリ性) ・笹濁り・塩味・無臭
     泉質   ナトリウム・塩化物泉 (等張性温泉)
     成分   ナトリウム・カルシウム・硫酸イオン・
     効能   神経痛・リュウマチ・疲労回復・慢性皮膚病・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  700円 駐車場あり  シャンプー・石けん・貸しタオル付き 手ぶら可 


    No.32-2  湯之谷温泉郷 ゆーパーク薬師  



     さて、この後は、やはり看板に釣られて「加茂 美人の湯」へ廻ってみたのでありますが、これが見事な温泉センターでありまして、しかも、料金は700円となっている訳であります。
    うーん・・・駐車場の込み具合からして、なんとなくこれは・・・と、言う事でパスであります。
    そして、国道290号を走りながら見つけた看板に釣られて行ってみようとしたのが、山間の「いい湯らてい」でありました。
    しかし、ふと、ナビに目的地までの残りの距離を計算させようとインプットしてみると、28キロと言うではありませんか。
    ええっ・・・そんなに遠いの?いや、それはちょっと無理だわね、と言う事で、既に10キロ以上も遠回りをしたと言うのに諦めであります。
    なんだかなぁ・・・行き当たりばったりは効率が悪いなぁ、と。
    そんな訳で、2時までに魚沼に来いと言われているので取りあえず先を急いだ訳であります。

     二時一寸過ぎに友人宅に到着すると、昼飯がまだなので飯を食いながらボチボチ温泉でも行くかぁ?、と言う事で、カーナビに適当に案内させたら辿り着いたのが、湯之谷温泉郷でありました。
    しかし、行って見ると一帯に5軒もの日帰り可能入浴施設が有ると言う事でありましたが、私以外の輩は、お湯なんて何でも一緒、一番手前で良い、と言う事で「ゆーパーク薬師」に潜り込みでありました。
    この温泉のロケーションがまた素晴らしくて、スキー場のゲレンデの真ん前なので有ります。
    いや、駐車場やら休憩やら、食事もスペース兼用でありますから、どちらかと言えば、スキー場がメインでの温泉併設と言う事なのかもしれません。
    さて、温泉でありますが・・・新潟県と言うのは、田中角栄先生が栄華を極めてからは、古いものはダメで、何でもコンクリートにしてしまえ、と言う文化が誕生したのかと思う程に画一的だと思う訳であります。
    立派な施設と言う場合は、ナンであれ、鉄筋コンクリートで在らねばならぬ・・・昔風の木造なんて、恥ずかしくて、貧乏臭くてしょうがねぇや、と言う風土が根付いているのか、と。
    そんな訳で、ゆーパーク薬師も、今時風な、何の変哲も無い温泉センターなのであります。
    特筆できるとすれば、浴槽の窓から一望できるゲレンデの雪景色と、ナンダコリャぁ、と言う程に充実したマンガ本の蔵書で有りましょうか。
    取りあえず、一応はお湯についての感想を述べますと、見事に成分の少ない単純泉でありまして、飲料水としての適用が受けられるのでは無いか、と思う程なのであります。
    成分総量は329.9と言う事で極めて薄いのでありますが、しかし、硫酸イオンの101ミリグラムが有るために、特別効能に「切り傷・慢性皮膚病」などが含まれるようであります。

    ゆーパーク薬師 外観

    ゆーパーク薬師・・・うんちく

     源泉   37.4.0度(中性) ・無色・塩味・無臭
     泉質   単純泉
     成分   ナトリウム・カルシウム・硫酸イオン・
     効能   神経痛・リュウマチ・疲労回復・慢性皮膚病・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  600円 駐車場あり  シャンプー・石けん・ 手ぶら可 


    No.32-3 越後奥只見郷 神湯温泉クラブ  



     昨晩は南魚沼市の古い祭りを見に行って、雨に打たれて濡れまくったまま酒など呑んでいたものでありますから、体調は最悪になっちまった訳であります。
    古式ゆかしく、由緒正しい祭りなんだそうですけれども、まあ、裸祭りの類いでありまして、珍しいと言えばそうでもありますが、何所にでもあるな、と言えば、そうとも言える訳であります。
    そんな訳で、祭りで一番驚いたのは、小さな街の祭りにしては、屋台の数が尋常では無い事でありました。
    あの、お祭りに付き物の物売りの屋台が、狭い路地に延々と続くんであります・・・総延長500メートル以上は有りましょうか?と言う感じで延々と続く訳であります。
    そして、そこで目を見張ったのが、たこ焼きなんでありますが、たこ焼きの中に小型のたこの足一本が入っているのであります。
    で、買いたいと思ったんでありますが、あまりの行列に諦めました・・・それ程ここだけが際立っていたのであります。

     そんな訳で、結局風邪でも引いたのか、二日酔いなのかは分りませんが、なんであれ、スキーに行きたいとは思えない訳であります。
    しかも、外は昨夜から引き続きの雨降りでありまして・・・頼むから皆の者寝ていてくれぇ・・・と、言う意見は一同一致だったようで全員昼過ぎまで潰れていたのでありました。
    しかし、いい加減腹なども減って来る訳でありまして、んじゃぁ、飯でも喰いながら温泉でもに行くか?と言う事で、本日もナビ任せで適当に出掛けた訳であります。
    で、昼飯でありますが、魚沼さんのコシヒカリの米粉で作ったラーメンと言うのを発見しまして食してみた訳であります。
    へぇー・・・これが米粉ですかぁ?と、言う程に腰も粘りもちゃんとしておりまして、しっかりと美味しいラーメンなんであります。
    これは、もう一方のヒット作「こしひかりアイス」と双璧を成す米粉の名産品であろうと私は思うのでありますが・・・まあ、好きずきです。

     さて、コシヒカリのラーメンは絶品な訳でありますが、肝心の神湯温泉はと申しますと・・・まあ、本当に新潟県は画一的なコンクリート物が好きなんだわねぇ、と言う事に尽きる訳です。
    これこそは、見事な温泉センターでありまして・・・いゃ、金が掛かっているなぁ、ナルボとね、狙いは日帰り客では無くて、宿泊客なんですね・・・いゃ、それだと逆に中途半端に小さく無いかい?と、言う事で、まあ、立派なんだか、どうだか、良く分からない施設であります。
    宿泊施設が併設されているんでありますが、食堂は時間にならないと料理が出せないとかで、向かい酒を一発仕込みたいと思っても暫く待たねばならないと言う事で、湯上がりの疲れも手伝って、しばらく食堂で寝込んじまいました。

     ああ、お湯の感想ですけれども・・・これがまた、物の見事に何の変哲も無い単純泉でありまして、特別効能も禁忌も無い訳であります。
    で、湯船や浴室は金が掛かっているし、清潔感などは申し分無いのでありますが、越後奥只見温泉郷と謳っている雰囲気はどこにも無い訳であります。
    山間の温泉ですよー・・・和んで下さいましねぇ・・・奥只見ですからぁ、と、言うのはどこにも無くて、今時のスーパー銭湯そのまんまでありました。
    まあ、しかし、この場所の周りは山間でありますから、地元民にしてみれば山の風情なんて物は要らない訳で、都会的な臭いの方が欲しいのかもしれません。
    と、言う事で、地元の皆様のご要望が、立派なコンクリートの街場にありがちなスーパー銭湯風と言う事なのかもしれませんですが・・・。
    でもアレです・・・私の書き方って、棘が有るのは十分承知なんでありますが、でもなぁ・・・やっぱりなぁ、と、思うのであります。

    No.32-番外 寺泊 きんぱち本店  



     はい、ここは温泉では在りませんで、ここに書くのはナニだとは思うんでありますが・・・でも、特筆すべき事が無きにしも在らずなんで、許して下さい。
    と、言う事で、泉質などは何も無い訳であります。
    まあ、寺泊水族館の向こうにある、きんぱちの湯は海洋深層水の海水温泉とか言って地元では有名なんでありますが、本店の方はお風呂はただの沸かし湯であります。
    んじゃぁ、ナニが良いのかと言うと、眺めが良いのでありまして、間違いなく絶景の部類だと私は思うのであります。
    まず、能登半島が見えます・・・ええと、それから、海が見えます・・・まっ、そんなもんですが、夕日が見事です。
    きんぱち本店はズワイガニを食う為に訪れたり宿泊したりする訳でして、本命はカニな訳です。

     そんな訳で山の中の南魚沼から、海沿いの寺泊までやって来たんでありますが、その前に八海山スキー場で滑って来た訳であります。
    昨日までの雨がすっかり上がりまして絶好の天気になった所で、二日酔いも完治し、いよいよ本命のスキーでありました。
    今回同行している友人は、子供の頃アルバイトで八海山への荷揚げをしていたと言うので、相当に詳しいのかと思ったら、スキーをしに行くのは初めてだと。
    へぇー・・・なんで?と尋ねると、なんでも、家の近所には八海山麓スキー場があり、歩いて行けるのはそこだけだったのだとか。
    まあ、歩いてスキーに行くと言うのがなんとも凄いんでありますが、それだけ山の中なんだと言う事ですね。
    しかし、八海山スキー場は平均斜度で言ったら日本でもトップクラスと言われるだけありまして、凄かったです。
    気温が上がったので雪質も悪かったんでありますが、メインのコースを上から下まで真っ直ぐ滑り降りられる腕前と言ったら、一級なんてのでも危ないです。
    ロープウエーで山頂まで一気に登るとそこからの越後の山々の眺めは素晴らしく、夏は登山客でにぎわうそうであります。

     と、言う事で、ズワイガニの喰い放題にチャレンジしたのでありますが、はっきり言ってそんなに喰えるもんでは有りませんで、きんぱちの作戦勝ちでありました。

    No.32-4 五頭温泉郷 共同浴場薬師の湯  



     さて、昨晩はカニの食い放題で討ち死にした訳でありまして、なんだか腹が渋いんでありますが、本日は新潟・埼玉組と分かれて、仙台へ戻る訳であります。
    独りで飛んで帰っても仕方が無いので、滅多に廻る事も無さそうな道を選んで帰る事にした訳であります。
    そこで最初に目についたのが、ラジウム泉と言う珍しいお湯の在る、五頭温泉郷でありました。
    寺泊から長岡に出て高速に乗っちまえば速いんでありますが、ガソリンと高速代を節約する為に、敢えて下道を選んだのでありました。
    で、ナビを下道優先モードで設定すると、これがまた面白い程に狭い道を探して繋いで行く訳であります。
    しかも、ソースが3〜4年前の物なので狭い道はバイパスなど随分出来ている訳であります。
    で、バイパスやら、急カーブの道を真っ直ぐにしたりすると、旧道が通行止めになっていたりする事もある訳です。
    そんな訳で、ナビが真っ直ぐ行けぇーと騒いでも、道は既に無かったりする事も多々ある訳でして、ナビと遊びながら行くと退屈しなくて良いのであります。
    結局何だかんだで2時間強も掛かって到着したと思ったら、電話番号検索で辿り着いたのが、温泉組合の事務所で、街の中の建物の前でありました。
    なんか変だよなぁ、と思って五頭温泉を別に検索すると、10キロも離れた山の中へ行けと言うではありませんか・・・まっ、急いでませんから。

     五頭温泉郷は村杉・出湯・華報寺の3つの源泉の地を指すようでありまして、それぞれ、特徴の在る温泉場を形成しているようであります。
    で、最初に行ったのは、村杉の共同浴場薬師の湯であります。

    薬師の湯外観

     村杉は旧村名なんでありましょうか、今は阿賀野市村杉となっておりますが、市とは言え、けっこうな寒村の雰囲気であります。
    狭い道を進んで行きますと、この手の共同浴場にしては親切に、かなり大きな無料駐車場を備えていて、そこが行き止まりでありました。
    しかし、30台は置けるであろう駐車場はほぼ満車で、下の路地も車が置けそうな場所は一杯でありました。
    へぇー、平日の昼日中にこれ程混む、そんなに有名な温泉なんですか、と驚きであります・・・混んでるの苦手だなぁ、と。
    運良く出て行った車の後に入れる事が出来、早速共同浴場へと行って見た次第であります。
    で、駐車場の上には薬師堂が祀られ、下には足湯と温泉水の汲み場がありまして、大勢の人が湯に足をつけ、ポリタンクに源泉を汲んでいる人が居るのであります。
    薬師の湯 足湯 源泉汲み場

     さて、木戸銭の200円を支払って入りますと、小さな建物に小さな風呂場なんでありますが、脱衣場と風呂場を合計して、15人は人が居る訳であります。
    へえー、と、驚きつつも鍵付きロッカーで脱衣して風呂場へ入りますと、これがちょっと独特な雰囲気でありまして、普通の共同浴場とは異質でありました。
    あっ、成る程、あれだ・・・玉川温泉や後生掛温泉などの湯治湯が持つ雰囲気と同じだ、と気が付いた訳であります。
    すると、湯船の中に沈んでいた男性に目が行ったんでありますが、彼の全身の筋骨は、間違いなくアスリートそれでありまして、怪我の療養なのかな、と思わせる訳であります。
    もっとも、小さな村落の共同浴場ですから、地元の方々の日々の風呂でもあり、洗い場は普通の入浴シーンが展開されている訳で、番台では石鹸やシャンプーも売っておりました。
    この温泉はラジウム温泉と言う事で、お湯の成分にナニが入っていると言う事よりも、放射線の影響で効能が有ると言うお湯のようであります。
    狭い湯船に7〜8人が膝を折って浸かっているんでありますが、皆さん、じーっとして動かず、何かを身体に感じているかのようであります。
    が、しかし、私の感覚としましては、お湯そのものはほとんど真水系の単純泉なんだろうな、と言う感じで、塩化物や増してや強酸性の湯に浸った時のような劇的な驚きは有りませんでした。
    脱衣場に掲載されている泉質の分析や効能は、大正3年の物が掲げられており、それに拠れば、不眠症からノイローゼにも効能が有るのだとか。

    さて、五頭温泉だけで五つの共同浴場が有るらしいので、ここでまったりとしている訳には行かないのであります。
    そんな訳で、直ぐ隣、目の前とも言える距離の村杉共同露天風呂へ移動する訳であります。

    露天風呂入り口・・・趣が有ると言うのかどうか、ビミョウです

     さて、露天風呂は効能その他はほとんど一緒でありまして、源泉一号から三号まで、僅かな成分の違いは認められますが、成分表からもほぼ一緒でありました。
    そして、実際に入った感触も露天と内風呂に違いは無く、強いて言えば、100円高く身体を洗えないので地元の入場者が少なく、ゆっくり温泉気分に浸れると言う事でしょうか。

    石造りの風呂と手入れのされた植木の調和は味が有ります。

     共同浴場には番台が有りますが、こちらは自動券売機で入浴券を買い求め、備え付けの箱に券を入れて入浴する事になっております。
    何人入ったのか勘定するのに券が必要と言うのであれば仕方が無いのですが、直接300円を箱に入れても良いと思うんでありますが、盗難などの面でダメなんでありましょうか?
    まあ、それは、この後の出湯に行った時に色々と判明するんでありますが・・・。

    村杉 薬師の湯・・・うんちく

     源泉   18.8〜38.6度(7.2〜8.6 ph) 無色・塩味・無臭
     泉質   単純放射能泉
     成分   ラジウム ?
     効能   神経痛・リュウマチ・疲労回復・ヒステリー・疣痔
     飲用   可
     入湯料  内風呂200円 露天300円 駐車場あり  シャンプー・石けん(販売有り) 手ぶら可 


     さて、次に廻ったのが、村杉の隣部落の出湯温泉であります。
    出湯の集落には大きな旅館なども無く、村杉よりいっそう寂れた村でありました。
    しかしこちらも温泉客の為に無料駐車場を設けており、その親切さには感心脱帽であります・・・まあ、無駄に場所は在る、とも言えますが。
    ナビがここいらだろうと言う所で、真新しい出湯共同浴場の看板を発見して、んじゃぁ、と言う事で行った見ました。

    出湯共同浴場 外観

    こちらは立て替えしたばかりの様で、新しい建物に浴槽も新しいようで、清潔そうでありました。
    しかし、湯船に入って地元の常連客の話しを聞いていると、本日は客が少なく湯が綺麗に澄んでいて気持ちが良いとか。
    へぇっ?と、言う事は、いつもはもっとごった返していると言う事なんですか?と、思わず聞いてみたくなる訳でありますが、止めました。
    しかし、この時点でも、さして広く無い施設内には、脱衣場に3名、浴室に5名も居る訳で、ここにこの人数なら一杯だろうに、と私は思うんでありますが・・・。
    さて、お湯でありますが・・・程良い温度の湯は、単純泉か?と、思うんでありますが、先ほどの話しを聞いているので、循環のお湯を舐めてみる気になれない訳であります。
    なので見た目と匂いで判断するのでありますが、身体に感じる湯の当りも、刺激や引っ掛かりもナニも無く、弱アルカリの単純泉で間違いない、と思うのであります。
    しかし、湯船の軽い濁りは湯の沸き口の透明感とは違っており、源泉は無色透明と書かれておりますので、やっぱり、なんぼか濁っているものと思われる訳であります。
    そして、うーんと頭をひねるのが・・・ここはラドンではない訳で、何で皆さん大五郎の空きボトルにお湯を詰めて行くんでありましょうか、謎です。
    新潟の山間部と言えば、どこにだってミネラル豊富な山水が有るだろうに、と思うのは間違いなんでしょうか?
    そんな訳で、身体や頭を洗うでも無い私は、じっくり湯に浸かっても10分あれば足りてしまう訳です。
    で、地元の人の「こいつ、何しに来やがった?」の光線を浴びながら身支度をして、番台のおばちゃんに、次なるターゲットの露天風呂の在処を尋ねたのであります。
    すると、檜で作った木造の珍しい露天風呂は3年も前に廃止になったらしく、その理由は、誰も規定の料金を払わないので、赤字になって止めたのだとか。
    なるほどねぇ・・・村杉の露天風呂の厳重な入浴の仕組みは、こう言う経緯から生まれたものなんですかぁ、と、納得であります。
    まあ、地域住民の風呂として存続して行くのが目的ならそれで良いと思うんでありますが、観光や村の名物として温泉の地位を確立し守って行こうと思ったら、この共同浴場では難しいのではないだろうか、なんて言う余計な事は思っても言わない訳であります。
    どうなんでしょうかねぇ?大きな有名な温泉場からは共同浴場は消えて行き、名前も忘れ去られるような所に残っている共同浴場はそれ自体が維持継続が難しいようで、温泉なんて、タダで湧いて出るもんだと思ったら大間違いのようで、難しい物のようであります。

       出湯温泉 共同浴場・・・うんちく

     源泉   28度(弱アルカリ性)無色・無味・無臭
     泉質   アルカリ単純泉
     成分   ナトリウム・カルシウム・ 炭酸水素イオン
     効能   神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用   不可
     入湯料  250円 駐車場あり  シャンプー・石けん(販売) 手ぶら可 

     さて、この後華法寺共同浴場へ廻るべく走ったのでありますが、脇道を入って暫く行くようで、んじゃぁ五頭温泉はもういいや、と言う事で、次なる胎内温泉を目差した訳であります。
    まあ、結果を先に申しますれば、予定していた国民宿舎胎内パークホテルは、閉鎖して営業していなかった訳であります。
    直ぐ隣に、似たような名前の胎内ロイヤルパークホテルと言うのがあって、こちらも500円で入れるようなんでありますが、なんだか気勢をそがれてしまいまして、近くに在った蕎麦屋で天笊を喰って退散した次第であります。
    で、ザルそばを食いながら店の人に景気の様子何ぞを尋ねますと、スキー客と夏場のキャンプを当て込んでいたのがダメになったとの事でありまして、風前の灯だとか。
    と、言う事で、んじゃぁ次は、関川村の上関共同浴場へと向かった訳であります。
    ここは山形の赤湯に抜ける国道113号沿いなので帰り道なので都合が良いのであります。
    そんな訳でナビにセットすると、案内を開始します、と言うので任せて行ってみました。
    で、結論から先に言うと、ナビが連れて行ってくれた所は空き地で、建物さえ無い訳であります。
    へぇー・・・共同浴場は廃止したんだ、と。
    直ぐ手前に、真新しい温泉施設で「ゆーむ」と言うのが出来ておりまして、そちらに集約されたんだろう、なんて勝手に想像してみました。
    で、ゆーむ、なんでありますが、行きがけの駄賃に入ってやるか、と行ったんでありますが、道の駅と併設な為か、駐車場が混雑しておりまして、なんだか面倒になって止めてしまいました。

     と、言う事で、今回は予定した所の閉鎖が多く、一寸アレでしたが、それも時代の波と言う事で・・・お粗末さんでした、と。


     


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


    行った温泉について 質問を承っております


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