ちょこっと行って来る温泉


     山形県・西川町・大井沢温泉 



         朝日鉱泉や古寺鉱泉側の登山口から朝日連峰に登りますと、行き帰りに嫌でも目に入る所に「大井沢温泉」はある訳です。
    いや、そんなに立派な目を引く施設なのかと言うと、そう言う訳でもないのですが、何分にも、辺りには他に人気を感じる施設が無いので、なんだか分りませんが、えらく存在感の高い施設に見える訳であります。
    そんな訳で、私も、大朝日岳の登山の帰りに立ち寄らせて頂きました。

    温泉施設の建物の向かえ側は、山菜などのお土産売り場です。

      さて、この施設の駐車場は観光バスが連なって来られてもびくともしない程広いんでありますが、んじゃぁ、そんだけの人数が風呂に押し掛けたらドーなるのよ、と言うような事は、建物の大きさを見たら分るでしょう、と言う事な訳であります。
    で、いかにも田舎の温泉風の何所にでも在りそうな、雰囲気の良い建物に入りますと、左手に木戸銭を払う窓が在りまして、300円也であります。
    ホールと言いますか、中には、近郷近在の名産品などが陳列されておりまして、月山の酒なんてのや、昔一世を風靡した地ビールなんかも未だに販売しているのであります。
    しかし、アレですね・・・地ビールって言うだけで大手市販品の5割増の値段と言うのは、相当に強気だなと思うのは、過疎地の生き残り対策を理解できない愚か者で在りましょうか?
    そんな訳で、土産なんかを眺めつつ風呂場へ行きますと、脱衣場は10人が限界かな、程度の広さでありました。
    そして、誰も居ない風呂に入ってみますと、窓が大きく、明るくて開放的であります・・・ご愛嬌は普通のガラスで丸見えだったらしく、後からフィルムを貼ってあるのがちょっと微笑ましいなと思うんであります。
    で、山から下って来て天下一品に汚い訳ですから、十分に身体を洗い清めまして、いざ、湯船へと進んだ訳であります。
    程良い温度・・・何度である、と言う数字の問題では無く、その日その時自分の肌に感じる心地良さで適温を決めるとすると、大井沢温泉の湯温は、正に適温そのものでありました。
    足を湯に滑り込ませた瞬間に、ホッとする柔らかな感触に包まれまして、そのままスルッと全身を湯に沈めたくなるのであります。
    へぇーーーっ、この感触は、うーん・・・今までに無いかもなぁ・・・しかし、気持ちいいなぁ、でありました。
    さて、湯に沈み込んだ瞬間に、ややトロリとした感触のお湯に気が付く訳でありまして、これは紛れも無くアルカリ性の泉質であろうと分るのであります。
    窓からの景色は大して感動的な物では無く、原っぱが見えるだけなんでありますが、それがかえってアレです、都会の生活に疲れ切った心身には心地良い訳です。 ええ、まあ、私は山から下って来たばかりなんで、原っぱはドーでも良いんでありますが、まあ、都会人ならこんなことを言うのかな、と、やってみただけなんですけれども・・・。
    いや、しかし、掛け長しと謳いながら、加水・加温・循環ですと言う、良く分からない所はアレですけれども、ホントーに気持ちの良い湯であります。
    たぶん、私の勘と、長年の研究によれば(温泉ハンター歴1年ですから)総イオン含有量11590と言う濃いお湯の中に、5050の塩素イオンと4295のナトリウムイオンが含まれていると言うのがミソでありましょう。
    このような塩化物の濃度が、たぶん、母の胎内や海水のそれに似ているからなのでありましょう・・・まあ、適当な事を言ってますけど。
    まあ、分ったような屁理屈を語っている内容は別にしまして、適温のお湯が持つ柔らかさ、ぬるり、とろり感は、いつまでも浸って居たいと思わせる魅力たっぷりでありました。
    まあ、しかし、そうは言いましても、洗い場は定員5名、湯船に足を伸ばして入れるのは4〜5名と言う事で、ゆったり気分を味わえるのは、混雑していない時と言う事になるだろうと思う訳であります。
    それでも、場所が場所なだけに、平日に混雑するとはとても思えない訳でありまして、たぶん、何時行ってものんびりできるだろうと私は思いますが・・・。

     余談であります・・・・。
    温泉には適応症と、禁忌症と言うのが表示されている訳であります。
    適応症はほとんど総ての温泉に共通する、疲労回復・血行促進などと、硫酸や硫黄が入れば皮膚病に良いとかが、温泉別の特殊効能として掲げられる訳であります。
    で、禁忌症なんでありますが、これも何所でもほとんど大差ない訳でありまして、まず入っちゃ行けないのは、刺青者と金を払わない者でありましょう。
    いや、そう言う常識的な事では無くて、身体的理由と言う事では、何所でも共通してまして、代表的なモノとしましては、結核や呼吸不全、重い心臓病などが掲げられている訳であります。
    で、いつも疑問に思うんでありますが、呼吸不全や重い心臓病の人が温泉に入りに来るもんなんでありましょうか?
    と、言う事で、何所の温泉でも漠然と掲げられる入浴心得と禁忌症の張り紙を、もうちょっと洒落た方向で書き換えようと言う剛の者が現れないかと、心待ちにしているんでありますが・・・。

      「大井沢温泉」・・・うんちく

     源泉    38.2度  浴槽 39.8度
     泉質    ナトリウム・塩化物・硫酸塩泉
     成分    ナトリウム・硫酸イオン・カルシウム
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・慢性皮膚病・切り傷・疣痔
     飲用    たぶん不可
     入湯料   300円 特大駐車場あり  手ぶら可 
     特記事項  風呂のお湯は毎日落として入れ替えてます。 月山の酒各種取り揃えてます。



    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


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