ちょこっと行って来る山登り


    No.14 大東岳・・・下見



       下見だから、ね

       天気予報が言う状況は良く無い・・・何処へ行こうかなぁ・・・日曜日だからな、温泉は混むしな、やっぱし山かなぁ、と。
    それで思いついたのが、大東岳であります。
    大東には冬は登らないって聞くけど、昔と違って雪が少ないから、ひょっとしたら登れるんじゃないか?なぁーんてねっ。
    そんな訳で、頂上まで行けるなんて毛頭思っていませんけれども、塩梅はどんなもんかと、下見に出掛けてみた訳です。

     のんびりと朝飯を食って出掛け、秋保の奥の二口本小屋のビジターセンターの駐車場に車を置きまして、出発は10時半過ぎでありました・・・山に登ろうと言う時間ではないですね、はい。
    3月31日まで休業です、と張り紙されているビジターセンターですが、扉は開いていまして、トイレも水道も公衆電話も使えました・・・えらい。

     取りあえず家は出たものの、二口の本小屋に到着するまで、表を行くか、裏に行くか、考えてなかったんであります。
    どうせ登りきれないし、散策なら裏かな、と言う事で、裏磐司を見て、沢沿いの小さな滝なんかが凍っているのが見られれば嬉しいな、と期待したのであります。
    もう最初から登山と言うよりはお散歩気分、スノーハイキングでした。

     積雪は泉ヶ岳近辺よりは多いけれども、昔言われていた、大東のラッセルは胸まで埋まる、なんて言う程のものではなく、下の方で50センチで、白滝まで行って70センチと、標高100メートルにつき積雪は10センチ増し、と言う感じのようでした。
    車の通れない廃林道は雪面がフラットで、雪も締まって歩きやすく、朽ちて落ちかけている橋も何となく渡れてしまって、スピードは無雪期と変わり無しでありました。

     
    車の通れない林道にある看板が時の流れを語る訳です

      さて、順調なのは林道跡を進んでいる間だけでありまして、元々トレースなど全く無しなので、本格的に登山道に入ると雪が邪魔する訳であります。
    夏道は分かりやすく、しかも沢沿いですからルート探しに困ると言う事ではないのですが、何分にもモロに沢沿いな訳で、何となく崩れそうな雰囲気があったりして、びびる訳です。

    登山道から下の沢を覗いた感じですけど・・・分かりますか?

     いや、雪崩で埋まったら嫌だなと言うよりも、雪ごと沢までずり落ちたら何所から上がれば良いのやら、結構難儀するだろうと思う訳であります。
    この寒空に沢の中をジャボジャボと漕いで行くのはぞっとしません・・・気温はマイナス3度〜4度ですがシモヤケでは済まないと思いますので・・・。
    そんな訳で、登りはキツく無く、等高線に沿って平行に移動している感じなんであります。
    しかし、小さな沢に出会ったり、夏道がきわどい所を通っている所では、随分とムダに高く巻いたりする訳で、小刻みなジグザグの上り下りになるのであります。
    白滝の看板まで来た時に、成る程なぁ・・・ここはスキーじゃ無理だから冬に人が来ないんだな、と納得であります。

     
    白滝の看板・・・木に夏道の赤ペンキが見えています。

     白滝を過ぎて少し行った所で沢を横切らなくてはならない場面に出まして、じっくりと吟味したんでありますが、どうしても道が見えないんであります。
    渡り切った後の道筋はくっきりすっきり見えているんでありますが、沢を越す道が見えないんであります。
    一旦はまり込む覚悟で行けば良いのでしようが、仮にハマって登れなくなったら誰も助けてくれる人がいません。
    沢の際の雪は崩れるに決まっているんであります ・・・ムダに体力使うんで、嫌なんですね・・・単独の悲しさであります。
    一度大行沢まで降りて登り返すのは?・・・いやぁ、降りたら登れないよなぁ・・・捲いて登っても、中途半端な崖に当たるしなぁ、と。
    ありゃりゃぁ、進退窮まれりだぞぉ・・・まだ梯子滝にも届いていない訳で、呆気ない幕切れにガッカリであります。
    時間は12時40分・・・おお、そうか、そんな時間かぁ・・・じゃぁ駐車場に戻ってラーメンだな、と言う事でさっさと戻る事に・・・。
    帰りは自分の踏み跡を辿って帰れば良い訳で楽チンなんですが、しかしこの道は全編トラバースの連続みたいな道でして、スノーシューには向いていません。
    と、言うよりも、日本の藪山では西洋カンジキはダメなんじゃないでしょうか?
    バックカントリーとか言って流行ってますけれども、スキーやボードで滑れる斜面で使う事が前提の道具なんじゃないんでしょうか?
    だから、蔵王で澄川から刈田岳を目指すとか、升沢から船形山を目指すなど・・・山スキーのコースでは良いのだろうと思いますが・・・。

     そんな訳で本小屋までは1時間で戻って来た訳であります・・・早い・・・もっとも距離行ってませんでしたから。
    途中歩きながらおにぎりを一個喰っていたので燃料はまだ大丈夫・・・薄日も射して来た・・・よし、行って見んべ、と。
    と、言う事で表コースをちょっと偵察に行ってみた訳であります。
    植林された杉林の中は雪が締まって歩きやすく、立石沢を渡る所まで30分程度でありました。
    時計を見ると2時過ぎであります・・・腹減ったから止めよう、と言う事で本日の下見は終了であります。
    私の勘では、裏コースを樋の沢避難小屋まで行くだけで大仕事だろうと思うんであります。
    3〜4人でザイルの一本もあれば何でも無いと思うんですが、おっさんの単独では限界は低いんでありますね。
    冬の大東岳は裏コースからが良いかも知れない、なんて思った私は大間違いのようで、登るなら正攻法で表から行くべきなのかもしれません。
    と、言う事で、次回は表コースをもう少し上まで行ってみようと・・・本日の収穫は中々のもんでありました。
    私はやっぱし、藪山とか地味な山が好きなんでありますね・・・。

     本日も〆にラーメンを作って食べ、磐司荘のお風呂に浸かって、楽しい一日でありました。


     この話 完


    まあ、適当に書いてますんで、間違いが有っても見逃してやって下さい・・・


    ご意見ご感想は 承っておりませんが・・・


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