ちょこっと行って来る山登り


    No.15 大東岳・・・惨敗



       先週の下見の続き・・・散歩だから

         山に行く予定は無かったんであります・・・野暮用など有りまして、本日は無理かと思っておりましたし、先週痛めた膝の具合もまだまだと言う事で・・・。
    が、しかし、起きてみればほとんど快晴。あちゃぁ、この天気で家居たんでは脳みそ腐るなぁ・・・これは、やはり、万難排して でも山に向かわねば、男としての顔が立たぬと。
    いや、誰に対して顔が立たぬのか、とか、そもそも、立てるべき顔がお前にあるのか、と言う疑問はごもっともでありますが、私も筆の勢い上言って見ただけですから。
    と、言う事で、既に出遅れは否めない時間の為に、行けるとすればご近所の山だな、と言う事で目指したのは我が家から登山口まで20分程の「戸神山・標高504メートル」を目指したのであります。
    さて、元々出遅れている上に、途中で昼飯用のインスタントラーメンを探したりして無駄に時間を食いまして、国道457号線で白沢から秋保へ抜ける途中に有る登山口へ差し掛かったのは間もなく10時と言う時刻でありました・・・山を舐めてる訳ではないんですがぁ。
    と、車が5〜6台駐車できるスペースは既に満杯であります・・・いや、もしも車を置けたとしても、私としては混雑した山は避けたいのであります。
    そんな訳で、ここから何処へ行く? 家に帰って犬の散歩かぁ?・・・大東岳?・・・膝は大丈夫か?・・・雪増えてるし・・・でも、下見くらいなら。
    と、言う事で大東の入り口、二口の本小屋へと向かったのでありました。
    で、ここも好天の日曜日で、それなりに車は止まっているんでありますが、でも、ほとんど全員漏れなく行き先は二口林道の散歩でありまして、大東へ向かうコースは、裏も表も誰も居ないんであります。

      さて、身支度は、股引にジャージに合羽のズボンと、上は、気温が3度と高いので、Tシャツ長袖と半袖の重ね着に、ホーマックで490円の手袋と、同じくホーマックで890円のスパッツで、ばっちり決まっている訳です。
    で、最近気付いたのですが、ユニクロの化繊の下着は転んで雪まみれになっても意外と簡単に払い落とす事が出来るんであります。
    なので、雪付着防止に着ていたナイロン系の上着が無くても、そこそこは耐えられると言う事で、天気の良い日の汗まみれから開放された訳であります。
    で、余談ですけれども、ナイロンヤッケや防寒着で、山に向くのは前開きタイプかプルオーバータイプかで議論される時に、前開きファスナータイプは暑くなったら開放できるので良い、と言われている訳です。
    しかし、本気で吹雪かれたときの防備としてはプルオーバーが優秀ですし、私としては、プルオーバーには大抵付いている、フロントの大型ポケット・・・ドラエモンバックがとても有効だと思うのです。
    前開きの服に有るサイドポケットは、ファスナーを閉め忘れたりすると、かなりの確率で物を落としてしまいます・・・で、おっさんは惚けて閉め忘れが多い訳です。

    おっさんの足元です・・・合羽はトーレのエントラントで、安くて優秀です。

     さて、先週下見済みの表コース・・・立て石沢コースへと向かったのでありますが、自分の足跡がすっかり消えて、あれから30センチ以上は積もった様子でありました。
    気になっていた右膝は何となく騙し騙し、ひねりを加えないように慎重に歩くんでありますが、なにせ、相手は山の雪道でありますから、無理を掛けるなと言っても限界がある訳です。
    そんな訳でペースはいつになく遅くて、先週15分で通過した一本橋の沢までで30分掛かったのであります。

    夏場は軽く越せる丸太の一本橋なんですが、雪が積もったら怖くて渡れません。

      さて、順調なのは林道跡を進んでいる間だけでありまして、元々トレースなど全く無しなので、本格的に登山道に入ると雪が邪魔する訳であります。
    夏は踏み跡がしっかり見え、しかも沢沿いですからルート探しに困ると言う事は無のであります。
    この辺りは軽快に行けるコースなんでありますが、何分にもモロに沢沿いな訳で、ひょいと見ると、崩れそうな雰囲気があったりして、一寸ビビル訳です。
    それでも、抜けるような青空の下、たっぷりの新雪の上に自分の足跡だけと言う贅沢を味わいながら歩くのは、幸せ至極であります。
    で、一発目の沢を渡る所に来まして、んじゃぁ記念に一本橋の写真でもと、デジカメを取り出しますと、バッテリーを交換して下さい、と言うではありませんか。
    へっ?なしてぇ?夕べチャージして入れ替えたばかりじゃありませんか?と、疑問なんですが、言う事を聞かない物はしょうがない、と。
    そんな訳で本日のお写真は全編携帯で撮った物だけと言う事で、情けないのであります・・・えっ?ナニで撮っても違いは無い、と?

    仕方が無いので沢に降りて渡るんですが、水が少なくて助かりました。

     さて、先週下見した所まではどうと言う事も無い、夏道通りの一本道なんでありますが、ここからが肝(きも)でありまして、色々と厄介なんであります。
    まず、沢沿いなので、沢山の小さな支流が流れ込んでいるのでありますが、これらが雪に埋まって、なんとなく何所でも歩けるように見える訳であります。
    見るからに盛り上がって、岩に積もった雪が絵に描いたような所は分かりやすくて良いんでありますが、何でも無さそうな所に、踏み抜くとズッポリ嵌る沢が潜んでいるのであります。
    で、何となく怪しげな所を避けて行くのでありますが、そうするととても大きく蛇行したり、余計な斜面を迂回したりと、時間と体力を喰う訳です。
    ところが、面倒くせぇとばかりに、ヤバそうな雪面に足を降ろすと、案の上ズッポシと嵌る訳でして、そこからの脱出に掛かる時間と労力は、迂回したときの何倍にもなる訳であります・・・急がば回れとは、雪山で生まれた言葉でありますか?

    左端のウサギさんの足跡の所は歩けそうですけど・・・でも凹んでますからね

     雪面はお日様を反射してまぶしくて、サングラスが欲しい程でありましたが、それは雪を溶かしても居る訳です。
    で、沢沿いですから結構な急斜面も多くて、場所によっては部分的に崩れていたり、これから崩れますからね、と準備している様子も伺えたりと、あんまり気持ちのよく無い所も通過しなくてはならないんであります。
    もっとも、斜面の距離が短いので崩れて来たとしても生き埋めになる程の物ではないのですが、でも、脱出に使う労力は計り知れないと思うので、流されるのは嫌ですが。
    そして、夏道がはっきり見えている時には何とも思わなかった、道標の赤ペンキ・・・これが曲者なんです。
    夏道が見えていればいい加減な方向の矢印でも行く先は見当がつきますけれども、雪で平らだと、矢印の方向以外にヒントは無い訳です。
    それで矢印の方向を見ますと、薮に入って行けと指示しているんでありますね。
    しかし、私の少ない経験から考えますと、登山道が薮へ向かって伸びる事はあまり無い事でありまして、信じられないのであります。
    そうなると、んじゃぁどっちへ行くべかなぁ?と、地図など出して思案する訳であります。
    で、地図には沢の左岸を行くように書かれているんでありますが、左岸は等高線が混んでいるので上から雪など崩れて来たら恐っかねぇな、と言う事で、右岸に伸びる尾根を行く事にしたんであります。
    で、結果的には適当な所、降りられそうな所を見つけて左岸に行くんでありますが、これがまた結構な遠回りになっちまって・・・いゃぁ道探し、ヘボだわ。
    そんなこんなで時間を食っている間にも気温は大分上がりまして、ベトナム製で300円の温度計とコンパスとホイッスルがワンセットになった便利グッツが示す気温は5度になっていました。
    と、言う事で、気温が上がると雪が腐って来る訳でして、腐った雪はしつこくスノーシューにまとわりつくのであります。
    三歩進んで二度叩く・・・人生はワンツーパンチ、汗かきべそかき歩こうよ・・・水前寺清子、知りませんか? ああ、そうですか、失礼しました。
    そんな訳で、三歩進むと異様に重くなったスノーシューの雪を落とす為にストックで叩くのであります。
    こんな事ばかりしているもんですから、さっぱり前に進みませんし、元々出遅れている訳でありますから、とても山頂を狙うなんて、冗談にも言えない訳であります。
    まっ、独りで沢沿いを行くのもバカでありますが、くるぶし以上膝下未満のラッセルで、体力的にはまだまだ行けるな、と言うのが分かったのは収穫でありました。
    で、あの、営林署が検地か検木か知りませんが、登山道の印に使うのと同じような赤ペンキで印を付けるのですが、あれ、紛らわしいくて困るんですけど。

    2時間もかかってまだこんな所うろうろして、山頂まであと3キロですとぉ

     きれいだなぁ・・・素晴らしいなぁ・ここにテント張って遊んでいたいなぁ・もう雪洞もほれるなぁ、なんて夢見心地でありますが、現実には、腹減ったでありまして、そろそろ時間的にはこの辺かな、と言う所なんであります。
    地図で確認してみると、標高で800メートルも来てるんでしょうか?山頂の1350メートルまではほど遠いんであります。
    しかし、何となくですが、このまま何度か尺取り虫方式で詰めて行けば、その内山頂に立っちまうんじゃないか?なんて思いもするんでありますが・・・その時には雪は消えてたりして。
    ホントーは、真面目に早朝スタートで登り始めれば、今でも行けるなと思っているんでありますが、この歳でまかり間違うと言うのは嫌でありますから、まっ、こんなもんですね、と。

    自分の足跡なんですが、これを辿れば良いと言うのは、心強いもんです。

     さて、ここでおにぎりを食べてゆっくりしても良いのでありますが、でも、下りは道探しもないのですぐだろうと言う事で、いつもの通り車に戻ってラーメン作って喰った方が良いな、と。
    そんな訳で、2時間半登って来た道は、下り始めたら僅か1時間で行けてしまった訳です・・・距離は往復で6キロもあるのかどうかですから。
    で、下りは上から見える夏道の赤ペンキを辿った(下り・沢の右岸)のでありますが、これがよく見えるんであります。
    なんで登りではあんなに紛らわしいのか?新旧の登山道が交錯しているんだろうと思うんでありますが、まっ、人様の赤布や道標は信じるなと。
    そして、やっぱし私は蛇行と遠回りをしていたようで、夏道を素直に下るととても早い訳であります。
    で、やっぱし、尾根筋(登り・沢の右岸)を行ったのは間違いだったようで、次ぎに行くときはあそこは騙されないぞ、と。
    駐車場到着は2時丁度でありました。


     この話 完


    まあ、適当に書いてますんで、間違いが有っても見逃してやって下さい・・・


    ご意見ご感想は 承っておりませんが・・・


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