ちょこっと行って来る山登り


    No.21 泉ケ岳(1172)〜北泉ケ岳(1253)



       やっと山頂に立てました

         いや、泉ケ岳は結構大変です

     ここしばらく、山に行けども頂上まで辿り着けないと言う冴えない結果に終わっている訳であります。
    んじゃぁ、確実にてっぺんまで行ける所と言う事で、泉ケ岳 を目指したのでありました。
    そんな訳で、軽い気持ちで、何度か登っている、表コースへ出掛けたのであります。

     駐車場到着は2番目でありまして、私が車を停めた時に2人連れが出発する所でありました。
    私もシャカシャカと支度をして出発したのが8時半、先行者に遅れる事15分程度でありましょうか。
    歩き始めてすぐ、今までに無い積雪である事を感じたのでありますが、それでも、まあ、泉ケ岳ですから、と舐めていたのでありました。
    先行者は2人とも本格的なアイゼン、12本爪出っ歯を装着している模様で、それが気になるのであります。
    と、言いますのは、このコースを登りに来ると、朝方は、ほとんどの人がアイゼンを装着している訳であります。
    しかも、おもちゃの簡易アイゼンではなく、8本や10本歯なのでありまして、本日はとうとう、12本出っ歯のお出ましであります。
    これは北アルプスの岩峰や厳冬期の富士山でも使える代物であります・・・これが出て来るのか?と、思った訳です。
    さて、先行者は降ったばかりの深い雪をかき分けて、ズボズボと埋まりながら進んでいるようで、難儀しているのが足跡から汲み取れるのであります。
    本日の私の選択は、ワカンでありまして、とても快適であります。
    人様のトレースを追うのは楽でありまして、とうとう胎内くぐりで追いついてしまいました。
    あっ、しまった、と、思ったんでありますが、しかし、ラッセルドロボーで着いて行くのは男が廃る訳でして、それは出来ませぬ、と。
    そんな訳で、先行者に「ラッセルお疲れさまでした、替わりますんで・・・」と告げて、仕方なしに先頭へ・・・。
    いや、ラッセルが嫌なんじゃ有りません・・・道が分んないんであります。
    後ろに人が居るのにGPS見ながらと言うのもナニでありますし、頼りの赤布も見当たりませんし・・・まあ、間違ったら着いて来ないでしょうから、と。

     しかし、泉ケ岳表コースはバカに出来ません・・・登り応えと言う点では、標高が1200mに欠ける山とは思えないきつさで有ります。
    もっとも、急登ではあっても山が小さいので長くは続きませんから、その点は楽だとも言えますが、でも、正直きついです。
    朝方は気温が低かったので雪がサラサラで軽く、ラッセルが楽なんでありますが、それでも、急登の連続では、ストックを雪面に置き、三点支持の体勢からキックステップを打ち込んで登る場面も有り、侮れないコースであるなと実感する次第で有りました。
    しかし、本日、新雪で踏み跡の無い先頭だから大変な訳でして、後から登って来る人達はトレース辿って来るので楽に登れる訳です。
    さて、ドウダン林の先の尾根は夏道や古い赤布を無視して、ショートカットしたいんでありますが、雪が深くて思ったようなコースが取れませぬ。
    後をついて来ていたお二人は全く見えなくなってしまったので、んじゃぁ、気楽に行かせてもらいます、と、本来の自分に戻って、野生の勘でコース選びであります。
    もっとも、ここは尾根筋に行くだけでありまして、しかも、尾根は結構狭いんであります。

    こんな感じの狭い尾根ですから、間違い様も無い訳です。

     さて、泉ケ岳へ真っ直ぐ向かう尾根に出てからは、天気も良く、日差しも柔らかで最高の山日和でありまして、ルンルン気分であります。
    まだまだ元気で、頂上間近の最後の急登では、軽快にキックステップを打ち込んで、真更な雪面に足跡を刻んで行くのでありました。

    OKサインを出しているのではありません。カメラ構えてるんです。

     さて、体調が良いのか、左程苦もなく、汗も大してかかずに山頂到着であります。
    一番乗りかな?と思ったら、カモシカコースから登って来たらしいスノーシューの若者が既に居りまして、しかも、北泉ケ岳方面へのトレースも既に有る、と。
    ここで戻るつもりだったけれども、まだ10時20分・・・どーする、と、遠くの山並みの絶景を眺めながら思案に暮れるのでありました。

    久しぶりに山頂での記念写真ですが・・・最近、泉ケ岳ばかりですね。

     天気予報では午後から崩れる、と言うのでありますが、風が出て来ましたが、雲は有りませんで、まだ当分は大丈夫でありましょう。
    体調も良いし、天気も申し分無い訳で、こう言うチャンスに行っておかないと、また今度なんて思っているとダメなんであります。
    と、言う事で、北泉ケ岳を目指して、レッツラゴーであります。  

    大東岳から面白山です・・・登りたいなぁ。

     さて、北泉ケ岳へ行くには、三叉路まで下らなければならない訳です。
    山登りでは、頂上を目指しているのに一度下って登る事を、登り返しと言って、体力的によりも気持ちが疲れるとされております。
    で、泉ケ岳を表コースから登ると、累積標高差は580メートルでありますが、北泉ケ岳を目指すと、登り返しも含めて、累積標高差が1000メートル弱になる訳であります。
    山登りで、きつい山と言われる一つの基準が、累積標高差で1000メートルを越えるかどうかが決め手になる訳であります。
    そんな訳で、お手軽な泉ケ岳なんでありますが、それに北泉ケ岳をくっ付けますと、これが中々のボリュームに変身する訳であります。  

    泉ケ岳から北泉ケ岳(右手前)と船形山を望む

     北泉ケ岳を目指している先行者の足跡が、どーも3種類有るようでして、ズボ足とスノーシューと山スキーの跡がある訳です。
    まあ、晴天の日曜日の泉ケ岳な訳ですから、何万人人が出様とも驚かないんでありますが、まず、今時の冬山は人が多いのに驚きであります。
    この天気からホワイトアウトはまず考えられないと思っているのかどうか、でも、もしもそうなったら、それでもルートを見つけられる人ばかりなんでしょうかねぇ?・・・私?GPS頼みです。

     
    へえぇ・・・三叉路の看板はもうじき埋まりそうであります。

     泉ケ岳の山頂から北泉ケ岳まで、地図で距離を拾うと、およそ2キロであります。
    で、片道1時間かかったと言う事は、私の雪道の歩行速度は、登り下り平均して時速2キロ、と言う事であります。
    こう言う分りやすい所で、自分の足の速さを知っておくのは、山行の計画を立てるのに大事な事であります・・・なんちゃって。
    北泉ケ岳までは急な登りは無く、呆気なくひょっこりと頂上到着でありました。
    先月来たときよりも随分と雪が増え、チョコンと頭を出していた山頂の看板は、完全に埋没状態でありました。

    山頂の看板無いので、どこだか分らないんですけども・・・

     山頂から大倉尾根方面への踏み跡は無く、向こうから登る人も、ここから先へ行く人も居ない事が窺える訳です。
    たった一度では有りますが、あっちから来たんだぞ、と言うのは、ちょっと嬉しい気分で有りました・・・。
    しかし、風も吹いて参りまして、腹も減ったので、早く車に戻ってラーメン喰いたい、と言う事で、サッサと退散であります。
    お茶を一杯と、チョコビスケットを三枚喰って腹ごしらえして、一目散に駆け下りるのでありました・・・まだ、元気です。

    懐かしの桑沼が見えました・・・真っ白です

     私は急な下りが怖い訳でして、スピードが出せないんであります。
    しかし、北泉ケ岳の下りのような丁度良い傾斜は得意でありまして、ワカンを履いて大股で走り下る訳であります。
    そこで、先行していた山スキーがジグを切って下るのを一直線に駆け抜けて追い越した訳であります。
    時々ケッ躓いてスッ転んで雪だるまになるのはご愛嬌であります・・・これは楽しい遊びなんであります。
    そんな訳で、泉ケ岳へ戻って来るまでは、僅かに50分でありまして、自分でも感心する次第であります・・・がぁ、膝にきました。
    さて、後は表コースを一直線に掛け下る・・・いゃ、急斜面は怖くて、へっぴり腰なんでありまして、遅いんであります。
    しかも、気温が上がって、雪は腐れ雪でずるずるであります。
    ドウダン林から胎内くぐりの下までの急な下りで、三度も転んで、その度に数メートル滑り落ちるんであります。
    ここで転ぶのは私だけではないようで、所々に滑り落ちたと思われる痕跡が見られるのであります。
    雪が腐ったときのここの下りは、結構な難所だと私は思うんでありますが、それでも、皆さんひょいひょいと登っております。
    で、私が下って来る頃に、4人も、山頂目指して登っていたんでありますが、もう、1時半ですよ・・・と。

     さて、駐車場到着は1時50分でありました・・・私の燃料は、この時点でほぼ0でありました。


     この話 完


    まあ、適当に書いてますんで、間違いが有っても見逃してやって下さい・・・


    ご意見ご感想は 承っておりませんが・・・


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