よたよたと、山登り


    No.34  山形神室1344m・仙台神室1356m




    6月16日 笹谷峠(9:10)〜仙台神室(11:40)〜ダンゴ平(12:40)〜仙人沢口(14:20)〜笹谷峠(15:00)

     仕事の人員の都合で、一番役に立たない私が急遽休みになった・・・んじゃぁ、山に行くしか暇つぶし無いべぇ、と。
    で、天気も悪そうなんで、近い所が良いな、と言う事で、出だしの標高が高くて、ひょっとしたら西側なら晴れているかも知れないからと言う事で選んだのは、最上神室と神室岳でありました・・・今は山形神室って言うんですね・・・まあ、昔の名前はドーでも良いんですが。

     笹谷峠の狭い道を車で上っている間に、ポツポツと雨が落ちて来まして、やっぱしなぁ、梅雨だもんなぁ、と、少し諦め気分が強くなって来た訳です。
    が、しかし、送電線の鉄塔が見えて間もなく峠の駐車場と言う頃になると、なんとぉー・・・山形側はほぼ快晴ではないですか。
    駐車情に車を入れるのももどかしく、真っ正面に広がる大パノラマを見て大興奮でありまして、とりあえずトイレ、であります。
    さて、我慢を落としてまいりまして、早速カメラを取り出し、大朝日岳を中心とした朝日連峰の全景を収め、続いて右手に見える月山を撮り、ついでに、自分を入れて一枚、ハイポーズであります。
    ホント・・・仙台からここまでの車の中では、合羽を着るのか着ないで済むのか、そんな心配をして来た訳でありますが、天野恵でありますね。

    朝日連峰であります・・・コンパクトデジカメの限界でござりまする。

      平日の火曜日なんでありますが、駐車場はマイクロバスでお越しの老人クラブ風の方々と、個人の車も4〜5台交えまして、まず、賑やかでありました。
    でも、老人クラブは雁戸へ向かったので私には影響無し、と・・・思ったら、隣の車の爺様二人は、んじゃぁ神室だ、と出発して行った訳であります・・・まっ、すぐに追い越すでしょ、と。

    トンガリ山ですって・・・なんか他に無かったんですかねぇ?

     ここまでの道はとても良く踏まれていて、さながらハイキングコースであります。
    しかし、それにしても小さな花達が美しいのなんのって、私のような粗野なおっさんでさえ心和んでしまうんですから、花好きの人にとっては天国のへの道ではないのでしょうか?
    左程急な登りも無く・・・まあ、歩きはじめの駐車場の標高が既に900mでありますから、トンガリ山の手前のハマグリ山1241mまで、350メートルを登ってしまえば、あとは平坦な散歩道なんであります。
    ああ、成る程な、仙台の高齢者の山好き者に好まれる訳が良く分りました・・・泉ケ岳ほどには俗でないのがまた宜しいのでありましょう。
    これから向かって行く仙台神室方向です・・・完璧夏模様であります。

     まあ山なんですから、多少の急な登りやちょっとした岩場なんかも在るんですけれども、それもアレです、ナンチャッテの類いでありまして、広い登山道と相まってとても快適なんであります。
    先行していた爺様とはトンガリ山の随分下で抜かせてもらい、私のすぐ後から来たはずの女性の二人連れも登って来る姿が見えずでありまして、思ったよりも静かで、ずっと独りでありました。

    おんやぁ?あんな所に八岐大蛇が寝ているぞぉ・・・。

     トンガリ山から山形神室までの稜線も見晴らしがとても良く、しかも、足元と言わず薮の中と言わず、可憐な高山植物が咲き乱れている訳であります。
    花なんて全く興味が無かったので名前なんか一つも知らない訳です。
    しかし、名前なんか知らなくても、それでも可愛さには変わりないのであります。
    むくつけきおっさんがデジカメを片手に、小さな花にブツブツと独り言など言いながらシャッターを切る様は、傍目にはおぞましいと思うんでありますが、抗えないのであります・・・山の花に、惚れました。

    温度計では15〜16度なんですが、日差しが暑くて・・・。

     さて、山形神室からは一旦下って登り返すのでありますが、これが景気良く下る訳です。
    で、この辺りからの登山道が溝になってえぐれている上に泥濘地でありまして、歩き難いんであります・・・雨の時には覚悟が要るかも。
    で、さらに、下り切って登りに入りますと、遠くから見て急そうだなと思った山の格好そのままに、やっぱり急登になる訳であります。
    もっとも距離としては大した事が無いので、気合いで登ってしまえば左程の苦労でもないのでは有りますが、しかし、溝になった登山道と泥で滑る急傾斜は、プチ難所ではありましょう。

     仙台神室の山頂からの眺めは、多分絶景なんでありましょうが、私が辿り着いた時には宮城県側から張り出して来たガスに巻かれていまして、眺望は得られませんでした。
    先客のおっさんが独り居りまして、しばしの山談義でありましたが、なんだかベテランさんのようで、しきりに東北の藪山と北アルプスの岩峰を比較して、アアだコウだ宣っておりました。
    私としては、現実に只今自分の足の下には、高々1356mの藪山を踏んでいる訳でありまして、その山の小さな花に感激して来たばかりなんでありますから、あんまし他の山の宣伝をされても面白く無い訳でありますが・・・。

     時折ガスが切れて陽が射すと虫の大群に取り囲まれるんであります・・・先のおっさんは防虫ネットを被っておりました。
    私は、薄荷スプレーなどをシュッシュと振りかけまして、ガスコンロを取り出し、ミソラーメンの準備でありました。
    ミントスプレーの効果は精々15分程度と短いんでありますが、ほとんど総ての虫に効くという点で秀逸であると私は信じて使っております・・・私の経験では、蜂にも効果有りでした。

     そんな訳で、山頂でミソラーンを作って食べたり、温かいコーヒーを飲んで何時に無くのんびりと過ごした訳であります。
    しかしアレです・・・山頂に40〜50分も居たんでありますが後続の人達は誰も来ませんでした。
    皆さん山形神室で戻ったのか・・・ああ、そうか、一瞬ガスが濃くなった時に戻ったのかもしれません。
    で、私は、ガスって涼しくなった山頂を後に、ズルズルと滑る急勾配の坂を下ってダンゴ平に出た訳であります。
    そこで、仙人沢への踏み跡を見つけてしまったのであります。
    踏み跡は、はっきりとはしているんですが、今シーズンの足跡は少ない事を物語って、小さな草が生え始めている訳であります。
    うーん・・・山渓の分県登山ガイドによればこのコースはベテラン向きと言うし、しかも、下りは余計に分かりにくと、と書かれていた記憶が有る訳です。
    まっ、アレだ、ちょっと様子見てダメそうだったら戻ろう・・・時間はまだあるし、と。

    ダンゴ平から下ってすぐ、小さな雪渓が有りました。

     で、何だか険しそうな沢を下り始めて10分も行ったかと言う所で、雪渓に出会した訳です・・・雪渓大好きなんであります。
    しかし、雪渓は大したもんでは無く、ナンチャッテの規模でありまして、まあ、問題も無いのであります。
    雪渓を乗り越し沢をちょっと下った所で、踏み跡が斜面を逆方向へ登って行く感じで付いているのが見えた訳です。
    で、沢の石を見ますと、これにもまた踏まれた後が有る訳です・・・私としては下山は下るんだがなぁ、と。
    で、登山地図には、地形図が示す沢に下る道は間違い、と書かれていたのを思い出し、登って尾根へ向かう方へ行ってみた訳であります・・・GPSは古い地形図をなぞっているらしく、沢へ突入せよと指示しているんでありますが。
    しかし、アレです・・・GPSの指示する道から外れ、コンパスの向きも下山方向とは違うとなると、何を信じて進めば良いのやら、初心者としては心配であります。
    しかし、道はすぐに下りになり、方向的にも仙人沢と平行に走る尾根に乗ったみたいでありまして、一安心です。
    まあ私が初心者なんでアレなんですが、踏み跡を辿るのに躊躇しない人ならかえって問題なく、見失う事は絶対にない安定した道が付いているのであります。
    ロープが張られた所や痩せて切れ落ちた尾根などがけっこう有ります。

     さて、尾根筋を辿る登山道はしっかりしてはおりますが、笹谷峠からの道の様にハイキング気分では歩けない道であります。
    かなり通好みのコースであるなと思いますし、そして、意外に高度感のある痩せた尾根を行っているのであります。
    しかし、ベテラン向きという程でもないと思うのですが、それでも、下りに使うよりは登って行く方が楽な道であるな、と言う印象で有りました。
    大きな滝、小さな滝を幾つも見られます。

     さて、尾根を外れて仙人沢へ下ると、右岸を行ったり左岸に渡ったり、支沢を越えたりと水気の有る所を行く訳であります。
    で、部分的に沢の上部の狭いトラバースの道を行ったりするんでありますが、これが結構高くて、落ちたら痛そうな所なんかも有る訳です。
    所々に川崎町の山岳会が張っている、北蔵王縦走路と、ダンゴ平〜仙人大滝の小さな看板なども見られ、道に不安を感じる事は無いのであります。

    真夏、この近くにテントなど張って遊びたいな、と・・・。

     沢沿いの石は苔むしていまして滑るんであります。
    不用意に足を置くとズルっと行く訳で、思ったよりも時間を喰うし足も踏ん張るので疲れるんであります。
    で、沢沿いの道の常として、巻かなくちゃならなくなると小さく登る訳であります。
    基本的には下っているんでありますが、障害物を越えたり、小さな登りの巻きがあったりして結構疲れる訳です。

    どちら様か、有志の方が流木を集めて掛けた橋であります・・・有り難やぁ。

     で、上記の橋を渡って、シダ類の生い茂る道に出たら程なく286号の舗装道路であります。
    ここで最後の水を飲んだんでありますが、柔らかくて甘い水でありまして、隠れた名水であるな、と私は思いました。
    ああ、書き忘れる所でしたが、この橋からあまり遠く無い所で、熊のモッコリがありました・・・臭かったので新しいと思います。

    この看板が入山口です。

     さて、本日の山歩きで一番疲れたのがここから駐車場までの3.5キロの舗装道路歩きでありました。
    地図に拠ると、途中にショートカットの路が記されているんであります。
    で、入り口には踏み跡が有りましてすぐに分るんであります。
    しかし、ちょっと奥まで入ると足跡は途絶え、先は小さな沢と薮に閉ざされるのであります。
    薮漕ぎは得意ですけれども、本日は体力気力ともにそろそろガス欠でありますので、ここは真っ当に自動車道を登った方が、と言う事でずーっと車道を登った訳です。
    3.5キロに40分以上も掛かった訳で、本日、これが一番こたえました。

       余談ですけど・・・近くに高圧の送電線が有るとGPSがかなり狂うようであります。
    先ほどPCに軌跡を落として見ましたら、送電線のそばで随分と変な所を歩いたことになっていました・・・皆、知ってますね。


     この話 完


    まあ、適当に書いてますんで、間違いが有っても見逃してやって下さい・・・


    ご意見ご感想は 承っておりませんが・・・


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