ちょこっと行って来る山登り


    No.5 船形山(御所山1500m)



     天気予報が嫌な事ばかり言うので止めようかと思ったのでありますが、まあ、他にする事も無いもんで、んじゃぁ取り敢えず行くだけでも行ってみっか?てな事で行ってみました。
    そんな訳ですから、本当は大滝コースと言う、さらっと登れる方から行くはずだったのでありますが、当てにしていた林道が途中で通行止めで大滝に抜けられなくなってしまいまして、いまから色麻まで戻ってからでは出遅れすぎる、と言う事で、旗坂キャンプ場から登る事にしてみました。
    で、始めに予定していた大滝からのコースだと1時間30分程度で頂上に着き、蛇ガ岳を回って大滝に戻る、ガイドブックによればトータル4時間ちょっとのコースで、累積標高差は600メートル少し、とお手軽だ。
    しかし、旗坂からのコースは、ガイドブックによれば、累積高低差1110メートル、休息を含まない行動時間が8時間となっている。
    ほとんど倍歩かなければならないようでありまして、ちょっと気が重くなっておりました。
    昔々なんでほとんど忘れかけていますが、このコースを下って来た事が有りまして、でも、それ程苦労した記憶はござりませぬ、で、そんな訳で、行けるとこまで行って帰ろうと、歩き始めた訳でござります。
    へへへっ、ところが、どこからが登山道の入り口なのか、ちょっと分りませんで、なにやら切り開かれたブル道を少しばかり歩いて行ってしまったんでございます・・・バカだねぇ。
    なんか変だなぁ、と、25000/1の地図を見てコンパス当てても方角としては合ってるし・・・しかし、雰囲気は絶対違うし・・・。 で、うろうろして、車の通れる林道を桑沼方向へ本のチョット上がったら、立派な道標がありました。
    しかし、ですよ、入山者カードを入れる箱の脇に有った概念図、登山道入り口間違ってますけど・・・良いんですかね、あれで・・・俺だけか、入り口で右往左往するなんてのは?
    と、言う訳で、何だかんだのヘマの連続で、時計は既に9時になっておりまして、んじゃぁ、12時まで登って、場所がどこでも底で戻りにしようと・・・。
    ガイドブックでは頂上まで4時間10分となっていますので、まあ、てっぺんは踏めないだろうな、と思って、でもなるべく急ぎ足の全速モードでありました。
    歩き始めるとコースガイドとして、一番下を30番にして、10〜15分の距離で、一番ずつ減った番号札が現れるようになっておりました。
    まあ、突然2つ3つ飛んでいるのはご愛嬌で、でも、これのお陰でペースが分りやすくてとても助かりました。
    で、15番まで来た時にまだ1時間半にもなっていなかったので、ひょっとすると頂上に12時までに立てるかも、などと期待が持てた訳であります。
    しかしナニでありますね、舟形なんてバカにしていましたが、なかなかどうして、素晴らしい山でありますね。
    ブナの大木の道も良いですけれども、コース全体が変化にとんで、樹林帯、沢道、ハイマツの稜線、切り立った崖の道と、本当に楽しい山であります。
    で、余談ですが、途中に三光の宮というお宮らしきものが有りまして、これが、太陽、月、星の3つの光で三光なんだそうであります・・・なんだかイスラム教みたいだなぁ、なぁんて思いながらちょっとだけ拝んで参りました。

    船形山の隠れイスラム神社・・・かな?


    1ルームの新築コテージ、とっても綺麗です(升沢避難小屋)

     で、三光の宮でパンパンとして、そこから升沢の避難小屋目指して急ぎ足であります。
    登りはナンボ急いでも危なく無いのでエンジン全開で、何時もの通りタオルの鉢巻きに半袖Tシャツで、汗だくであります。
    道はずーっとブナなどの大木が生えていて風はほとんど当たりませんで、自分の顔から出る水蒸気でメガネ曇りまくりでありました。
    で、紅葉は標高で1000メートル〜1200メートルがガミ頃でありまして、それより上は枯れ葉、下は緑がまだ目立っておりました。

    落ち葉の道と番号の標識・・・24番に熊の糞があった

    さて、升沢避難小屋から先は、本格的な山登りでありまして、なかなか楽しい道であります。
    暫くの間沢登りのルートで、沢が分岐している場所では、あれれっ、どっちだぁ?と思う場面も有りましたが、ちょうど塩梅良く、シロートが迷わないように赤布が下げてあったりしました。
    それと、登りは良いとして、下りで踏み込んだらまずいよなぁ、と言う所には、タイガース模様のビニールロープが張ってあり、そっち行くな、と指示してくれていました・・・地元の山岳会かなんかの配慮なんでしょうね、ありがとーさんです。

    ナンチャッテ沢登り風気分の良い道

    沢登り風の道は登りは何ともないのでありますが、本日石が濡れていまして、ツルツルな訳であります。
    で、下り、下手に足を置くとズルっと来るので、登りよりもスピードが出せないと言う、久々にちょっと難儀しましたで有ります。
    いやぁー・・・沢を登ったら、忘れていた山登りの感覚をほとんど取り戻した感じで、とっても楽しく登らせてもらいました・・・がぁ、山を始め頃、睾丸の美少年であった私の体重は53キロ程度でありました。
    で、タコおやじとなった現在の体重は、70キロ以上であります・・・なんとも重い訳でして、牛若丸もかくや、と言う感じで石から石へと飛び跳ねていた時の姿とは雲泥であります。
    意識は飛びたいのでありますが、身体がついて来ないんでありますね・・・そのあげく、沢にぼちゃんと。
    下りは怖かったですよ・・・濡れた石、岩に濡れた落ち葉・・・鈍い反射神経で冷や汗ものであります。
    なので、本当に用心深く手も使って、まるで爺様のように用心深く下りました。
    沢で転ぶと怪我すっからね、流石にバカなタコおやじでも、ここは、慎重第一でしたよ、と。
    さて、ブナやトドマツのような背の高い気が無くなって、後ろ白髭山への分岐を過ぎた辺りから高山の雰囲気が出て参りまして、灌木や根曲がり竹の稜線に出ました。
    すると、途端に風がピューピューでありまして、何となく寒そう・・・でも、汗はだらだらであります。
    頂上は間近なはずなのですが、ガスが濃すぎてナァーンにも見えません。
    自分の足元から精々見えても10メートル、場合によっては2〜3ルートルと言う具合で、左側がストンと落ち込んでいる絶壁風の稜線を歩いた時も、下が見えないので迫力が感じられず残念でありました。
    と、言いつつ、風が谷側から吹いて来るんで怖く無かったですが、アレだけの強風で逆だったらビビったっすよ。
    さて、何も見えないので黙々と歩く訳で、距離は道標で知るしか無い訳であります。
    そんな訳で突然山頂の標識に出会して、おおっ、上り詰めたのであるな、と分ったほどであります・・・12時丁度でありました。

    タコおやじ、流石に寒くて、軍手にフリースです。

    で、山頂は霧と強風で流石に寒くなり、フリースを一枚着込んで、んじゃ、証拠写真も撮ったし、避難小屋でぬくぬくしながらおにぎりかじって下ろう、と小屋の扉をガチャガチャすると・・・鍵がかかっている。
    で、小さな窓の下に「非常用入り口」とはり札がありまして、窓を開けてみると、成る程開く訳であります。
    ふぅーん、気軽には入ってくれるな、と言う事か・・・んじゃいいや、面倒くせぇ、ケチくせぇ、と。
    で、腹へってるんでありますがこの強風下ではドーにもならない訳で、とりあえず風の当たらない三叉路まで逃げよう、と。
    転がるようにして後ろ白髭や泉が岳への三叉路まで下って、おにぎりタイムとなりました。
    とは言っても、おにぎり2コとゆで卵2コ喰って、番茶を2杯飲むだけですから、正味10分足らずの休憩であります。
    あんまし休むと足重くなるし、身体冷えるしで良く無いですからね・・・これホントーです。
    で、時間が許して、天気も良かったら蛇ガ岳へ回って帰れば面白いし、升沢の避難小屋までの沢を下らなくて済むんですが、 でも距離が遠くなりますんで、一気に戻る事にしました。
    後はポケットに入れた飴を舐めながら、一生懸命慎重に下ったのでありました。
    ブナの落ち葉が登山道を覆い尽くしている訳ですが、葉っぱが濡れて滑る上に、下に浮き石なんか隠れていたりしてとても危なくなっている訳であります。

    なんとも無さそうな落ち葉の道、下りでうっかりすると怪我します。

    そんな訳で下りであるにも関わらず時間を食って、旗坂への到着は2時45分で、登りも下りも大差ない時間でありました。
    いやぁ、船形山はスンゴイ面白い山です・・・今度は升沢の避難小屋一泊を予定して登ってみたいなと、思いました。


     この話 完


    まあ、適当に書いてますんで、間違いが有ったらゴメン・・・?


    ご意見ご感想は 承っておりませんが・・・


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