よたよたと、山登り


    No.51

       

    赤崩山

      赤崩山 

     また山に行って来ました。
    この度は、「船形山のブナを守る会」の山行に参加させて頂きまして、のこのことくっ付いて行った訳であります。

     で、毎度驚く事しきりなんですが、おっさんは55歳になる訳であります。
    しかし、この会の集まりに顔を出させて頂く場合は、はっきり言って若手であります。
    それも、下から数えて何番目と言う超若手に数えられる訳でありまして、そんな訳ですから、その他の参加者の年齢と言えば、そう言う事になる訳であります。
    初めて参加した頃には、こう言う年齢の方々が団体とはいえ雪山にホイホイと登る事に驚きを隠せなかった訳でありますが、今ではそんな事には不感症であります。
    まず、今時の若い者よりも相当にかくしゃくとした方がほとんどでありまして、凄いもんです。
    そのようなメンバー構成で、なんと45名もの人が新雪豊富な赤崩山に登った訳であります。

     さて、赤崩山でありますが、説明するのも難しい訳で、探したい場合は南川ダムの奥の方を探してみて下さい。
    標高はわずかに650メートル程度の里山でありますが、登山道は無く、夏場は薮を漕がないと登れない山であります。
    で、植林と自然林が入り交じっているのでは有りますが、植林地帯は放置のようでありまして、手入れはなされていない様子であります。
    なので、かどうか分かりませんが、熊が多いようでありまして、そこかしこに熊の棲息する痕跡が窺えるのであります。

     
    ブナの木に無数とも言える熊の爪痕です(ポツポツの傷です)

     で、登り始めは大した積雪も無いのでありますが、植林のひねた杉林を登り切り、ほぼ真っ直ぐに山頂へ向う稜線に出ますと、650メートルの低山とは思えない新雪が豊富に有る訳です。
    しかしアレです・・・何度も言いますけど、たかが標高650メートルの里山なんですが、ズボズボの新雪の上に、結構な急登でありまして、もしも一人だったら絶対に途中で止めたなと思う辛さであります。
    おそらく一日か二日の間に降り積もったで有ろう新雪は、スノーシューを履いていても膝下まで埋まるようになっておりました。
    標高550メートルの地点で定規を差して測ったんでありますが、75センチの積雪があった訳であります。

     本日のリーダーのKさんがほとんど一人でラッセルをして登って来たんでありますが、いよいよ雪が深くなった所で幾人かで先頭交代をした訳であります。
    で、私もビッコでは有りますが、とりあえず一度くらいは先頭に出ないと格好がつかない訳でやったのであります。
    が、しかし、時折ルートを指示するKさんは、終始おっさんと平行して新雪の中を歩きながら「目標は左目の倒木ね」とやってくれる訳であります。
    で、おっさん思うんでありますが、これならKさんがラッセルしても同じな訳で、複雑な思いとともに、ちょっとKさんの馬力は桁が違うな、と驚く訳であります。

     さて、結構な急登を登って来た訳でありますが、そこはそれ、ナンだかんだ言っても650メートルの山な訳ですから、休み休み来ても意外に早く着く訳です。
    で、九時ちょっと過ぎに出発して、山頂到着は11時少し前でありました。
    昼飯には早いだろう、と言う声もチラホラ有ったんですが、圧倒的多数の声は、飯にするべぇーでありまして、さっさとランチタイムでありました。

     いや、毎度の事とは言え、そう言いながらも期待していたりする訳で、カップだけは持っているおっさんなんでありまして、やっぱしホットワインをいただいた訳であります。
    で、美味しくいただきつつ、おにぎりなんか頬張っていますと、千葉B氏が昼飯の準備を始めた訳であります。
    いや、やるのは知っている訳でありますが、ここまでやるのか、と言うのがこの日の正直な感想で有りました。
    先週の山行で千葉B氏に御馳走になった「カニ雑炊」は、寒い雪の中で、条件的にも成立する物であるな、と納得した次第であります。
    しかし、雪山の昼飯に「ひつまぶし」・・・うなぎ、ですよ・・・これが出て来る事に驚かないクライマーやアルピニスト、いや、山おやじでも山おばさんでも、そんなに多くは居ないでしょう。
    テルモスから熱いお茶を掛けて完成する「ひつまぶし」を嬉しそうに、楽しそうに眺める千葉B氏でありましたが、間違いなく、赤崩山で一番最初に「ひつまぶし」を食した人間に認定して良いと確信する次第であります。

    Kさんが指差す木の上には熊棚がありました

     山頂では熊棚なども見られ、流石に熊の楽園であるな、と驚きつつ、しかし、「ひつまぶし」の方が熊棚よりももっと驚異的な訳で、おっさんはおにぎりやらパン等を齧る訳であります。
    で、腰を下ろした場所が北側で風が当たるからと言えばそうとも言えるんでありますが、寒い訳です。
    それほど強く無いパヤパヤの風なんでありますが、背中から冷えてくるのであります。
    うーん・・・先週はちっとも寒く無かったぞ・・・何が違うんだろう?と頭をひねってみた訳です。
    おっさんの手元のインチキ温度計はマイナス4〜5度を指しているのですが、その位は常識の範囲な訳で、慣れているはず・・・ははあん、下着が違うぞ、と。
    先週は一番下にメリノウールのシャツと股引だったんでありますが、本日はユニクロのヒートテックだった訳です。
    本日の下着の構成では、肌に触れる部分の水分が冷えるので寒い訳であります。
    そーかぁ・・・やっぱし純毛には適わないんだなぁ、下着は最後の生命線とも言うからなぁ、高いのを使おう、と再確認した次第でありました。

    赤崩山のコース図です

     さて、食事も終わり・・・いや、どーもアレです、千葉B氏を中心とする我が班は飯に時間を掛け過ぎると言うか、ワインなんか飲んでのんびりしてしまうからだ、とも言える訳ですが、どこへ行っても飯の途中で「出発ぁーっ」の声が掛かる訳であります。
    いや、とてもそんな雰囲気ではなかったんでありますが、おっさんのザックには先週から入れっ放しの缶ビールが6本入っていたんで、時間が許せば水代わりに一杯やってみっかな、なんて思っていた訳でありまして、早いなぁ・・・と、千葉B氏とブツブツ言うのでありました。

     そんな訳で、山頂で記念写真など撮り終えた後は、三々五々と言う感じで各人思い思いに下る訳であります。
    出発が最後尾なんですから、とうぜん駐車場到着もビリでありました。

     気張らない里山歩き・・・積雪期は特に楽しいもんでありますね。


     この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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