よたよたと、山登り


    No.51

       

    権現森

      「権現森散策」と「鍋焼きうどん」の関係についての考察 

     権現森は中々楽しく、味わい深いのであります。
     権現森は我が家から一番近い名のある山と申しましょうか・・・いや、森なんだよね。
    あれぇ・・・森に登った場合はなんと言えば良いのでありましょうか? 登森・・・か?
    まあ、呼び名は何であれ、歩いたのは山道でありますし、そこそこの坂道も登ったので登山であったと言う事で山のページに載せさせて頂きたいと思う訳であります。

     さて、権現森は家から近いので自転車で行くのが良かろうと思ったので、ダイエットを兼ねて登山口まで自転車で行きました。
    ザックにガスコンロと水ボトルとカメラを突っ込んで軽い気持ちで出発であります。
    我が家が高台なもんですから登山口まではほぼくだり一方な訳で、自転車で行くのも楽チンであります。

     
    我が家から望む後白髭山と坊主岳(三峰山)

     で、元々が高台でありますから眺めは良い訳で、団地のメイン道路は船形連峰の後白髭と坊主岳へ真っ直ぐ向かっているのであります。
    さらに、団地の外れまで出ると、面白山から大東岳、雁戸から屏風を経て不忘まで見える訳であります・・・まあ、アレです、栗駒以外の宮城の名だたる山はほとんど見えると言っても過言では無い訳ですが、それだけに風雪は中々のものでもありますが。

    団地の外れから望む蔵王連峰・・・雁戸

     そんな訳で、知らない間に国道に格上げされた457号線を激走して行ったのであります。
    で、登山口までの間のコンビニで昼飯を買い求めなくてはならないのでありますが、セブンにするか、ミニストにするかで迷うのであります。
    結局、ミニストップのお姉さんの方が愛想が良いのでそちらにした訳でありますが、それがちょっと誤算を生んだのでありました。
    コンロを背負って来たので鍋焼きうどんを買う予定であったのですが、私の定番、大久の鍋焼きうどんが見当たらない訳です。
    うーん、参ったな、と思っていると、冷蔵庫に、冷凍鍋焼きうどんの姿を認めた訳であります・・・うーむ、冷凍かぁ。
    しかし、無いものは無くて、あるのがコレと言う事になれば、ソレしか買えないのでありますから、そう言う事になる訳であります。

    登山口には立派な「見晴らしの森」と、石碑が立っております。

     さて、もはや春とも思える麗らかな日差しを浴びて暖かな里山の道を歩いて行くのでありますが、これが高い山とはひと味もふた味も違う気持ち良さがある訳です。
    登り始めは赤松の林でありまして、松の落ち葉の絨毯はブナなどとも違う踏み心地でして、子供の頃の里山遊びなどを思い出し、懐かしいものでありました。

    松葉の絨毯が敷き詰められた里山の道です。

    元々小さな山でありますから、ちょっと歩くと登り切ってしまう訳です。
    途中の松林ではコゲラらしき鳥のドラミングなどを聴きながら少し歩くと最初のピークでありました。

    とても大きな樅の木で、回りには若い樅の木が沢山ありました。

    立派な樅の木を見つけた先は登っていて、微かに踏み跡もあったので行ってみました。
    ああ、成る程ね、と言う事で、山の麓の向田団地の共同アンテナが建っていて、そこへ行く為の道でありました。

    ここが見晴らしの森だと思うんですが、錆びたベンチがあるだけでした。

    ふぅーん・・・何も見えない見晴らしの森かぁ、と言う事でさっさと退散であります。
    営林署が設置したと思われる鉄のベンチが二つ有ったのですが、一つは脚が錆びて折れていました。
    で、想像するには、ベンチを設置した頃には辺りの木も背が低くて見晴らしがあったのかと思う訳ですが、なんとも言えません。

    尾根筋で見かけた三角点のような石柱は正確に南北を示していました。

    どんなに小さな山でも尾根は尾根でして、登りはちゃんと登る訳であります。
    で、この山は測量の為には結構有用な山なのか、三等三角点が二カ所と、他になんだか分らないけれども、南北を正確に示す石柱なども見た訳です。

    あっ、と息をのむ程の迫力で蔵王連峰が一望出来ます・・・名取り岩沼方面からの眺めに負けません。

    で、やっぱり、ナンボ頑張っても山が小さいので息切れする間もなく目的の権現森のピークに到着してしまう訳であります。
    登り始めて1時間20分、12時丁度に権現森の東屋に到着であります。
    東屋から少し下った所に長いベンチがあって、そこからの蔵王連峰の眺めは、正真正銘の絶景であります。
    ここで昼飯でも良かったんでありますが、先行の二人が昼飯を取っている所だったのと、景色が良い分だけ風当たりも強いのでガスコンロでの鍋焼きうどんには不向きと思い、絶景は諦め風のない所へ戻る事にした訳であります。

    冷凍鍋焼きうどん、おにぎり、缶ビールの豪華な昼飯であります

    いや、私がナンボ頑張っても昼飯の出来はこんなもんであります。
    で、ガスコンロは部屋に転がっていた残りガスのカートリッジを突っ込んで来たのでしたが、これが寒冷地用では無かった為にガスの勢いが弱くてショボイ訳です。
    ウヒャァー・・・と、言う事で、ガスをシャカシャカと振って勢いを付ける事を繰り返すなどしてなんとか沸騰させた訳であります。
    で、冷凍鍋焼きうどんなんでありますが、偏見に満ちた目で見てゴメンね、と謝りたくなる程美味い物でありました。
    いや、水の一滴さえも不要というお手軽な物に多くを求める事は適わぬであろうな、なんて思っていたのでビックリであります。
    アレです・・・権現森散策と鍋焼きうどんの関係についての考察を述べようと思ったのでありますが、まあ、喰ったら美味かったという事実以外には大した事も無かった訳で、今後の課題として継続的に考察を続けたいと思う次第であります・・・意味不明ですか?
    松尾神社であります

     さて、ビールを飲みながら眼下の北環状線から吉成団地など眺め、鍋焼きうどんを食しての休憩を終え、序でだから登山道を行かずに薮を・・・いや、枯れ葉と枯れ木の中を行ってみたのでありますが、何となく変だなぁ、と感じる訳です。
    単なる勘なんでありますが、麓の「熊注意」の看板に反して動物の棲息する痕跡が何も見えない訳であります。
    まあ、里山ですからね、大型の動物は期待していないんでありますけど・・・おっさんが鈍いからかも。
    で、松尾神社の前の石塔には文政の文字が見えましたからそれなりに古い物だと思うのであります。
    しかし、ネットで松尾神社を検索してみても権現森では出て来ないのであります。
    で、宮町の東照宮のそばに伊達政宗ゆかりの松尾神社というのがあるのですが、これが仙台の松尾神社の始まりで、色々な所に分社されて祀られているのだろうと、その一つなんだろうな、なんて勝手に考えてみた次第であります。

    松尾神社の境内からは仙台港から出て行くフェリーも見えました。

     さて、「見晴らしの森」はひょっとするとここなのかな?と思う程に眺めが良い訳であります。
    しかし、国土地理院の地形図にもこの神社の記載は無く、たぶん違うんだろうな・・・しかし、由緒正しい神社の匂いがするんだがなぁ、由緒も縁も記されていないのは寂しいな、と思うんでありますが・・・。

     いざ、帰り道は下って来た分を登って行くんでありますが、おまけに奥羽山脈から吹き下ろしの風が吹く訳であります。
    山登りは大した事は無いんでありましたが、山間地での自転車はチョット考えが足りなかったなぁ、と、大汗でありました。

     しかし、標高僅かに320メートルの里山でありましたが、楽しさという点では満点でありました・・・しかも、お手軽ですし。


     この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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