よたよたと、山登り


    No.53

       

    泉ケ岳

      泉ケ岳をビッコを引きながら表コースから登れるか? 

     泉ケ岳ですからね、ナンボ頑張っても標高1200メートルに足りない山ですからね。
    ナンボ足を痛めているとは言え、何度も登って知っているコースだから、予定ではチョロいもんだ、で行くはずでありました。

     10時05分・・・表コース駐車場から、ズボ足で出発であります。
    昨年の経験から表コースではスノーシューは役に立たないどころか危険でさえ有る事を知っているので、武器はワカンを準備してみました。
    しかし、日曜日で出発時間がこれだけ遅いと、先行者が多く踏み跡は硬いので歩き始めはズボ足に限る、とおっさんは思うのでありまして、登山靴のまま行ってみるのであります。

     おっさん、登山靴で雪山を行くのは初めてでありまして、普段はビーンブーツタイプの防寒靴を履いて登っているのであります。
    この靴は完全防水で、氷点下32度まで大丈夫と言う能書きを垂れているブーツでありまして、冬用の登山靴を使わないのであればこれらのタイプの靴の方が一重の登山靴よりも耐寒性に優れると思って使っている訳です。
    で、本日は捻挫して痛めた足首をより固めたいと言う事から、防寒ブーツよりもより深く、紐で良く絞められる登山靴を使った訳であります。
    で、その感想なんでありますが、本日はお日柄が良く、気温が高かったので特に冷えるような事も無く、ゴアテックスのライニングを施した登山靴は水のしみ込みも無く、何の問題も無いのであります。
    が、しかし、起毛させた皮革であるヌバックは水を吸い込んでしまう事から、泊まり掛けでの山行で夜間に冷えて氷る事を考えると、そこは問題になるな、と言う気が致しました、と。

     さて、だいぶ塩梅の良くなった右足なんでありますが、はたして、本当にガシガシと山を歩けるのだろうかと言う不安は大いに残っている訳であります。
    特に、ワカンなどを履いて足の動きが限定されたり、滑り落ちて踏ん張りを入れた時にどうなるのか等は、心配でありました。
    で、胎内くぐり手前の急登に差し掛かった辺りでワカンを履いてみた訳でありますが、登りは大丈夫でありまして、急登も、まずまずなんとか登って行けたのでありました。

    登り始めには日差しも射したんですが、後はずーっとこんな感じでした

     登り始めてちょうど二時間、12時05分に山頂到着でありましたが、いつもより30分余計に掛かっておりました。
    結構な人数で賑わう山頂から少し外れに移動し、ランチタイムであります。
    本日も気合いを入れたランチを準備したつもりでありましたが、肝心要のビールが入っていなかった訳で、大ショックです。
    おっさんの山登りの最大の目的は、大自然に抱かれて酒を呑む、なのであります。

     
    本日は、クリームシチューとおにぎり、どら焼きにコーヒーを添えてみました

     まあ、おっさんの昼飯は基本がおにぎりなんで、後は取って付けたふざけた取り合わせでありまして、なんとも微妙なメニューなんでありますが、しかし、たぶん、どんなに気張った料理を用意しても、たった独りで食べたんでは、ドーしたってそれなりなのは否めないのであります・・・だから、まあ、こんなもんで良いでしょ、と。

     さて、飯も食い終わり下山に入ってからが大変でありました・・・山頂出発は12時45分でありました。
    ちょっと急な下りではアキレス腱が痛くなり、それを避けようと足をガニマタに開くと膝が痛くなる訳であります。
    うへぇー・・・参ったなぁ、と泣き言を行っても降りない事にはどうにもならない訳でして、足をあっち向きにしたり、こっち向きにしてみたりしつつ降りる訳です。
    厳しかったのはドウダン林から胎内くぐりの下までの急な下でありました。
    まともな時でもそれなりの難所な訳ですが、本日は本当に難儀しました・・・時に足首を捻って激痛であります。
    いやぁ、これではちょっと泊まりの重い荷物を背負っての山行は無理だわねぇ・・・まあ、テストで不合格という事ですね。

     
    赤ペンキで「下る」の文字が読めますか?

     で、ドーダン林から下って来ますと黄色いテープで立ち入り禁止を示している所へ出るのでありますが、そこに立つブナの木に「下る」と言う赤ペンキが目に入るんでありますが、下る,のしたに「な」が雪で隠れている訳です。
    まあ、これを見つけて下るという事は考えられないんでありますが、もしも、まかり間違って地図をちゃんと読める人が二万五千分の一の地形図を見たら下って行ってしまうかも知れない訳です。
    この辺りのルートは地形図に記載の道筋とは随分離れているのでありまして、「下るなの」下の方に地図が示す登山道はあるのです。

    現在の登山道と地形図の違い。赤丸の所にも進入禁止のテーブがあります。

     まあ、夏道は踏み跡がしっかりしているので間違い様は無い訳ですし、冬は尾根筋を狙いますからこれも自然に今のルートになると思う訳です。
    しかし、おっさんの見立てでは、上記のルートの赤丸を付けた所から尾根に入ったらもっと楽に登れやしないか、と思うんであります。
    で、んじゃぁ、なんでこのようなルートになっているのかと考えてみると、表コースの看板とも言える「胎内くぐり」を通るから,では無いのかと思うんであります。
    で、赤丸の所には親切に「進入禁止」のテープが貼られているんでありますが、おっさんの足が良くなったらここから登ってみようと思っているのであります・・・たぶん、楽だと思うけど、ダメか?。
    胎内くぐりの前後は決して理想的な道取りだとは、おっさんは思えないのであります・・・なんちゃって。

     さて、死に物狂いと言うのは大袈裟でありますが、かなり真剣に、慎重に足場を探しつつ下ってまいりまして、普段なら1時間ほどで下れるものを1時間20分掛けて降りたのであります・・・が、しかし、まず無事で良かったです。

     この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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